山田リョウと左門くん   作:ssを読む程度の能力

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虹夏「リョウ!左門くん!もう悪いことするなよ!」

左門くん「他人の阿鼻叫喚や悲鳴を見ながら食べるドーナツはうまい。」むしゃむしゃ

山田「それな。」もぐもぐ




左門くんはこれからも考える

虹夏「よーし皆!この書類を見て!」

 

円卓に積まれた書類の束。虹夏はそして小型パソコンのキーボードをワードサイトに打ち込み今後の行動について山田、ぼっち、郁代に今後の予定について話しかけた。

 

虹夏「別のライブハウスに結束バンドの曲を聴きたいというバンドさんがいてね!そのライブハウスでのプチバンド交流会に出場という考えなんだけど、みんな準備はいいかな?」

 

郁代「私は準備万端です!ひとりちゃん、また特訓お願い!」

 

山田「私の貯金箱が腹を好かせてる…お恵みを…」

 

虹夏「コインチョコなら入れてもいいけど?」

 

ぼっち「わわわ…私…まだ準備もできてません…あばばばばば…」(最近左門さんたちのせいで出番がなさすぎる…練習頑張ってギターうまくなって…金ガッポリガッポリ稼いでここを辞めて学校を中退してギターで食って行くんだ…!)

 

緊張し始めたぼっちの全身が電気ショックを浴びた人間のようにブルブルと小刻みに振動。ちなみに彼女が緊張で極稀にというかしょっちゅう肉体の維持を保てなくなるので、溶けたり破裂したり粉化したりすることがある。この小刻みの行動はポップコーンみたいに弾け飛ぶ肉体の警告サインだ。

 

山田「人の心ないんか。」(後輩にたかったらしばかれる…さてどう動こうか…ここは左門くんかな…)

 

虹夏「おい山田。左門くんに頼ろうとしてないよな」

 

 

結束バンドの会議?という名前の女子トークをしている傍ら、星夏店長がカウンターを雑巾で拭いたり、バンドの請負を応対したりサーバーから出し切ったドリンクの補充と多忙な仕事に追われている。 ダラダラしてそうなイメージもあるが。

今日このStarryは観客の出入りも良く、ここはいろんなバンドが見れるため結束バンド以外のバンドもライブを見に来た人もいる

 

ファン2号「ひとりちゃんひとりちゃんひとりちゃんひとりちゃんひとりちゃん私のヒーロー…♡フヒヒッ」

 

???「リョウさんしゅきぴしゅきぴ…ンフフフ…」

 

ファン1号「2号とそこの背の高い子がヤバい。」顔まっ青

 

メンバーの1人にぞっこんな常連観客もいる。後藤ひとりにとっては嬉しいことだ。

 

星夏「あ、そろそろゴミの替え時じゃね?PA、ゴミ捨て頼むわ」

 

奥の部屋に声をかけるとポリ袋を両手に下げた大きなお胸の長身女性、機械を触り音響ボリュームを調整するシステムエンジニア担当のPAさんがのっそりと這い出てきた。

 

PA「プラスチックゴミを出してきますね〜」

 

星夏「頼んだぞ。」

 

 

PA「店長、ゴミがすごく出ましたね〜」ぐにゅ

 

ドアを開いたPAの足元に妙な感触が。地べたをみると、赤い液体まみれの中大の字に倒れている人が!

 

エネル顔のPA「イヤぁぁぁァァァァ!」

 

星夏「どうした!」虹夏「どうしたの!?」

 

PA「ドアを開けたら生き倒れの女性がいました!」

 

星夏「まずい!急いで救急車を…お前そろそろ見慣れろよ。よく見ろそれはきくりだ。」

 

うつぶせの女性をひっくり返すと成る程口からよだれを垂らしているきくりさんでした。赤い液体は血ではなく酒だった。

 

きくり『んうう〜…』

 

PA「ってなんだきくりさんですか…。鬼ころ飲みすぎですね」いつもニコニコPAさんも額と鼻を押さえてかなり困った表情。

酒臭いのでたたきつければいいものをそこは彼女の優しさ。そっと地面に寝かせてあげた。

 

伊地知姉妹「私達…なんで情をかけて拾っちゃうかなこんなものを…」

 

