ブルーアーカイブ ~青い空と黒い鳥~   作:謙虚なハペロット

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何となくノっていたので初投稿です。
キリよく、というかどうせなら…てな感じです。

時系列的には「アビドス対策委員会編」より少し前、ちょうどチュートリアルが終わった後くらいです。



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Day.2-1 運び屋と機械


【現場への物資輸送依頼】

 

〈ゲヘナ学園。風紀委員会の空崎ヒナだ。

 依頼の説明をする。

 内容は、調査部隊への支援物資の輸送。

 ここ最近、キヴォトスで事件が頻発しているのは知っての通り。それはゲヘナも例外じゃない。

 ゲヘナの敷地内のある一画で、異様な電力消費と電波が確認された。

 ただの漏電とか、不良達のやらかしとは規模が明らかに違う量だ。

 そこで、我々風紀委員会が調査をする事に決定した。……万魔殿は無視を決め込んだみたいだから、まぁいつも通りなんだけど。

 カザナには、さっき言った支援物資の輸送と……調査部隊の援護をお願いしたい。

 どうにも嫌な予感がするんだ。……無理にとは言わない。強制もしない。

 物資を届けたら戻ってもらって構わない。報酬はちゃんと払うから、安心して。

 ……以上。よろしくお願い〉


 

 

 

「これ免許いるのか?」

「いいえ、要りません要りません!そんなもの持ってなくても爆走できますんで安心してください!」

「何をもって安心しろと…?」

「むむっ!説明がご入り用ですか!?」

「ン拒否するぅ」

 

 

 あれから数日。現在、ミレニアムの一画で活動しているエンジニア部に来ている

 今回の依頼に入り用になったものを借りようと来てみたが…。

ジープ、と言えばいいのか。てか完全に「のようなもの」だろこれ。あちらこちらに明らか不要・無用・過剰・異常なものが搭載されまくっている。

背部にリアカーのようなものが装備されている。これは輸送用に連結してもらった装甲以外は『普通』のやつ。

目に付くのは、堂々とミレニアムの校章と『ヴェリタス』とペイントされたエンブレムだろうか。…いいのか?

 

「運び屋が車をいるって聞いてね。これならちょうど良いし、使ってもらおうってなったんだ」

「それは有り難いんだ。だから妙なものは全部外せって言ったんだ」

全天周囲(オールビュー)モニター*1も?」

「オープントップの車で全天周囲(オールビュー)ってなんだよ」

「5連装CIWS十機*2も?」

「過剰過ぎるわ何と追いかけっこする気だよ」

VOB(バンガード・オーバード・ブースト)*3も?」

「その速度で何処に何を届けるつもりだよ」

「超快速便になれるよ」

「たった1時間の距離に14基のロケットブースターはやり過ぎなんだよ」

 

 免許という概念を蹴り飛ばし、説明をしようとしたのがミレニアム1年・エンジニア部の『豊見(とよみ)コトリ』。

私をモルモットにしようとしたのがミレニアム3年・エンジニア部部長の『白石(しらいし)ウタハ』。

そして今黙々と明らかに要らないモノを取り外してもらっているのがミレニアム1年・エンジニア部の『猫塚(ねこづか)ヒビキ』。

 

 

「…終わったよ」

「ああ。ありがとうヒビキ。……本当に全部外したんだろうな?」

「………うん」

「間よ。正直に」

「…一分待って」

「外してくれ。…因みに何を外さなかったか聞いても?」

「自爆装置」

「とっとと外せ!!」

 

 渋々と言った感じで運転席の下に設置されていた爆薬をちょちょいと外すヒビキ。よりにもよってそこかよ。……おいおいどんだけあるんだ爆薬。結構な数あるじゃん。ヒビキも「完璧なのに…」じゃない。何が完璧なん「説明が必要ですか!?」結構だ「うん、やっぱり制御ブースターは付けようか」車を真横に飛ばそうとするのは止めろぉッ!!

 

 

  ・

 

 

  ・

 

 

  ・

 

 

「――あっ、天雨行政官! 運び屋が来ました!」

「やっとですか。ヒナ委員長の御指示とはいえ、いつまで待たせ……ん?」

「運び屋が来たの?アコちゃん。……なんか、疲れたような顔してない?」

 

 

 やっと着いた…。

どうして車受け取るまでにこんな疲れなきゃならんのか。説明はいらん…ヤバい…幻聴が。

倒れる訳にもいかんので、気力を振り絞って運転席から降りて、リストを怪訝そうな表情してる『天雨(あまう)アコ』に渡す。今日も横乳が眩しいな。……私精神衰弱してないか?

