「ク、クレリア様!」
女騎士は目に涙を浮かべている。
「エ、エルナなのか…。良くぞ無事で…。」
クレリアは肩を震わせエルナという騎士を抱きしめた。
エルナは踵を返し跪く。
「勿体ないお言葉。此れで我が国も希望が…。」
ギルド前の広場でジロジロと通行人や冒険者が見ている。此処は離れたほうが良さそうだ。
「リア、どうでもいいが此処では目立ってるいぞ。場所を変えた方がいい。」
エルナは先程の厳しい目つきに変わり俺たちを見る。
「クレリア様、この者たちは?」
「エルナ、よい。この者たちは私の仲間だ。」
丁度昼時だったのでウィリーのお勧めの店に入る。クレリアとエルナは奥の別のテーブルに座りウィリーを含めた4人で注文を頼む。おお!あれはライスか!?この星で出会えるとは思わなかったな!「タリーの店」か。覚えたぞ!
最近は肉料理が続いてたので魚定食を注文する。ウィリーとガウは肉定食の大盛りを頼みララは通常の肉定食を頼んでいた。
あちらのテーブルではクレリアの肉定食の大盛りがもう届いていた。凄い量だな。エルナは目を丸くしているのがわかる。…きっと積もる話があるのだろう…。絶対違うな。
俺たちの所にも料理が届き食べ始める。サーモンの干物が上手い。普通盛りでも結構な量だな。やっぱり米だ。炊き立てで甘みがあり美味しい。
「ウィリー!この店の料理気に入った!他にもお勧めの店があったら是非紹介してくれ!」
「喜んでいただけて良かったです!他には宿屋ですが【豊穣】がおすすめですよ!お風呂もあってご飯もパンと米を選べれるみたいです。高級な宿なんで値段はかかりますが…。もし宿泊を考えているならヨーナス様に紹介状を書いてもらいますよ!」
そう言ってウィリーは笑顔で肉を頬張る。ガウも負けじとお代わりをしている。ララに気になっていたことを話した。
「そういえばララ、ガウに吹っ飛ばされたギルドの職員にしたあれってなんだ?」
「申し訳ございません。アラン様の許可なく治癒をしてしまいました。以後気を付けます。」
ララは勘違いしてるな。助けた事を咎められたと思っている。
「いや、助けた事を怒っている訳じゃない。寧ろ助けてくれなかったらあの人は後遺症が残ったかもしれないから俺も感謝してるんだ。もしかしてあれは魔法なのか?」
「アラン様は治癒魔法をご存知なかったのですか?」
「治癒魔法?そういう魔法があるのか!」
「はい。一族で極稀に光属性が得意な者がおります。それが私でした。里では狩りで怪我をした者を治癒していましたのであの時は早く助けないとと思いました。」
「治癒魔法…か、すごいな。それって病気とかも治せるのか?」
「簡単な風邪程度であれば治す事も可能ですが重い病ですと少しだけ呼吸が楽になるぐらいしか効果はありません。」
(ナノム、治癒魔法について怪我や病気を治すことは可能か?)
【今の会話の流れでは骨折や打ち身は可能と思われます。部位欠損については現段階では分かりません。病については病原体が判明している物に関しては可能といったところでしょう。病に関しては術者の医学の知識量に左右されると思われます。】
(分かった…。時間がある時に俺も練習してみよう。後で航宙軍の医療大隊の医学と薬学についての情報をアップロードしてくれ。)
【了解】
食事が終わりウィリーを仕事に戻らせる。今日やることはこれ以上ないから街でも散策しよう。そう思っていたがクレリアが大事な話があるという。店を出て人気のない裏路地へ行く。
「先程紹介出来ずにすまなかった。彼女はエルナ・ノリアン。私の近衛騎士だ。アランほどではないか神剣流の使い手でもある。風魔法では王国では有数の使い手だ。そして私はスターヴェーク王国の…」
「クレリア様!よろしいのですか?」
クレリアの会話をエルナが遮る。
「構わん。私を助けてくれたアランにはきちんと話さなければならない。そして今回の件で被害に遭ったガウやララにも…。
私はスターヴェーク王国の☓☓だ。王族では最後の生き残りだ。」
久しぶりに聞き慣れない言葉を聞いた。大体は会話の流れで想像できるが確認してみる。
「☓☓?」
「☓☓というのは王の娘という意味だ。」
「王女なのか?」
「私はクレリア・スターヴァイン。スターヴェーク王国の王女だ。」
無言で頷き頭を垂れる。
「コリント卿、改めて此度は私を助けてゴタニアまで連れて行ってくれたことに感謝する。
また、ガウとララの故郷が襲われたのは我がスターヴェークの貴族の謀反により私を捜索するため戦乱の被害が拡散されたためだ。
今や国を奪われた私には何の価値もないがスターヴェーク王国を代表して謝らせてほしい。」
余談ですがこの日アランが惑星アレスに降り立って丁度50日目となります。