更新ペースが落ちます
後数話なのに・・・
〜元アクアマリン〜
半端な情報からより謎が増した中で、和尚と共に足を進めて行くと大きな川に出くわす。
合渡川 (ごうとがわ)と言うらしい大きな川沿いを進むと多数の子供が集まってワイワイガヤガヤキーキーとエキサイトしていた。
石切りでも競ってるのかな?と思ったが川の両岸に陣取ってますね・・・うーんなんだろう?
「石合戦ですな。 三法師様はどちらが勝つとお思いですかな?」
石合戦? ちょーっと不穏な響きなんですけど。
「和尚、石合戦とは何か?」
「石合戦とは、印地の訓練を兼ねた子供らの遊びでございます。逃げた方が負け。勝った側が水利や河原の産物を得られますゆえ、子供の遊びとはいえ侮れませぬ。」
ほほぅ、まぁ公園の占有権を賭けてガキ大将グループが抗争とか近代でもあるあるですからねぇ。
・・・じゃねぇわ!?
止めろよ為政者!拳大の石を川向からとか当りどころ良くても大怪我じゃ!下手すれば死ぬぞ!
参加者の体格だって中学生ぐらいから幼稚園児まで幅広いじゃねぇかーーーー!
「ぎゃぁ!・・・きゅーーーーばたん」
そんな中ででっかい石が見事に正面から幼児へクリーンヒット。
その倒れ方がヤバい!俺は反射的に駆け出していた。
「あぁーーー! 三法師様お待ちをーーー!」
後ろも何か騒がしくなったが聴こえない気にしない!
倒れた子供を放置して石を投げ続けるバカどもをかき分け、幼児の状態を確認する。
外傷は側頭部、頭皮を傷つけたから出血はそれなり、軽く触診したが骨折までは至ったいない。
戦国の技術的に割れたら助からんからな。
瞳孔も確認したが嫌な痙攣などは無しっと……よし、致命傷ではない。
後はゆっくり経過を見なければいけないなと思ったところで、周囲が急に静まり返った。
飛んでくる石も止んでいる。
「気が済みましたかな? 三法師様(怒」
振り返ると、激おこぷんぷん丸で刀の血糊を脱ぐっている和尚と眼が合う・・・
どうやら石合戦を強制終了させたらしい。
「和尚! 茶を持っていたな。手当てに使う、寄越せ!」
清潔な水と布での治療は大事よー、 破傷風とか勘弁な!
「なっ!・・・・」
和尚も護衛も、俺が怒鳴り返したことに絶句している。
だが俺は構わず続けた。
「状況が判っておられぬのですか!!!」
「状況が判らぬのはそっちだ! 領民、それも子供が死ぬかもしれん遊びを放置しておいて、何が“気が済みましたかな”だ!」
和尚の眉が跳ね上がる。
「三法師様! ここは岐阜中将様の御領地。勝手をなされてはいけません。」
「分かった!父上に奏上し、改めさせる!!」
誰彼構わず噛みつくようにでも見えたのか?和尚が困った表情で諭そうとするが
「岐阜中将様の職分は大局を見ることですので、下々の些事に口を挟むは――」
「父上の職分は大局を見ることか・・・ならば民の生活と安全は、より民に近いお前たち家臣の職分ではないのか!」
和尚め、言葉に詰まったな。
「領民の安全管理も仲裁も、お前たちの怠慢だ! それを棚に上げて、俺に説教とは筋違いも甚だしい!」
護衛たちがざわつく。
和尚は怒りで顔を真っ赤にしながらも、反論の言葉が出てこない。
その時だった。
「はっはっはっは!」
護衛のひとり――ひときわ大柄な男が、腹を抱えて笑い出した。
「和尚、これは我らの負けですな! 若はすでに己の信念をお持ちだ。幼きながら、領主としての眼を備えておられる!」
和尚は悔しそうに唇を噛みしめたが、やがて深く頭を下げた。
「……若君の御才、幼きながら恐るべきほど。某が浅才では、とても御導き叶いませぬ。」
和尚がそんなギブアップ宣言している中。
俺は今日の目的も忘れて幼児の手当てを続けるのだった。
「さて・・・それはそれとして、無茶をした子供にはご母堂からの鉄拳制裁をお願いしておきましょうぞ」
ちょっと待て、それは卑怯だ!!
~fin~