実はアニメと単行本を追っているくらいなので、詳しい部分を分かってないです。
無下限呪術って凄い科学とか物理学っぽい部分ある感じするんですが、なんか強いんだな~くらいの知能指数なのが悲しい…。
その夜は寝つきがとても悪かった。
僕は8つの頃から全国の寺や神社を巡る旅をしていた。目的は祖先が残したとされる、呪霊の名が刻まれた霊符の収集である。その道中で人助けをし、厚意に甘えて泊めてもらうこともあれば、テントを張って野宿をすることだってあった。
あの頃に比べれば、この少しカビ臭い部屋も薄めの布団も紡希にとっては有難い環境であるはずなのに、なぜだか全く眠れる気がしない。
夜風に当たろうと布団から出て、窓の取っ手を握ってみる。すると窓枠が固着しており、軽い力では開けられないようだった。少し力を入れてみると、カチャカチャと音を立てて引き上げることができた。そうして夜空を見上げると、雲1つない空には三日月がポツリと寂しく輝いており、草むらからはジージーとクビキリギスの鳴き声が聞こえる。
少し生暖かい夜風が頬を撫でると、ひとひらの花びらが居室に入り込む。その行方を目で追うとその先には先日届いた呪術高専の制服が掛けてあった。
「明日か……」
そう自然に呟いてしまった自分にハッとして、先程開けた窓をピシャリと閉めて布団に潜り込んだ。
今夜はやはり眠れそうにない。
*
大きな欠伸をしながら学長に説明された教室へと足を運ぶ。
「編入生を紹介しやす!!入っといでー!」
丁度良いタイミングだったようだ。本当はもう少し早めに来て担任に挨拶を行うべきだったのだろうが、昨日はゲームで夜更かしをしていたわけでは全くない。そう、緊張。緊張で眠れなかっただけなのだ。自分は無罪放免なのだと心で主張しながらガラリと扉を開ける。すると白髪の細身で長身、多分担任だろう男と、机に座っているイガグリ頭の男と妙な雰囲気を放つピンク頭のアホそうな男、そして如何にも機嫌が悪そうな茶髪の女1人が品定めするような目でこちらを見ていた。
生徒が少ないとは聞いていたが、これほどとは。自分にはこれといった力はないのだがこの警戒っぷり、流石呪術高専といったところだろうか。
「えーっと。自分、
出来るだけ警戒を解くためになるべく笑顔で、手をひらひらとさせながら挨拶をした。すると、ピンク頭の男がハイハイ!と手を挙げてきたので、担任のような男に目配せをした後、「どうぞ!」と声を掛ける。
「むぎちゃんはなんで、ココ入った訳?呪術も独学で使えるんだったらそのままフリーでも良かったんじゃね?」
「キミ鋭いな~!今まで全国をフラフラ旅しとってんけど、九十九さんに声掛けてもろてな。話せば長くなるけど、端的に言うと僕の術式のこと考えたら呪術高専来た方が都合良いだろう、ってことになってん。エライ人には九十九さんが助言してくれはったみたい。」
「へぇ~。僕は君について詳しい話を聞いてないんだけど、どういった術式なのかな」
長身の男がそう質問した後、付け加えるように「あぁ、僕はここの先生。五条悟っていうんだ、よろしくね。」とにこやかに笑った。
その名前には聞き覚えがあった。呪術師であれば誰もが知ってる、「六眼」持ちの「無下限呪術」を使う現代最強の呪術師。そして……。
「これはこれは!あの有名な五条悟殿にお会いできるとは!光栄の至りでございます。」
「称揚は結構だよ。それで?」
「はい。僕は“呪霊操術”を使います。」
夏油様を殺した男の名だ。
*
イガグリ頭の男はガタリと音を立てて立ち上がるが、五条先生はピクリとも動かない。その黒い目隠しの中にある瞳は何を映しているのだろうか。他2人はあまりピンと来ていないようなので昔の事件のことは聞かされていないのだろう。僕は一息入れて話を続けた。
「といっても、僕の呪霊操術には色々と制限がありまして。僕の先祖は
「ふーん。その霊符?ってのはどれくらいあるの?制限とかは?」
「枚数は把握してないな~。ただ玄麗様はかなり変わった人でな。降伏した呪霊に名前を書かせて霊符にするんやけど、弱いやつから強いやつまで際限なく戦いを挑んだっぽいな。お陰で末裔の僕にとっては玄麗様様って感じやけど。制限は特にない。何体でも顕現できるけど、したら最後燃えて消えてまうから最高でも5体くらいしか同時顕現したことないな。」
「むぎちゃんってもしかして“祈りの指輪”とか“ラストエリクサー”使えないタイプ!??」
「そーやねん!!!いつか使うと思ってたら全クリしちゃってるパターン!あるあるよな~!!」
ピンク頭の彼とゲーム話に花を咲かせていると「コホン」と五条先生が咳一咳して、右手の人差し指をピンと立てた。
「実は頼まれていた任務があってね。紡希くんは恵と組んで宮ケ瀬ダムに向かって欲しい。話によると、ダム周辺で怪死事件がここ数か月で13件ある。こちらの権限で水を抜き取ることも出来るらしいからその時は補助監督の伊地知にいうんだよ」
イガグリ頭の男がスローモーションのようにこちらを見つめた。よく見ると切れ長の目と陶器のような白くて美しい肌をしている。なるほど美しい。僕は右手を差し出して「お手柔らかに。」と挨拶をした。“恵”くんは少し目を泳がせながらも無言で手を握る。
その瞬間、手を強く引っ張り耳元でそっと囁いた。
『君は知っとる人なんやね――』
任務については長くなったら分けて書くかもしれません。
拙い文章で申し訳ないのですが、更新をお待ちいただければ幸いです。