〜side カラス〜
ボクは飛ぶ、幼女からの使命を胸に
「マテ!コラーーー」
ボクは飛ぶ、日が暮れたばかりの街灯も無い真暗で深い緑の山々を
「止まれ!クソガラスーー」
ボクは飛ぶ、そのクチバシにルームキーを咥えて
「焼き鳥にすっぞ!オラーーー」
ボクは飛ぶ、後ろから迫る恐怖に耐えながら・・・やっと祠だー(涙)
「やっと追い詰めたぞ♪裏の洞穴に逃げても無駄ムダ」
「ルビーちゃん!もう止めよう。 ホテルの人に謝ろう。」
ボクは飛ぶ、諦めさせないためにひと声「アホーーー」とさえずりながらフンを添えて
「ぶっ殺す(怒)」
ボクは飛ぶ、暗い暗い運命が待ち受ける洞穴の奥へ
「止まれーーーー」
ボクは飛ぶ、先も見えぬわずか数メール先の行き止まりへ
「ルビーちゃん待って!何かおかしいよココ」
ボクは飛ぶ長い長いなが〜い、洞穴の中を
「ヒイヒイ・・・どんだけ深いのよ」
ボクは飛ぶ、様々な不安を振りはらって・・・迷子じゃ無いはず・・・
「根性ーー!とことんまで追いかけてやるーー」
ボクは飛ぶ、前方に見えたかすかな光に向けて
「もう帰りたい・・・」
ボクは飛び込む、洞穴の終わりを示す強い希望の光へ向けて・・・そして咥えていたルームキーを落とし飛ぶのも忘れて叫んだ
「バカナーーー」
「よっしゃーーー!捕まえたーーー」
〜side end〜
〜side あかねちゃん〜
「バカナーーー」
カラスがありえない鳴き声を上げる中
「遂に捕まえたぞ♪バカガラス!」
ルビーちゃんは勝ち誇りながらルームキーを奪い返してご満悦
近くを通りかかった通行人に
「ルビーちゃんだ!頑張って下さい!応援してます。」
「え!ホント!照れるな〜♪ありがとうございます♪」
などと愛想良くファンサを始めてる
その横では解放されたカラスが途方にくれてた
「バカナー・・・」
再びありえないセリフを吐きながら私と目が合う
「ばかなー・・・」
釣られて私もため息混じりに吐き出しながら後ろを振り返った。
ココは清々しい朝日が照らす河口沿いの歩道
視線の先には洞窟どころか山すら無い!
長く続く歩道には犬の散歩に、早朝トレーニングのランナーがいっぱい居て髪をポニーテールにしたトレーニングウェアのルビーちゃんも混じってる。
「おはようございます♪」
「あ・・・おはようございます・・・」
明るく挨拶されて通り過ぎようとしたポニルビちゃんの腕を私はガシッと無理矢理掴んだ
「ルッ・・・ル、ルビーちゃん!なっ何で!なにが、どうして」
「にょ〜!危ねぇ!信者の娘かな? お触り厳禁だよ!?」
「だって!だって!!だって!!!?」
転びかけたポニルビちゃんのクレームをまるっと無視して
私は混乱したまま、手をブンブン振って連れのルビーちゃんを指しながらうったえた
「うーん?・・・はいはいはい!この辺りじゃ星野ルビーなんか1人見つければ101人は居るものだよ♪慌てない慌てない」
居たらダメです・・・コスプレとかリスペクトとかじゃないマジ瓜二つだよ、ドッペルゲンガー?
「サインまでしちゃった♪あかねちゃん、帰ろっか!・・・あれ?誰?あたし?」
連れのルビーちゃんがファンサを終えて帰る気になったみたい。
でもね・・・もっと色々おかしい事に気付こうよ
「ふーん連れのルビーもこっちに来たばかりかぁ・・・ヨシ!お腹も程よく減ったし、家においで一緒に朝食にしよっか!」
そう言われて、私とルビーちゃんはポニルビちゃんに手を引かれてタワマンの森へと導かれて行く
そんな中でカラスはただ一羽放心を続けていた・・・さよならバカナー
「バカナー・・・・・」
見上げると首が痛くなるような高さのタワマンが濫立するさまは圧巻で地上には通勤通学に多くの人が行き交う
「細かいことは家に着いてから話すね〜」
ポニルビちゃんは私達に起こった事を知っているのだろうか?
