〜side 語り部〜
宿ヌシ殿の訓練が始まり二日目には、素晴らしい逃走術を磨きつつある劉玄徳と頑なに参加を拒む関雲長を訓練に引き摺り出す日課が朝のルーティーンに加わっていた。
「さぁ!頑張れ自分!自由への道はあと一歩だ!」
「ワシには今更、基礎鍛錬など不要なんじゃー!」
「つべこべ言わずに、全員参加だよー!」
七日目の本日は行進も見られるレベルとなり、ランニング後には他の訓練も入れられる様になってきたため、初等教育終了として州都へ向けて出発する事となった。
その軍列には集積地を分解し、宿ヌシ殿がせっせと組み上げた荷車が数珠繋ぎに並んでいた。
当初は運びきれないと諦めていた物資が宿ヌシ殿の働きで余す事なく運べている。
「コレは壮観な眺めだな。揃いの軍装に大量の荷車とはわれわれも一端の軍勢らしくなったものだ。」
「誠ですなぁ。これなら黄巾共も恐れ慄いて逃げ出すやも知れませぬ。」
「ふっふーん!それもコレもMEMちょ様の成果だぞー。 もっと褒めろ褒めろ〜。」
劉玄徳が好き勝手な軽口をたたき関雲長が相槌をうつと宿ヌシ殿がドヤ顔を晒す。
そんな和やかな道中を経て州都に到着した義勇軍へ早々に任地へ赴く様に指示が届いた。
三千もの義勇兵を率いて来た劉玄徳は州牧より臨時の都尉に任命され監視兼連絡役である校尉の鄒靖に従い
冀州で戦っている皇甫嵩将軍の指揮下に加わる事となっていた。
「そこで姐さんに提案なんだがよ・・・行軍も急がなきゃならねぇし、毎朝の地獄辞めね?」
地べたに這いつくばる兵達を代表してまだ言葉を発する元気がある張益徳が本音を進言するも
「却下♪筋トレとランニング42.195kmぐらい朝飯前で済ませるぐらいじゃないと戦争で生き残れないんだよ!」
「10里とか無理・・・」
倒れ伏した鄒靖が息も絶え絶えに突っ込む、正規の士官なのにだらしないのである。
冀州の陣に到着すると劉玄徳は鄒靖と共に将軍へ赴任の挨拶に行き、宿ヌシ殿は当然留守番。
陣の様子から糧食と衣服も不足しているようなので供出を申し出るように言付けていた。しっかり私財から出したことも伝えるように言い含ませている。
そして将軍に気に入られた劉玄徳はさっそく困りごとも引き受けて来てしまった。
人が好過ぎるのも考え物であるな。
ここの黄巾は険しい山岳地帯に陣取り、指揮官は地公将軍張宝。
張宝は妖術師を自称し、深い霧も自在に操ることが出来るという。
まぁ気象条件と地理に精通していそうではある。
「何事も情報が大事だよん!妖術がどんなものか?この辺りの地理とか?味方のやる気とか?手当たり次第に集めよっか」
宿ヌシ殿は前向きに準備に取り掛かっていくようである。」
〜fin〜
フレーバーテキスト
鄒靖 統率72 武力65 知力66 政治56 魅力68
張宝 統率83 武力71 知力81 政治66 魅力86