皆様もナマモノの取り扱いにはご注意を…。
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[アビドス砂漠駐留隊警護]
〈依頼内容を説明します。〉
〈目的はアビドス砂漠にて活動しているカイザーPMC理事の護衛です。〉
〈現在、アビドスの土地所有権はカイザーコーポレーションにあるのにも関わらず、反抗している勢力、身の程を弁えない不良グループからの妨害の可能性があるため、身辺警護をお願い致します。〉
〈なお、このメッセージとは別に、理事からのメッセージがあります。〉
〈カイザーコーポレーションは、あなたを高く評価しています。〉
〈良いお返事を期待していますね。〉
≪久しいな、ワタリガラス≫
「どうも。出世したなアンタも」
自宅への帰宅許可が降りたため帰宅。 そしたらまさかのカイザーコーポレーションからメッセージが着ていたので、聞いてみたらこれだ。
メッセージとかじゃなく、開くと向こうにTELが飛ぶようになっていて、ライブ画面に現れたるのは無機質な機械面、図体デカいくせに真新しい黒いスーツを着て、高級そうな椅子に身を預けふんぞり返った野郎が映る。
≪どうやら、負傷したらしいじゃないか≫
「…理事サマはお耳が早いようで」
≪甘く見てもらっては困る。して、依頼は請けるのだろうな?≫
「請けるもなにも病み上がりだぞこっちはよ」
コイツ、既に請ける前提で話を進めようとしてやがるな? 昔は理事にもなってなかったクセに何なんだっつの。……医学部のおかげで左肩の調子は悪くない。まだ少し違和感はあるが。
≪ところで、貴様は件のオートマトンの情報は欲しくないか?≫
「はぁ?」
≪共に仕事をした誼みだ。情報をくれてやる≫
「……」
≪その代わり、私を警護してもらいたい≫
何処から入手した情報なのかは気になるところだが、コイツの護衛だぁ? 正直、今の時点で関わりたくない気持ちが強い。
≪上手く行けば、報酬も弾む≫
「…上手く行けば?」
≪どうだ。悪い話ではあるまい。必要ならば前金も出そう≫
ブラック100%の気配しかないなこの話。
自分達の目的を話さない、報酬だけ示す、前金じゃぶじゃぶ。
「……断る」
≪いいのか? あのオートマトンの情報は永遠に失われるぞ?≫
「金はともかく、その情報が本物かどうか――」
≪アビドス砂漠に奇妙な地下施設があるのを発見した≫
「………」
はっ、流石大企業カイザーコーポレーション。砂漠陣取って何かしてたら偶々見つけたのか。
……どうする。絶対厄介事になるのは目に見えてる。警護だけならまだしも、アビドス高校が来たら目も当てられん。カイザーはどうでもいいがアビドス生徒からの信用を失うのは良くない。しかも下手すりゃ風紀委員ともかち合う可能性も……。
というかそもそも私は運び屋なんだが?
≪後日、送信した場所、時刻に迎えを寄越してやる。しっかりと準備しておくんだな≫
「おい勝手に――」
≪貴様に選択権も拒否権も存在しない。期待しているぞ、ワタリガラス≫
―――――
―――
―
〚メインシステム パイロットデータの認証を開始します〛
〚...認証完了 あなたの帰還を歓迎します〛
数日後。現在、アビドス砂漠の上空。カイザーPMC印のヘリに乗せられ移動中。
見渡す大地は砂ばかり。ところどころに砂の海に沈んだ街、廃墟がちらほら。……前より砂漠化が進んでるな。
「傭兵。そろそろ前線基地に着くぞ」
「傭兵じゃなくて運び屋」
「知らん。寝るのは構わんが、寝過ごせばそのまま叩き落とすからな」
「起きてるよ。…こっちは理事サマの依頼で来てんだぞ」
「理事からは丁重に持て成せと仰せつかっている」
「はっ、丁重が聞いて呆れるな」
ヘリの操縦をしている機械兵が目的地に近付いたことを報せてきた。
見れば、遠くにやたら巨大な駐屯地が見えてきた。重機やら何やら、金に物言わせて宝探しとは畏れ入る。
……しかし、アビドスの土地で好き勝手やるのはいくらカイザーが大金持ちだとしても釣り合わないんじゃなかろうか。
(もしかして、それをひっくり返すモノが砂漠にある…?)
