ブルーアーカイブ ~青い空と黒い鳥~   作:謙虚なハペロット

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遅くなったのでいつもの初投稿です。
イチカ、カスミ実装オメデトウ!
(副部長と口調被っちゃったヤベェ…)


誤字脱字報告・お気に入り登録・感想痛み入ります!


Day.3-1c 秘密基地強襲

〚システム 戦闘モード〛

 

「ヒャッハァーッ!!」

「そぉら踊れ踊れェッ!!ギャハハハァッ!!」

 

 閉じられた扉に背中がぶつかるまで下がり、一気に左へ跳躍して回避。今いた場所に嵐のような弾丸が直撃する。

ガードを固めてもバラバラに引き裂かれるのは確定的に明らか。なのでけんけんの要領で片脚で軽く倒れ込むように小ジャンプしながら狙いをズラさせ、狙いを付けづらくさせる。時に跳ぶ向きを切り返し、時に飛来するミサイルをうねるように躱しながらマシンガンとショットガンを撃つ。勿論前に出ているずんぐりしているファンタンを中心にし、クラップスの射線に挟むようにして立ち回る。

 

「っ…」

「やれやれ、馬鹿共め…」

 

 前の二機、クラップスとファンタンから放たれる弾丸の合間を縫うように、妙にひょろい機体、ビルニーズからミサイルが飛来してきて鬱陶しい。全部躱していたら体力が保たない。だから飛来する最低限をショットガンで撃ち落とし、滑り込み相討ち狙いでクラップスとファンタンの間を擦り抜け射撃をビルニーズに向け……ようとすると、奴の胴体の肩に近い部分から小さなポッドのようなものが打ち上げられ、弾をばら撒いてきた。直ぐ様切り返し左腕で顔を庇いながら離脱する。ちっ、しっかり近接拒否の装備してやがったか。

 

「人間にしてはよく動くじゃないか」

「っ、くぁ…!」

「だが、生身(ノーマル)ではそれが限界だな!」

 

 癪だが確かにそうだ。避け続けるのにも限度がある。しかもほぼ全力に近い感覚で飛んだり跳ねたりしてるんだ。目も頭も脚も手も足りなさ過ぎる。

 

〚機体がダメージを受けています 回避してください〛

 

 奴さんのショットガンの一発が顔スレスレを過ぎれば意識的に重身がぶれて動きがもたつく。そこにミサイルが集るように数発当たれば振り払うよう否応なしに大きく跳ばなければならなくなる。

大きく跳べば着地した際の隙も大きくなり、運悪く撃ち漏らしたミサイルが脇腹に直撃し、鈍ったところにマシンガンとハンドガンで蜂の巣にされてしまう。

 

 

「ギャハハハッ!掴まえたぜザコカラスァッ!!」

「撃て撃て撃てェーッ!!」

 

(調子に乗りやがって……!)

〚深刻なダメージを受けています 回避してください〛

(やれたらやってるっつの!)

 

 こうなれば……。

今やたらめったら撃ち込まれているから煙が立ち、上手くこちらの姿を隠している。――そこで左腕のマシンガンをクラップスの頭目掛け投擲する。

 

「あん?」

 

 ガツンと音がして、()()()()()()()

 

〚ELTANIN 出力最大〛

 

 ELTANINの出力を全開にし、集中集中を重ね一気にクラップスへと跳び込む。鮫のような顎を全開、そこから噴き出した極太のレーザーブレードを右斜め下から左上へ地面を斬り裂きながらクラップスの右脚と右二の腕辺りを斬り飛ばすことに成功した。

 

「っああああっ!!!」

「あぎゃああっ!?!?」

 

 最大出力で斬り飛ばしたためクラップスが体勢を崩しこちらに倒れ込んでくる。そこに、がら空きになった胴体へブレードを渾身の力を込め殴り捩じ込むようストレートを叩き込んだ。

 

「ぎ…ごあ゛あ゛ッ゛!?█ッ゛――██ッ!?――██ッ██―……」

 

 二の腕、型付近まで深く突き刺したブレードが反対まで貫通、コアを貫いた。ゆっくりと崩れ落ちるクラップス。フルに使ったELTANINの顎から光が徐々に失われパワーダウンし、オーバーヒートを起こす。しかしすぐに腕は引き抜かず即席の盾として使う。それが功を奏してファンタンとビルニーズの攻撃を防ぐ遮蔽となる。

右のショットガンを放り、左肩のパルスマシンガンを取り出し、左腕を引き抜きパルスマシンガンをクラップスに空いた風穴に銃身を捩じ込み、向こうにいるビルニーズに対しトリガーを引いてレーザーの雨を喰らわせてやる。ミサイルの雨を降らしてくれた礼だ。

 

「ぐあっ…!?」

「チマチマと邪魔くさいバッタが!」

 

 黒い銃身から放たれる青白い光の雨が慌てて避けたビルニーズの右半身を焼き溶かし、収納していたミサイルが誘爆して大きく吹き飛ばされ壁に激突。ズルズルとへたり込み行動不能になった。あとは……!

