山田リョウと左門くん   作:ssを読む程度の能力

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左門「バトル後はやっぱりカス話だよなぁ!カッスッス!」

山田「ほほう、それは面白そう」


左門くんは線路の終着地を探す

 

 西暦28年X月y日…東京

 

……この日、左門の友人であり彼のターゲットでもある天使河原桜少女が首謀者極悪堕天使マステマの手によって拉致された。

 

 

それと同時に…マステマによって算文街内で大量の民間人の精神メンタルが抜け殻状態に陥れられた〚大量脱気事件及び勅使河原誘拐事件〛後に天国と地獄の間で開催された堕天使一味の処遇会議の一部分を報道。

 

 

遥か昔から時には戦も交えつつも繰り広げられてきた、凡そ大体第4兆回となる天界地獄入り交じっての処遇会議の舞台は天界。

 

 沢山の民間天使と民間悪魔が見守るそんな中………。

 

向かい合った長い机に膝をついて腰をかける6人の異形たち。肩や白いシルエットの異形。

 

天国の三代支配者のようだ。

 

後ろには「ミカエル様!今日も神々しいお髭!神々しい声!」「ラファエロ様!カッコいいー!メッタ切りにしてぇー!」天使軍隊(特に女性陣)のコールと応援の歓声が飛び交っている。

 

????『ベルゼビュート殿!くぉのワタクシどもめを呼ぶとはぁ、そちらだけではなく電界にも責任が及ぶアクシデントが人間界で発生したようでぇすな!!』

 

?????「天界の責任だああぁ?クソありすぎるんだよクソデブクソヒゲクソ八重歯クソノッポが!」

 

 拳一撃で机の上に皹が入る。砕けなかったのは幸いだ。

 

地獄側に座る眉毛をメラメラと燃え滾らせる厳つい顔をした青年が会議参加者をも殺さんばかりの眼圧で三六〇度見回しながら、ワイングラスを手圧で木っ端微塵に。

 

全身から苛立ちを隠せない状況が丸わかりだ。コツコツと靴を踏み鳴らして天使側へ威圧する

 

   彼は…『暴虐のベルゼビュート』

 

 

???「ご機嫌麗しゅう御座いますでさうらう!こるぇでも飲んで下さいむぁぁし!こちら最高級の蓮池の土手っ原で育った至高ビリジアン茶葉を蒸らして注いだ紅茶に御座いますずぉぉぉ!!」

 

野太い声。

 

天使側で最初に啖呵を切った黄金の髭が顔を覆い尽くす太っ腹の大男がティカップをささげる。天使長『支配力のミカエール』はベルゼビュートの怒りに微動だにせず腹を膨張させて大笑い。

 

  ピッピッピッピコピコピコピピコ

 

???「ふぉぉぉ!人間界のレトロゲームおんもしれぇ!頭吹っ飛んで死にそう!で?何の話だー?」

 

 天使が人間をいじめ倒すゲーム機器弄んでいた彼女は改めて会議へと参加する。

3人の中では背は小さいが、翼を横へ広げると最大。

 

そんな翼を背中に折りたたんで、机に肘を立て足を5歳児のようにブンブンと振り回す。八重歯の少女天使長、『網羅のガブリエル』だ。

 

???「堕天使マスティマの暴走についてでアルッ!」

 

頭から衣類、瞳からオッドアイ、蒼紅シンメトリーの瞳で唇を噛み潰す短髪の青年天使長。

 

 

彼は『守護門のラファエーロ』。

 

ラファエーロ「マステマは天界のならず者だった青年ナリ!数年前に、天界の牢獄を脱走してから見つけられなかったがそんなところで力を蓄えていたトハ…」

 

 

???「悪魔と同様、天使側にも躾のなってない脱獄者が要らしたご様子ですわねぇ。オ~っホッホッホ」

 

 

ベルゼビュート「にもって何だァァ?どういう意味だルシファ!!」

 

 

陶器を焼く時に沸き立つような燃え盛る炎のごとく、真っ赤な髪を幾重にも巻いた貴婦人、拷問中立のルシファ。

 

 

 

