ブルーアーカイブ ~青い空と黒い鳥~   作:謙虚なハペロット

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レポートもねぇ!クレジットもねぇ!オーパーツもねぇ!設計図も足りてねぇ!BDもねぇ!ノートもねぇ!
強化珠だけゴーロゴロ!
なので初投稿です。


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Day.1-3c 運び屋と銃撃

◇  ◇  ◇

 

 

「この鍛造方は百鬼夜行でも秘中の秘なんだけどねぇ。しかしあなたには借りがありますから、まぁ?

 やぶさか…でもないよ?

 でも…、こんなもの(・・・・・)であなたは一体何を斬られるつもり?」

 

 

 

 

――■■を。

 

――――■■続ける■■を。

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

〚不明なユニットが接続されています ただちに使用を停止してください〛

 デカブツは斬り伏せた。

ならばとその勢いで踏ん反り返っているトンチキ野郎に狙いをつける。

 

「う、薄汚い…カラスがっ!!」

「ならテメェはそのカラスに啄まれるゴミクズだッ!」

 

 私を囲む雑兵をMURAKUMOで薙ぎ、斬り飛ばし、蹴り飛ばし、潰す。

 ――素っ首ァァァ!!!

 

「ひぃっ…!?」

「ちっ――」

〚不明なユニットが接続されています ただちに使用を停止してください〛

 

 左から右へ、首を狙った一閃。

しかし斬れたのはバリアと右手首だけだった。 避けんなッ!首を出せッ!!

 野郎は腰を抜かして後退り。周囲のオートマトンを壁として守らせてきた。

 

「………」

 

 まだ視えている。追える。仕留める。

 

 

 

 

 

〚人間に、可能性など存在しない〛

 

 

 

 

 

「カザナ!!」

 

 

 

 ――――先生…?

待っていろ。アレを仕留めてすぐ戻る。

可能性は、潰さなきゃ。

 

 

「ダメだ! 戻ってくるんだ!!

 頼むカザナ!! 往ってはダメだ!!!」

 

 

 

 

 

〘生きる可能性は少しでも上げるんだ〙

 

 

 

 

〘生きて戻れ。それがお前の責任だ〙

 

 

 

 

 

「―――――がっ…!?」

 

 …っ!ボーッとしてたらオートマトンが放った弾が額に当たったようだ。…少し頭が冷える。

 

「…痛ぇじゃねぇかクソが!」

 

 ともかくお返しに撃った奴を袈裟懸けに斬りバラし蹴り飛ばす。……気付けば結構奥まで追っていたらしい。腹立たしいが野郎を追うのは一旦止めオートマトンを足蹴にし、壁を蹴りながら先生達のところへ戻る。

 

「すまん。奴を捕まえそこねた」

「カザナ…」

「ん? なんて表情(かお)してんだ先生」

「……」

 

 他のやつらもなんつー表情を。

まぁとにかく一旦MURAKUMOを外してバッグに戻し、最後の切り札のパーツ(・・・・・・・)を取り出し調整を始める。

 

「カザナ先輩」

「何だ」

〚Aパーツ 起動確認 連結準備〛

「…せめて、額の傷の手当てだけでもさせてもらいます」

 

 何故か周囲より心配そうな表情を向けるチナツ。そういえば、チナツが『救急医学部』だった頃に何度か世話になってたな。……今更撃たれたのが効いて脳震盪が来たのか、意識が揺らいできている。今ここで気絶する訳にはいかない。

 

「ん。簡単でいいからな。あと気付け薬あったら打ってほしい」

「はい。少しだけジッとしててください」

〚Bパーツ 起動 連結 弾倉チェック〛

〚全システムチェック完了まで  あと 10秒〛

 

 ゲヘナ学園にいたときから怪我はそこそこしてたから……っアウチ! 針無し注射器とはいいもん持ってるじゃないの!針無いくせに何故かビリリとくるんだよな。

とにかくおかげで意識バッチリ。損傷箇所の痛みも和らいだ。

 

