この素晴らしいエリス様と祝福を!   作:おふざけちゃん

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この素晴らしいエリス様と祝福を! 並行四重奏〜ヘイコウカルテット〜 2

 

 「第2章 この仲間+aと混浴を!」

 

 少し強張った顔で見つめ合う俺とクリス、今までちゃんとした喧嘩はしたことが無かった俺だが、今回ばかりは譲れない戦いがここにある。

 

「……あの、二人共、一旦落ち着いてお話しませんか…?」

 

 俺とクリスが火花をぶつけ合う中、先程から間に入ってくれているめぐみん。

 

「そうだぞ二人共、そんなに睨み合うなら私を見ろ。」

 

 ダクネスは相変わらずだが、そんな事に構ってる暇などない。

 

「おいクリス、流石に往生際が悪いぞ、今回のお金は寄付はしない…何故なら俺が自分で稼いだやつだからだ、分かるか?」

 

「そんな悪魔に貰ったお金をカズマに持って欲しくないのもあるけど、私はこれでも女神だからね、自分の信者は大切にしたいのさ……だからほら、半分だけでいいから、ね?」

 

 さて、一体何の話をしているのかと言うと、それは昨日に遡るんだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ___俺が死んで日にちがたったある日、こたつの中で温々としていた俺は、ウトウトしていたが玄関のドアを叩く音で目が覚めた……こたつから這い出た俺は、ドアの前に向かうと……

 

「フハハハハハハ!最近ポンコツ店主が商談に来るたびに目が胸に行く小僧よ、天才的なポンコツっぷりを発揮するポンコツ店主ではロクな目利きが出来ない為、吾輩が直々に商談に来てやったぞ!!」

 

「いや胸に行くのは仕方がないだろ、これは男の本能だ、気にすんな。」

 

 そこにいたのは怪しげな仮面をつけた悪魔なのだが、何故か所々体が崩れそうになっているためポロポロと土が落ちている……玄関の掃除が面倒くさいから辞めてほしい。

 

 そうして、絨毯の上に胡座を書いたバニルは、俺が作った道具の数々を鑑定している。

 

「うむ。小僧に対する我輩の目立ては正しかった様だな、これは売れる。間違いなく売れる。このこたつとやらも上手い具合の暖房機器だな……。」

 

「そうか、頑張ったかいがあって良かった。」

 

「さて、では商談といこうか…取り決めでは毎月、商品の売れた利益の1割を支払うとなっているが……。どうだ小僧、これらの商品の知的財産権自体を売る気はないか?これら全てを引っくるめ、三億エリスで買ってやろう」

 

 三億……か、まぁその位が妥当だろうな。

 

「因みに月々の利益の還元でも、どちらでも良いぞ?まぁこれだけの物ならば、生産ルートが確立出来れば毎月百万エリス以上の収入が入ると思っておけばいい………ところで、これは一体何に使う物なのだ…?」

 

「うん?あぁそれは風船だよ……うん、風船…。」

 

「成程避妊具か……」

 

 おっと人の頭の中を覗かないで欲しいな……

 

「まぁ一応これも商品として置こう…さてどうする?月々の支払いか一括か……小僧が選ぶがいい。」

 

 うーんそうだな、まぁそこら辺はまたptメンバーと一緒に決めるかな。

 

「そうか、ならそうするがいい、それでは我輩は店が心配だから帰るぞ、また来る。」

 

 そう言ってワハハハと笑いながら去っていったバニル、さて、あの3人は一体何処へ行ったのやら……まぁ帰ってくるまで部屋で待っとくか。

 

 

 

 

 

 ……そうして、クリス達が帰って来たから話合うと決めたのだが。

 

「クリス、魔王幹部を倒したのを寄付するのは分かる、だが今回は俺が自分で稼いたんだから、好きに使わせてくれないか?」

 

「でも……ほらカズマもエリス様の信仰信者でしょ?ならほら……貧しい人達へと寄付するのが信者の努めだよ!!」

 

「いや違いますけど」

 

「えぇ!?」

 