知人のこの情けない姿に頭を抱える伊地知姉妹。

 

目を覚ましていつものようにうざ絡みをするきくり。

 

きくり「ヒック…また来ちゃった〜!」グヘヘヘへ

 

虹夏「イエローカード!こちら、飲んだくれは禁止になっています。特にあなたはお酒臭すぎます!」

 

星夏「ちなみに3枚集まるとレッドカード。つまり永久に退場な。」

 

きくり「酷い!」

 

ひとり「あっっ、あの…今はとりあえず帰って安静に休んでもらったほうが…」

 

ほらみろ、後藤ひとりにまで心配されてる。だってのにきくりは断固そこから動かないようにあぐらを組んで居座り始めた。

 

きくり「ぼっちちゃんも先輩も達顔かたいな〜でもうさちゃんのぬいぐるみ抱っこして寝れないくらい可愛いもの好きでしょ〜」ウププ

 

 

星夏「はぁそうだが何か?」

 

きくり「あれっ意外と反応薄い!」

 

星夏を吹き出しそうな顔で見つめるきくり。しかし糠に釘という様に彼女は平然としている。誰にもバラされたくない図星で赤面するとでも思った?そうではなかった。

 

だいたいきくりが何かをしてもらおうと思ったときはいつもこの弱秘密を曝け出そうと攻めてくるが、ネタの弾切れなのか、星夏も聞き慣れたというか聞き飽きたというか。本当に効果がない。

 虹夏も(あ〜またそれかいな)といった感じでメンバーとUターン。それでも何とかして来店しようとへこたれないきくり。困った時のライブハウスだもの。

 

きくり「ほら見て捨て猫きくりだよ…にゃ〜んにゃ〜…」

 

さらに手を前に突き出して丸くなり小動物のマネをするも、全く効果がなかったようで。

 

星夏「保健所に電話してほしい?よしわかった。」

 

きくり[私もそろそろキレますよ?]

 

店長たちの情けをかけてもらって来店しようとしたその時…新たな来客が三人ほどやってきた。

 

左門「お~い、山田さ〜ん!お邪魔するよ〜!」グシャッ

まずはおなじみカス虫。

 

踏まれたきくり「げぼぉっ!!!!!」

 

そして脇についているやすい豚肉。

 

九頭竜「今日もなんかして遊ぼうぜ!」グシャ

 

きくり「ウギャァ!!!」

 

あとは眉を逆ハの字に怒りながら入店してきた算文高校の大天使。

 

天使河原「左門くん!馴れ馴れしい!皆さん、お邪魔しますね。」ギュッ

 

きくり「ぐはぁっ!」

 

左門「どうだい、みんなバンドは」

 

行き慣れたのだろう。彼らもすっかりこのライブハウスの常連だ。

 

 

虹夏「三人とも!足元足元!」

 

左門「ネビロスいないから退屈だしタカリに来たよ〜」グシャッ

 

きくり「ゲスぅっ!!!!」

 

 

 

九頭竜「バンドって一度見るとハマっちまうよなぁ。」スッグシャッ

 

きくり「痛い痛い降りろ!!!!」

 

左門「なんか叫んだ?九頭竜くん。」

 

九頭竜「いいや?」

 

天使河原が下を見ると男二人の足元に真っ青な顔で突っ伏しているベーシストが!

 

天使河原「あ…この前の飲んだくれのお姉さん!?2人とも足元見てよ!この人前のベーシストさんだよ!左門くんベーシスト踏んでる!踏んでる!」

 

左門「え?犬のうんこかと思ったらページストさんだったか。」

 

九頭竜「あ、ガチだ悪い悪い。ってか、うんこがここに落ちてるわけないだろ〜」

 

女性にうんこうんこいうさもクズ。

 

きくり「す…好き勝手言うなこのクソガキども…うっ…」

 

天使河原「吐きそうですか!?買い物袋もないし…」ここで天使河原十年前にやった片手でゲロを受け止める仏のハンドをやってくれるのか…!?天使河原「しないわよ!」

 

 

喜多郁代「左門さんたちこんにちわ」

 

 

左門「はい、こんにちわ。あ〜…これは相当アルコールのいってるベーシストだね…」

 

九頭竜「まさにアル中ってやつだな。」

 

