この素晴らしいエリス様と祝福を!   作:おふざけちゃん

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六花の王女様!!
この素晴らしいエリス様と祝福を!六花の王女様!!


 

 エピローグ「爆裂娘の故郷へ!!」

 

 翌朝。

 

 あれほど燃えていた里が嘘みたいに復旧して行くのをみつつ、俺はめぐみんと二人っきりで里の外へと出ていた。

 

 そこは林の中に入った人気のない静かな場所。

 

 ここで聞こえるのは虫や鳥の声だけ、そんな中にはめぐみんが突然、俺の方を振り向いた。

 

 ………まさか、ここであの話でもするのだろうか。

 

 正直未だに気持ちが決まってないから、もう少し待って欲しいんだが…。

 

「和真。………私は、今から上級魔法を覚えようかと思います。」

 

「………なんだって?」

 

 まさかあの話よりも重い話だとは思わなかった。

 

 にしてもなんで急に…?あの一に爆裂ニに爆裂、三四も爆裂五に爆裂のめぐみんが?

 

「あの日、ゆんゆんの家に泊まりに行った時、ゆんゆんと話したんです。」

 

 そう言って、真面目な顔で此方を見つめるめぐみん。

 

「この先、爆裂魔法が使えない状況に陥った時、私は何も出来ない所か………皆の足手まといになるだけです。」

 

「何を今更……。」

 

 めぐみんが少し鋭い視線を送ってきたので、顔を逸らし黙る事にした。

 

「ずっと悩んでたんです、それこそゆんゆんにネタ魔法使いと言われる前からも。………私は、もう和真達のお荷物にはなりません。………爆裂魔法は今日で封印するんです。」

 

 そんな事を言いながら、俺に笑いかけてきた。

 

 ………いやいやいや。

 

「おい待てよ。そりゃ上級魔法が使えりゃ助かる………が、別に封印する必要なんてないだろう?それに、爆裂魔法の威力向上や高速詠唱のスキルに、得られるスキルは全部注ぎ込んでいるんじゃ?」

 

 そんな俺の言葉に、めぐみんはクスッと笑い。

 

「そんな事、よく覚えてましたね。何時でもそのスキルを覚えられる状態で、ずっと大事に貯めておいたのですよ。」

 

 言いながら、めぐみんはそのままジッと自分の手元の冒険者カードを見る。

 

 めぐみんが、大切な思い出の品を眺めるように、ジッとその手元のカードを見詰めている。

 

 ………やがて、静かに目を閉じて深く息を吸い、目を開けた。

 

 そのまま何かを堪える様にバッと俺に背中を見せて、後ろ手に自分のカードを突き出してくる。

 

「すいません和真。凄く酷い事をお願いしてもいいですか?」

 

「………自分じゃ押せないから、俺に押してくれって?」

 

 めぐみんがコクリと頷く。

 

「後悔は?」

 

「しません。」

 

 俺は無言でそれを受け取る。

 

 ………アホだなぁ、本当に。

 

 何よりも爆裂魔法が好きで、それに全てを捧げてきたクセに……俺は無言でめぐみんのカードを操作する。

 

 に、しても他人でもカードって操作出来るんだな。

 

 俺は操作を終えると、それをめぐみんに手渡した。

 

 めぐみんはそのカードを見ずに、自分の胸元へと無造作に突っ込む………あれストンッて落ちたりしないのかな?

 

「さぁ、ではそろそろ皆の下へと帰りましょう!クリスやダクネスが待っています。」

 

「………なぁ、俺からも一つ良いか?」

 

 そう言うと、ピクリと肩を動かした後、ゆっくりと振り返ってきた。

 

「………なんですか?」

 

「あの日の夜の事だ、お互い…きっちり話をしよう。」

 

 唇を少し噛み、作り笑いでこちらを見る。

 

 ………なんだか、こんなに痛々しいめぐみんを見るのは初めてだ。

 

「俺の予測が正しければ、めぐみんは俺の事が好き………そうだろう?」

 

 と言うかそうじゃなきゃ、好きでもない男にあんな事するとなると逆に心配だ…。

 

