山田リョウと左門くん   作:ssを読む程度の能力

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左門「今日はぼっち・さ・ろっくの主役後藤ひとりさんに来てもらったよ。もし、公園で出会ったのが虹夏さんではなくてこの僕だったら?」

天使河原「よろしくね」

後藤ひとり(私はミカヅキモ私はミカヅキモ私はミカヅキモ…)がたぶるがたぶる


左門くんは家を支える柱としても使えない

私こと、後藤ひとりはダメ人間だ。馬鹿だし運動神経ゼロだし挙動不審だし人と話すとき(あっ)ていっちゃうしなんの取り柄もない。心の拠り所はギターだけ。

 

幼稚園は常に先生とばっかり遊んでいた思い出しか浮かばない。

 

小学校と私の過去はトラウマづくし。

中学時代にメタルのことを知って欲しくて、ランチ時間の放送リクエストタイムで流してもらったデスメタルソングがデスボイスすぎて鼻から弁当を吹き出してしまった。

 

うえぇ、同じダメ人間に分類されるのび太くんや桜ヒデユキくん、沢田綱◯くんとは違って私にはなんの助けの手も幸運も奇跡も就任の出会いもなく、ハロワでやっと拾った職場では上司に叱られまくって、社会的にボコボコにされて子供部屋でピザを食べながら親を泣かせて老いて死んでいくのかなと思っていた。

 

だからといって人付き合いがからっきしダメって訳ではございません!インターネットのコメント欄では優しくしてくれるもん!ギターヒーローとしてチヤホヤされているから陰キャラじゃないもん!

 

そんな私だけど公園でドラマーの虹夏ちゃんに手を差し伸べられてからバンド仲間に入れてもらったり師匠と呼べる人にお世話になったり沢山の人と関わったなぁ…大分コミュ症も治ってきたかも…(んなわけないない)

 

 な〜んて凹んだかと思えばびしっと真っ直ぐに開き直ったりするなど考えながら、後藤ひとりは本日もギターを背中に背負いジミヘンのお散歩をしていた

 

ふと前を見ると見覚えのあるトンガリが公園の側を勇み足で掛けていった

 

後藤ひとり「あれは…悪魔を呼び出していた私と同じタイプのぼっキャラの左門さん?段ボールと缶詰なんか持ってどこへ行くんだろ」

 

後藤ひとりはトンガリ頭の左門の跡をこっそりと辿る。

 

しかし、これってストーカーでは?

 

左門はずんずんと神社の裏の鎮守へと大股で足を踏み入れる。後藤ひとりも慌てて後を追う。

 

太くどっしりと聳え立つ櫟の樹の下に立ち止まる左門。

 

左門「風向きよし。人数確認よし。突風で砂が巻き上がる心配なし。直径よし。円周よし。カモン!カイム!」

 

左門が指を警戒に弾くと後藤ひとりの目の前の魔法陣が眩い緑色の光を放ち卵型のシルエットが、地上に浮き上がった。

 

ってか指パッチン上手いなぁ!!!!

 

地上へ舞い降りた今回の悪魔は.........二足歩…のペンギン?カラス?短剣を懐に仕込んで、まるで王族に使える伏兵のようだ。

 

そのペンギンのような鳥は曲芸師のようにクルクルと短剣を回転させながら辺りを見渡した。

 

???「てっしー....おらんの?」キョロキョロ

 

左門「いるわけないでしょうに。今回、君に頼みたいのはこのダンボールの中のネコと会話をするためなんだよ。頼んだぞカイム!」

左門が指を指したのは、和歌山県産蜜柑と書かれた空のダンボール。

 

〚 ミァァァオゥ.....〛箱の中から聞こえたか細い鳴き声。

 

あ、本当に猫ちゃんがいるんですか。常に人混みが苦手で隙あらば所構わず段ボールの中に入り込んでいる後藤ひとり。とはいえ、あの猫の匂いがきつそうなあの段ボールにだけは潜り込みたくないと首を横に振った。

 

カイムと呼ばれた悪魔は猫の額に手を当てる

 

???→カイム(てっしー、出ておいでよ)パァァ

   

猫【何なん?ウチに何かようなの?寝込みの女子襲うとかガチありえないんですけど〜。猫だけに!】

 

後藤ひとり「私にも聞こえるようになった!ギャルっぽい!」

 

左門「よし!猫の声が聞こえるようになったぞ!ありがとうカイム!よろしくね猫!僕は左門召介!君の名前は......櫟の樹の影に捨てられていたから...クヌギタマ!」

 

 

