人類スターヴェイク帝国建国記   作:妄想白夜

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032.結成 シャイニングスター

 

 

 クレリアの話に静寂につつまれる。…驚いた。まさか亡国の王女様だったとは。てっきり騎士団の新米隊員と勘違いしていたからな。うーん喋り方とか変えないといけないのか?未だに翻訳機能は完全じゃないから面倒だな…。

 

「クレリア様!頭をお上げください!」

 

 エルナは焦り声をあげた。そりゃそうだな。一国の王女が民間人に頭を下げるなど帝国の官僚さえ聞いたことがない。

 

「いいのだエルナ。それにコリント卿は女神ルミナスに愛されたものだ。先程は言わなかったが私と獣人のガウはコリント卿から精霊の加護を受けたのだ。」

 

 クレリアのカミングアウトにエルナは驚愕している。その横ではララがも跪いて祈りを捧げた。

 

「こ、この男…。いえ、コ、コリント卿がルミナス様に愛されたた者…。」

 

「ア、アラン様はもしや…使徒様でしょうか。言われてみればガウの力や速さは一族の大人達を超えていました。ああ、神よ…。」 

 

 ヤバい、ナノムの投与がこんなことになるなんて。

 

 俺はあまり信仰心がないから崇拝とかされても困る。それにルミナス様とか使徒様ってこの世界の宗教だよな…。あまり深く関わりたくない。

 

「皆、なにか勘違いしてるな。俺は外国から偶然流れ着いた者だ。

 偶然クレリアとガウを助けた時に使ったのは俺の国の薬草だ。それにクレリア達も俺を貴族と勘違いしているけど今はただの冒険者だ。

 クレリアやガウの力が上がったのは薬の副作用的なものだ。…そういう事にしてくれ。」

 

 ガウ以外そんな訳ないだろうって顔してるが畳み掛ける。

 

「とにかく精霊の加護とかややこしい話は口外しないでくれ。後、ララ!君もアラン様とか言うのをやめてくれ!俺はそんな敬われる存在じゃないからな!呼び捨てで構わないから。」

 

 結局、ララは呼び捨てだけは年上にはできないということで「アランさん」で落ち着いた。また、ガウは「アラン兄、リア姉、エルナ姉」と呼称するようになった。

 俺は気にならないが優しいララがかなりの剣幕でガウに注意していたので此れで良しとしよう。

 

 その後の話ではエルナは近衛の班の人とベルタ王国にスターヴェークの助力を頼もうとしたが捕まったらしい。

 運良くエルナだけが助かりゴタニアに着いて偶然クレリアに再開できたとのことだった。

 その他の班は隣国のセシリオ王国に亡命したと聞いた。

 助けを求めたのに捕まるなんて壮絶だな。この国はもしかしたら反スターヴェークなのか。

 

「ところでクレリアはこれからどうしたい?」

 

「……分からない。本来ならベルタ王国に助力を求め反乱軍を討伐すべきなのだがこの国は反乱軍についた。ガウやララには申し訳ないが獣人の里も助けることもできない…。他の仲間達も無事でいるのかさえ分からない。」

 

 ララはそっと俯いているクレリアの手を握り話す。

 

「クレリアさん、生きていれば必ず良いことがあります。それに謝ることはありません。私やガウを助けてくれたのは他でもないクレリアさんとアランさんですから。希望を捨ててはいけません。」

 

「ガウもリア…リア姉に助けてもらった!だから泣かないで!」

 

「ララ、ガウ…ありがとう。そうだな、希望を捨てる訳にはいかないな!」

 

「そうです!クレリア様は我々の希望なのです!民もスターヴァイン家を愛しておりました!」

 

「皆、ありがとう。アラン!私には壮大な目標ができた!スターヴェークを取り戻す!そしてガウ達の故郷も!

 しかし、今の私には無力だ。ならば今は冒険者として名を挙げ力をつける。そしてこんな私を応援してくれる民達の希望の輝く星になる!アランは協力してくれるか?」

 

「勿論だ。俺も冒険者になるなら頂点を目指す。パーティーの結成だな。」

 

「パーティー名は文字通り輝く星。…シャイニングスターだ!」

 

「シャイニングスター…。おお、素晴らしい名前です。クレリア様!」

 

 エルナ達も称賛しているな。ぶっちゃけ名前は何でも良かったが皆が納得している名前ならそれでいい。

 

「因みにリーダーは当然アランよ。」

 

「え゙!?今の会話の流れではクレリアだろう?」

 

「パーティーのリーダーは1番力の強い者がやるものだ。」

 

 エルナはクレリアがリーダーと思っていたので不満気な表情だ。

 

「エルナは納得しているのか?」

 

 エルナが答える前にクレリアが答える。 

 

「エルナ、アランの実力を見れば嫌というほどの差が分かるはずだ。アランは達人の域を軽く超えている。それこそかの有名な剣聖もだ。魔法に関しても王宮筆頭魔術師でも子供扱いだ。」

 

「あ、あの神剣流の剣聖を…。分かりました。クレリア様が言うのであれば問題ありません。」

 

「クレリア、過大評価しすぎだぞ。」

 

 俺の発言は無視され冒険者ギルドに戻りパーティー申請をする。メンバーは俺、クレリア、エルナ、ガウの4名。ララはギルド登録をしていないため帰ろうとしたが受付のアミィさんに呼び止められた。

 

「もしかして彼女さんもパーティーに加入されますか?先程の治癒魔法が得意であれば冒険者ギルドや魔術師ギルドでも重宝されますよ。一応、適正を見るために戦闘の試験は受けてもらいますが…。」

 

「そうだ、ララ。難しく考えずに受けてみよ。とりあえず身元も証明できる。戦闘が苦手なら魔術ギルドの登録でも構わないが。」

 

「あ、あの…。私にその様な気遣いなど…。」

 

 ララの遠慮を無視しクレリアはアミィに申請する。

 1人で受けますと、頑なに同席を断り試験会場に向かう。待っている間に向こうから感嘆の声と悲鳴が交互に聞こえてきた。最後はなんか拍手が起きたぞ…。何が起こったのか分からない。

 

 そしてその後、史上初の全員Cランクの新人パーティー。そして伝説となる「シャイニングスター」が結成された。

 

 

 





シャイニングスターが結成しました!
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