「………えぇそうでしたね、でももう良いんです、私はキッパリ諦めましたから。」

 

「そうか、まぁそれならいいんだが……。」

 

 そう言うと、また俯いて歩きだすめぐみん。

 

 ………さて、どうしたもんか、そう考えていると。___

 

「あっらー?そこ男、あんた前の男じゃない!!」

 

 そう言って、物凄い形相でこちらを見詰めるオーク、とその群れ。

 

 ………さて大変だ、まさか今日だけでこんなに重い出来事沢山くるとは……俺の心はもうズタボロだ。

 

 だが、これはチャンスだ………済まない、とは思ってないが、利用させてもらうよオーク達よ。

 

「め、めめめぐみんッ!!さっき覚えた上級魔法でやっちまえ!」

 

「大丈夫ですか和真ッ!?ほら、私の後ろに隠れてください!」

 

 そう言われ、俺はめぐみんの背中に隠れる。

 

 ………にしても、小さな背中だな……俺はこんな小さな背中に頼っていたのか。

 

「初めての上級魔法はこれですかね……、雷鳴よ轟け!『ライトオブ・セイバーッ』!!!」

 

 ………オーク達は全員、身を縮こめる中、俺はめぐみんの呆けたアホ面を見て少し笑いそうになっていた。

 

 めぐみんはギギギと顔をこちらに向け、訳が分からないと言う顔で俺を見ていた。

 

 少しの沈黙の後、めぐみんが口を開く。

 

「………和真、どう言う事ですかッ!!」

 

「アッレー?オッカシイーナー?」

 

 俺は片言でワザとらしく言い、次の言葉でめぐみんに促す。

 

「上級魔法が使えないんだったらぁ〜………爆裂魔法を使うしかないねぇ〜?」

 

「ッ!?」

 

 なんとも言い難い顔で俺を見るめぐみん。

 

 多分今俺自身が鏡で顔をみると、クッソうざい顔をしてるだろうな。

 

 ………だがまぁ、俺はこの選択を間違いだとは思わないし、正解だとも思わない。

 

 ただし、一人の少女にとっては大正解だってかも知れない………だって、あんなに嬉しそうな顔をしてるんだから。

 

「和真ッ!!やっぱり、私は和真を諦める事は出来ません!『エクスプロージョンッ』!!!」

 

 自らが放った魔法の力を目の当たりにし、めぐみんは驚きの表情で懐からカードを出す。

 

 それに目を走らした後、俺の方を困った様な、そして嬉しそうな顔でなんとも言えない微妙な顔でじろっと睨む。

 

 やがて、バサッと自分のマントを翻して、吹っ切れた様に笑みを浮かべ俺に向かって名乗りを上げる。

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、爆裂魔法を操る者!アクセル随一の魔法の使い手にして、いつか爆裂魔法を極める者ッ!!」

 

 そこには、普段通りのめぐみんがそこにいた。

 

 俺はめぐみんのスキルポイントを、全て爆裂魔法の威力向上に突っ込んだ。

 

「今のは何点でしたか?」

 

 そりゃあもちろん。

 

「百二十点」

 

 それを聞いためぐみんが、とびきりの笑顔を見せた___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「第一章 この明るい未来に祝福を!」

 

 

 

 この所、旅に出ていたせいで何処となく埃っぽい懐かしの我が屋敷。

 

 俺は広間の中央で、柔らかな絨毯の上にあぐらをかき、つい先日までの出来事を振り返っていた。

 

 ___家の優秀な魔法使いの故郷にして、アークウィザードの聖地、紅魔の里。

 

 そんな紅魔の里へ、魔王軍が攻めてきたと聞いて行ったは良い物の、別にそこまでピンチじゃなかったり。

 

 そしたら魔法が効きにくい奴が出たりと………まぁ色々あった、そう本当に色々。

 

 結局魔王軍幹部シルビアを倒し、紅魔の里には再び平和が戻ったのだが___

 

「……さっきから和真がニヤニヤしてるんだけど、何かあったの?」

 

「さ、さぁ……そういう日もあるだろう。」

 