 

「どうも…。運び屋ワタリガラス到着した…」

「どうも。……何かあったんですか?」

「説明……いや、ちょっとな…。チナツいるか?」

「火宮さんですか? すぐ呼びます」

「すまん…。これ、物資のリスト。確認しといてくれ」

「確かに。…すぐ来るようなので休まれては?」

「ん…」

 

 お言葉に甘えて車まで戻り、寄りかかって座り込む。 

正直エンジニア部との一悶着と普通になったであろう車を走らせるのに神経を使い過ぎた…。いつ爆発するのか気が気じゃなかった。

下手したら物資ごと爆発四散なんて考えたくもない。

 

「カザナ先輩!」

「……早いな。もう来たのか」

「アコ行政官から、カザナ先輩の体調が優れないと聞いて…」

「体調が優れないのは確か。チナツ特製のアレ、ある?」

「あります。ただし、一本だけですよ」

「分かってる。…サンキュ」

 

 そうしてチナツが鞄から取り出した小さい小瓶サイズの薬。チナツ特製の栄養剤だ。これが良く効くんだ…。……効能は、いかん、私の脳髄から去れ説明の悪魔!見た目はムチプリ眼鏡天使! 

 

「んぐっ……あ゛あ゛ー゛、沁み渡るぅ……」

 

 馴染む、実に馴染むぞ!

あとはちょっと休んでればすぐ気力を取り戻せる…。

 

「あの、何があったか聞いても?」

「エンジニア部には手を出すな。…て感じ」

「は、はぁ…」

 

「チナツ。そっち終わったらリストの確認手伝って」

「はい。…ゆっくり休んでてくださいね」

「おう」

 

 先にリストの確認をしていた褐色銀髪ツインテール、『銀鏡(しろみ)イオリ』に促され、チナツも仕事に赴いていった。

 

「情けないな。機械マニア相手にふらついちゃって」

「イオリもアレを味わえば理解るよ」

「ふん。…あっ、ねぇ運び屋。後ろの荷台にあんたの武器も載ってるみたいだけど、参加するの?」

「ああ。委員長の頼みもあるが、悪い予感がするらしいからな」

「…そうなんだ」

 

 イオリがリストを見ながらこちらに尋ねてくる。

輸送しか頼まれてないが、あのヒナが嫌な予感と言って頼ってきたんだ。なら断れないだろう。

大体、こういうのは杞憂に終わって良いんだ。用心に越したことは無いし、何かあったならすぐ対応できるんだから損は少なくて済む。

 

「失礼。カザナさん、戦列に加わるというのでしたら武器を検めさせもらっても?」

「ご自由に。アコ行政官。……じゃあ私からもいいか?」

「……そうですね。ヒナ委員長から内容は知らされていますか?」

「一応。異常区域の調査だとか」

「概ねその通りです」

 

 異常区域の調査。アコが言うにはこの辺りが異常の発信元らしい。

私が輸送したのは、その調査を更に詳しく調査するための物だったようだ。…しかし、調査にしちゃかなり物々しい雰囲気だ。私もリストは見たが、八割方弾薬や医療品。三割方調査道具といったところ。調査は調査でも「強行調査」とか「威力偵察」みたいだ。

 

(長期戦になるのを見越してか…?)

 

「調査は我々で事足ります。あなたは、ここでゆっくりしててくださればいいですよ」

「あいよ。茶でもしばいてるさ」

 

 茶っつっても自前のスポドリだけどな。

それだけ言うと他の委員達の元へ行き、指示を出し始めた。

私も車の運転席に戻り、助手席に置いて置いたスポドリを取り、インカムを装着し、改めて休憩しておく。

 

「さて。鬼がでるか蛇が出るか――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〚警告 未確認反応 感知〛

*1
360度パネルとも呼ばれる。車で360度ビューって何だよ

*2
近接武器システム(Close in Weapon System)。撃ったら車の方が耐えられん

*3
機体背部に接続する巨大な追加ブースター。これを使用すること時速2000kmにも達するスピードで飛行することが可能。なお本体は…




ウタハ「普通の車だから、安心して」
カザナ「普通」

エンジニア部の普通の基準はどのくらいなのか。
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