唸れ!マリンボール!!   作:銅英雄

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※息抜き小説です。


1話前編 6人目と7人目、8人目と9人目?(内1人はマネージャー)

入学式の次の日。私達5人はグラウンドへと集結。

 

「3人共ユニフォーム姿良いねぇ!」

 

「ヨミのは中学の時のやつ?」

 

「そだよー」

 

「息吹さんもユニフォームいるんじゃない?」

 

「息吹ちゃん用に買わないとねー」

 

和気藹々と話ながら歩いていると、グラウンドの中に2人いる……。

 

「こんにちはー!先輩ですか?」

 

ヨミさんは初対面にも関わらずフレンドリーだねぇ……。

 

「こんにちは。私達は1年よ」

 

「ちわーっす」

 

ツインテールの子とショートカットの子……。2人は同中かな?

 

「なんだ2人共1年生かぁ……。先輩かと思ったよ。どこ中?」

 

「私達は南相模よ」

 

「隣の校区じゃない。私達は光陽台桜よ」

 

(ふーむ。埼玉の中学名が羅列されている……。神奈川県民の私は少し疎外感……)

 

簡単に自己紹介を済ませるとツインテールの子が藤田菫さんで、ショートカットの子が川崎稜さん。2人で二遊間を担っていたらしい。少ない人数で二遊間が揃うのは喜ばしい事だね。

 

「選手は6人……。大丈夫なのかな?」

 

「先輩が2人いるらしいし、まだ1年が来るかもだし、慌てる時間じゃないよ」

 

まぁまだ入学したてだし、部活動見学の期間だろうし、ヨミさんの言う通りまだ焦る必要はないと思う。

 

「おーい!誰かノック打ってくれよー!」

 

「稜!勝手にグラウンドに入ったら怒られるわよ!」

 

そういえば私達も昨日キャッチボールと投球練習の為にグラウンドに入ったような……?

 

「あーあ……。折角グラウンドを綺麗にしてくれてたのに」

 

「一連の不使用には暴力沙汰も含まれていたらしいし、おしりバットくらいは覚悟した方が良いのかな……?」

 

「ひっ……!」

 

「停部までくらってるんだし、流石に改善されてると思うけど……」

 

「体育会系らしくスクワット100回とかはあり得るかもね」

 

「ひーっ!?」

 

さっきから息吹さんが凄く怯えてる……。暴力沙汰の辺りからかな?

 

「ったく、しょうがないわね……」

 

「菫ちゃんも行くんだ?」

 

「こういうのってどうせ連帯責任でしょ」

 

「ガチの体育会系だねぇ……」

 

ノッカーは芳乃さんが務める事に。

 

 

カンッ!

 

 

「よしきた!」

 

稜さんは横っ飛びで捕球し、そのままファースト役の息吹さんへと送球。息吹さんは捕球し切れなかった。

 

(結果だけを見ると息吹さんのエラーだけど、諸々を考えると稜さんに問題があるかな……)

 

「来なさい」

 

次は菫さん。セカンドはショート程大きく動かないので、しっかりと捕って、ゆっくりと息吹さんへと送球。今度はちゃんと捕れたね。

 

「菫のプレーは上品過ぎるんだよ!」

 

「でも私はちゃんとアウトを取ったでしょ?あんたはエラー」

 

「エラーしたのはあっちだろ!」

 

「悪かったわね……」

 

まぁどちらかと言うと菫さんが正しいかな。息吹さんが初心者だという事も加味していかなきゃね。

 

稜さんと菫さんのやり取りを眺めている内に、先輩と思わしき2人組が来た。

 

「あっ、先輩が来たっぽいよ」

 

『こんにちはー』

 

私達は先輩2人の元に駆け寄って挨拶。

 

「こんにちは。2年生の藤原理沙です」

 

「岡田怜……です」

 

岡田さんの方はガールズ時代に対戦したので覚えてる。走攻守揃った荻島ガールズの名センターだ。

 

「お待ちしておりました先輩!早速私達と一緒に……」

 

ヨミさんが岡田先輩の手を取ろうとするが……。

 

 

パンッ!

 

 

その手は叩かれる。

 

「えっ……?」

 

「……私達は別だから。貴女達のお遊びに付き合うつもりはないから」

 

(お遊び……か。まぁ私達がやってたのが端から見れば、じゃれてるように見えるのも致し方ないのかなぁ……)

 

でもなんだかなぁ。ちょっと納得いかないなぁ……。

 

「ここの野球部って以前は結構強かったの」

 

「1度全国にも行きましたね!」

 

(へぇ……。古豪って事なんだ)

 

芳乃さんの話によれば新越谷高校野球部は4強とまで呼ばれていた時代もあったらしい。

 

そして藤原先輩の話によるとここ数年結果が震わず、練習でのしごきや上下関係も厳しくなり、先輩達が入る頃は最悪とまで言われた……という。

 

「それで皆辞めていったり、転校していったりで……。残ったのは私達2人だけ」

 

「先輩達はなんで残ったんですか?」

 

「……新入生が入るまで廃部にならないように籍だけ残しておいたんだ。最後に役に立って良かったよ」

 

菫さんの疑問に岡田先輩がそう答えたけど、どうもそれだけじゃないような……。

 

「最後に……って。じゃあ先輩達はどうするんですか?」

 

「停部中私達はクラブチームの練習に参加させてもらってたんだ。大学とかでやり直す為にこれからもそうするつもり。今後は新入生だけで新しい野球部を造っていけば良いよ」

 

(ふーむ……)

 

なんか本当にこのままで良いのかな……って思えてくる。岡田先輩も本当はこの野球部に残りたいと思ってるんじゃないのかな?

 

「先輩!」

 

ヨミさんが先輩達を呼び止める。多分ヨミさんも同じように思っていたのだろう。

 

「……?」

 

「部の存続のお礼も込めて、私達の球を打ってみませんか?」

 

「………!」

 

「あっ、もちろん真剣勝負ですよ!ねっ?タマちゃん!」

 

「う、うん!」

 

「……わかった。そういう事なら受けて立つよ」

 

岡田先輩を呼び止め、ヨミさんとの1打席勝負をする事になった。

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