 そうしてしょぼくれたクリスを尻目に、このお金の使い道を考える事にしたのだが………

 

「……なぁめぐみん、何かこう癒やしてくれる観光名所みたいな所ってあるか?」

 

 そうだ、どうせお金あるならこの疲れた体を癒やしてやりたいからな、綺麗な景色を見るのもいいな……

 

「そうですね……なら、"アルカンレティア"とかどうでしょう?」

 

「アルカンレティア?何だそこ」

 

「あぁ、アルカンレティアと言えば、水と温泉の都と言われている温泉名所だ。」

 

 温泉かぁ…確かに癒やしてくれるし、温泉の名所等と言われるのならそれだけ素晴らしいのだろう……よし!

 

「そうだな、たまには贅沢して温泉旅行も悪くないな!」

 

「アルカンレティアかぁ……う〜ん……」

 

 そう言っていつの間に戻ったのか、クリスが手を組んで何か考えていた。

 

 

 

 

 

 ___翌朝。

 

「カズマー!朝ですよ、そろそろ行きますよ」

 

 朝早くからめぐみんが俺の部屋へと入ってきて、布団を引っ張ってくる……

 

「う〜ん後5分……」

 

「何馬鹿な事言ってるんですか、もう二人は準備出来てるんですよ?」

 

「……因みに今何時だ…?」

 

「確か朝の6時だったと思います」

 

 おいおいまだ朝の6時かよ……そんな朝早く行かなくても、今日はゆっくりして行けばいいじゃないか………。

 

「ちょっとカズマまだー?早く起きて行くよー!!」

 

 下の階からクリスの声が聞こえ、めぐみんもそれじゃと降りて行った……やれやれ、こんなに早起きしたのはいつ振りだろうか……。

 

 

 

 

 

 ___水と温泉の都、アルカンレティア。

 

 このアクセルの街から馬車を使えば大体一日半ぐらいで着くらしい……朝イチで出発すれば、野宿するのは一日で済む。

 

 向こうは何泊するのかまだ分からないので、しばらく留守にする事をアイツに伝えるべく、俺は営業中のこじんまりとした魔導具店のドアを開ける。

 

「へいらっしゃい!温泉と聞いて混浴があればいいなぁと思ってる小僧よ、安心するがいい、汝の望む物はちゃんとあるであろう。」

 

 そうしてニヤニヤとこちらを見るバニルは置いといて、店の奥を覗くとそこには焦げて倒れ伏すウィズの姿があった……。

 

「……ウィズは一応お前の雇い主じゃなかったのか?」

 

「たわけ、このガラクタ店主を自由にやらせていたら、我輩が千年働いても赤字のままである。ちょっと目を離すととんでもない事をやらかすのだからだな。」

 

 何があったのか凄く気になるが、今日の俺の用事はウィズではなくバニルである。

 

「いや実は今日はお前に用事があって来たんだよ、ちょっと温泉旅行に行く事になってな。それで例の商品の話なんだが、帰ってくるまで待っててくれないか?」

 

「何だそんな事か。未だ商品の生産ラインは調っておらぬので、ゆっくりと羽を伸ばすついでにこのポンコツ店主も持っていくがよい。」

 

 そう言ってウィズを引きずりこちらに持ってくるバニル……本当に雇い主なのか……?

 

「いや、俺はいいけどさぁろアンデットに殺意しか抱いてないクリスが、どんな反応をするか分からんぞ……?」

 

「安心するがよい、あの女神は貴様の友人に手を下す程心は腐ってはおらぬ。それに以外と着痩せするこの店主は実は大の風呂好きでな……この見通す悪魔を信用するのであれば混浴の機会があるかもしれんぞ?」

 

「ふんっ!そんな事で釣れると思うなよ?ただ風呂好きなウィズが温泉に入れないのは可愛そうだ…だから俺が責任をもってちゃんと連れて行ってやるよ。」

 

 そうして後ろからニヤニヤしてくるバニルを置いといて、ウィズを背負い馬車の待合所に向かうのだった……。

 