「……ん? 何だ?」
「あ?」
兵士が何か見えたらしい。私もつられて見てみると――
「襲撃されているだと!?」
「ふーん」
「傭兵!準備しろ!ここで降ろす」
「はあ!?」
抗議の声は上げたが、すぐに降下の準備を始める。……まさかな。
「あの建造途中の社屋に付ける!」
「ったく忙しないな!」
「急げ傭兵!」
「急いでるっつの!あと運び屋だっつってんだろ!」
急いでヘリに載せている持ってきた武器を引っ掴み、両肩のハンガーに載せる。次にマジックテープバンドでまとめてあるマシンガンとショットガンを抱え、メーカーから渡された武器を持ち、ヘリのドアを開け放つ。あー風ヤバい。
「行くぞ!しっかり理事を守れよ!」
「あいよ…!」
〚メインシステム 戦闘モードを起動します〛
着陸地点の建物が近付いてきた。
タイミングを見計らい、ヘリからダイブ。紐無しバンジーとか久々だなー!ちくしょうめ!
―――着地ぃ!かー!病み上がりにこれはキツいわー!かー!
カラスの鳴き真似じゃねぇからな!
着地地点は騒ぎのある場所からは遠い。だが撃ち合っている様子は上から見える。
「さて、と」
武器を置き、メーカーの試作兵器を展開する。説明書……なになに?
「【MWG−XCY/50 TRIAL】。スナイパーライフルの弾をプラズマエネルギー弾にしてみた試作品だぁ?」
ヤバい。産廃(ゴミ)を掴まされたか。
「威力上々、距離減衰率バッチリ。実弾よりも遠く飛びます。つよい!、と。うわこりゃあ…」
メーカー研究員の伝言メモのあとに性能が書かれているが、これどこで誰が実験したんだ?
……取り敢えず、インカムからコードを出し、スナライに接続して構える。
〚武装との接続を確認 .....認証〛
…いつもより長かったな。
スコープモードにしてみる。…ふむ、倍率と解像度は悪くないな。
さてさて…、騒ぎの元凶は――
「うわちゃあ、マジか…」
スコープから視えた元凶。
その正体は、アビドスの対策委員会のホシノ、ノノミ、シロコ、セリナ、アヤナの五人。
そしてゲヘナの風紀委員会のイオリ、チナツの二人。
そして何故か便利屋68のアル、ムツキ、カヨコ、ハルカの四人までいる。
……ああ、先生もいるし。
「あれ相手に護衛しろって無茶な話だろ理事サマよ…」
理事が姿を表したのち、何やら言い合いに発展。音声は理事の通信機から拾っているため大まかな訳は理解できた。
アビドスとゲヘナがカイザーの敷地だと分からず無断で入ってしまった。
私有地とは聞いてない→悪どいやり方でアビドスの土地を買い上げ他、と。
ふーん、これ今あの場に行ったら私悪者の用心棒扱いだねぇ。あーやだやだ。
するとその間にカイザー達が先生生徒チームの包囲を固めてしまう。……出る幕無しか、と思いきや。先生がいちゃもん付けたのか理事と言い合いに発展。隙を見て生徒達が包囲網を崩しに掛かっていた。
≪ワタリガラス!! 何処をほっつき歩いている!!≫
「っ!? うるっさ…! 怒鳴るな聞こえて見えとるわポンコツ野郎!!」
≪喧しい!さっさと来んかアホガラス!!≫
うるせぇ雇い主だぁまったくよ!
再びスコープモードにして構え直し対象を。……気が引けるが、致し方ない。当てないようロックはせず、盾を持ち前に出ているホシノの少し上を狙い定める。
スナライのトリガーに指を掛けて……撃つ。
――――ん?
≪おいカラス!今のは何だ?! 新手の兵器か!?≫
「……いや、まぁ…」
今、見間違いじゃなければ……弾道が上に浮いたように視えたんだが?