「カザナ、本当に大丈夫なのかい」

「ああ大丈夫だよ先生。 それとサンキューチナツ。相変わらず良い仕事だ。風紀委員に揉まれてまた腕上げたか?」

「…いえ」

 

〚システム オールグリーン〛

 

 よし。私が突撃してる間、ちゃんと皆シールドから前に出なかったようだな。今度『ココナ教官ちゃん殿』の花丸判子をくれてやろう。

 

「カザナさん。怪我してるのだから大人しく…」

「平気だ。 ユウカ、切り札を使う。今のマガジン使い切ったら一旦全員連れて下がれ」

「ええ? ……って、それ(・・)使うの!?」

「今回の弾代は『セミナー』持ちじゃないから安心しろ」

 

 今使わずしていつ使う。

厄介な盾持ちもいなくなったし道は拓けた。ならここが切りどころよ。

 

「ハスミ、ヒナタ!これ撃ち始めたらこっちに合流しろ!」

了解

か、かしこまりました!

 

〚警告 シールド損耗率 危険域 耐久値 残り21%〛

 

 切り札を肩に担ぎ掛け、前衛のリロードタイミングを待つ………。

 

 

「撃ちきった!さぁ皆、このバカより下がって!スズミ!」

「っ、了解。一旦下がります」

「ば…ヒェ!? は、運び屋何なんそれ!?」

「うわ…。ヒカリ、マイオ、エルカ。とっとと下がるわよ!」

「わー!なにこれー!」

「やっぱ運び屋さんマジヤバだわ」

 

 味方を下がらせ、耐久限界のシールドを畳み、横に倒してコイツの支え代わりにする。万全なら片手でもいけるんだが、今回は念のためにシールドを利用する。

 この切り札、普段持ち歩くにはデカ過ぎて(・・・・・)持ち歩くことはない。使用するときはさっきみたく2つないし3つに分けて運んだりする。

 

「待たせたな雑魚ども!」

 

 グリップを握る。

〚認証 最終セーフティ 解除〛

安全装置のロックを外し、本体に火を入れると油圧が上がっていく不気味な音が響き渡る。

これを傍からみたら狂気の産物に見えるだろう。

それはそう使うのか?てか何でそんな形状なんだ? と。

 

 ある風紀委員長曰く

「学内…いや、外でも使うのは控えて」*1

 

 ある正義実現委員会の委員長曰く

「危ないから止めな?」*2

 

 ある警察曰く

「もう二度と使うな。お前を矯正局送りにしなきゃならなくなる」*3

 

 そこのミレニアムの会計曰く

「よ…予算が…ミレニアムの予算が……き…きえ……」*4

 

 

 上下二門の折り畳まれていた砲身、左右計四門の砲身が後方から前へと展開する。砲身が展開前より倍の長さとなり、本当の姿を現す。

 各学校を(色んな意味で)青褪めさせたコイツの名は――

 

 

 

「所詮頭の無い機械相手だぁッ!!

 刺激的にやろうぜぇッ!!!」

 

 

 大型展開式オートキャノン

 【AC改218/ACA109 CALEBASSE(カルバス)

 

 

 トリガーを引く。

オートキャノンの回転が上がり、放たれる無慈悲な暴力。

人生でこんな地獄のような、地獄すら生温いような轟音爆音を聴いたことがあるだろうか。散らばる薬莢、撃たれたオートマトン達は糸が切れた人形のように、風に飛ばされる枯れ葉のように、周囲の形あるものも分別無く砕き散っていく。

装填数600と、少ないな?と思うだろうが、向ける相手を考えてみてくれ。

 

 

「……」

〚敵影 消滅〛

 