後藤ひとり「安直に安直の掛け算で講談社にぶん殴られそうな名付けされちゃった!?!?」

 

猫【そんなクソダサチョベラナプラペチーノネーミング、ガチ嫌なんですけど〜。さてはサモプーあんたネーミングセンスナッシングヒューマンプライム?】

 

後藤「ギャル語ペラッペラ!陽キャの核弾頭喜多さんかよ!!」

 

 

ダミ声青山ボイスでつっこんでしまった後藤ひとりに彼はくるっと後ろを振り向いた。

 

左門「誰かいるの?」

 

 

後藤ひとり「…………………ワンワン!」

 

 

左門「なーんだ。犬かぁ。なんか変なものを拾い食いしてそうなダミ声だったなぁ。アニサキスとか狂犬病とかつかないといいけど。」ヘラヘラ

 

精一杯のごまかし(犬の鳴き真似)にグサグサとケチを付ける左門召介。

 

後藤ひとり(ジミヘンを意識して泣いてみましたが…そんなに…ひ…酷かったですか?)

 

後藤ひとりの心はボロボロだ。足元にいたジミヘンはもっとストレートに傷がついた!

 

 

 

 

???「もしも〜し」トントン

 

木の陰に隠れていた後藤ひとりは不意に後ろから肩を叩かれる。

 

 

後藤ひとり「ひぃっ!あ!あなたは…左門さんのお姉さん?」

 

天使河原「いや違うから。クラスメートの天使河原桜だよ。後藤…さん?犬飼ってるんだね。」

 

後藤ひとり「は…はい。名前は…ジミ…ジミヘンといいます。」

 

ジミヘン「アン!」

 

後藤「ジミヘン!シー!左門さんにバレちゃう!」

 

天使河原「へぇ。ジミヘンちゃんっていうのかぁ。かわいいなぁ。」ナデナデ(変わった名前…)

 

柴犬のジミヘンの顎を優しく撫でる天使河原桜。

 

ジミヘンも嬉しそうな顔で尻尾を振り天使河原の手を舐めまくる。

 

 

後藤ひとり「あの。あれ…左門さんですよね。猫の前になんか変な鳥出してるんですけどあの鳥さんは一体…」

 

後藤ひとりは左門のそばの鳥のような悪魔について質問を掛けた。

 

天使河原「あれはカイム。動物や植物を介して意思疎通をさせる悪魔だよ。」

 

 

突然、カイムが突然目を見開いた。勅使河原オーラを感じたらしい。

 

カイム「てっしースメルを感じる!」

 

 

左門「え?どこどこ?何だ、いないじゃん。ここにあのクソ女が徘徊してるわけ無いでしょ。」ププ

 

天使河原からメラメラと燃える殺気を感知した後藤ひとりは察した。今、天使河原さんは表面は笑顔だけど心のなかでめちゃめちゃブチギレてる!

 

クソ女基天使河原はリズミカルに両手の骨を鳴らし始める

 

 

天使河原(左門くん、明日学校で朝一に殴ってやる)

 

 

左門くん「ねえねぇ!ここじゃ寒いでしょ!温かい城とかナプサックに頼んで作ってもらってあげるよ!」

 

 

猫【いらねっし。ウチはこの段ボールがお気に入りなんよ。好きなときに起きることが出来て好きなときに食べて好きなときに寝る。人間にゃできない芸当じゃね!?ウチ、ガチ天才!】

 

左門くん「…そうなんだ。じゃあタオルを掛けてあげるよ。家から持ってくるね!」

 

 

後藤「あ…あの左門さん、人間相手ならひどい塩対応なのに動物には優しいんですね…」

 

 

天使河原「本当になんでだろうね〜?」ニコニコ

 

勅使川原の真正面からの満面のスマイル視線に目を眩ませ爆散してしまう後藤ひとり。

 

以前絡んだ【爆走キタン車イクヨーマス】のいつものスマイルに溶けかけているっていうのに新たな陽キャラが現れたので後藤さんのライフはゼロのようである。

 

後藤「ま…眩しい!」(そんな目で私を見るなぁぁあ!我は…その真正面から視線にワタシハ焼き焦がされて溶けてしまうぅ)

 

天使河原の全身から陽キャラ破壊光線!効果は抜群だ!

 

あまりの神々しい笑顔に、後藤ひとりは大妖怪白面のごとく目を細めて分子レベルまで肉片を飛び散らせてしまう。なぜワレハアアジャァナイ…!その輝きをくれ!