今の一発で先生側もスナイパーがいるのに気付き、近場の遮蔽物に身を隠した。
「……誤差修正」
〚武装に異常はありません〛
「は?」
〚武装に異常はありません〛
「……」
〚武装に異常はありません〛
最初は許そう。
再びスコープモード、構えて、先程より左辺りを狙う。……発射。
―――いやもう無理ですわ。
あんなブーメランの軌道描くように右へ曲がったらもう駄目ですわ。ロックオンした場所には当たらず見当違いの方へ行き、カイザー所有の戦車に直撃し派手な花火が上がった。
≪ば、馬鹿者がァッ!! 何処を撃っている鳥娘ェッ!!≫
「………」
狙撃を止め、コードを外し…この産廃を地面に叩きつけ、踏み付け、置いた武器のバンドを外して持ち直しその場を後に跳び出す。
◆ ◆ ◆
―――カザナが来る前。
「アビドスの皆さん、本日はよろしくお願いします。改めて、ゲヘナ学園、風紀委員会所属の火宮チナツと、銀鏡イオリです」
「ふん。脚を引っ張るなよ? それに便利屋ども!この件が終わったら取り締まるからな!」
「やぁだぁー。イオリこわーい!…くふふ。楽しいピクニックになりそうだよねーアルちゃん♡」
「あ、アビドスの皆の手伝いをしようと思ったら、ななな何で風紀委員会がいるのよぉ…!?」
「はぁ…。まぁ、風紀委員がぞろぞろいるよりはマシか」
「だ、大丈夫ですアル樣!い、いざとなったら、私が、全部消しますから…!」
「うへぇ。思ったより大人数になったね~」
「ん。とても賑やか。何があっても大丈夫」
「そうですね♤ ちょっと楽しくなってきました♧」
「あたしら五人に風紀委員の二人、便利屋の四人に先生合わせて十二人…。先生!大人なんだからしっかり引率してよね!」
「アビドスの物資と、ゲヘナから提供していただいた物資も合わせて…。順調に行けば、そう掛からずに目的地に行けるかもしれません」
「よし。それじゃあ、行こうか。アビドス砂漠へ」
ここにアビドスゲヘナの協同隊が結成された。
アビドスの生徒達はカイザーコーポレーションが砂漠で何をしているのか探るため。
ゲヘナの風紀委員は、自治区から逃亡した謎のオートマトンの行方を探すため。
便利屋は色々と迷惑をかけたアビドスへ協力のため。
個性豊か過ぎる面々が砂漠へ向けて出発した。
列車で辿り着いた終点、と言う名の限界駅。これ以上先は徒歩となっており、アヤネが言うには砂漠化前から元々砂漠だったという。
「チナツ。方角は合ってるの?」
「はい。大体の予測では、一直線に向かったのであるなら合ってるはずです」
「ダメ元か…」
「すっご!ホントに砂しかないじゃん!」
「アビドスにはよく来たりするけど、これは…。本当に文字通り飲まれているのね…」
「皆さん、ここからは危険地帯になります。火器の動作チェックをお願いします」
「さて~、行きますか~」
いつの間にかテリトリーを築いていた不良達に、動作不良の警備ロボ、オートマタなどものの数ではないと難なく蹴散らし進む協同隊。 そのうち、イオリが一人の不良娘を捕まえて尋問を始めた。
「おい。最近ここらで妙なモノを見なかったか?」
「うぅ…し、知らねぇよ…」
「何でもいい!なんかなかったか!」
少々乱暴な訊き方だ。一応先生が抑えるようイオリを宥め、丁寧に聞き出してみた。
「……そういや」
「何か思い出した?」
「何日か前に、やけに光る流れ星みたいのがあっちに飛んでってたのを見たような…」
「流れ星…」
「それだ!」
どうやら本当に噂のオートマトンはこちらに逃げてきていたようだ。これで風紀委員会の目的は果たせそうではある。
「あの生意気なオートマトン。次遭ったら絶対頭吹っ飛ばしてやる…!」