天使河原「またこんなに!飲まないでくださいって言いましたよね!めっ!」

 

 

ぼっち「他校の生徒にまで怒られてる。」

 

 

 

虹夏「ほら!天使河原さんにまで言われてるよ!お酒出して!全部処分するから!」

 

PAさん「新しいゴミ袋ありますが、使います。」

 

きくり「なんだよぉ!リンチかよ!お前ら〜お姉さんから酒とるなよぉ」ヒック

 

九頭竜「……廣井さんさぁ、健康とアル中タバコ中毒ガチで舐めないほうがいい。依存症にはほろ酔いから泥酔期って七段落に分かれているんだが見たところお姉さんはもう泥酔期、ブラックゾーン突破してんだわ。酒は10年くらい飲まないほうがいいぞ」

 

 

 

虹夏「九頭竜くんなんか真面目になったね」

 

天使河原「伊地知さん。彼、(普段は汚水レベルのゲス行為しかしないのに)食事保健面になると滅茶苦茶真面目なの。おばあちゃんの影響なんだって。」

 

九頭竜「おい今余計なこと考えなかったか」

 

天使河原「べべべべつにぃ〜?」

 

ふと思い出したように九頭竜はリュックから何かを出した。見るとそれは紫色に変色したペットボトルだった。

九頭竜「というわけでこれ。酔い冷ましに飲んでみろよ!スカッとするぜ!」

ペットボトルを突き渡されたきくり、何なのかわからないがしぶしぶ飲んでみることにした。

 

きくり「ちぇ〜酒じゃないけど飲んでみるか〜 」

 

 

左門「何が入ってるのあれ。」

 

九頭竜「え?ミンチと大根と納豆とバナナをミキサーで混ぜた地獄の栄養スムージーだけど?」

 

 

それを聞いた瞬間、きくりは壁にその飲み物を吐き出した。

 

きくり「ブーッ…!からい不味い甘い臭いなんちゅうものを飲ますんだこのアホ高校生が!!!」

 

口の中が地獄に改造されて原作にはない本気で怒りのきくりさん。

 

九頭竜「ははは!やっぱカス行為はやめられねぇや!」

 

 

虹夏「九頭竜くん何してんの!?」

 

指をさして笑う九頭竜にツッコミを入れる虹夏。

 

左門「…で、この人からお酒断ちをさせたほうが早いでしょ。」

 

星夏「そうだ。酒は程々にしろよ。来年の3月まで断酒な。」

 

ファン一号「身体に悪いですよ。」

 

 

皆から沢山言われるきくり。

 

きくり「ここにいるみんなにリンチされる…!鬼、悪魔、サモナー…」

 

肩にポンッと置かれる手、満面ゲスみを帯びたスマイルの山田リョウが善意のつもりで励ましに来た 

 

山田「好きなことを我慢しなくてもいいんだよ姐さん!ほら、私だってどさくさに紛れてファン2合からぼっちの写真と引き換えに2千円…」ゴチン

 

虹夏のげんこつ隕石が山田の頭に激突。

 

虹夏「今すぐに返しなさい山田!ついでだから私たちも当分はなんか我慢しておこうか。喜多ちゃんはイソスタをフェスが終わるまで我慢。ちゃんと出されたものは冷めないうちに。」

 

 喜多はショックを受けた。

 

喜多「えええ!?私からイソスタをとるんですか!?イソスタをしない私…ただのイカれたぶりっ子女子高生みたいで嫌です!」

 

落ち込む喜多をよそ目に虹夏は山田に指を指す。

 

虹夏「リョウはお金の無駄遣い貸し借りをフェスが終わるまで禁止。ま、これは昔から言ってるけどねえ…それでぼっちちゃんは…」

 

山田「ひでぇ…虐待だ。」

 

うずくまる山田を横目でフフンとチラ見するぼっち。つぎ、後藤ひとりの番だよ。

 

ぼっち「わ…わたしは?」

 

 

虹夏「う〜ん…溶けたり段ボールのなかに籠もったり爆散するのをサマソニが終わるまで我慢しようか。私もフォローしてあげるから。で、私は趣味の買い物と外食をそのサマソニが終わるまで禁止すると。」ニコッ

 

 