 

 

天使河原「眩しい?今曇りなのに」キョトン

 

あぁ、無垢な天使河原。陽キャラに陰キャラの気持ちなんてわからないのであろう。後藤ひとりは慌てて自力で元に戻る

 

ジミヘン「くぅん…」ぷるぷる

 

後藤ひとり「どうしたのジミヘン…。まさか、ここで?すいません天使河原さん。ジミヘンがお犬様の落とし物をききばっているのでここでお別れしましょう。では。」小声

 

天使河原「それは大変ね!!じゃあまたね…」

 

忘れ去られていたジミヘンが震え始めていたので、後藤はサッと空気を読み天使河原と別れて散歩を続けることにした。

 

 

 

 

左門(へぇ、あの二人が盗み見をしていたとはねぇ…知らないフリをしてあげようか)

 

  左門が捨て猫のクヌギタマを撫でながら後ろを横目でちらりと監視していたとも知らずに…

 

 

    数日後、後藤ひとりは生活を一変させた

 

ひとり「仕事に練習お…お疲れさまでした…」ダダッ

 

 

虹夏「最近ひとりちゃん帰るの早いねぇ。しかもあんなに足早かったかな?せっかく晩ごはん一緒に食べに行こーって言おうと思ったのに」

 

鼻の間にドラムスティックを挟んで残念そうにぶぅを垂れる虹夏。

 

山田「まさか…日頃溜まったストレス発散のために雑木林に蔓草人形を打ち付けて森昌子の歌を大熱唱!?そんな娘に育てた覚えはないわ!」しれっ

 

 突拍子もないアホウ発言を発言した山田リョウのほっぺを力を入れて引っ張る虹夏。トルコのドンドルマのごとく伸びる伸びる。

 

山田「にーひーはーやーめーほーーーー」ビョーン

 

虹夏「んなわけねぇだろ!こいつはー!」  

 

 

郁代「本当に後藤さん帰るの早いですね」

 

 

虹夏「なにか目当てのものでもあるのかな…」

 

 

後藤ひとりは森の外れへと足をいれて、猫のもとに駆け寄った。

 

後藤「無事で良かった…よしよし…」

 

猫(マァ〜オ)

 

 

後藤ひとりが猫の顎を撫でると猫は嬉しそうにコロコロと喉を鳴らす。

 

背後10m先から軽やかな足音が聞こえてきたので、慌てて後藤ひとりは林の影へ姿を隠す。危機一髪、ばれずにすんだようだ。

 

やってきたのは例のカス虫こと左門召介。胸には煮干しやサインペンなど様々なものを抱きかかえていらっしゃる。

 

カイム「てっしー…おらんの?」ペタペタ

 

懐にはカイムも一緒だ。彼のことだから一々魔法陣を書くことが面倒くさいと見たか出しっぱのまんまでカイムをその場に固定させているとみた。さすがブラック企業の糞男。やることはカス以下の何者でもない。

 

左門「はいクヌギタマ!餌の煮干し!」

 

 

クヌギタマ【あのさぁウチたまにはビチビチした虫を食べてみたいなぁ…なんて 」

 

 

左門の顔が曇った。

 

無敵に見える左門召介にも苦手なものはある。その苦手ジャンルの一つが昆虫類である。 何を考えているかもわからない、悪意の概念がない、触るとひたすらボディを左右に振りかざし不快な動きで抵抗を続ける…という理由で昆虫類は掴むことも苦手なのだ。

 

左門「ウゲ」

 

 

後藤ひとり「ムシ類……ですか…あの苦虫をすりつぶした顔から察するに左門さん虫苦手なようだし私が変わりにあげようかな…」

 

 

左門「……あっれ〜?誰かの陰湿な香りを感じるなぁ。例えるなら…後藤ひとりさんの様な!」ニヤニヤ

 

左門の突然の棒読み発言に後藤ひとりは肉塊をダイナマイトのように爆発、なぜこの男は私の存在に気づくの!?この人の後ろに目があるの!?

後藤ひとりはこのようなオカルティックな青年とは相性が悪いのかもしれない。

 

後藤「まさか、左門さんのクラスメイトさんのあの女の子はスパイで…」

 

後藤の脳内…

 

真っ暗な地下室の中、天使河原が左門に賄賂を受け取り「後藤ひとりさんが盗み監視をしていましたよ」と暴露する。電気椅子に目隠しと猿轡を被せられぐるぐる巻に縛られている後藤ひとりの姿が。

 

後藤ひとり「ん゙ーっ!ウン゙ン゙ーっ!」ドタバタ

 

左門「盗み監視をした罰だ。喰らい給え!」カチッ

 

左門がスイッチを押すと1000vの電流が流れる

 

後藤ひとり「アベバベバ…」

 

