うーん…カラダが痛い…。
ナノムから伝達されたガウの魔素をチャージして行う方法は思いの外身体に負担がかかった。
始めは魔力消費量が少なく調子にのって一分程使ったところ足がガクガクになり立っていられなくなった。
使用時間の短縮とインターバルが必要だな…。
ここぞという時は便利だがこれも練習が必要だな。
いざ敵が現れた時にこの状態じゃ意味がない。
「アランさん、身体がキツそうですけど大丈夫ですか?やっぱり夜中の不寝番俺達も手伝いますよ」
ベックとトールが心配して声をかける。
「何も問題ないよ。初日の夜に言っただろ、お前たちは御者。護衛は任せてくれ。じゃ、出発しよう!」
御者台の荷物の上が今日は異様に高い…皆に感づかれる前に何とか登る。
(ナノム、警戒モードだ)
[まだ、日中ですが…]
(今は特別だ!)
[了解]
荷台の上には瞑想しているクレリアと瞑想を装い爆睡する俺。
ガウはベックとトールの間に入り3人で会話に花を咲かせている。
……………………
それから15日が過ぎた野営地の夜でのこと。
ベックから明日にはゴタニアへ到着すると伝えられた。
10日ぐらいから簡単な実戦体制での訓練もベックとトールはこなしてきた。
今だったら何とかグレイハウンドぐらいは倒せるじゃないかと思う。
クレリアに対してもコンボ技を中心に魔物に多数襲われた際の魔法と剣術の応用を教えていた。
おっと、探知魔法に反応だ。2つの反応は200メートル付近まで近づいできた。
「ガウ…人間の匂いがする」
「そうだな、俺達の周囲を気にしている感じがする…」
ガウと話すとその反応は離れていった。
おかしいなと思い探知魔法を拡げるが2キロ圏内にはその2つの反応しかない。
就寝時皆にこの事を話す。
「もしかしたら、盗賊がいるかもしれない。俺とガウで夜中警戒するから安心していいが、襲ってきた場合に直ぐに動けるようにしてくれ。」
皆の顔に緊張感が走る。
「大丈夫なの?夜襲の恐れがあるなら私も起きてるわよ。」
クレリアが心配そうな顔で俺に聞いてくるがガウも含め2人に伝える。
「恐らく、偵察隊が本隊に伝えに行ったんだと思う。
ここら辺に人の反応はなかったからアジトに戻って準備してからだろう。
明け方、朝って所かな。盗賊が松明を使って分かりやすく来てくれるなら夜中も考えられるがな。
まあ、偵察隊まで出してきて其処まで莫迦じゃないだろう。
夜中は最大限の警戒をするからクレリア、ガウ、ゆっくり寝てればいい。」
不安そうなベックとトールにも声をかける。
「俺達がいるから安心しろ。
それにもし盗賊が来たとしても今のお前たちなら2、3人は相手ができる。
練習用の木剣でも気合が入っていれば相手を倒すぐらいわけないぞ!今はベックとトールも寝てればいい。まあ、目が冴えて寝付きにくいと思うがな!明日はゴタニアへ着くんだ旨い酒と料理が待ってるぞ!」
冗談を言って2人はお互いの顔を見つめプッと笑い出し毛布をかぶる。
緊張感は拭えないが不安に押し潰されると本来の力は発揮できない。まあ、ベックとトールに戦ってもらうつもりはないが何の罪もない民間人が被害に合う亊は俺も許せない。
(ナノム、警戒モードだ。索敵範囲を最大にしろ)
[了解]
1話では収まりませんでした(汗)