「ほら、次はクリスの番ですよ。」

 

 アクセルに街に帰ってからと言うもの、俺達は平和な日常を送っていた。

 

 何時のまに持って帰っていたのか、三人で懐かしのゲーム機で遊んでいた。

 

 ………ギャルゲーを。

 

 女三人で女を口説く、そんな面白い光景をみつつ、三人の手が止まっているのを眺める。

 

「どうしたんだ?三人でそんなに固まって。」

 

「え?あぁ実はね、さっきからこの子の攻略に戸惑っているの。」

 

 そう言ってクリスが俺にコントローラーを渡してくる。

 

 ギャルゲー……か、懐かしいな、これをすれば本当にモテると思い、色んな女の子に試そうと意気込んだなぁ………。

 

 まぁ意気込んだだけだったけど。

 

 そんな事を考えつつ、俺はその攻略対象の説明を見る。

 

 ふむ………義妹か。

 

 いいな、俺の好きな部類だ。

 

「いいか、お前ら?ここはな、取り敢えず頭を撫でとくんだ。すると………ほら、喜んでいるくれた。」

 

 おぉ、と歓声が上がるなか、俺は喜んでいる義妹を見てふと思う。

 

「___妹欲しいな。」

 

 俺が放った一言に、一瞬その場が静まり返る。

 

 そして……。

 

「ねぇダクネス、次はダクネスの番だよ。」

 

「ほら、早く次の選択をして下さいな、とっととコイツを堕として次行きますよ!」

 

「おいめぐみん、この子達をコイツ等と言うでない…。」

 

 俺の言葉を聞き流す事にしたらしい三人は、きゃいきゃい言いながらゲーム機へと視線を戻した。

 

 ………。

 

「聞けよおぉぉぉぉッ!!!」

 

「えぇぇぇぇッ!?なんでぇぇぇぇッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クリス達が端に行き、何かヒソヒソ声で話している。

 

 取り敢えず読唇術で読ませてもらおう。

 

『ね、ねぇ本当に和真どうしちゃったの?』

 

『分からない………だが、多分旅の疲れで頭がやられたのだろう…。』

 

『それか、私の妹を見て欲しくなっちゃったんですかね…。』

 

 取り敢えずダクネスとは後で結局を着けるとして、別にめぐみんの妹を見て欲しくなった訳ではない。

 

「カ、和真…妹が欲しいなら、私達に言わず、親御さんに言った方が良いと思いますよ?」

 

「親には昔訴えたさ、でも出来たのは弟で、もう最悪義理で良いから別れて再婚してくれってな。あの時初めて親に殴られたよ。」

 

「それはまぁ、和真にしては珍しい奇行だね。」

 

「うむ、それに出来た親御さんだ。」

 

 俺は話についてこられないでいる三人に、真面目な顔で訴える。

 

「俺の事はどうでも良い、まぁ簡潔に言うと………癒やしが欲しいんだ癒やしが。」

 

 頭の上に?マークを浮かべてそうな、困惑した三人。

 

「……全く、しょうがないですね。つまりこう言いたいのですか?私に妹の代わりになれと。」

 

「いや?全然違う。」

 

「あれっ!?」

 

 何故か落ち込んだめぐみんを尻目に、クリスがおずおずと手を挙げた。

 

「えーと、それはもしかしてあの手紙が関係してる…?」

 

 ___そう、俺が今になってそんな事を言いだしたのも、一応ちゃんとした理由がある。

 

 それは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「和真、和真宛に手紙が来てるよ?」

 

「ん?手紙?」

 

 手紙なんて誰かに送ってたっけな………、もしかして今遠出してるミレレギか?最近あいつのとも会ってなかったな。

 

 んーとどれどれ?