ゴトウヒトリのハンノウガナイ!ただの黒焦げのようだ。

 

   妄想終了。

 

 

 

 種明かしをすると、彼女が眼前のことばかり食いついていたので気がついていないだろうが、後藤ひとりの頭上、【後藤ひとりがいます】という立て看板を持った悪魔のブーシュヤンスタが浮遊して左門に情報をテレパシーで送り届けているとのことだ。

 

左門「ま、気のせいでしょ。虫…ね。仕方ない!取りに行くよ。」ダッ

 

 

左門は猫のためにと昆虫の捕獲に駆け出すのを見送る猫もといクヌギタマと後藤ひとり。

 

 

後藤ひとり「行っちゃいました。」

 

クヌギダマは正面を向いて後藤ひとりに話しかける。

 

 

クヌギタマ【ねぇ。そこにいるんでしょ?ぼっちさん】

 

クヌギダマの声が継続して聞こえ続ける理由、正確には猫の箱の横に待機をしているカイムの能力のおかけなのだ…けども。

 

後藤「うひゃぁあおわぁいやっ!?」ビクゥッ

 

やはり不意呼びには慣れていない後藤ひとり。

 

クヌギタマに呼ばれた後藤ひとりは、肩をすくめてクヌギタマの方へちょみちょみ足で近寄った。

 

後藤ひとり「わ、わかられちゃいましたか…」

 

クヌギタマ【そんなところにいたら気づくっつーの!ところで、あんたギターバチクソやり込んでるねぇ。そのゴツゴツした手の肉付きと掌のサイズからしたらわかるわよ。】

 

後藤ひとり「よくわかりますね…少々嗜む程度にしています。聞いても下手ですよ?」

 

クヌギタマ【ニャハハ!ウチってばさ、人間の手の匂いを嗅いだだけでその人が[器用か不器用か]どんなことに熱意を持っているのか]なんでもわかるんだよ。

7年前もさ、ギターを背負った紫おさげの女の子がうちのことを見つけたの。あんたと同じくらい影を背負った暗い女の子。あの手はギタリストみたいに固く膨張してボロボロだったね。でも自信なさげの瞳の中に見えたよ。あの子は変わりたいって気持ち。】

 

 

後藤「紫御下げの女の子…それってまさか!」

 

 

 

 

きくり『うぇ〜いひとりちゃぁ〜ん』ゲヘゲヘゲヘヘ

 

 

 

 

後藤の頭に例の飲んだくれベーシストの顔が思い浮かぶ。

 

クヌギタマ【今はまだまだ自身がないようだけどあんたは立派に変われるよ。ウチが保証するかんね。ほれ、早くしないとさもピー来ちゃうよ。ウチ黙っとくから早く隠れな。】

 

 

カイム(てっしーじゃ…ない…)

 

 

左門「はあはぁ…虫、取ってきたよ…。新鮮な蛾の幼虫…農家の叔父さんから頂いた。」さっさと受け取れって顔

 

クヌギタマ〚お前さぁ…苦手なもんを必死こいて取りに行ってくれたんやなぁ。これからもいい話し相手になりそうだわ…〛

 

左門「え?そうかい?クヌギタマのためだもの…」

 

 

 

影から見守っていた後藤ひとり「……フフッ」

 

 

更にその後ろの木陰からぼっちを見守っていた星夏「ほぉ〜左門くんが猫と戯れているなぁ。アホタレリョウの言っていたことは本当なんだ。それにしてもなんでひとりちゃんが左門くんを見守ってるんだ?」

 

その光景をさらにさらに別の木陰から見守っていた見守っていた桜「左門くんの可愛いシーンが見れたなぁ。」ニコニコ

 

 

それからも左門はクヌギタマの下へ毎日通い詰め、後藤ひとりも左門がいない頃合いを見計らって直直お世話をしに行った。

 

そして二人がいない時間帯はなぜか星夏がこそっと猫缶を与えたりした。

 

 

しかし左門くんと猫、影から見守っていたぼっちの日常は思いもしない形で終わりを告げる。

 

小さな日常を引き裂かれてしまったその日は1日中曇天で、墨汁が白い生地一面に何十にも重ね垂れ零されたのキャンバスのようにどす黒く染まっていた。

 

バンド打ち合わせの案挙げや練習、接客活動を素早くテキパキと真面目に終わらせた後藤ひとりは高速で神社のうろへと駆け出す。

 

櫟の樹の下に行くとタオルケットを片手に呆然と突っ立って俯いている左門召介がいた

 

後藤ひとりはいつもと違う状況に体を固めた。

 

