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先生は烏の神話を御存知ですか?
『光』もって『闇』を齎す怪異。
『三相一体の女神』。
『記憶』と『思考』。
『日輪』と『黒点』に棲む三足。
『太陽』の化身。
『簒奪者』。
『星』により暗闇を照らす翼。
『愚かな密告』。
『三つ首の奪還者』。
『火』と『命』を導く者。
この箱庭で新たな輝きとなるのか
総てを破壊し残滓すら燃やし尽くす天敵となるのか。
……先生。
あなたの
謎の隠れ家に侵入し、侵入者対策なのか気味の悪いロボットが床から迫り出してきて、現在睨み合い中。数は十機。こんな変なカラクリを作ったのがどんな奴か知らんが、破棄された訳じゃなく、まだ奴がここにいると強く思わせる。
「……大人しく通しては、くれないわな」
〚ロックオン反応〛
「硬さが分からん以上、無駄弾は抑えたいがそうもいかんか」
既にあちらは私に砲門を向け、何時でも撃てる構え。私が一歩でも動けば蜂の巣。躱して奥へ行っても挟み撃ちになる。
「……テメェら整備部への土産にしてやっからなぁ!!」
集中し、気合入れて脚に力を込め……左腕のマシンガンを
そのまま一足で一番近い奴の懐に飛び込み、ELTANINの顎を開きブレードを伸ばし、赤い目玉目掛けて真横に斬りつける。
飛び出したレーザーブレードが目玉を焼き斬り、その勢いを殺さず少し屈みながらくるりと回って左右の両脚を斬り即背後にいる一機に右腕のショットガンを至近距離から目玉に叩き込みスクラップに。残り八機。
〚残り8機〛
「――そらよ!」
先に斬り落とした変なのを蹴り飛ばし右側の奴らに激突させる。
〚回避〛
左からの砲撃を身を反らして躱し同士討ちをさせ、左肩のハンガーからパルスマシンガンを取りレーザーの嵐を浴びせる。独特の発射音と目に悪い発光、
「なんつー威力……」
〚残り6機〛
試作品だから、機械相手だからなのか調整が大味でヤバい。これは人に向けられるものじゃない。
一瞬あまりの威力に硬直してしまったがすぐ体勢を立て直し、落としたマシンガンのところまで跳び離脱。パルスマシンガンをハンガーに戻してマシンガンを拾いあげ、ショットガンと一緒に乱射する。変なのも負けじと撃ってはくるが軽く躱すだけで良いぐらいに精度は甘い。躱しつつ円を描くよう滑りながら銃弾を浴びせ一機を落とす。流石に距離を空けると威力が下がるから右腕のショットガンをバトルライフルに持ち替え弱点であろう目玉に狙いを付けて撃ち込んで行き、一機落とした。
〚残り5機〛
弱点らしき場所は脆いが、ブレて脚に当たると流石に弾かれてはいる。そりゃあ自身を支えてる部分だから硬くして当然だが、あのこちらに歩いてくる動きが気味悪すぎる。動物の歩き方なのか、人間が上半身のみで躙り寄ってくる感じがしてしまう。……跳んだ?
前に三機、後ろに二機の並びだったが、後ろの二機が脚のブースターを吹かして跳び上がった。しかし跳んだにしては体勢がおかし――
「っ!?」
瞬間、変なのが
間一髪慌てて避けたものだから体勢を崩してしまったものの、地面に激突したところに両武器を連射し落と……すわっ!?
「ぅひぃ!?」
更に一機が目の前に落ちてきて地面を砕く。危うくミンチになりそうだった。みっともない悲鳴と転がる逃げ方だが死ぬよりマシだ。
そこを見逃さず残ったやつらが撃ち込んでくる。何発か受けたが然程ダメージは無いので撃ち返す。
(まさか蹴るとかブレードじゃなくて、あんな変態じみた特攻してくるとかとんでもないな…!)