 

〚HATSUKARI mdl.1 残弾20%〛

「ザコカラスが何だって…?」

「く、クソがァッ!!」

 

 パルスマシンガンを引き抜くと、クラップスだった鉄塊が倒れ伏し、苛立ち紛れに頭部を踏み潰す。

それを見て怯んだファンタンがブースターを噴かし後退……したかと思えば動けないビルニーズをこちらに蹴り飛ばし逃亡を図りやがった。仲間……では無いだろうが、あいつクソだ。紙一重、その場に屈んで回避。クラップスに激突し、ボールのように吹っ飛んでいった。

 

「のわっ!」

〚敵機 領域を離脱しようとしています〛

「逃げるか……!」

 

 追撃したい、が……後味が悪くなるが、起き上がられて後ろを取られてしまうのはまずい。再起される前にビルニーズにトドメを刺す。パルスマシンガンで胴体の中心から頭部辺りを狙い照射。

 

「ち、ち█しょ……██…!――」

 

 狙った部分は焼け溶け、完全に沈黙するビルニーズ。

 

〚HATSUKARI mdl.1 残弾無し〛

「……騙し討ちした奴が言う台詞じゃねぇだろ」

 

 ……パルスマシンガンのバッテリーマガジンを外し、パルスマシンガン用のマガジンを再装填。投げたマシンガンも拾い、こっちもマガジンを交換……する前に。

 

〚HATSUKARI mdl.1 リロード 残弾100%〛

「……」

〚01-HITMAN 残弾10%〛

 

 念の為、念の為に実験場を見るガ大窓に向けてマシンガンの残弾をぶっ放す。

散らないようなるべく中心に向け躊躇いなくトリガーを引く。

弾はガラスに直撃しビシビシと嫌な音を立て…………

 

〚01-HITMAN 残弾無し〛

「……」

〚リロード 残弾100%〛

〚システム スキャンモード〛

 

 残弾分の罅は盛大に入ったが、()()()()()()()()()()()()()()()()、相当分厚いのか、はたまた新素材なのか割れていなかった。

ふん。姿を見せなかった奴が慌てて何か仕掛けてくるかと思った画が、残念なにもおきなかった。

 

「仕方無い、追いかけるか………ん?」

 

 ファンタンの追撃をしようと思った矢先、足に何かが軽くぶつかってきた。一瞬、あの時のようなことになるかと飛び退きそうになる。……が、よく見れば淡く光る球体だった。あの変なのから回収した球体よりやや大きい。……振り向いてみれば、ビルニーズの近くにも同じよう球体が転がっていた。あの出力でやられても()()()()()()()()って、これはどんな素材で構成されてんだ? とにかく、2つを回収してその場を後にする。

 

 

 

 それからファンタンの痕跡をスキャンしつつ警戒して進んではいるが、あれからトラップらしきものが一つも無いのに違和感を感じる。地雷やら機銃やら起動してるかと思ったんだが……、全く無いのはおかしい。

途中途中ドアがいくつかあり、認証キーが必要っぽかった。ELTANINで焼き斬る(ぶちやぶる)パルスマシンガンで溶かす(ぶちやぶる)か考えたが、増援を呼ばれちゃ敵わんので渋々後にする。

 ……更にしばらく進むと、一箇所の部屋から光が漏れているのを見つけた。何処も開いてなかったのにあそこだけってのはあからさま過ぎる。

室内ってなら投擲物でもあればよかったんだが、生憎スズミの閃光弾やキリノちゃんのスモークグレネードのようなものは携帯していない。…悩んでいても仕方がない。意を決して正面から行かせてもらう。

 

「…………」

〚...反応無し〛

「……肩透かしか」

 

 この部屋には見覚えがある。

……ゲヘナであいつが隠れていた、整備?されていた部屋に似ていた。

大量のコードに大量のモニター。確かにあいつの姿も反応も無いが、モニターがいくつか点いたままになっている。前のように読み取れないものではなく、しっかりと表示されていた。

 

「わざと残したのか……。アクセス」

〚...トラップ無し アクセス開始〛

 

 ウィルスすら仕込んでないとはますます怪しい。まさか本当に見せるためにこのままにしてたのか?

 

〚.....スキャニング完了〛

 

 近場のモニターに表示されていく情報。その中に、最近メンテナンスを受けた機体があるのを確認できた。……今映し出されているそいつは、上半身は同じだが、腰から下の脚部が違っていて、あのフロートタンクではなく、()()()()()()()()()()()()()

 

「……()()()()()()()()。それがあいつの名前なのか」

 

 他にもこの施設で製造されたらしいクラップス、ファンタン、ビルニーズの情報。ここはパルヴァライザーのメンテナンス施設、ようは別荘、立ち寄るだけの場所だという事。……あとは…

 

「……慣性抑止防護粒子膜、PA?」

 

 企画凍結、となっている。

このデータだけところどころ欠けているが、どうやらこのPAとやらに必要なデータが足りないから作れない、らしい。その事を嘆く一文も。

 

「代用・代替は劣化同然。どれもエネルギー効率が悪く、1つは使用用途が限定的過ぎて案廃棄。……ふーん。じゃあ私の方で使ったって良いよな?」

 