{お偉い方の一人}ルシファ「彼が仲間を少数に絞った理由は最も強い欲望を持った同胞だけにしか興味がなかったのでございむぁしょう。

赤い龍に対する反乱に堕天使革命、天国への昇華、姉妹の権力、民の支配と…野望は違えども彼ら本当に派手にやらかしやがったでございむぁすわね」

 

 

???【しっかし堕天使マスティマも中々の手練を手に入れたもんだねぇ。クケケケッ】

 

煤けたいぶし銀の翼のような髪型の少女。鋭い爪に紅蓮のネイルをつけている。

空中をふわふわと漂うゲル状の赤い物体(人間のインスタント血液)を片端から吸い尽くす彼女の名前は『大罪のアスタロトス』

 

アスタロト「どいつもこいつも悪名高い奴らばかりだ!ケケケッ!」

 

ラファエーロ「あと一歩遅けれバ!一人の少女が焼死するやもしれなかったのダ!」

 

アスタロト「ギリシア神話に出てくる三姉妹メドゥーサは周辺一帯が岩ばかりの、誰も入ってこない岩山に封じ込んでおこう。マステマとアンドラスは地の底に幽閉しておくとして…もう一人いたよな。」

 

 {蝿山}ベルゼビュート「そうだ。問題はもう一人の元天使だった脱獄犯、バラキエルだ、魔女刈りのごとく十字架に貼り付けて…」

 

ベルが岩盤を振り向くと青い血管を震わせて咆哮した。

 

 

ベルゼビュート「あぁ?いねえじゃねえか。目を離してる隙に逃げたか!探せクソ悪魔ども!」

 

    悪魔「ヴォォォァァーッ」

 

ベルゼビュートの命令に空を飛べる悪魔たちは羽を広げて空を飛び、赤い竜三番手のアガリアレプトは能力を駆使して彼の居場所を探知し始めた。

 

 アガリアレプト「あの天使を野放しにしたらとんでもないことになっちゃうよ!?」

 

 

 

 

 

 

長髪青年「………なんとか地獄へ戻ってきたけども…」

 

岩山の影では長髪の青年が小刻みに震えていた

 

この後藤ひとりみたいな青年は赤い龍一番手ルキフグス宰相。

 近くのコンビニに通うまでか精一杯の男とも言われている人見知りでまさにどことなく後藤ひとりそのものだ。

 

 

ルキフグス「あの天使…逃げたの…?」

 

彼と一戦を交えた経歴ありの彼、状況を把握する宰相は怒らせるとえらいことになる三大悪魔に聞こえないようにその場を逃げ出そうとした。

 早いところフィギュアたちとのイチャイチャ時間を楽しむために…

          ……しかし、

 

沸点噴火のベルゼビュート、彼にも地上へ行くように命じた

ベルゼビュート「ヴォイ!引きオタァァァ!」

 

ルキフグス「ハヒィィィ!」

 

ベルゼビュート「2日程時間をやる。探せ。さもないとお前の部屋においてあるクソキモいフィギュア?全部一瞬で叩き壊す。」

 

ルキフグス「行ってまいりますぅ!」ダダッ

 

ルキフグスの趣味は物販収集。

 

命よりも大切なあのコレクションに罅を入れられるのは辛い!

因みに彼のメンタルはこんなビビリだけど、戦闘面となれば話が別。アガレスの能力を使い銃刀斧砲丸といったあらゆる武器を虚空から召喚できるお偉い様の一人でアガリアレプトより強いと言われている。

 

アスタロトス「彼だけではよくありませんわ。ネビロス。あなたもいきなすぁい。」

 

 

ネビロス「ハッ!畏まりました!直ちに地上へ!」

 

 アスタロトスの命によりネビロスが地上に派遣されたのだった。

 

 中継が終了しました…中継が終了しました…

 

 

 

 

 

 

後藤ひとり『お願いします…ローブ悪魔さん。』

 

バルバトスが桃色のジャージを結わえた弓矢を最大限にキリリと伸ばす。

 

このジャージの持ち主は後藤ひとり。

 

 

目指すは喜多郁代、彼女だけだ。

 

 

バルバトス「このセラピストノ弓矢には彼女の意思を込めた。これで彼女がもとの状態へと戻るか否かだ。」

 

弓を磨いて軌道調整をする弓道のベテラン悪魔、バルバトス。

 

ぼっち「弓矢で肉体貫通?そんなことをしたら心臓に刺さって…」

 