 トリガーから指を離す。

約半数くらい撃ち込めば、ご覧の通りもうほぼ何も残ってない。これをヒト相手に向けたら(・・・・・・・・・・・・)どうなるかは解ってほしい。

向けた私が言ってるんだ。撃たれた皆案外ピンピンしてて驚くぞ。

 

 

「先生後は頼んだ」

「――えっ、カザナ!?」

 

 撃ち終わったオートキャノンをすぐ畳むと火傷する(昔実際した)のでトリガーをロックして置いておくとし、バッグに仕舞ったMURAKUMOと、シールドラックに掛けておいたハンドガンを手に取り、逃がした野郎の追撃を開始する。

 先生は無傷、合流予定の生徒もいる、おまけに案外頼もしいブンブン団もいる。後は大丈夫と見込み護衛の依頼は果たしたものとする。一気に跳び、その場を後にする。

 

 

 

 

 

 

◆  ◆  ◆

 

 

 

 

 

 

烏が見ている。

 

 

 

 

 

「ひぃ…ひぃ…、クソっ!あの忌々しい烏め…!」

 

とある路地裏。這々の体であの場から逃げ出した自称教祖。

彼は今、恐怖から逃げている。

連邦生徒会が呼び寄せた人物を捕らえるという、簡単な仕事だったハズ。キヴォトス外の人間だから撃たれれば致命傷は避けられないという存在を、試作機だが堅牢さがウリのオートマトンを、軍資金と前払いだと頂いた潤沢な金を、装備。それがどうだ。

数も質も勝っていたのに、烏に、あんな掃いて棄てるほどいる童どもに惨敗。

 

 

烏がこちらを見ている。

 

 

「はぁ…はぁ…! 痛い…ぃいたいぃ…!」

 

痛みを感じない斬り飛ばされた右手に痛みを訴えている。燃えるように熱い。

確かに機械の身体であっても多少の痛みはある。しかしそれは衝撃を受けた際に出る信号のようなもの。人間が受ける本物の痛みではないそれが、まるで人間のように手首を抑え、痛みに、熱に恐怖しているではないか。

 

 

烏がこちらを見ている。

 

 

「神に…神に選ばれたこの私を……ぅわっ…!?」

 

 

烏がこちらを見ている。

 

 

赤い目の烏がこちらを見ている。

 

 

躓き地面に倒れ込む神に選ばれた男。

 

赤い目の烏がこちらを見ている。

赤い目の烏がこちらを見ている。

赤い目の烏がこちらを見ている。

 

 

「必ず…必ず復讐してやる…! 生きたまま羽根を毟り取り、生きたまま腸を引き摺り出し、惨めなその死体を…烏共に喰わせてやる…!共喰いだ! 大人に逆らうとどうなるか!! は…はは…!はひひゃ…あはは…!」

 

男は嗤う。痛みに負けたのか、恐怖に負けたのか。

 

 

赤い目の烏がこちらを見ている。

赤い目の烏が鳴かずにこちらを見ている。

赤い眼の烏がいつ死ぬのかとこちらを見ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

赤い瞳の ヒトの姿をした大きな烏が 音もなく降り立った。

 

 

 

 

 

 

 

「はは……は?」

 

 

化け物だ。

ヘイローが紅く光る。

左手には大きな銃を。

右手には表面の濁りが生きているかのようにうねる(・・・・・・・・・・・・・)大振りの刃を携えている。

 

 

 

 

「見つけた」

 

 

 

 

「あ……あぁあああ……!?!?」

 

 

 

死が喋った。

逃げる。恥も外聞も無く、みっともなく、あちこちぶつけながら逃げる。

殺される…殺される!