 破棄されたデータは流石にサルベージ出来なかったが、4つの製作データが恨み言と諦観の愚痴を共に残されていたので有り難く頂いていく。

オートマトン、ロボット用らしいが、人間用に転用できないって事は無いだろう。

 

〚...システムAA ダウロード完了〛

〚...システムPulA ダウロード完了〛

〚...システムTA ダウロード完了〛

〚...システムPPA ダウロード完了〛

アサルトアーマーパルスアーマーターミナルアーマー()()()プライマルアーマー……」

 

 あとは目ぼしい情報は無さそう、というか消されていて取ることができない。

そうとなればここを再び使わせないよう破壊する……ことを考えたが、()()『先生ならこれをどうにかしてくれるのでは?』なんて考えが過る。

 

「……」

 

 ・トリニティに渡す

 →無し。絶対禄なことにならない。くだらない政のおもちゃに成り下がるだけだ。

 

 ・ゲヘナ、整備部に渡す

 →ヒナや整備部の皆が守ってくれるとは思うがあのアホがなぁ…。

 

 ・百鬼夜行に渡す

 →未知数。恩はあるがニヤけ顔が恐ろしい。

 

 ・レッドウィンターに渡す

 →無し。抗争が酷くなるだろうしロクなことならん。

 

 ・山海經に渡す

 →無し。梅花園の子達が巻き込まれる可能性があるし、玄龍門がどう出るか分からない。

 

 ・ミレニアムに渡す

 →選択肢としてはあり。そのときは最悪最期の時だろうが。

 

「どこもないな…」

 

 連邦生徒会も……無いな。

生徒会長がおらず、しっかりとした統制が取れていないのなら尚の事渡すことはできない。

……そうとなれば今取れるだけのデータを取ってから、破壊することにする。

 

 

 

 

 取りあえずパルスマシンガンで破壊しといたから復旧は絶望的だろう。ミレニアム総出で来られたら……知らんそれは私の管轄外。

改めて逃げたファンタンの追撃を開始する。それなりに休めたから身体も持ち直してきた。まぁその分逃げられもしているが。

スキャンしてみれば、余程焦って逃げたのか至るところにぶつかった箇所や、噴かしたブースターで焼けた部分、床を強く踏み凹ませた跡が点々と続いていた。しかも分かれ道で止まらずにそっちへ向かったって事は、出入口を知ってるって事だろう。

 

(出入口が2つあるとして、もう一方は何処に繋がってるんだ?)

 

 跡を辿り暫く進む……。

――リコンの範囲に何かが引っ掛かった。

 

「いたか…!」

 

 疑似モニターにファンタンの反応を感知。……止まってる? 待ち伏せだろうか、何時でもカウンターを食らわせられるようにしつつ距離を詰めて行く。

 

「ん?」

 

 あの少しで接敵する直前、空気の流れを感じた。空調ではなく、乾いた風の中に砂混じりの匂いもある。やっぱりこの方向に出入口があったか。

 出入口での待ち伏せを警戒し、距離が縮まって行く。

 

 

 

 

「―――っ」

 

 予想していた接敵は()()()()()()()()()()()()()()と、出入口から吹き込む風と砂だけ。ファンタンは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()にされ無惨に転がっている。

 

「……」

 

 どうやら尻尾切りにあったようだ…。

失敗した傭兵に価値は無いと。オートマトンだが血も涙もないとはこの事か。

 

 

 

 

 

 

 

「…………おいマジかよ」

 

 外での待ち伏せも警戒して出てみれば……()()()()()()()()()()()()()()が砂地に転がっていた。

さっきのファンタンの亡骸と同じく、滅多撃ちにされ斬り刻まれているようだ。

 

〚...スキャン完了〛

〚個体識別名 ズベン・L・ゲヌビ〛

〚機体名 サウスネイル〛

〚声帯機構の波形パターンから先程の通信主と一致〛

「こいつがか」

 

 私を誘い出したのも、砂の被り具合からして真っ先に逃げ出したのもこいつだったらしい。この件の黒幕がこんな呆気ない最期とは。

 

〚ファンタンの損傷箇所形状と酷似〛

「ふーん。これをやったのはパルヴァライザーってことか。――――そうなんだろ?

 

 

 殺気を込めて虚空に問い掛ける。

 夜の帳が落ち、暗く広大な砂漠に風圧が拡がり視えない何かが降り立つ。

 背景が融けるようそこに現れたのは、因縁の相手。

 錆色のカラーリング。血流のように胸部から全身に走る青い血。

 両肩のレーザーキャノン。両腕のブレード。

 そして、あのデータにあった四脚。

 パルヴァライザー

 ステルス迷彩まで展開して、刺し殺しでもすれば手間が無いのにわざわざ私の前に姿を現すとは。

 

「あの時は不意打ちしたのにする必要も無い奴ってことか?

 ……なら上等だ!! 前も今も舐めた真似したこと後悔させてやらぁッ!!!

 

 




vsクラップス・ファンタン・ビルニーズ戦でした。
元ギャングなんだからあれぐらいやるだろうなと(ビルニーズ蹴り)
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