……特攻してきた奴の脚の付け根、胴体に繋がる関節部分を見ると成程、プラモデルの関節部分にある球体パーツのようなものがあの気味悪い動きに繋がってるらしい。だからあんな可動できるのか。
そう思考していたらまた跳び上がり突撃の構えを見せる。
「っ、初見殺しなら……!」
やや後退しながらマシンガンで砲撃してくる奴らをいなし、最初に突っ込んで来た奴は半身逸らして躱しつつELTANINのブレードで目玉を斬り、次に来た奴は飛び退いて直ぐ様前に跳び、そいつもブレードで目玉を串刺しにする、これで二機撃破。
「よし……!」
〚残り3機 左腕 残弾50%〛
これで囲まれることはなくなった。
バトルライフルをショットガンに持ち替え、ジグザグに滑りながら距離を詰め至近距離で散弾を目玉目掛けて叩き込んで撃破。よく効く目薬だよ!
これであと二機……、一機が側面に回り込んでき――っ!?
「ちょわ!?」
片脚を上げブースターを吹かしかなりの勢いで
しかしその蹴りに引っ掛かった右腕のショットガンがふっ飛ばされてしまう。しかも振り抜いたと思えば高く脚を上げて踏み潰しに来ていた。右肩のバトルライフルを取ってたら間に合わない……。だから一旦両ハンガーの武器を外し転がって回避。機械なだけあり私がいた箇所が踏み砕かれる。
すかさず起き上がりマシンガンを放り、外したパルスマシンガンを左、バトルライフルを右に持ち、踏みにきた野郎にバトルライフルを。最後の一機にパルスマシンガンを向けトリガーを弾く。
〚全機撃破 敵影無し〛
「……はぁぁ……」
片方は中心部が焼け落ち、片方は目玉が穴だらけになり沈黙。
インカムの報告に溜息のように大きく息を吐く。
正直手こずるとは思わなかったが、そこらのオートマトンやオートマタより強く感じたのは、初見だからではないと思いたい。
取り敢えずパルスマシンガンとバトルライフルを両ハンガーに置き、マシンガンを回収する。
〚左腕 残弾30%〛
〚左肩部 残弾80%〛
〚右肩部 残弾70%〛
〚機体状況 作戦に支障無し〛
問題無しと。あとは蹴飛ばされたショットガンを回収して、奥に行く扉を探しつつあの変なののスキャンを進めるとする。
……回収っと。何処か壊れてたりしないか?
〚...異常無し〛
流石メーカー製だ何ともないぜ。しかし念のため中の弾薬の確認と交換をしておく。異常無しとはいえ万が一があっては困る。
〚リロード 右腕 残弾100%〛
「よし」
〚スキャニング完了 データ整理中〛
あの変なののスキャニングが完了した知らせが入る。
倒したらジャミングらしきものが無くなったってことは、中身にそれらしきものが組み込まれてたかも。……変なのの胴体が残っている残骸を探り、何か私でも解るものはないか期待せず探してみる。
「…………お?」
何か、それらしいものがあった。
多分『コア』だろうか。他とは明らかに違う形状をしており、この大きさのロボットにしてはかなり小さい、掌サイズ球体状の物体。
「……とりあえず持って帰るか」
謎の物体を懐にしまい、残骸を入口まで引きずって持ち帰りたいところだがそこは堪えて深部へと足を進める。
……やや遠い壁際に着くと、何の問題も無く扉が自動的に開いた。
「……」
〚システム スキャンモード〛
通った途端電磁ネットに絡め取られて大火傷なんてなったら洒落にならんからリコンを打ち範囲を広げて入念に警戒。奥の奥まで調べて慎重に侵入していく。通路も広く、人が通るにしてもこれは広すぎる。……おそらくあのロボットとかが通れるサイズにしてあるんだろう。
して、スキャニングに掛かったのは隠すように埋め込まれているカメラくらいのようで、他に侵入者対策の機銃とかも考えたが発見できなかった。……カメラってことは何者かがこれを観てるってことだ。やっぱバックに大物が隠れているのか。
(他にトビラらしきものは確認できず。誘い込まれているか。……面倒だな)
正直、ヒートハウザーとかバズーカとか撃ちながら前進したい気分だった。気を張り過ぎるのも考え物。
