伏字ヨシ!(たぶん)
〜side 語り部〜
198年 宿ヌシ殿がプチプチっと益州の立て直しに精を出していたように各地でも変化は当然起こっていたのである。
北の大地では少しでも袁紹との差を埋めるためか、万が一の逃亡先の確保か?
公孫瓚が北方遠征を行ない。
西の涼州では群雄割拠の有様から馬騰の勢力が頭一つ抜け出して来たようである。 この頃では羌族より更に奥のモンゴル高原から援軍を得ていたと噂が流れている。
そんな中で越の地では、近代まで語り継がれる祟り神、周瑜が絶賛活躍中である。
炎に崩れ落ちる陸家の館を前に悦に浸りながら周瑜は優しく語りかけていた。
「安心なさいね。 若子に逆らった陸家は母が滅ぼしましたよ。 この度は戦場に連れて来てしまいごめんなさいね。 目を離すと若子を害しようとする慮外者が直ぐに湧いて来るのですから・・・これからは母と常に一緒ですよ。」
幼児を戦場に連れて来るなどけしからん!・・・ならまだ救いがあったかも知れないのである。
周瑜が語りかけているのは焦げ跡の目立つ人形である。
周りの側近達も顔を逸らしている様子でちょっと・・・こう・・・気狂い乙!であるな。
側近の介護士さん達は大変かも知れないのである。
なんじゃコレ? と言うわけでパピヨンの報告書をパラパラと振り返って見よう。
孫家が若子を残して滅び、実母の大喬すら産後の静養を理由に引き剥がすと周瑜が手ずから若子の世話焼きを行なっていた。 再来月には若子が満1歳を迎える辺りでやべぇ記述が見つかった・・・宿ヌシ殿の記憶領域から隔離しとこ!って内容である。
劉備軍には宿ヌシ殿が広めた・・・正確には吾輩にプリインストールされていたネオ・ジャパン家庭の医学が知識として存在する。
家臣領民はこの知識を基に健康で文化的な生活が出来るように頑張っているのであるな、裏を返すとこの知識は領外には正解に伝わっていない・・・それどころか劉備軍には知識を絶賛逆活用する正軍師様が居たりする。
正に『ヒトの心ないんか!?』の本領発揮である。
宿ヌシ殿に知れたら郭奉孝のカックイイ生首が爆誕しそうなので吾輩と視聴者諸君の秘密である(共犯ヨロ!)
さてさて何があったかと問われれば、若子はこの時に軽い発熱と食欲不振に陥っていた。
離乳期も過ぎて食べ易い食品へと変えていた最中であるから周瑜が手ずから食べさせていたのである。
『子育てなんか初めてで大切な若子が病気っぽい』・・・そこで「薬師を!祈祷師を呼べ!」と騒ぐ様はやっぱり古代人w
そこへ妻の小喬がアドバイスしたのである。
「蜂蜜などを召し上がっていただくのは如何でしょうか? 食べ易く滋養もございますよ。」
「それは良い!高価ではあるが、若子の健康には変えられん! さっそく試すとしよう。」
甘い蜂蜜を分かっているのかいないのか毎日たっぷり与え始める。
赤ん坊に蜂蜜である・・・毎日たっぷりである・・・周瑜は真心から、仕掛けた側は分かっていてやっている。
この時の小喬の目の冷たさがグー!とかマジ要らんことまで書いてあるんだこの報告書・・・パピヨンも染まっているのである。
見事に若子は乳児ボツリヌス症を発症し重篤な食中毒!吐き気、嘔吐、呼吸困難と経て天へ召された・・・晴れて孫家は周瑜の手で血統すらも絶滅したのである。
よるべを失い悲しみに暮れる周瑜に思いのたけをぶち撒けて小喬がトドメを刺す様までしっかり書かれた脚本もとい報告書はマジ隔離案件で劉玄徳のインポテンツの原因であった。
「若子よ!若子よ!目を開けておくれ。 この母をどうかひとりにしないでおくれ。」