 

 

 

 

「……で、ウィズを連れてきたと……」

 

 俺が背負ってるウィズに冷たい目を向け、その目のままこちらに向いてくるクリスに冷や汗をかく……。

 

「あ、あぁ、駄目か…?」

 

「ふーん?まぁいいけど、ウィズ消えかかってるよ?」

 

 そうしてウィズを一旦地面に降ろすと、確かに気を失ったままウィズは確かに薄くなっていた。

 

「ま、まずい!おいダクネス!」

 

「街への旅行か……子供の頃お父様に王都へと連れられた時以来だな……ん?どうしたカズマ、急に手を取ってええええええ!?」

 

 何やら浸っていたダクネスの手を取り、俺はドレインタッチを行使する。

 

 ダクネスから奪った生命力をウィズへと送ると、薄くなりかけていたウィズがみるみるうちに生き返り、やがてくっきりとし目を覚ます。

 

「あら……?カズマさんじゃないですか、ここは……?」

 

 目覚めたてのウィズがキョロキョロとする中、俺はダクネスに首を締められていた。

 

「おおお、お前というヤツはッ!せっかく昔の記憶に浸っていたと言うのに!!」

 

「あぐぐ、仕方ないだろ!緊急だったんだ!それにどうせ魔力使わないだろ!?」

 

「お客さん方ー!乗らないのなら置いていきますよー!」

 

 

 

 

 

 冒険者である俺達は、護衛として雇われる事も出来たのだが、万が一の際にはあまり戦いたくないので普通に料金を払い、ただの乗客になる事にした……のだが……

 

「おいクリス!そっちに走り鷹鳶行ったぞ!」

 

「まずいですよカズマ!このままじゃ衝突します!!」

 

「カズマさん!もうそろそろこちらも魔力切れです!!」

 

 俺は頭を抱えていた……そう、走り鷹鳶とか言う硬い物が好きなモンスターがいるのだが、そいつがダクネス目掛けて群れが向かってくるのだ。

 

 クソっ!!どうする!?もうダクネスを道に転がすしかないのか!?

 

「はぁ……はぁ……おいカズマ見ろ!連中が私を凝視してこちらに向かってくるぞ!!このままでは私はあのモンスター共に蹂躙されてしまうのでは……っ!!」

 

「ええい黙っとれ!!おいおっちゃん!ここら辺にでかい洞窟か何かないのか!?」

 

「え、えっと、大雨に降られた際に休憩に使っている洞窟くらいならありますが……」

 

「その洞窟って近いのか!?近いのなら馬車を走らせてくれ!おいお前ら!馬車に乗り込め!!」

 

 俺は周りに指示をだすと、おっちゃんにすず馬車を出してもらい、その洞窟へと向かう。

 

 何とかウィズに魔力を送り、魔法で足止めをしてもらい、何とか洞窟に行けた俺達は俺の作戦を実行するのだった……。

 

「おいめぐみん!魔法の詠唱しとけ!指示出したら撃ってくれ、そしてダクネス!今回の標的はお前だからな、洞窟の真ん中に顔を伏せて座っとけ!あまり怪我はするなよ!?」

 

「「分かった!「分かりました!」」

 

 そうして少し遅れて走り鷹鳶の群れがダクネスに向かって走ってくる、めぐみんの詠唱はすぐ終わりそうなので、ダクネスの方を見ると……

 

「あのバカ!仁王立ちして攻撃を受ける気満々だな!?」

 

「フハハ!こんな絶好の機会を逃すわけないだろう!ついでにめぐみん!私も巻き込む用に魔法を撃ってくれてもかまわないのだぞ!?」

 

「え、えぇ……。」

 

「カ、カズマダクネスをどうするの…?」

 

「……もう知らん、好きにさせとけ……。」

 

 そうして走り鷹飛がダクネスの頭上を通り過ぎて行くのを横目に、全ての走り鷹飛が入ったのを確認すると、めぐみんに指示を出し魔法を撃ってもらうのだった……。

 

 

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