人類スターヴェイク帝国建国記   作:妄想白夜

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ようやくゴタニアに到着しました。

感想、誤字指摘ありがとうございます。


028.ゴタニア

 

 ゴタニアに近づくに連れて馬車や人の往来が増えてきた。

 

 タルスさんの話によるとゴタニアは人口2万人ほどのベルタ王国の交易都市として繁栄しているらしい。

 

 10メートルはあろう赤レンガ作りの外壁が見える。夕焼けが重なり非常に綺麗だ。

 

 

 到着するとローマンという守備隊長が出迎えた。

 

「おい、そいつらは盗賊か?お前らだけで捕まえたのか?お手柄じゃねぇか!」

 

 タルスさんがその場に来て説明してくれ守備隊の面々が驚いている。

 タルスさんはこの街では相当顔が利くようだな。

 

 門に向かうと一人の少年が近づいてきた。

 

「旦那様!旦那様!御無事でしたか! ああ、良かった!」

 

「ウィリーか、心配をかけてすまなかった。此方は私を救ってくださった恩人の方々だ。ヨーナスに屋敷で歓待する旨を伝えてくれ。」

 

「承知しました!」

 

 ウィリーと呼ばれた少年は全速力で駆けていった。

 

 守衛の詰所に連れられ状況を説明し保証金の銀貨4枚を支払って木札を貰う。

 

 2日後に盗賊の褒賞金が出るというのでまた詰所に伺うことにした。

 

 クレリアと相談して今後は冒険者ギルドに登録することにした。

 ガウとララはどうするか…。故郷にはギルドみたいな組織はなかったようだか、故郷に戻るのか、この街で住むのか、今後も含めて考えて行かなければならないな。

 

 そうこうしているうちに1台の豪華な馬車が広場に来た。

 

「旦那様、ご無事で何よりです。従業員一同旦那様の帰りを待ち続けておりました。」

 

「おお、ヨーナス、手間をかけたな。アランさん、リア様、ララさんガウ君、此方の馬車で参りましょう。」

 

 ヨーナスさんは執事のような方で細身の初老だがいかにも仕事ができそうだ。

 

 馬車の扉を開け無駄のない動きで俺達を誘った。

 

 ゴタニアはいい街だ。人口が多い分市場や露天が賑わっている。活気が溢れて人々の笑顔が印象的だ。

 

 何だがこの馬車を見ると慌てて脇に避けている。ところとごろ御者のヨーナスさんに頭を下げている人もいるぞ。やはりタルスさんはこの街の有力者に違いない。

 

 そこでタルスさんに気になった事を伝えた。

 

「この街、というかベルタ王国では獣人はいるのですか?今後はガウ達の身元が危うくなればどうすればいいか…」

 

 街に入る前に念の為ガウやララにはニット帽とフードを被らせていた。守備隊の面々はララやクレリアに注目していたが恐らく違う意味だろう。

 

「…確かにこのゴタニアでは獣人は珍しいですね。しかし、全くいないわけではありません。ガンツという街では獣人の冒険者が活躍しているとも聞きます。人頭税さえ払えば割と寛容な国ですね。」

 

 その話を聞き少し安心した。ララも少し落ち着いたようだ。

 

 その後タルスさんの屋敷に到着したが凄い大きな建物だ。思わずこの街の領主館かと思った。

 

 従業員一同の挨拶が済み歓待される。タルスさんの好意で風呂に入らせてもらう。館内には幾つも風呂があるようだ。タルスさんとクレリアとララは別の風呂にいった。

 

 ヨーナスさんに風呂の入り方をレクチャーしてもらってガウ達と入る。おお!大浴場だ!しかも名前は忘れたがあのボディーソープの固形物まである!

 

 ベックとトールは俺の真似をして身体を洗う。ガウにはご褒美として洗ってあげよう。さすが獣人で泡立ちが半端ない!

 

「ガウ…。この泡マズい。」

 

「いや、これは食べ物じゃないぞ!おい、ベックとトールも馬鹿な真似するな!」

 

 笑いながら洗い流し風呂に浸かる。気持ちいい。極楽だ。この星にきてこんな思いができるとは思わなかったな。

 

「ガウ、湖や川と違うから泳いじゃだめだぞ…」

 

 湯船のお湯が激減したことは後でヨーナスさんに謝ろう。

 

 その後晩餐会に招待される。

 

 

 タルスさん一家は妻のラナさん。二十歳の息子のカトル。14歳くらいの娘のサラちゃんだ。

 

 晩餐会というよりも従業員も含めた宴会という形で気兼ねなく飲めた。タルスさんの従業員を大切にする人柄だろう。ガウやララに対しても気兼ねなく接してくれるのが嬉しい。

 

 クレリアは上品に食事を皿に盛り食べているが流石のスピードだ。ベックとトールは見様見真似、ガウは手掴みで食べようとしてララに怒られている。

 

 話が盛り上がり娘のサラちゃんの使徒様が現れたという話は眉唾だった。やはり娯楽に飢えている人々はゴシップネタは銀河共通なんだな。

 しかし、この国の宗教の伝説のイザーク様とは…。時間ができたら調査してみるのも面白そうだ。

 

タルスさんとラナさんが退出したあとも宴会は続く。

 

 カトル、ベック、トールは同い年でタラス村の商品の売買について商談しているようだ。驚いたり喜んだり最後には肩を組み合って酒を酌み交わしている。ああいうのいいな。

 

 クレリアはララとサラちゃんと女の子同士での話をしている。おっと、此処は3人の世界でおいておこう。

 

 俺は従業員と旅での思い出に花を咲かせた。ガウもまだ料理を食べながら聞いている。

 

 ゴタニアについた時にいた若者のウィリーともう一人の子は目を輝かせながら聞いている。やはりこれぐらいの歳の男の子は冒険譚に憧れる年頃だな。

 

「・・・そうやってタルスさんを助けて今日ゴタニアに着いたんだ。」

 

 話終わったあとウィリーの横にいた子が声をかけてきた。

 

「アランさん、僕、ペーターっていいます。旦那様を助けていただいて本当にありがとうございました! 亡くなったティモ伯父さんは親戚でよく商いとはなんたるかを僕にも教えてくれました。今は辛いけど伯父さんの分もこれから頑張っていきます!」

 

「ウィリーです。僕もティモさんの分も一生懸命頑張ります!」

 

 2人の若者の宣言に後ろで聞いていたヨーナスさんも目頭を押さえていた。

 

 楽しい宴会は遅くまで続いた。

 

 

 

 




ウィリーの
旦那様!旦那様!御無事でしたか!ああ、よかった!は自分の中での名シーンです。(笑)

原作ではティモとペーターについては関連性は語られておりませんのでご了承ください。

此処で第一章邂逅編(というかガウ編笑)は終了です



次回は書き溜めてから投稿しますので暫く間が開きます。

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