紅き閃光 赤髪美少女ウマ娘ちゃんになったんだからレースもライブもセンター目掛けて駆け抜ける話 作:一般TS希望ウマ娘くんさん
「うーむ、結構上の階になるか…………これだけ大きいし仕方がないか」
トレセン学園の寮は広い。
まあ全国津々浦々のウマ娘達が集まっているから仕方のない事だろう。
寮の部屋割りを確認すると、どうやら上の階になるらしい。
新人はどうやら上の階になるのが定番らしく、他の子もみんなどんどん上の階に上がっていく。
「えーっと、私のネームプレートはっと…………ここが私の部屋かあ。最上階じゃん……それに角部屋で遠いし」
辿り着いた私の部屋はなんと寮の最上階だ。 普通に遠くて面倒くさい。
まあそれも時期に慣れるし、なおかつ上がうるさく感じにくいところはメリットだろう。
部屋の入口に、私の名前である『アーベントロート』と木彫りされた札を探すと、角部屋に辿り着いた。
このトレセン学園では、部屋内にいる時は表面の黒色。レースや遠征などをしているときは赤色の面を出すことで在室不在を分かりやすくしている。
こうやって自分の名前が残っているものを見ると、遂にトレセン学園の生徒になった実感が湧いてくる。
私は部屋のドアをノックしてから、入室したのだった。
「──失礼します……今日からお世話になります、アーベントロートです…………よろしくお願いしますー」
ドアを開けるとかなり広い。
二人一組の部屋だとは聞いていたが、これなら満足して過ごせそうだ。
そのまま奥に進んでいくと、一人のウマ娘と出会う。
青鹿毛の長髪をシニヨンに纏めている。身長も比較高くて、何となく儚げで……
「あら……誰か今日から入ってくるとは聞かされたけど。『ロート』、貴女だったのね。歓迎するわ」
「──なーんだ、先輩って『ラモーヌさん』だったのか。知ってる人で良かった……」
綺麗な人だと思っていたら、見知っていた人だ。
メジロラモーヌ、マックイーンと同じメジロ家の一員だ。
直接会ったりその走りを見ている回数は少ないが、綺麗だったと今でも覚えている。
「──私以外ならどうなってたと言うの? 普段から知らない人との人付き合いなんて、貴女苦手ではないでしょうに」
「いや……ちゃんと先輩には挨拶しないとなーってなるだけですけど? これからお世話になるルームメイトなんですから。──ラモーヌさん、久しぶりに遊べそうな人と会って面白がってません?」
「あら、別にそういったつもりなんてないわ? ご想像にお任せするけれど」
──絶対に内心楽しんでいる。あの人はそういうタイプだ。
世間一般では、ラモーヌさんには近寄りがたいとかそういうイメージを持つ人も多いが、案外…………優しい。
話の大半が自分の中で完結してるから、こっちで補って考える必要があるけれど、基本的にはいい人だ。
初めてラモーヌさんに会った時、一緒にツーショットまで撮ったから、怖さとかは全く持ってない。
──マックイーンにはちょっと引かれてたし、後で結構それなりに怒られたけど、それもいい思い出だ。
とりあえずこれからの学生生活で安心感を得たからか、その後ラモーヌさんとしょうもない話のやり取りをして1日が過ぎていったのだった。