ぼっち「わえわえわえ…私できるかな…人混みを前に木っ端微塵にならないように…頑張ろう!」

彼女の人見知りからくる崩壊は無意識に発動されるものだが抑制して耐えてみせると心に決めぐっと拳を握る後藤ひとり。

 

喜多「フェスが終わるまでなら我慢します。」幾代も覚悟を決めたようだ。彼女たちのやればできるというところの見せどころだ。

 

虹夏「頑張って!」

 

立派に覚悟を決めたギタリストとボーカル。しかし立派に覚悟を決めるわけでもなくそこにいた2人ベーシストたちはうずくまってこの世の終わりを迎えたかのようにヒンヒンと泣きじゃくっていた。

 

山田「これは新手の集団的嫌がらせだ。私は断金修行者じゃない」シクシク

 

きくりに至っては泣きすぎで涙で水たまりを目の前に作っていた。

 

きくり「酒断ち三ヶ月我慢って…泣くぞ。夜泣きするからな…丸くなって泣くからな…」

 

ファン一号「うわ…大の大人が夜泣き…これはきついですね…」

 

伊知地姉妹「「赤ちゃんかよ!!なんだこの雲泥の差は!」」

 

天使河原「我慢するかぁ。じゃ私も来月のテストが終わるまで手羽先の買い食いをしない!」 

 

天使河原桜も試験終了するまで好物を我慢することを決意した。 

 

ひとり「て…て…天使河原さん、てばさきすきなんですねねね…わ…わと…私も唐揚げが好物です!あの匂いがたま…たまりません!」

 

天使河原「後藤さん!やめてー!我慢したそばからお腹空いてくるぅー!」

 

ひとり「はっ…私なんかがすいません…」

 

 

顔を見合わせ相談する左門と九頭龍。

 

九頭竜「俺たちは…我慢するものなんてなくね?」ニコ

 

左門「そうだね。」ニコ

 

天使河原「ゲス行為、密猟、周囲の人の迷惑になる遊び…これを永久に我慢してくれる?」ガチトーン

 

左門九頭龍「ちっ…」

 

星夏「バカ4人はほっといて…んじゃあ、ここにいる結束バンドメンバー全員!我慢weekをスタート!どん!」

 

画して各々趣味や癖をそれぞれ決められた期間中我慢する自粛期間が始まったが全員うまく成功するのだろうか。

 

左門達が店を出ようとすると足を掴まれた。「そこの…若いお方…」しわがれた声、始まったばかりの我慢週間を、即リタイヤしようとする廣井きくりの姿があった。水不足なのか、ミイラのように顔がやつれ目の下が徹夜で出来上がった学生のように乾燥している。

 

きくり[左門くん…君悪魔呼び出せるんでしょ…お酒を無限に飲ませてくれる悪魔貸して…]

 

九頭竜「意思弱すぎるだろ!?」

 

天使河原「いきなりかい!」

 

左門は能面のように口角を持ち上げた。そして懐からチョークを出して地面を祓い始めた。勿論、目の前に欲望に溺れたベーシストという絶好の玩具がいるからだ。

 

 

左門「えぇ〜?我慢なんて身体に毒だよねぇ。おにころなら僕が魔法陣で出してあげるよ!」

 

きくり「助かるぅ〜…ありがとう左門くん…」

 

左門が魔法陣を描こうとしたその瞬間!パンっと乾いた音が片手を叩きチョークを落とした。誰よりも大きなゴツゴツとした第三者の手。

 

左門「いてぇ!主に何をするんだよ!暴食の悪魔ベヒモス!」

 

大柄な象の頭、でっぷり太った肥満体。召喚をしたわけでもない暴飲暴食の悪魔ベヒモスが側にいた。彼はゆっくりと首を横に振った。

 

ベヒモス「やめましょうマスター。彼女のお体に触ります。」

 

取り憑いた宿主や周囲の人民に(主に魔力ではなく自身の作る料理で)暴飲暴食させる餓鬼道の悪魔から、まさかの健康を思ってのDon't Stopが入った。

 

きくり「ん?あーーっ!お前あの時私の後ろにいた変な象!」

 

ベヒモス「そこのベーシストさん。もし貴方がお酒を飲もうとしたときは…私の指からとある光線を繰り出します。」暴食の悪魔、ベヒモスの指が光り始めた。

 