こちらの質問を軽くかわしながら、辺りで1番高いタワマンを目指していた。
そんな中で、鳥よりも速く、ヒコーキより速く、でも人並みに小さな何かが突風を共なって通り過ぎて行った。
それが何なのかと目で追おうとした時、大きな翼を広げたでも鳥じゃ無い何かが衝撃波を撒き散らしながら通り過ぎた。
「マテ♪マテ〜〜」ってルビーちゃんの楽しげな声が遠くに聴こえた気がするけど
気にする暇は無かった。
だって衝撃波で割れたタワマンのガラスが降り注いで辺りはパニックになってたんだ。
人の身の丈を超える巨大なガラスに切断されてゆっくりと落ちていくポニルビちゃんの首はまさにパニック映画のワンシーンだった・・・
次に頭上から降り注いだ強い光で視界が真っ白になると、動画の逆再生のようにポニルビちゃんの首もガラスも周囲の被害も元に戻って行ったので、更に混乱したよ・・・なんなのコレ?
「逝った〜 初めて死んだよ!帰ったらママに言いつけてやる(怒)」
ポニルビちゃん・・・言ってることが色々おかしいよ?・・・向かいにいるルビーちゃんもびっくりしてポッカーンと間抜け顔を晒しちゃってるよ・・・
そんなトラブルを平然と受け流し、警察も消防も自衛隊も姿を見せず、あっさりと平穏を取り戻した街中を進んで目的地のタワマンに辿り着いた。
セキュリティってなぁに?って感じの顔パスでエントランスを抜けて専用エレベーターで登ったのは最上階エリア
扉の開いたその先は広い吹き抜けのラウンジっぽい、けど雑多な散らかり具合がプライベート感をかもし出している。
「たっだいま〜」
「おっか〜」
「おかえり」
「あいあい」
「おか&おは〜」
「おかえりなさい」
ポニルビちゃんの挨拶にラウンジのアチコチからルビーちゃんやアクアくん、アイさんの返事がバラエティ豊かな年齢層の声で返って来た・・・ナニこのカオス(コンフェ)ってアイさん!!
「ママーー!」
連れのルビーちゃんが叫びながらハタチぐらいのアイさんへ突撃していく
「あれあれ?ルビーったらいくつになっても甘えん坊だねぇ♪」
そんなルビーちゃんをアイさんは優しく抱き締めると微笑みながら頭を撫でてあやしていく
周りには、自分の痴態を見てげんなりしているルビーちゃんと羨ましくなって近くのアイさんへ甘えに行くルビーちゃんが半々ぐらい(汗
そんなカオスの中でポニルビちゃんが油性マジックを持って来た
「はい、目印を付けとか無いと誰が連れか分からなくなるよ」
ありがたい、確かに服が変わったりしたらヤバイ
私は感極まって意味のわからない胸のうちを吐き出し続ける連れのルビーちゃんのアゴを手に取りクイっと顔を上げさせるとカキカキした・・・額に「肉」って コレでヨシ!
他のルビーちゃんやアイさんが若干引いてたけど気にしない、八つ当たりじゃないよ
ひとしきり肉ルビちゃんが泣き止んで落ち着い頃に、またアイさんの声が聞こえて来た
「みんな〜、ごはんだよー、集合ー」
カンカンカンとおタマでフライパンを叩くような音まで聞こえてくる
手を引かれる肉ルビちゃんとともに入ったソコは大きな食堂で和洋中と取り揃えられた好きな食事を選ぶバイキング形式の朝食だった。
ポニルビちゃんにアイさん、向かいは左右にアイさんをはべらした欲張りセットな肉ルビちゃんと席に着くと
「たっだいまー」と言う声と衝撃波とぶち破れるガラスを共なって白い大きな翼を生やしたルビーちゃんが帰って来た・・・高層ビルの窓から・・・
強い光と共に再び逆再生が始まる中で、周りの悟った顔からコレがいつもの日常なのかと呆れながら観察する
中央でイタダキマスの音頭を取ってた金髪中年男性が、アクアくんとルビーちゃんの父親っぽい
不思議なのはアイさんもアクアくんもルビーちゃんも幼女から大人まで数え切れないぐらい居るのに父親らしい人は1人だけ
そんな父親に小言を言われても馬耳東風な天使なルビーちゃんは父親正面のアイさんの横へ座る
そんな席にはシュッパンッと何も無い空間から突然現れたアクアくんも座り食事を始めていた・・・
たぶん、あの非常識が私達がココに居る元凶なんじゃ無いかな(汗
視線を自分の席の正面に戻すと幼児対抗してる肉ルビちゃんが左右のアイさんにお世話されて幸せそうだった・・・話を聞く気も無さそう
食事もひと段落したので、ポニルビちゃんに改めて視線を向ける・・・肉ルビちゃんは放っておこう
「約束だしねー、色々聞きたいって顔に書いてあるし、いいよなんでも聞いて」
そして教えて貰った
機動大陸ネオ・ジャパン 多発する異世界人に未来人との遭遇 とんでもルビーに超人アクア ・・・知りたい内容と微妙にズレてるのに気になる・・・そのクセに情報量が多過ぎる(涙)
「ちょっと待ってね 整理する時間が欲しいよ(泣」
「時間はいっぱいあるからゆっくり消化してね。 具体的には10年ぐらいかけて良いと思うよ」
元の世界が心配だからもっと速く戻りたいよ・・・対面の肉ルビちゃんを説得するのに時間がかかりそうだけど(ため息
それから肉ルビちゃんの説得と私達の世界の特定で1年の歳月を費やし、同じ時間同じ場所同じ年齢で戻る算段がついた。
世界を特定する時に「TV版23話じゃね?」とか「原作時空かも知れないぞ」って天使と超人が話していたけど理解できない事に思考を割くより、今しか出来ない事を学習したい・・・若返りを何とかモノにするんだ!
