〜side 語り部〜
江東会戦で惨敗した周瑜は狂乱後に茫然自失となりそのまま、孫策一族の避難場所である南方は越の地、会稽郡まで撤退していた。
元々異民族が住み反抗的な越の統治は戦乱以前より難航を極め、旨味の無い土地である。
ここまで来れば追撃は緩むものの孫家の再興も困難を極める。
それでも孫策さえ生きていればと選んだ避難先であったのである。
「それで如何するのだ? 策も死んだ今となっては、偽帝に尽くす道理も無く抵抗に意味も無かろう・・・」
「伯符を殺した者達にこうべを垂れよと申されるか!?」
周瑜は許せなかった、想い人を殺した劉備軍も力及ばなかった自分自身もそして想い人亡き後に当主面して降伏論を語るこの男、孫静幼台が!
確かに孫策の弟達はまだ幼く、孫策の妻、大喬の腹の子は男か女かすら分からない。
しかし、残った者達のためなどと言い想い人の願いすら打ち捨てようとする行いを許す事は出来なかったのだ。
そうして悶々とした日々を暫し過ごしたのちに大喬が若子を産んだ。
周瑜も孫静もことのほか喜び久しぶりの吉報と祝いの宴が開かれたのである。
その夜のことである・・・周瑜が妻の小喬から姉を助けて欲しいと頼まれたのは。
小喬曰く、孫静は産まれたばかりの若子を人質に差し出して自分達、孫一族の安泰を劉備へ願い出ると言う。
産まれたばかりの若子が徐州への長旅に耐えれる保証も無いと大喬が思い直すように願うと次期党首は成人が近い孫策の弟、孫権こそが相応しく、いっそ若子は早逝させるべきと言うしまつ。
孫静との意見の相違、想い人が唯一残した若子への期待そんな想いが混ぜこぜとなっていた中・・・致命の一言が発せられた。
「若子の父は伯符様ただお一人、公瑾様はどうか姉同様に若子へ母の如きお気持ちで接していただけませんか?」
これが隠れガチホモにクリティカル!父:孫策、母:周瑜、二人の子供(おい待てよ)を想像してしまい、カワイイ息子タンを奪おうとする孫静に息子タンの得るべき立場を奪おうとする孫権に決定的な殺意を持ってしまったのである。
「当然だとも!カワイイ若子の命を危険に晒す訳にはいかぬ!孫静!孫権!は生かして置けぬぞ。」
そんな叫びと共に部屋を出て行った夫を小喬は冷たい目で見ると我が策なれりと愛しの蝶へ褒めて貰おうと急ぐのだった。
因みに周瑜が手配した孫静孫権の暗殺はパピヨンのリークで大失敗w
越の地にて周瑜派と孫一族による血で血を洗う内戦勃発である。
〜fin〜
18禁BL表現抜いたら短くなった
公瑾お母さまと小喬の冷たい目線の描写はもうワンシーンあるけど蛇足かなぁ