ベヒモス「暴食ビーーーーーーム!」光線をもろに食らい、口から煙を出して黒焦げになったきくり。

 

きくり「あがぁぁぁぁぁ!………」きくりが目を開いた。何の変化もないので脅かすなよとでもいうように不貞た表情できくりが立ち上がろうとしたその時。

 

        ぐぅぅぅぅぅ…

 

とても大きい腹の音が響き渡った。九頭竜と天使河原が唖然と見つめる。

目線の先の音の主はみるみるうちに顔を赤らめ乙女の表情になっていった。

 

きくり「い…今の音…わ…私?」はい、そうですね貴方です。

 

ベヒモス「この光線は浴びると食の理性をとめることができず延々と胃が破裂するまで食材を食べたくなる暴食光線です。」

 

きくり 「な…なんて恐ろしい光線なんだ…」

 

左門はさらに恐ろしいことをいう。

 

左門「これこの前伊知地さんにぶつけたけどたまたまそこらを通りかかったネビロスにめちゃくちゃおこられたんだよねぇ。」

 

天使河原「当たり前だろーが!」この男、過去にやった悪行を自白して大爆笑。まさに滑稽武藤な展開だ。

 

腹を押さえ食べ物を要求する。

 

きくり「やばい…お腹空いてきた…なんでもいいから食べたい!」

 

ベヒモス「ならば…カロリーを摂れ…」ベヒモスは懐から細い物体と四角い物を取り出した。肉汁の焼ける香ばしい香りが鼻腔をくすぐった。

 

きくり「ホ…ホットドックじゃん!トマトジュースもある!」

 

大喜びで目の前のホットドックに齧り付き、トマトジュースを一気に飲み干すきくり。口のなかに広がる肉汁。ジャキジャキと歯ごたえを楽しめるキャベツとピクルス。それを包み込む焼きたてのパンの外はザクザク中はふんわりとした食感。

 

 

きくり「めっちゃ美味かったー!でもねゾウさん。ホットドッグにはトマトジュースじゃなくてやっぱり迎え酒…」

すべて没収されたはずなのにキクリはベースケースのなかにまだ仕込んでいたらしい。きくりがベースケースからパック酒を出そうとしたが、ベヒモスの恐ろしい眼光がそんな彼女を睨みつける!   

 

きくり「わ、わかりましたよ!飲みません!飲みませんよ!」殺気を感じて(酒を懐に引っ込めるきくり。

 

天使河原と屑(パイセン…お酒好きにホットドックは逆効果っすよ…)

 

 

数日後…とあるレストランで喜多は友達と昼食を取っていた

 

喜多「わぁ〜!かわいいテーブル飾り!映えそうなランチプレートね!!それでは早速イソスタやツイ…はっ!違うわ。手を合わせて!いたーだきます!」

 

A子「喜多ちゃん。イソスタ取らないの?」

 

喜多「今日は友達とこの楽しい空間を誰にも見せずに知られずに独り占めしたいの〜♡」

 

 

同時刻、ひとりはファミリーや女子高生の群れがたくさんいる繁華街に自ら突っ込んでいった。爆散や溶解防止のために武田信玄の鎧兜を被って。  

 

子ども「鎧兜だ!かっこいいー!」

 

ドラマの撮影かなんかと思った子どもが近寄る。

 

ぼっち(私は自爆しない…私は人混みで形状を変化させない…私は人混みが平気私は人混みが通れる!)ジャリジャリ 固く決心した2人は即実行。徐々に成長しようとする主人公たち。

 

ところであの飲んべぇシストもなんやかんやで食生活の改善をしようとしている。

 

きくり「おにころはこれからの臓器維持のために我慢我慢!ゴミ箱へぽいっと!青汁ときゅうりとレタスとじゃがいもと生人参とトマト!そして、味噌と玄米四合を食べて…!」バリバリもしゃもしゃ

 

きくり「東に疲れた高齢者がいたらベースを弾いて励まして…」

 

疲れた高齢者「…」(やかましくて骨に響くわ!)