そして今日は運命のあの日にやっと帰れる。
ちょっと3年も居座ってしまったけど、お土産含めて後悔は無いと思う。
絆創膏とか携帯ゲッター線照射装置とかのetcでリュックと両手の紙袋はとても重いけど
もう戻れない事を承知して天使の作った時空の切れ目を私達は潜った。
「ヨシ!やっと洞穴の行き止まり、帰ってこれたね」
「うん!そうだね、コレで元通り」
「センセのご遺体もちゃんとあるね〜 お世話になったし拝んでおこう。 成仏・・・はしてないか(> <」
こうして3人戻って・・・3人?
この場には、16〜17歳の美少女
私、金髪の肉ルビちゃん(まだ書いてある)、紫がかった黒髪のAIさん・・・コラ待て
「なんでー!???」
心からの叫びが洞穴にこだまする
「お持ち帰りなの!」
ドヤ顔で悪気も無く肉ルビちゃんがのたまう
「いや〜、向こうだとメグ以外は埋もれちゃって、新天地でやってみようかなって(テヘペロ」
AIさんもこの後のゴタゴタとか気にして無さそう(汗
その夜は元アクアくんの遺体発見で警察へ説明してAIさんのことをうやむやにしつつ、追加料金を払って宿の部屋に3人で寝た。
翌朝合流したアクアくんやミヤコさんの凄まじい顔を見ながらMV撮影の続きをしてる
さも当然って顔で同席してるAIさんのクソ度胸は見習うべきなんだろうか・・・
そんな中でPOP IN 2の撮影中に言い放ちやがった
「うんうん分かった! ちょっと私も撮ってよ♪」
金を握ってるミヤコさんを眼力で抑え、ルビーちゃんの激推しで許可されたワンパートの出来はレベルが違った。
見ちゃ失礼だけどAIさんはエロイ服装も動作もしてないのに同席した男性陣のそそり立つテントが非常に目立つ(汗
結局は宮崎滞在を1日延ばしてAIさん共々、東京へ戻った。
公開されたMVは良い出来でカナちゃんの笑顔が印象的だったけど、ルビーちゃんの振り切れた魅力で大反響
再生数も凄まじく人気急上昇となったが・・・
円盤特典が業界を震撼させてしまったのだ(もうどうにでもなれ)
特典は新生B小町以外のアイドルによるソロ映像である
始まりはどこか懐かしいB小町のステージ衣装、ウサギの髪留めを紫がかったロングヘアに着けたアイドルがカナちゃんパートのアレンジで歌い出す。
この時点で一般視聴者は現代の合成技術すげ〜と感嘆し、専門家はありえねぇ!と映像のアラを探す。
曲の中盤に入る前に映像が切り替わり、ダンスの振り付けはシンクロしたまま衣装と場面が転換する
歌はルビーパートのアレンジとなり衣装は新生B小町3人のごちゃ混ぜ風・・・だけど綺麗にまとまって時代の変化に追いついてる印象を与える。
歌もダンスも素晴らしく巡るめく変わる視点で飽きさせない。
曲が終盤に入ると更に場面転換、MEMちょパートの大幅アレンジが始まる
衣装はボーイッシュかつワイルドな印象を与えるように片足が生足丸出しのジーンズへ、もう一方の足にはちょっとやさぐれた謎なウサギの大きなアップリケ、上はヘソ出しタンクトップと肩が出るようにラフに羽織った薄いジャケット
髪はアップに纏めたポニーテール風となり、小物として両手の指に挟んだ12本の赤いサイリウムでお手玉を始める
合成動画なのか?ワイヤーで繋いでいるのか?時折あさっての方向に投げたサイリウムがアイドルに引き寄せられる様に舞う
最後は両手に6本づつのサイリウムを綺麗に受け止めて曲と映像が終わる
曲は新作、歌も映像もどう見ても全部新作カットなんです・・・死んだはずの伝説のアイドルの・・・
円盤?売れたよ・・・ミリオンは当たり前で何度も重版されるぐらい(汗
それとアクアくんもミヤコさんもAIさんに聞きたい事を聞けないまま同居してるよ・・・ヘタレだね
〜fin〜
久々に書くと自分のスタイルを忘れてる
統一感が無くて済まない