若子が天に召された日、遺体に縋り夜を徹して泣き通す周瑜の姿があったと言う。
「まぁお可哀想な公瑾様、その様に嘆き傷ましい御姿を晒して・・・ウフフ」
「小喬・・・若子が目を開けぬ、早く薬師を呼び戻せ。」
「あらあら、無理を言ってはいけませんわ公瑾様、薬師は先程若子様が亡くなられたと告げたばかりではございませんか?」
「ならば祈祷をせよ!若子の魂が天に昇り切る前に呼び戻せ」
「まぁ!公瑾様は、そのように奇跡を起こせる祈祷師に伝手がございますの!?」
「無くてもやるのだ、若子を・・・若子まで・・・居なくなるなど耐えられぬ。」
「くすくす、ほんとぅに公瑾様ってばご自分の事ばかりですのねぇ。 物心が付く前に天へ召された若子様はとても幸運ですわね。」
「何を言う小喬! 若子が天に召されて幸せだと!」
「はい公瑾様。 私ならば名すら呼んで貰えぬ母に縛られるなど苦痛でなりませんわ。」
「なっ!・・・ち、ちがうぞ小喬、私は親しみを込めて若子と呼んでいただけでいずれちゃんと名を・・・名、・・・若子の名?・・・若子の名はなんだ・・・」
「くすくす、誰が若子に名を付けるのですか? 若子が産まれた事も知らずに死んだ伯符様ですか? 産まれた若子を見る事も無く引き離された姉上ですか? 一族の長老だった孫静様かしら? ねぇ公瑾様? 誰か若子に名を付けたのでしょうか?」
「な、・・・なんだと!誰も名すら付けていないと言うのか!?・・・そんな馬鹿な!何故そのような事に!」
「ウフフ・・・もちろん公瑾様がいけないのですわ、若子からヒトとして必要なあらゆるモノを奪い自分の無聊を慰める人形として扱ってきたではありませんか? 母も肉親も名も奪われて命さえも奪われた若子は物心付く前に天に召されて幸せでございましょう。」
「ち、・・・ちがう!私はそんなつもりでは無い、無かった!」
「そうでしょうそうでしょう。貴方おふたりは、他人の事などどうでも良いのですから、見栄のために私たち姉妹を娶った事も・・・若く美しい華として慰みものにすらせずに、閨でハリガタを持たされ只々自慰の手伝いをさせられていた私の気持ちも・・・尻○を突かれて喘ぎ伯符様の名を連呼する貴方への殺意も・・・どうでもよろしかったのでしょう。」
「小喬、そなたそんな事を・・・」
「貴方は知らないでしょうけど、孫策も孫策で大概でした。 姉を組み伏せ背後から突きながら呼ぶのは貴方の名だったそうですわ。 悔しい悔しいと姉と共に泣く私達と違って相思相愛でしたのねぇ。 それなら巻き込まないでいただきたかったですわ。 国で1番の美人姉妹を暴力で奪っておいて女としてどころか美しくしさにすら興味も無い! 本当に虫唾が走る。 知っていましたか公瑾様? 赤子に蜂蜜を与えると食あたりで死ぬほど苦しむそうですわ、よかったですわね大切な若子を手ずから毒殺出来て!あはははーーー」
この後は炎に包まれた館から袈裟斬りにされた小喬の遺体が見つかる。
こうしてエア若子が見え冴えた軍略で虐殺に勤しむ祟り神、周瑜公瑾が完成した。
祟り神はいずれ江東を手中にせんと暗躍し、後に名将もとい復讐鬼陸伯言に討たれるまで長く長く越の地で猛威を奮ったそうである。
〜fin〜
二話に分割したかったが出来んかった
周瑜公瑾 統率97(+2) 武力71 知力96(+3) 政治86(−50) 魅力94(−50) 生年175
精神異常なので魅力が大幅ダウン、治世の概念もほぼ無くなっている
そして神懸かり的な高ステで地に混乱を振り撒いていく・・・コレを倒すのは大変だよ