 

きくり「西に風邪を引いた子どもがいたら看病かわりにベースを弾いて…」

風邪を引いた子供の枕元でソロ演奏をするきくり。

 

風邪を引いた子ども「おばさん、いい曲だけどもっとこう、クラシックとかノクターンとか協奏曲とか上品で落ち着いたメロディズムの音楽聴きたいな。」

 

きくり「チルドレン!贅沢言うな!私のベースが聴けないって言うんか!ぼむるぞ」

 

そして子供の両親から「うるせぇくたばれ」とつまみ出され、フラッフラになって帰ったきくり。家路まで後少しという時のこと、夕暮れで橙色に輝く窓に映る大きな影。

 

きくり「う?」

 

飯が買えるかどうかすら怪しい風呂なしアパートの廣井の部屋からいい匂いがしてくる。

 

きくり「誰が入ったの…ゾウさん!?」

 

ベヒモス「頑張ってるあなたにお手製野菜とたんぱく質たっぷりの晩ごはんをタッパーに入れて持ってきました。しっかりと食べて飲酒を控えさせて臓器を回復させてくださいね。」

 

 

きくり「あ…ありがとう…こんな人の愛がつまった食事は初めてだ…ありがとう!ゾウさん!」バクバク

 

合同回当日。

虹夏は集合場であるライブハウスのもとで二人を待っていると、2人はかわり果てた姿ではやってきた。

 

虹夏「よし!みんな準備はいいかな…ってぼっちちゃんも喜多ちゃんもどうしたのその格好は!!」驚くのも無理はない。

まず、喜多郁代だが大好きなイソスタを我慢しすぎて禁断のし過ぎで視界が渦巻き状態になっていた

 

喜多郁代「ふふ…インスタ我慢という絶望を乗り越え今回のバンド合同回という希望へと突き進むんだ!」

 

虹夏「絶望の残党みたいになっとる!でぼっちちゃん!確かに段ボールじゃないけどなんで鎧なんか着てここに来たんだよ!それだと人前に出ても怖くないんだねぇ!」

 

ぼっち「はい!武田信玄の鎧とお面をつけることで緊張、爆散を防ぐことができるようになりました!」

 

虹夏「ライブ中は観客の顔を見ないといけないから仮面取れ!喜多ちゃんももとに戻る!」

 

喜多「そう言えばリョウ先輩は?」

 

虹夏「山田。皆来てるよ。出てきて」

 

虹夏の後ろから松葉杖をつきながら出てきた山田リョウ、痛そうな顔で丸めた背中を擦りながらもちゃんとベースは持ってきていた。

 

リョウ「いるよ。イテテテ…」ヌッ

 

虹夏「無理しなくてもいいんだよ?」

 

 

リョウ「虹夏がキックなんかするから…」

 

一体全体何があったか時を遡ること、合同バンドより二週間前の金曜日、下北沢高校を猛ダッシュで走り回る青い丸とそれを追いかける黄色いサイドテール。

グラウンドをもったらもったらと逃げる山田リョウ。

 

虹夏「待たんかいこのクソベーシストがぁぁぁ!クラスメートから聞いたぞ!禁止って言ったのにお金借りたなぁー!」ズダダダダダ

 

山田「ひぇぇぇ!鬼神に蹴り殺される!でもこの金で新しいベースを買うんだ!」もったらもったら(彼女としては全速力)

 

虹夏「お望み通り蹴っ飛ばしてやる!ジャンピングからのぉ〜ダブルキック!!」

          ドスッ!!

 

虹夏のジャンプからのトゥキックが山田の背骨に直撃。山田は一言「ゲスッ!!!」と鳴いて何かを吐き出し廊下に気絶した。虹夏は倒れた山田の口から飛び出た緑色の札束袋を拾い中を確認する。

 

虹夏「クラスから募金と偽って集めた札束だなこれ。」

 

そんな虹夏の元へ山田から金を返金してもらおうと手に手に武器を持った山田のクラスメイトが集まってきた。

 

虹夏「喉の奥にこんなもの入れて隠して!ヤニね◯か!これは皆に返すね。点呼呼ぶから何円借りたか言ってね。」

 

女子達「はーい。」

 

      回想終了

 

 

虹夏「ってことがあってね…。それで山田は背骨に2枚入り湿布を貼ってるのよ。」

下を向きながら小声のつもりで 何かをボソボソつぶやく山田。

 