 

「『佐藤和真殿。今回は貴殿の活躍に伴い、ベルセルク王国の第一王女アイリス様が、貴殿の話を聞きたがっている為、王国への招待状を送らせて頂きます。』……と。」

 

 え、王女さんにお呼ばれしたってこと…!?怖い怖いえ?俺の話を聞きたいってどう言う事だってばよ…、。

 

 俺が不安がっていると、台所で皿洗いをしていたダクネスの方から、皿が割れる音がした。

 

「………何してんだあいつ。にしても王女様かぁ、確か十二歳だっけ?」

 

 そう、俺は手紙をくれた第一王女に期待していた。

 

 流石に十二歳はストライクゾーンから外れてるし、ならせめてその子と仲良くなりたい、それに仲良くなった暁にはお兄ちゃんと呼ばれものだ。

 

 そんな俺の想いを知ってか知らずか、紅魔の里から帰ってきてからと言うもの。

 

「………なぁ和真、今からでも遅くない。この話は断ろう!な?相手はお堅いトップだ、少し粗相を働けば私達の首など簡単に飛ぶんだ。」

 

 何時になく必死なダクネスが、こうして定期的に説得を試みていた。

 

 どうしてそこまで会わしたくないのだろうか………コイツは俺をなんだと思ってるのだろうか。

 

「ねぇダクネス、そんなに私達の事、信じれない…?」

 

 自分の胸の前に手を組んで、上目遣いでダクネスを見詰めるクリス。

 

 それはまるで、エリスを彷彿させるかのような………ずる賢いな。

 

「う……うぅ…、いや、信じてはいるのだが。相手の王女様が極度の人見知りでな……。私達の言葉をどう受け取るか本当に分からないんだ。」

 

 泣きそうな顔をしながらも、クリス……いやエリスの言葉でさえ否定するダクネス。

 

 珍しくオロオロしているダクネスに新鮮味を感じながら___

 

「おっと、タキシードを買っておかないとな。お前らもドレスなんてもってないだろ?一緒に仕立てて貰おうぜ。」

 

「良いですね、私もたまにはお高い服を着てみたいです!」

 

「うーん私は持ってるからパスかなぁ…。」

 

 ………なんで持ってるか気になるが、まぁ今は気分が良いから野暮な突っ込みはしない。

 

 そんな盛り上がる俺達を見て、ダクネスは更にオロオロしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一段落置き、俺達は街を歩いていた。

 

「あ、和真さん!……とエリス…様、丁度良い所に居ましたね、和真さん考案の着火具が搬入されましたよ。」

 

 俺達はウィズに連れられ、店へと足を運んだ。

 

 店の中では興味無さそうに、それでいて何時ウィズを殺ろうか考えているであろうクリスを尻目に、ダクネスとめぐみんが興味津々にライターを見ていた。

 

「和真和真、早く見せてください。この魔道具の力を!」

 

「魔道具じゃなくて、俺の国の便利グッズだって…、まぁ見とけ。」

 

 めぐみんからそれを受け取ると、俺はライターに火を付けた。

 

「「「おぉっ!?」」」

 

 俺が灯した火にめぐみん、ダクネス、そしてウィズの三人が声を上げる。

 

「こ、これは凄く便利だな!本当にまんまティンダーの魔法じゃないか!」

 

 ダクネスは興奮した面持ちではしゃいでいる。

 

「簡単な構造で良く出来まいますね、魔道具じゃないと言うのが信じれない位です!」

 

 感心した様にライターを手に取り、色んな角度から眺め回しているめぐみん。

 

 やはり便利だな、日本の道具。

 

 俺の国に感謝していると、店の奥から相手したくない奴が出て来た。

 

「フハハハハハ!良い物を作ってくれたな、旅行先で仲間とちょっと良い雰囲気になったのに、帰ってからちっとも進展ないことにソワソワしている小僧!!」

 

「おいバカやめろ!お前もチラチラこっち見んな!」

 

「み、見てませんよ!」

 

 クソっ!やっぱりこいつが居ない時に来たかった!!

 

 そう悪態をついてると、バニルはニヤリとしながらこちらに手渡してきた。

 

 これは………。

 

「巷で密かに人気の、量産型バニル仮面だ。月夜に着ければなぞの悪魔パワーで強くなれる優れものだ!」

 

 い、いらねぇ……。

 

 ていうかこれ、着けたら呪われたりとかしないよな…?

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