〜side 語り部〜
袁紹は500騎ほどの親衛隊を伴い、陳留への道をひた走る。
『ここは俺様の庭も同然!安心安全だぜ!』な〜んて事は無い、何せ陳留を出発した大本営の主力30万は司馬仲達のMOBに振り回されて散り散りバラバラになって居たのだ。 だからいつ敵の浸透戦力が湧いて出てくるか判らないビックリ箱なのであるw お陰で親衛隊長の麹義も生きた心地がせずカリカリイライラと部下にあたり散らすのであった。
「さて麹義よ、陳留は無事かな?」
「劉備の兵は少数による神出鬼没を得意としています。 補給線を切る程度ならともかく、攻城兵器を持ち込む余力は持たないかと。」
「だと良いのだがな・・・」
「御当主様、陳留が見えましたぞ!城に靡くは袁の旗、戦の後も見えず無事でございます。」
緊張を解き篝火の焚かれた街に安堵すると大声で城門へ叫ぶ。
「御当主様のご帰還である!疾く門を開けよ!」
盗賊や劉備軍が跳梁跋扈する夜間に少数による突然の帰還である、陳留の兵は大慌てでバタバタとうるさかった。
そうしてやっと開いた門で出迎えるは血の滲む包帯まみれの男が1人
「本初では無いか、どうしたのだ? こんな夜更けに先触れも寄越さぬとは随分焦っている様だが。」
「仲簡、貴様無事であったのか?」
「この姿だがなぁ・・・まぁ四肢があってなんとか立てるだけだがね。」
「う、うむ・・・しかし他の者はどうしたのだ? 病床に在るべきような貴様1人で出迎えとは。」
袁紹達はそう問いかけながら、今にも倒れそうな淳于仲簡に駆け寄る。
「イヤイヤ済まないねぇ、ひとりなのは俺が頼んだからさ、身の置き所も無い様を衆人に見せたくはねぇし」
「う、うむ。ワシも立場があるからのぉ、失敗した貴様を無罪放免とはいかん。」
「それに・・・道連れは少ない方がいいさ。」
「? なんと・・・」
「御当主様!!!」
麹義の叫びも虚しく、城壁の上より無数の矢が2人目掛けて降り注ぐ。
もともと重症であった淳于瓊は無論の事、無数の矢を受けた袁紹も立ち上がれず地に伏せた。
「何奴ーーーー!」
城壁を見上げて叫ぶ麹義に応える様にその全身タイツは高らかに名乗り上げる。
「誰と問われば答えよう!キュッとしまったピップに乙女が包まれたくなるスラッと長き腕!美しきかんばせを覆うはイカしたマスク!世の華たちを渡る蝶!怪人パピヨン!ここに推参! さぁ高らかに讃えよ!パピ!ヨン!と、ッとぅ!」
名乗りと共に城壁を蹴ったパピヨンは涯角槍に己の体重を乗せ麹義目掛けてまっさかさま!、反応が遅れた親衛隊長は叫ぶために開けた上のお口から下の汚穴まで、串の如くである。
パピヨンを反面教師にしっかり迅速にラペリングで降りて来たMOB 50個小隊が生き残りの親衛隊を駆逐して行く。
そんな中でパピヨンは青紅剣を携えてターゲットへ止めを刺しに歩みよった。
「何故だ・・・仲簡よ、ワシは何処で間違えた・・・」
袁紹は消えそうな意識の中で死した昔馴染みに問いかけるも答えは得られない。
ただ夜の蝶の刃が無慈悲に翻ったのである。
〜fin〜
先読みきれずに司馬仲達の統制を外れてしまったMOBはパピヨンに有効活用されていましたとさw