〜side 語り部〜
さてさてここは劉備軍の本拠地寿春、数年前は偽帝袁術の本拠地であった交通の要所。
さすがは帝を名乗っただけあり、街の規模も宮殿もデッカク下品な成金趣味満載であった。
現在は程よく豪華な品の良い街となって、繁栄が約束された劉備軍の中心地なのである。
そんな寿春の総本営に北は平原に南は新野まで、戦場の動向が早馬駅伝、手旗に狼煙に伝書鳩、ついでにヘリオグラフ(鏡モールス)と、かなーり時代考証を無視した通信手段を駆使してアホみたいな速度で情報が集まっていた。
これに加えてパピヨン率いる「闇に潜む蝶」達が集めた膨大な敵軍の詳細からかなり正確に袁紹軍の行動予測が立てられている。
「敵の本命はココ寿春と考えるのが妥当、短期決戦を望んでいる以上は総大将である玄徳様を狙いに来るにそういない。」
「しかし、平原に押し寄せた敵は30万と聞く、戦線全体を見通さば少々過大では無いか?」
「袁紹軍は全ての意思統一が出来ていると言いがたい奴らだ。我らが10余年育て上げた平原はさぞかし美味そうに見えて居るだろう、更に河北唯一の我が軍の拠点成れば水軍による撹乱に糧道の切断、やれる事が多すぎて敵に取って邪魔でしか無いな。」
豊富な情報に勝手知ったる自らの庭先が戦場になった事で参謀団はワックワクで戦略を練る。
そして決戦に向け寿春総本営は、揚州後方江東の管理を魯子敬に預けると余剰戦力の全てを前線に移動させるのである。
大徳劉玄徳を旗印に・・・
武神関雲長に率いられた精鋭が・・・
郭奉孝の知恵に導かれ・・・
新進気鋭の指し手、司馬仲達の策で暴れようとしていた。
そんな寿春で毎度の如く困ったちゃんは駄々を捏ねまくっているのであ〜る。
「いくぞ!絶対だぞ!下手すれば最終決戦だぞーーー
!参加しないとか、ぜーーーったいに嫌だ!」
『安全なとこに居ろよボケ!』帝を帝だと知っている劉備軍幹部の心はいつもひとつ!
「毎度毎度、わがままが過ぎますぞ! 私ですら本来で有れば安全の為に雲長に全権を託して後方に居るべきなのです! 国を背負う者として物見遊山で行くなどはあっては成りません!」
「それでも行くーーー!」
「ちったぁ話し聞けよ!クソガキがぁーーー!」
しっかりと本音も声に出しながら諭すと言うか大喧嘩を始める大徳と陛下の距離は最近更に縮まったと評判である。
ちょいと前に大徳が一人娘の阿斗ちゃんから『パパ嫌〜い、伯和兄と遊ぶもん!』と言われちゃった事はきっと関係がないのである。
〜fin〜