[人類に連なる者ではありません]
ナノムの驚きの回答に戸惑うが再度問いただす。
(ならこの子は人ではないのか?以前見た緑色の知的生命体…クレリアの話ではゴブリンだったか、ゴブリンや魔物よりなんかよっぽど人なんだが…)
[染色体構成が46ありますが遺伝子配列が人類に連なる者と異なり狼や犬に近似します]
急に難しい話になり分からなくなるが冷静に確認すると被り物ではなく皮膚に直接付いている。恐らく尻尾もそうだろう。
いや、そんなことより苦しんでいるこの子を助けたかった。
「なあ、クレリア。☓☓の子は害があるのか?何とか助けたいんだが。」
クレリアは真剣な表情で
「私も☓☓自体初めて見るけど、害なんてあるわけ無いでしょう!それよりもこの状態からでも助けられるならアランの精霊の力で治して上げて!」
流石騎士様だ。弱気を助け悪を挫く心の騎士道は宙軍の規則にも
通じるものがある。
「分かった。俺の置いてきたバックパックの荷物の中に包帯の余りと水が入ったコップがあるから持ってきてくれ」
「うん…分かった、すぐ持ってくるから待ってて!」
クレリアは俺が精霊の力で治すのを見たかったようだが知られるとマズい。身に付けているウエストポーチにレアメタルの錠剤があってほんとによかった。
クレリアが離れたところでナノムに聞く
(クレリアの時みたいに輸血が必要か?)
[輸血は危険です。このような知的生命体への輸血は症例がない為、ショック死する可能性があります。レアメタルの錠剤を2錠飲み込ませてください。その後、等間隔で3から5錠ほど右脇腹の患部へ直接投与してください]
ナノムに言われたとおり、口に2錠運び溶けるのを確認し、傷口に一つずつ塗り込もうとする。
等間隔って難しいな、五秒間隔でいいか?まあ、ナノムが指示するだろう。
一つ……ふた…
[もう大丈夫です]
あっぶな。3錠じゃなかったのかよ!2錠目も塗り込むギリギリのとこだったぞ。
[患部に投与した約3秒後にこの知的生命体の魔素が急激に増幅しました。これ以上の投与は危険です。]
この人類に似た者は仄かに発光している。以前クレリアが何らかのお願いしたときのように…。
発光が治まって暫くしてからクレリアが戻ってきた。荷物を持ちながら早く戻ろうとしてヘトヘトのようだ。
「アラン!☓☓は?ああ、目を覚ましたのね。流石アランだわ。包帯と水ね!」
丁度クレリアの方を向いたときに目を覚ましたようだ。言葉が通じるが分からないが声をかけてみる。
「よく頑張ったな。今、水を飲ませてやるからな。もう少し待ってろ。」
小さな声だが返事があった。
「ガ、ガウ…は、はらへ……た」
皆さんお気づきかもですか、原作ではレアメタルの錠剤はバックパックに入っているためこの治療はできなかったです(笑)