烏が一斉に鳴く。

逃げるぞと鳴く。逃がすなと啼く。殺せと嗤う。死体を寄越せと催促する。

死にたくな―――左脚の感覚が途絶えた。

バランスを崩して地面に転がり、左脚を見ると、脛から下が無い。

その下は靴を履き忘れたかのように、今いたところにある。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!? 痛い、ぃ痛゛い゛ぃぃっ!?!?」

 

「聞きたいことがある」

 

痛みにのた打ち回る大人を跨ぎ、額に銃を押し付け固定する。

近距離、至近距離に死神がいる。

 

「先生の情報は誰から貰った?」

「………」

「あの物資は雇い主辺りから受け取った金で揃えたのか?」

「………」

「そんな義理立てするような相手なのか?」

「………わ…私は…」

「ん?」

「私は…神に選ばれし者だ…! 地を這う蒙昧無知な愚者を救ってやり、崇高なる教えを説いてやり、崇められ、い…いずれ神と成ぐぁ!?」

 

額に弾丸が撃ち込まれた。

ガツンと脳が揺れるが今だ押し当てられている銃が藻掻くことを許さない。

 

烏が笑う。嘲笑う。

 

「お前が他者を見下していることはよく解った。だが私が聞きたいのはそれじゃない」

「が…ぁ…あ…」

「お前を、唆したのは、誰だ」

 

 

 

◆  ◆  ◆

 

 

 

 スキャンモードで奴の後を跳びながら追っている。

ところどころぶつかって転んだような痕跡がちらほらあるから追うのは容易かったが、一番はカラス達だろうか。

やけに集まっている場所があるため注視してみれば、奴を発見できた。

 

 逃げる先にそ~っと降りて逃げ道を塞ぐ。

すると私に気付いたのか悲鳴を上げてわたわたと逆方向に逃げようとするので左脚を斬る。

と、見事にすっ転び、何故か痛みに藻掻く野郎が仰向けになったところで跨ぎ、無機質な機械面にハンドガンを押しつけ黙らせる。

 二、三尋問したが状況を理解できず戯言を吐く教祖サマの額に威嚇射撃を一発当てもう一度黙らせる。威嚇なのに当てるのかって? 当てなきゃ威嚇にならんだろう。キヴォトスじゃ当たり前だ。 かのヴァルキューレ警察学校に所属してる良い娘『中務(なかつかさ)キリノ』ちゃんだってそうしてた。 あれは見事な手際、射撃だったと昨日のようにじんわりと脇腹の痛みが蘇る。

 ……銃声に驚いたのかカラス達が鳴き始め、数羽が何処かへと飛び去っていく。

 

 

「………お――」

「あ?」

「―――大いなるもの(・・・・・・)

「っ!」

【大いなるもの】が、私を導いた!見ていた(・・・・)のだ!!」

 

 こ、こいつまさか…! 【ビーハイヴ】の生き残りだったのか!? あのイカレどもが崇める大いなるものが存在したと…? そんなまさか!信用できるヴァルキューレ警察、ゲヘナの風紀委員、トリニティの正実、ミレニアムのマッド達、一番の被害を受けた山海経とで、一年かけて調べ尽くして(・・・・・・・・・・・)『そんなものはない』となったのに……。まさか口伝でしか伝わらないものだったのか?

 

 

「貴様のせいで我々の教団は滅んだ!そしてこれで二度目だ!薄汚い、穢れた疫病神め!!」

「子供達を出汁にしておいてその疫病神にすら勝てなかった屑共が被害者面してんじゃねぇ!!」

 

 とんでもない詭弁に思わずトリガーを弾きそうになるが堪える。

 

「……その大いなるものってのが唆したのか」

「ち、違う――」

「じゃあはぐらかすなとっとと答えろ!」

「っっ………『ゲマトリア』だ!」

 

 ――ゲマトリア(・・・・・)? 聞いたことのない名前だ。また新しい宗教団体か?