バルバトス「これは貫通こそするものの軽いショックで気絶してもらう弓矢。しかし下手をすれば命をも落としてしまうやもしれぬな。…例えば…」

 

バルバトスは、後ろのグラシャラボラスに視線を移す。

 

 

バルバトス「われ以外のものが弓を使うなぞありえない話なり。」

 

 

山田「偉く自信があるんだねバルバトス。」

 

 

バルバトス「狙いはど真ん中ぞぉぉっ…くっさ!」

 

 

バルバドスが対象物まで弓を伸ばすが重さとぼっちのジャージの匂いに耐えきれず軌道が外れてしまった。

 

 

ジャージの重量でヘロヘロと転落する弓矢。

 

弓を拾い結界を再びノックする音が聞こえたので振り向くと山田リョウが人差し指を折り曲げて結界を叩いていた。

 

山田「なぁバルバトスとやら、折居って相談がある。」

 

覚悟を決めた目で自分の心の意を伝える。

 

山田「その弓矢で撃ち抜く役、私に変わってもらえないだろうか」

 

 

山田(…ぼっちにばかりいい行為はさせない。)

 

 

 

バルバトス「人間風情が!言ったそばから何を抜かしとるか!さっきアカン言うたやろが!お前みたいな特に経験のなさそうな人間に俺の弓矢なんて放つことができるかたわけ!如何なる弓矢も穿つ悪魔界のアーチェラーと言われたこの俺でも軌道を狂わせるほどの臭い弓矢だ!」

 

  ……あのさぁ、折角、喜多ちゃんにいい走馬灯を見せて記憶を解放させようとする為に貸しているてのに臭い臭い言われたら貸す気なくなっちゃうんだけど…

 

 

ひとりはわざわざ貸してやっている人の服を臭い臭いと罵倒されて内心凹んでいたけれどもそこはグッとこらえてこらえて。

 

山田「だからこそだ。その匂いはもう近場で嗅ぎ慣れている私だからこそ狙えると思える。それに、郁代のことに対しても誰よりも真剣に思っている私だから仕留められるかもしれない。私に撃たせてくれ。」

 

絶対に外さない自信を強調させる山田リョウ。ずいっと余りない胸を強調しながらも前に出てくる山田リョウ。

 

虹夏「……リョウが本気。バルバトスさん。喜多ちゃんは、ベーシスト担当のリョウに憧れを持っているんです。かなり狂人的にエスカレートしていますけど。互いに想い合っている人だからこそだからこそ。彼女に1回だけ、助けるチャンスを。私達の絆で結束されていますから。」

 

虹夏も手を合わせる。

 

バルバトス「………弓を持て。肉を削ぎ死ぬ覚悟はできたか?我と共に心を弓矢に全神経を委ね合わせよ。目の前の雨粒を撃ち抜く勢いで…的は外すな小娘!」

 

後藤ひとりの服を堅結びに結わえ弓矢を伸ばす山田リョウ。上からバルバトスが力強く手を掴み2人で的を狙う。

 

目指すは喜多郁代、ただ一人。

 

山田リョウ「はい!!」

 

 

 

 

 

バラキエル「無駄な行為だったな!」ガキン

 

ボティスの特攻を真正面からガード。バラキエルの剣撃が交差する

 

ネビロス「ボディス!こいつを疲弊させるくらい貴様の剣技を繰り返せ!ボーカルを救助させるが為の時間稼ぎをするんだ!!」

 

流石ネビロス。状況判断はお手の物を

 

 

ボディス「………」キィィン

 

攻撃の対象者がボディスの眼の前から消えた。

 

バラキエル「雷撃は完璧に弱ったわけではない!くたばれメス悪魔!!」

 

    ガッッッッガキィィンッ

 

視界外、頭の紬上からの奇襲。すかさず、手に持った二刀のうち一本で受け止めたボディス。

 

バラキエル「蛇悪魔め…皮膚だけで我の気配を感知したか。それも予測済みよ!」

 

そう…ボディスは蛇の悪魔であり人形として召喚する以外にヘビ形態の姿も持っている。それ故小さい魔法陣からでも召喚は可能なのだ。

       

      ヂィバヂバチバチバチバヂィ…

 

ボディス「ギアァァァァァァァァァ!」

 

