お待たせしました。
誤字脱字等ご指摘ありがとうございます。
「師匠、質問いいですか?」
「何でしょう?アラン」
魔術ギルドの二階で支部長のカーラさんに尋ねる。俺とララは2日前に魔術ギルドに入会し魔道具作成の講習を受けている。
因みにクレリア達は冒険者ギルドへ行き仲間たちの捜索依頼を出すらしい。
入会した理由はこの惑星で使用されていない家庭用品や調理器具を作成しパーティーの金策にするためだ。珍しくララも自ら手をあげ入会を希望した。
2人分で基礎魔道具講習8万ギニーと入会金千ギニー…痛手だが初期投資として必要経費だ。タルス商会や豊穣にある厨房の魔道具はこのカーラさんが作ったものらしいので機会があったら俺も作れるようになりたい。
昨日冗談でカーラさんに「師匠」と呼んだら満更でもなく口元をピクピクさせて笑顔になったのでこう呼ぶようにした。あ、今も口元がニヤついている。
「魔法の系統は火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、光魔法の五属性があると聞きましたがその他の属性、例えば光の反対の闇魔法とかはないんですか?」
「…面白い発想ね。私は考えたことも無かったわ。魔法とは基本的に魔導書の工程を順に実行するだけ。その元となる魔導書がどの属性かで決まります。もしかしたら闇魔法もあるかもしれませんね。魔術ギルドでは今のところこの5属性ですが新たな属性が発見されたら世紀の発明になるわ。」
カーラさんに聞いてみたがやはり此の世界の魔法の常識は魔導書ありきなんだな。探知魔法や加速魔法はオリジナルで作ったものだから新たな属性も出来るかもしれないな。
そういえばクレリアは火魔法は得意だがその他は苦手と言っていたな。魔導書があればできそうなものだが…。これも質問してみよう。
「なるほど。現在の魔導書が5属性のみなんですね。あとは師匠は光魔法が得意ですが、人によって得意な属性や苦手な属性があるのは何故でしょうか?」
「此れは難しい質問ね。…まずは他の属性が分からない。魔導書が手に入りにくい事があげられます。特に光魔法は高額ですからね。
そして魔法の属性毎に工程数とその考えは根本から違います。同系統、例えばファイヤボールとフレイムアローは工程は似ていますが風魔法や光魔法は違います。
初心者に陥りがちなのが初めて覚えた魔法の工程をベースにする為、他属性の魔法が出来ないと言った意見がよく見受けられます。」
何となくだが読めてきたな。俺の考えが正しければクレリアにも風魔法が覚えられるぞ。イメージする基本の理が分かれば皆にも色々な魔法が使えるかもしれない。
…探知魔法は厳しいか、ガウは狩りの手伝いで獲物の気配や匂いを察知してきたからナノムの力を借りて感度を上げられたみたいだが…。
「アラン、よろしいですか?」
「は、はい!聞いてます!? ありがとうございます。勉強になりました。」
魔法の考察は後だな。今は講義に集中だ。ララは横でものすごい勢いでメモして勉強している。俺も負けてられない!ナノム、後は頼んだ!!後で講義をアップデートする!