「イオリ。その戦ったオートマトンは強いのかい?」
「強い、というか、堅い。ちょっと気合込めないと弾かれる」
「マジ!? うーん、関節とか狙えれば」
「うへぇ。疲れるようなやつと戦うかもしれないのか~」
「ん。……仮のプランなら、私、セリカ、カヨコ、チナツで撹乱して、ホシノ先輩、ノノミ、ハルカで装甲を破壊。仕上げにイオリ、アル、ムツキで吹き飛ばせばいいかな」
「とりあえずはそれでいいんじやない? …シロコ、だっけ?良い腕してるじゃん」
「ん。カヨコも、やる」
「はぁ…。皆元気ねぇ…」
「くふふ。なぁに~?アルちゃんもう疲れたの? なら先生におんぶでもしてもらう?それとも~?お姫様抱っことか~?」
「なぁ!? ななな何言ってんのよムツキぃ!?」
「どっちがいい? 私はどちらでもウェルカムだよ!」
「せ、先生まで何言ってるのよー!?」
「ああああ……!?すみませんすみません…!」
「そ、そんな謝らなくても…!」
「大丈夫ですよ。私とアヤネさんは無事ですから」
「ううう…。私如きがお二人の手を煩わせてしまうなんて…」
そんなこんなで見えてきた真新しい建造物。近付いて調べてみれば、カイザーPMCとの文字とマークが。
軍隊ばりの連中がこのアビドス砂漠で何か企んでいたようだ。
「PMC…。民間軍事会社か」
「成程。途中から妙に手慣れた奴らがいる訳だ」
「ふ~ん。カイザーって色んなことやってたんだ」
イオリ、カヨコ、ムツキがまじまじとマークを確認していたところ、警報音が響き渡る。
皆が驚き、すぐさま警戒するやいなや、溢れんばかりのヘリ、戦車、歩兵がやってくるのが見えた。
「ヤバ!?」
「アヤネさん!」
「はい!皆さん、包囲される前に離脱を! 先生、指示をお願いします!」
「了解」
指示する前にイオリがすぐさま飛来するヘリを瞬く間に三機撃墜した。
「早く!従ってやるから!」
「うん。ホシノ、ハルカは殿を。その後ろにノノミ、イオリ。左右にシロコ、セリカ、アル、ムツキ。カヨコはアヤネとチナツ、ついでに私を守りをお願いしたい」
「は〜い了解。ハルカちゃんよろしくね〜」
「ここ、こちらこそ…!」
「私は満遍なく撃ちますね♤」
「ヘリは任せて。全部撃ち落としてやる!」
「くふふ。近付いてきたらドカーンだね」
「細かいのは私とシロコ先輩でやる! 社長さん、ヘリと戦車はよろしく!」
「承ったわ。……天下のカイザーコーポレーションとやり合うなんて…。これってもしかして、アウトローっぽいのかしら!?」
「先生、アヤネ。何処まで引けばいいの?」
「ここに来るまでに、まだ整備途中の建物がありました。そう遠くはありません。そこに一旦逃げ込みましょう!」
「いいね。そこなら遮蔽物も多い。そこまで退こう」
「了解です。先生、私達から離れないようにしてください」
そうして唐突に始まった撤退戦。
原因としてはカイザーPMCの領地に侵入してしまったこと。なら侵入禁止の札でも置いておけと愚痴りたくなる先生だったが、そこは偉大なる先人の教えを思い出し抑える。
ある首長アルパカの黄金の鉄の塊で出来た騎士曰く
「ここで一歩引くのが大人の醍醐味」。
カッコイイなぁ憧れちゃうなぁ。
その後は生徒達の実力もあり苦戦もせず、包囲もされず、逆に押し込めるような状況になりつつある。しかし決して前に出ず、迎撃のみに抑える。無断で侵入してしまったとはいえ、この場を破壊しに来たわけではない。イオリはやや不満げだが、風紀委員の沽券に関わるかもと聞けば大人しくヘリを落とすだけに抑えてくれた。
何とか良い位置に着けたその瞬間、ホシノの頭上、かなり高い位置にビームらしきものが直撃した。
「うひゃあ!? 狙撃!?」