交差する3本の剣、また相討ちか!いや、バラキエルが筋肉を萎縮させ全身からありったけの電力を流しつけたようだ。ボディスの片手を通じて雷撃が駆け巡る。

 

 

ネビロス「ボディス!!」

 

 

虹夏「ボディスさん!」

 

バラキエル「このために神経と筋肉全体に00年分の帯電を貯めておいたのだ!こんな悪魔に時間を食ってしまったなど元天使として情けなき!そして死ね左門!」

 

麻痺をして動けない足元のボディスを蹴飛ばし、左門召介へ雷をぶつける。

 

左門「じゃあ…いけ!アガリアレプト!」

 

アガリアレプト「はぁ!?なんで俺なのよ!」

 

 

雷撃が放たれる中巻き込まれたくない一心で、こっそりグラシャラボラスの背中へバックレようとしていたアガリアレプト。

 

 左門がどさくさに紛れて描いた魔法陣にアガリアレプト専用の魔法陣でアガリアレプトはさっと召喚されてしまった。

 

左門、お前家にいる家族にわざわざラインを使って会話をするような形で悪魔を召喚するなや。

 

魔法陣の無駄遣いでしょうに。

 

彼はよろよろと戦いの面にふらつきながら無理やり引きずれ出された。

 

アガリアレプト「なんで俺ぇ!?俺はバトルあんま強くないっての!来た…!死ぬ死ぬ死ぬ!」

 

 

 

バラキエル「邪魔だ!」バキッ

 

アガリアレプト「ギャッ」

 

しれっと徒手空拳で殴り飛ばされるアガリアレプト。

何の用意もしていなかったのか目を回してしまった。

 

 

アパオシャ「ブゥルルルルルル…」(そろそろこの干ばつ能力も時間切れのようだわ…あ、突風が吹いてくるぞ!)

 

 

バラキエル「さぁ左門、少将閣下。お前達の負けだ。大人し……む…このにおひ…ぐぅっ」

 

 

異変が起こった。何もないのに鼻の中を貫く悪臭、苦悶の面をしたバラキエルはゆっくりと胸を押さえ倒れていく。

 

喜多郁代「くぁぁぁ!湿気と陰キャラの匂いが混ざり合ってくっさぁぁあ!…はっ!」

 

喜多郁代の胸元にまっすぐに刺さった弓矢。そしてその弓矢に結わえられていた後藤ひとりのジャージの匂いが強風に乗って流れてきたことにより再び喜多郁代の鼻を貫通。

 

喜多郁代は弓矢の効果と匂いで再び気を失ってしまった。

 

山田リョウはあたかも自分が射抜きましたとでも言いたげな目線で胸を張っていた。

 

 

バルバトス「何が…どうなっている…」

 

山田「喜多郁代のボーカロイド力に対する思いは私が一番知っている…外すわけないだろう」

 

山田リョウはこう見えて後藤ひとりと同じ一人が好きな陰キャラ。 

数人と町中へ繰り出すよりも一人で古着屋さんや廃墟を探索することを好む。

 

 例えを挙げるなら電気タイプのポケモンに10万ボルトを浴びせても電気パワーを分け与えている位効果がないことと同じように、後藤ひとりのジャージの匂いは山田にとっては何の効果もないのである。

 

 

震える手が自ら剣と盾を自然に叩き落としてしまう

 

バラキエル「くそぉ…!またしてもこの匂いにやられるとは…!」

 

 

左門「ご…後藤さん!?なんか変なのが入ったけど…さて…年貢の納めどきかな?カモン…」

 

もう策があるとは思えない、しかし、それでもまだまだ足掻こうと身構える。

 

 

バラキエル「来い左門!」

 

 

???「そこまでだァ!!」

 

 

虹夏「また誰か来た!?」

 

怒号が聞こえ空を見上げる左門たち。

 

 

???→ベルゼビュート「見つけたぞォォォ堕天使バラキエル!よくやったネビロス!左門!こいつの処罰は俺らで行う!」

 




星夏「あと2話くらい続けるのか?正月またぐのか?跨ぐよな。」


次回「左門くんはヘドバン」 

この話で終わらせバンドの話へ入ろう。オリジナルストーリーを埋め込みすぎた。申し訳ない。
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