 

「奴らは…じ、実験がしたいと、私に話を持ちかけてきた…」

「実験?」

「内容は知らん…。だが、あの先生を狙えと、資金とあのオートマトンを寄越してきたのだ…」

 

 先生に対する体の良い当て馬にされたって感じか。…だがあの戦力があるならヒカリ達を使わずに直接先生を狙えばよかった話ではなかったか? あの瞬間は私しかいなかったんだ。

『先生を狙え』、『実験』という目的以外具体的な部分を聞かなった、言われなかったのなら……

 

「あのガキ共は、油断を誘うためだ…。懐かしいエンブレムを付けていたからな…。相手が子供なら、油断するだろう? その隙に、先生の腕か脚の一本でも、痛めつければ、大人しくなると踏んだんだ……それを貴様が――づぁッ!?がぁッ!?」

 

 激昂し、抵抗しようと身を起こそうとしたから撃つ。撃ったら頭に弾かれその衝撃で地面に後頭部を打ち付けた。バカか。小気味いい、ブリキっぽい音を立てたのが笑いを誘う。笑わないが、また子供を出汁に使ったのは腹立たしい。

 

「また懲りずに子供を使いやがって。それで失敗してんだろうが。……ん?」

 

 遠く……いや、それ程遠くはない距離からパトカー?のサイレンが聞こえてくる。ヴァルキューレ警察が来たのか? 辺鄙な路地裏だがさっきの銃声を聞き付けて通報したのだろうか。なんて律儀なんだ!

 

「…出処がそのゲマトリアとかいうのは解った。だが先生を誘拐できたとしてそれからどうするつもりだったんだ?」

「決まっている…!我らを見下し、支配者面している連邦生徒会を手中に収め、この私が!新生ビーハイヴの神祖として世界を支配す――がぁッ!?」

「聞いた私が馬鹿だった。……そもアイツ(・・・)じゃなきゃそんなことできねぇよ」

「か、金と力があれば、癡鈍(ちどん)な有象無象がそれにたかる!そうなれば、ビーハイヴは何度でも蘇る…!」

「金も力もあっても、お前如きじゃ無理だっつってんだ五流以下」

「な…っ!?」

「その俗物的な考えで動く限り、すぐスズメバチ(・・・・・)に乗っ取られて、喰い散らかされるのがオチさ」

 

 サイレンが更に近くなってきた。…まっすぐこちらに向かって来てるな。何故……ああ、カラス達か。

 

「……はぁ。あとはお前を豚箱に叩き込んで終わりだな」

「おのれ…おのれぇ……!」

 

 抵抗しなくなったのを確認し、MURAKUMOを畳み、ハンドガンを退かす。念のため頭を踏み付けて、何時でも潰せるぞという意思表示と保険を掛けておく。MURAKUMOだって畳みはしたが、振れば瞬時に2つにできる。

 ……と。いつの間にか足下に一羽の小さなカラスが寄ってきていて、野郎の頭を嘴でカツンカツンと突っついていた。

 

「…痛っ!や、やめろ烏めが…い、痛っ!?突付くな!」

 

 カンカンとかツンツンみたいな優しいもんではなく、中身を取り出そうとしてやるやや強めの突っつきだ。

 これこれ、そんな腐れ野郎啄んでも中身無いし、あっても病気になるだけだぞ。

カラスの健康のため突つくのを止めさせ……たまたまポケットにあった飴を小さく細かく砕いて食べさせた。

 

 サイレンの音が近くなり、近場で止まる。すると何名かが車から降りてこちらに走って来る足音が聞こえる。

そして真っ先に、誰よりも前に現れたのは……

 

「動かないでください!」

「速すぎだよキリノ~。 …ん? う~ん…? これ、どっちを捕まえるべきかな?」

「冗談だろフブキ。下のだ。下下」

 

 走り込んで来て、教本通りのビシッとした動作でこちらに銃を向けたのは、白の制服と『ヴァルキューレ警察学校』の校章が入った紫の腕章を付けた『生活安全局』の『中務キリノ』ちゃん。そしてノロノロとやってきた昼行灯ーナツ娘の『合歓垣(ねむがき)フブキ』だった。ネムガキぃ!