カイム「………マスター…ほ、本当に解読してええんか…?」

 

カイムも少し浮かべた涙をすぐさま拭って目を瞑り主の左門召介に質問をぶつけた。

 

体を震わせる左門の変わりに、ベヒモスが返答をする 

 

ベヒモス「御主人は現実と向き合わなければいけません!読ませてあげてくだされ」

 

 

 

クヌギタマ〚さもピーへ、うち、そろそろ宛のない旅に出ようと思うわ!色んな人と出会いたくなってきたからね!交通事故と飛び出しには気をつけるよ!短い間だったけどありがとーね!バイビー!〛

 

 

 

左門「ば…馬鹿だなぁ…捨て猫の世話なんて柄でもないからね…や…やっと開放されたよ…」ぽた…ぽた…

 

……雨。それは左門の涙をかき消そうと良いタイミングで降り出した。小雨はやがて激しい音を立てて左門の体を殴りつけるように降り続ける。

 

 

メッセージの全貌を聞いた後藤ひとりは手提げバックを腕から落とし、口から灰色の煙を吹き出し始めた。

 

自分を慰めてくれた猫はもういない。本当のことをいうと、黒猫は自分の寿命があともう少しだということを知っていた。

 

それでいでクヌギタマはそれを覆い隠すかのようにあたかも元気であるように二人に死ぬところを見てほしくないがために自ら二人の前から姿を消すことを選んだのである。

 

 

 

 

ひとり「あの猫さんは…は…私なんかみたいなゾウリムシを応援してくれたのに…もっと…お話したかったのに…う…う…うぇ…」ビェェェ 

 

泣きじゃくる後藤ひとり。

 

降りつく雨は一層強まり周囲の音をかき消してしまう。。

 

いつの間にやら後藤ひとりの肉体がメタモンのようにドロドロと溶け始めてあたりの草木を腐らせた。浴びた瞬間花は枯れ、地面は変色。あたりから酸っぱい湿気った匂いが立ち込め始めている。

 

左門「え…何このピンク色の液体!も…もしかして…後藤さん…?いつも監視していたのはブーシュヤンスタからのテレパシーで感じていたけれどこんなところで解けられたらやばいやばい。流石にこれは公園の生態系が穢れされる。回収してあげよう。」ササッ

 

あの他人のことなんて興味がないとか毎日宣言している左門召介は泣くことも忘れ、急いでジェル状態の後藤ひとりを空っぽになった段ボール箱の中に受け止めた。

 

……ポン

 

左門くんの肩を触るものがいた。振り返ると、嘗てライバルとして向き合った地獄の総監督小将閣下に黒のこうもり傘を差し向けられていた。

 

ネビロス「その段ボール箱の中身はアガリアレプトの能力テレパシーで教えてもらった。その段ボール箱は俺があのライブハウスに届けておく。お前は風邪を引かないうちに帰るんだ。傘は貸そう。」

 

左門「……君なんかに2回も慰められるとはね。ネビ山さん」

 

ネビロス「…フン。」

 

 

 

 

 

数日後…ライブハウスStarryにて

 

後藤ひとり「間に合いましたァァ…」

 

山田リョウ「二秒遅い!罰として今度ドリルパフェ奢って 」

 

 

虹夏「辞めんか!」バキッ  

 

 

駆け込んだ後藤ひとりのギターケースのチャックに猫のストラップがくっついていた。

 

 

郁代「かわいいですね!!その木彫りの猫ちゃん!!」

 

後藤ひとり「へ…へへへ…朝起きたらポストの中に入っていたんです。こんなちり紙以下の私が猫のストラップを…くださったのは誰なんでしょう」

 

 

リョウ「ぼっち…いつもより臭い。」

 

ひとり「ガーン!」

 

星夏「オメェ等そろそろライブの話し合いしろよ〜。」

 

星夏(あの変なカフェのバイトからボッチちゃんの入った段ボール箱を貰って急いで修復をしたはいいが…猫が書かれてる木彫りの角材まで入っていたぞ。急いで彫刻をしたからいいものの手が痛い。)

 

 

虹夏「お姉ちゃんなんで手が傷だらけなの?」

 

 

 

 

 

その頃、左門のカバンにも同じ猫のキーホルダーがついていた。

 

よほど不器用な彫師が作ったらしく…あまりにも、猫に見えなすぎてもらった本人は『タワシのキーホルダー?』と首を傾げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回

山田リョウ「バンドするのか?しないのか?どっちなんだい!」


お使いに行く後藤ふたりちゃんと天使川原姉妹!


また修正しました。真面目に書かないとひどいや

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