山田「鬼。悪魔。下北沢のローブシン。片手でボーリングの玉を割る女。」

 

ぼっち「ジャンピングトゥキックだけで済んでよかったですね?ついでに私からも返してください。その日駅で貸してあげた5000円。」ガシャガシャ

 

山田「武田信玄の鎧武者になったんかボッチ…」

 

話をそらす山田。

ぼっちちゃん、貸してあげる方も貸してあげるほうだよ。断ろうよ。

 

喜多「さぁそんなことより絶望を乗り越えた結束バンドの希望に満ちたバンドを始めようよ!」目がグルグル

 

 

虹夏「まだ希望厨になってる!仕方ない!あがるぞ!今回流す曲は…この前生まれた(グルーミーグッド・バイ)か。」

 

突然ドアを蹴破り汗だくの星夏店長が来店してきた

 

 

星夏「おいお前ら…きくりが大変なことになってる!ってお前らも大変なことになってるな!」

 

エネル顔のPA「壁が破壊されます!」

 

虹夏「どしたの…(ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン)わっ!地震だ!」 

 

山田「隠れて!っていうか机に潜り込もうとしたけど背骨がいてぇ!」

真ん丸な巨体のバランスボールが転がりながらライブハウスの壁を破壊してきた。

 

バンドメンバー「「「いやぁぁぁぁぁあーっ!」」」 

巨体はむっくりと起き上がる。とリンゴのヘタのような感じできくりが肉の中から頭をひょっこりとつきだした。

 

デブきくり「あ…どうも…きくり…デスです…。今日は特別ゲストとしてきました…ちゃんと鬼ころは飲まずに断酒はしたけれど…さ…左門くんのゾウさんの作るご飯がとても美味しくて…気づいたら少しだけ太っちゃいました。あ、店長、うちで料理に使うから冷蔵庫の肉フィーユ(肉のミルフィーユ)ちょうだい。厚切り冷凍ベーコンのことね。」

 

 

星夏「少しだけ!?ラードの塊じゃねえか!これが少しだけならマツコがガリガリとか言われてもおかしくないレベルだぞ!!後厚切りベーコンのことを肉フィーユ言うな!」

 

後藤「だ…断酒したのはいいと思います!偉いです…」

 

交流相手のバンドメンバ「「「「…………今日の結束バンドと姐さん…大丈夫なの?ねぇ合同ライブ大丈夫なの!?」」」」

 

 

虹夏「ま、まぁ大丈夫だよ。じゃあ皆!ライブ始めよう!」

 

 

左門「うわぁ。これはすごい合同ライブだね。」ニコニコ

 

九頭竜「あれ?あのデカいバランスボール…ベーシストさんじゃね?何があった?」

 

左門「ベヒモスには飴ムチ大作戦と称して断酒お料理大作戦を仕込んでおいたのさ。断酒を頑張るきくりさんにベヒモスの料理を大量に食べさせて、脳内のデータを上書きして依存してるものを鬼コロなどのお酒から彼の料理にすり替えてやったのさ!更に彼女、ホットドッグ依存症になったみたいでね…毎日ベヒモスのホットドッグが食べたい食べたいと呟いていたからね…今日の合同ライブ前にファンからの差し入れと偽ってホットドッグ100箱分をプレゼントしてやったわけ!」

 

九頭竜「うわえっぐ!そりゃ太るわ!でもなかなかの悪だな左門!」

 

左門「ふふ!やっぱりこうでないとね!ベヒモスよくやったぞ!さすが悪魔…あれベヒモス?」

 

ベヒモスは…左門達のそばで(自分の腕に酔いすぎて彼女をライブには出せないくらいのメタボリックにしてしまった…)と落ち込みながらダイエット方法の書物や健康管理資格のテキストを熱心に黙読していた。

 

 

 

虹夏と天使河原「もう!そこのベヒモスさん!きくりさんを甘やかして料理与えるの来年まで禁止!」

 

 

ベヒモス「そ…そんな!」

 

終わり

 




左門「次回は〜左門くんは彼女に踏み潰されるだよ。」

山田「デスカラス?」

アンリ「ふふん!我はアンリ・マユだ!誰ぞデスカラスとは」
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