「ど、どこから…!」
「っ!二射目が来るわよ!」
遥か彼方、砂漠の向こうとアルが示した方向からまたもビームが飛来してきた……が、それはありえない急カーブを描き、包囲しようとしていた戦車に直撃。爆発炎上した。
「うわっ、なに今の!?」
「ムツキ頭下げて!」
「侵入者とあって来てみれば、何だこの体たらくは」
そこに、砂漠に似つかわしくない黒い高級そうなスーツに身を包んだ人物が、兵士の背後から姿を表した。
「あれって、見るからに親玉!?」
「ん。撃つ」
「いいね〜シロコちゃん♪あの位置ちょうど得物が届く位置だし♪」
「ちょっと!?ムツキもシロコも待ちなさい!」
「見ればアビドスに…何故ゲヘナの風紀委員会と便利屋までいるのだ? ここをカイザーコーポレーション、延いてはカイザーPMCの敷地だと知ってこの狼藉を働いたのか?」
「敷地ですって!?」
「……そうか」
「先生?」
アビドスには多額の、それも一生掛けても返せない程の借金がある。砂漠化してゆく街を何となかしようと、土地を切り売りしていくが、それをカイザーコーポレーションが二束三文で買い付け、借金は減らず。元が全てカイザーに繋がっているのだ。減るものも減らない。
「アビドスが、こんな奴に借金してたなんて…!」
「あの時の…」
「…あの娘は『ゲマトリア』が狙っていた副会長、だったか。まぁ良い。 私はカイザーコーポレーションの理事をしている者だ。アビドス、ゲヘナの諸君らは何をしているか理解出来ているのか?」
「この尋常じゃない戦力は、アビドスの自治区を力づくで奪いとるため?」
「あの程度にこの戦力を注ぎ込むと? 違うな。アビドスに眠る宝探しを邪魔する輩を排除するためのものだ」
「……その宝探しの為にアビドスを騙して土地を買い叩いたのか」
◆ ◆ ◆
インカムから聞こえてくる、うんざりする理事のやり口にため息が漏れる。
土地の買い叩き、頭のおかしい金利3000%、利子3億。
返せないなら諦めて学校を去れ。
「………ふん」
≪君たちが悪い訳ではない。ならば、責任を負う必要は無いはずだが?≫
「……」
≪できるわけないじゃないですか!!≫
ノノミが声を震わせ言い放つ。
≪そうよ、私達の学校を見捨てられる訳ないじゃない!!≫
≪アビドスは私たちの学校。私達の街≫
「……」
セリカ、シロコも続く。
…肝心のホシノは何も言わないのが気に掛かる。――あともう少しで着く。
≪―――皆、帰ろう≫
「……」
そんな中、意外な人物から撤退の言葉が飛び出た。
≪これ以上ここにいても仕方無い。弄ばれるだけ。…ゲヘナの皆にも悪いよ≫
≪っ…≫
≪ごめんねイオリちゃん、チナツちゃん。便利屋の皆も。面倒掛けちゃって≫
「……」
≪簡単に返すとでも?≫
逃がすつもりはないらしく、包囲網を厚くしたらしい。何か考えがあるのか。まぁ普通に考えて侵入者拘束だと思いたいが。
―――程無くして、現場のやや高い位置に降り立つ。
タイミング最悪な登場の仕方になるなこりゃ。
「…! きみは!」
「どうも。先生」
「やっと来たか」
アビドスとゲヘナのメンツも私が来たことに驚いて何も言えない様子。…ああ、ホシノの視線が痛い。
「ワタリガラス、侵入者だ。奴らを捕獲しろ」
このメンツ相手に手加減して捕獲って、本気で言ってるのか。……どうするよ私?
少々、色々端折っておりますがご勘弁を…。
カザナから見たら
相手情報:生徒11人
勝利条件:先生に怪我をさせず目下ホシノとハルカをどうにかする。どうにか全員を撤退させる
成功報酬:0 coam
先生側からならボスマスキャラ。
ブルアカの大人のカードを切らないストーリーイベント戦ならではの11人戦闘。