破壊していけば警戒する必要も無いしね? なんなら『温泉開発部』にアビドス砂漠の温泉があってカイザーコーポレーションが独り占めしようとしてるって唆せば、ここやあの駐屯地が更地になってしまう以外はさしたる問題は無いハズ。燃えたオートマトンは悪いオートマトン。燃え残ったオートマトンはもっと悪いオートマトン。カラスわるくない。カラスかしこい。
…………至極どうでもいいことを考えていたら着いた。
先程より大きな扉が見える。
入るのに何か特殊な認証……は必要無いようで、近付いたら勝手にゆっくりと開いていく。
中はさっきの部屋と同じくらい広く、明るい。しかし少し見上げると、部屋と部屋を仕切る硝子が張られていた。……ここは実験場か何かだった可能性があるな。そう思うと、少し苛立ってくる。今
それはそうとやはり爆破系の武装を持ってくるべきだったかと思案していた―――
その時、背後の扉が急速に閉まり、ロックされたような音が響いた。
「……罠か」
〘 まんまと騙されてくれたな 〙
「っ、誰だ」
〘 あの
〘 まさか、こんな小娘だったとは 〙
〘 連中もその程度だったということか 〙
いつでも撃てるよう警戒度を最大まで上げ、スキャンモードに切り替えリコンを打ち上げ索敵に範囲を目一杯拡げる。
しかしそれでも姿が引っかからない。となると少なくともこの施設だか基地だかにはいないことになる。
〘 まぁいい。貴様の求めているモノはもうここには無い 〙
〘 カイザーの理事とやらにここの情報を流したのは
我々ってことはあの野郎を造ったやつらか? それに求めるものはもう無い? アレを追いかけてきたってことも筒抜けで、わざわざ私を始末するためだけにカイザーを利用したってか。
〘 そうとも知らずに、おめでたい野郎だ 〙
〘 そして喰い付いたカラスもな 〙
「あの理事はともかく、そのカラスに姿も見せず隠れて吠えるってのはとんだワンちゃんだ」
〘 …ふん、好きなだけ鳴いていればいい 〙
〘 いまに鳴くことすらできなくなるのだからな 〙
〚未確認機 急速接近〛
「っ!」
瞬間、警告とともに正面の壁、扉が吹き飛び爆煙の中から
「来たぜェ!! おい、ホントに全開でいいんだな?!」
「弾代は保証するって話だ、撃ちまくれェ!! ヒャッハハハァッ!!!」
驚く間もなくスキャンに掛かる。
妨害されることも無く進み、データが疑似モニターに表示された。
それぞれ薄暗い緑が基調のカラーリングの機体。
こっちから見て左の細身の機体『ジャックポッド・クラップス』。左にダブルバレルのショットガン、右に奇妙な形状をしたガトリング。肩に載せているのは追加弾倉か?
右のもう一機は左脚に小型の盾を装備しているゴツい機体『ファンタン・ビンゴ』。左にハンドガン、右にガトリング。左肩のはポッド……ロケットランチャーか?
あのゲルニカとは形態が違う、キルドーザーのような人型タイプ。しかもハッキリと会話している。
(二機……まだ対処はできる。大きく避けながら細身のを先に―――)
〚未確認反応 接近〛
「だまして悪いが、仕事なんでな。死んでもらおう」
明るい緑を基調のカラーリング、ゲルニカ・ゲドに似たアンテナのような頭部、腕の無い胴体に肩幅が広いように見える両肩のコンテナ、逆関節の細い脚。機体名は『ビルニーズ』と出た。
……たった一人に三機。流石に表情が引き攣りかける。
キルドーザーに辛勝、謎のオートマトンに敗北、そして前回のゲルニカ・ゲドは先生達がいなければ相討ちになっていたかもしれないのに、一人で三機相手は身体の何処かと引き換えになるか、本当に死ぬかもわからん。姿を見せないあいつとビルニーズの口ぶりからして、生きて返すつもりもなさそうだし。……情報だけでも先生かヒナに届けられないものかデータ転送を試みるが、妨害電波か何か施されたか失敗に終わる。
まぁ、困惑はしているが恐怖は無い。覚悟決めて切り抜けるしかない。
「……」
〘 安心しろ。すぐ楽にしてやる 〙
依頼内容が怪しくてもとりあえず行くのがレイヴンだからね。
でもだからといってクレイドル落とすのはちょっと…。
ACVDからガンギマリヒャッハー傭兵のクラップスとファンタン。
AC2アナザー・エイジから機体のビルニーズより本人の名とセリフの方が印象の強いランバージャックの登場。
もう一人?捨て駒っぽい感じですが、だれなんでしょうね?