【……………………了解】
?ナノム、反応が遅かったような…。
【何でもありません】
……………………
その夜、豊穣の食堂で俺が監修してバースが作った天ぷらとトンカツに皆で舌鼓していた。パーティーの皆も満足そうだ。うん、天ぷらはサクサクで上手い!みりんがない分心配したが天つゆモドキもイケル!トンカツの揚げ方も最高だ。タースというカラシに似た調味料も合う。今日は材料が見当たらなかったのでおろし醤油だが是非ともバースにはトンカツソースを作ってもらいたい。
食事が終わり明日のことを話そうとしていたらララから話してきた。
「アランさん、この後アランさんのお部屋にお邪魔していいでしょうか?」
ブ!という音とともにクレリアが驚いてむせている。
「ああ、いいよ。」
軽い返事で答えたらエルナが真っ赤な顔で抗議してきた。クレリアも何故か赤面して震えている。
「ア、アラン…ララ!あ、あなた達は何て☓☓☓☓な…。」
「ん?☓☓☓☓って何だ?」
久しぶりに聞いたことがない単語が出てきたな。それを聞いたララもハッとして赤くなる。
「わ、私はそういう意味で言ったわけでは…。今日習った魔法の講習でよく分からない所があったので教えてもらおうと…。しかしながらアランさんが望むならこの身をさ、捧げます…。」
言語アップデート。…データにないな。
「よく分からないが確かに俺の部屋に二人入るのは狭いか。ガウとララの部屋の方が広いから問題ないだろう。それにララ、今日の講義で魔力を使うことは今はないだろう。」
ということでガウとララの部屋で今日のおさらいをする。部屋に入る前、ガウにはクレリアとエルナが延々と注意していた。
暫く扉の前では探知魔法で二人の反応があったが放っておこう。
「ララ、分からない所は何処だ?答えられる範囲なら教えるぞ。」
俺の問いにララは顔を赤らめる。分からないのが恥ずかしいのか?
「じ、実は分からない所はなかったのですがお願いがございまして…。
リアさんやガウに行った聖霊の加護を私にもお願いしたいのです!」
「理由を聞いていいか?」
「はい。本来なら里を追われた私達姉弟は奴隷に落ちているところでした。私はアランさん達に助けられ今は奇跡的にも冒険者という立場になりました。
しかし、私には戦いの経験等もなく戦闘ではお役に立てそうもありません。魔法でお役に立てばと思いましたが昨日の冒険者に行った治癒魔法も生命を維持するだけでアランさんのように完全に治すことはできませんでした。
そこでガウが何故あそこまで強くなったことを考えました。聖霊の加護を受けたからなんです。加護を受けられれば魔法の効果も上がるはずです。勿論、悪用等は行いません。」
(…此れが理由か。ナノム、どう思う?)
【問題ないと思われます】
(クレリアやガウは怪我を治すためにレアメタルを投与したがララは今は健常者だぞ?)
【獣人のナノム投与は一例しかありませんが劇的な身体能力の上昇が望めます。現在の艦長の目標は冒険者として名を馳せる事です。仲間の戦力アップは今後の生存率を上げる大きなメリットがあります。仮に悪用しようとする場合、ナノムを体外排出します。】
暫く考えたあと答えを出す。
「分かった。ただ、分かってほしいんだが俺はララがパーティーの役に立ってないなんて思ったことはないぞ。それにクレリア達もそんな事は思ってないはずだ。ガウもそう思うだろ?」
「……。」
振り返ると俺たちの話が長かったのかガウはベッドで大の字で寝ている…。
ララは俯いて黙っている。
「今から聖霊の加護を施すが約束してほしい。パーティー以外にはこの事を口外しないこと。ガウにもそう伝えてほしい。後は獣人に対しての効果は凄いみたいだからララやガウに聖霊の加護の効果が体に悪影響な様だったら無条件で排除させてもらう。」
ララはまっすぐ俺を見て頷く。
「目を閉じてくれ…。」
目を閉じたララの口元にレアメタルを1錠手で渡す。
「そのまま飲み込んでくれ。」
口に入れた瞬間ララの体から光が差す。凄い光だ。ガウはその眩しさに目を覚まし手で目を隠している。
「姉ちゃん!精霊様の加護だ!」
光が止むといつものララがいた。
「…もう目を開けてよろしいでしょうか?此れが聖霊の加護…」
「ああ、もういいよ。儀式は終わった。」
ゆっくり目を開けるとララはキョロキョロと周りを見渡す。
「とりあえず明日から魔法の訓練で慣れていこう。明日からも頼む。」
「はい!アランさん。ありがとうございます。後は盗賊に奪われた一族の首飾りが見つかれば…。」
「ん?その首飾りってどういうのだ?」
「はい。一見宝石に見える様な石ですが幻獣から頂いたとされる特殊な魔石です。」
基礎講習1人5万ギニー→4万ギニーに設定変更しました。
因みに魔術ギルド2人共Bランクです。