 ……普通事件があった場合は『公安局』が来るはずなんだが、何故か(・・・)キリノ達が真っ先に現場に到着したりする。

 

「カザナさん!今ならまだ間に合います!どうかその人を解放してください! 心優しいカザナさんが暴行恐喝だなんて、何か理由があるんですよね?!私に話してください!必ず力になりますから!」

 

 こいつを足蹴にしているのには理由はあるが暴行も恐喝も先にしてきたのは下のゴミだよキリノちゃん。…おいフブキも「あ~なんか面倒そうな事抱えてるな~どうしよっかな~」みたいな表情してないで訂正してくれ。

 

「キリノちゃん、逮捕するのは私じゃなくコイツ。下の。 先生……連邦生徒会の人を誘拐しようとしたり、生徒を悪事に加担させようと極悪人。……しかも、ビーハイヴの生き残りだ」

「び、ビーハイヴ…!? ほ、本当ですかカザナさん!?」

 

 ビーハイヴと利いて驚き銃を下げるキリノちゃん。フブキはひょこひょことこちらに近付き…まだ傍にいたカラスを優しく持ち上げ近くのゴミ箱に乗せた。そして…

 

「あいちょっとごめんよ~?」

 

 踏み付けている私の足を少しずらし、ボロボロになった野郎の額のバンダナを外した。

そこにはあのビーハイヴのシンボルマーク。黒地に金枠、3つの六角形の中にデフォルメ化した蜂。『働き蜂(ワーカー)』、最底辺下っ端のエンブレム……にバツの字の傷跡が入っていた。

 

「あー…。よくやらなかったねカザ姉ぇ」

「気付いたのが今さっきだ。知ってたらバラバラにして塵にしてる」

「………」

 

 教団のエンブレムを見たキリノちゃんが少し青褪めている。……仕方がない。私が悪いようなもの(・・・・・・・・・)だからな。

 

「通報を受けて来ました! ……うん、下のだな!確保!」

「ヴァルキューレの生徒は真面目で助かる」

 

 後から来た公安局生徒が一瞬迷ったようだがちゃんと判ってくれたようで一安心。大人しく退いて野郎を確保してもらう。

拘束し、引っ立ててパトカーに乗せようとした際、ふと野郎が立ち止まった(・・・・・・)

 

「………」

「おい、無駄な抵抗するなよ?」

 

 

 

 

 

 

〚警告 高熱源感知 エネルギー 増大〛

 

 

 

 

 

 

「―――【世に平穏のあらんことを】」

 

 

 

 

 

 

〚内部爆発まで 残り 10 9 8〛

 

「っ! 皆離れろッ!!」

 

 

 

 言うが速いか全力で野郎に向かって跳び込み、MURAKUMOを展開し胴体と腰部分を切断。

 

 

〚5 4 3・・・〛

 

 

「間に合え…ッ!!」

 

 

 そのまま胴体を掴み、空に向かって本気の本気でぶん投げた。

 

 

 ミサイルも真っ青な速度で投げ出された野郎は……遥か彼方の空中で大爆発を起こした……。

 

 

 

 

 

 

 

「そういうことを平気でするから、五流以下だってんだよ…。クソ野郎が……!」

*1
スナイパーキャノンを壊されて癇癪起こした際

*2
昔トリニティとゲヘナの割とシャレにならない抗争があったのをなんとかしろと無茶振りされた際

*3
教団本部を壊滅させた際

*4
ミレニアム(非公認部活)の要望で試射した際




??「弾幕、薄くなかったですか?」

多分キヴォトス人(ヘイロー持ち生徒)にオトキャを撃ってもすげぇ痛い!で済まされる(偏見)


・Tips4
 MURAKUMO魔改造でオーバードウェポン並みに曰く付きのモノになる。
 これで人(オートマトンのような大人は除く)を斬ったことは一度も無い。
 オトキャ組み立て式は独自設定。あれだけ撃てるものがサイズ小さくなってもデカいだろうという考え。
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