デジモントリガー   作:アルピ交通事務局

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黒い話

 

「雨取麟児が持っていたトリガーの反応が最後に消失した場所が分かりました」

 

 事件発生後、1日が経過した。

 二宮隊は緊急で呼び出しをくらい、鳩原未来がトリガーを横領し向こうの世界に遠征しようとした。そして何者かがそれを阻止した。

 トリガーを横領した鳩原未来にこの一件を問い詰めた、協力者が、特に雨取麟児が言う人が行くことを強く勧めていた。マグナガルルモンになった修が鳩原未来と密航者2人を撃墜し、強制的にボーダー基地に送還して身柄を抑える事に成功したが雨取麟児だけが出来ていなかった。

 直ぐに3名に雨取麟児の行方を聞いた、しかし3名は行方が知らない、麟児が独自のルートで特別な協力者が居る素振りを見せていた……3名は絶賛軟禁中の身、記憶封印は確定なのだがそれは今じゃなくても構わない。4人目である雨取麟児が何処に行っているのか?そこを探る。

 三門市内部ならばボーダー側から連絡が取れる、しかしレーダーに映らない、それどころか反応が消失していた。雨取麟児が何処に連れて行かれたのか?心当たりは無いのか等を両親に聞きに行ったが鳩原未来との接点を全くと言って知らないと言っている。

 

「何処だ、そこは!直ちに回収に行かせる!」

 

「え〜っと…………温泉旅館ですね……」

 

「なに?温泉旅館じゃと?」

 

「車で行くことが出来る距離です」

 

 トリガーの最後の反応があったところは温泉旅館だった。

 何故に温泉旅館か?それは分からないが、そこにトリガーがあったと言うのだけは事実だ。ボーダーの開発室長は直ぐにトリガー反応があったことをボーダーで一番偉い人こと城戸司令等に報告をする。

 

「車を使えば直ぐに行ける距離にある……君達は心当たりはあるか?」

 

「いえ……」

 

 軟禁されている鳩原未来達3人の密航者にモニターを経由し問いただす。

 麟児と温泉旅館がどの様な形で接点を持っているのか?その事に関して3人は心当たりは無い。鳩原未来が代表して答えるが鳩原未来は絶望に沈んでいる。主に自分が原因で向こうの世界に遠征出来ない、向こうの世界に行けない……弟を探したいと思っているのに行くことすら叶わない。

 密航者になるというボーダーという組織に対して裏切る真似をしたが結果は成功しなかった。予知能力を持つ迅悠一すら回避して向こうの世界に行く手筈が済んでいるのに、何者かによって全てが終わった。

 

「…………ここは……………」

 

「なにか心当たりがあるのかね?」

 

「ああ、前の勤め先の別の支部だと思いましてね」

 

 3人に心当たりが無いのであれば、話すことはなにも無い。

 モニター越しの彼女達との通話を切ると外務営業担当の唐沢が温泉旅館の住所を見てあることが浮かんでいる。

 

「ここに行くのならば、私に行かせてもらえないでしょうか?」

 

「なにを言っているのですか!近界民が居るかもしれないのですよ!」

 

「ここの温泉旅館の経営者と知り合いでしてね、黒い話もする事が出来ます」

 

 誰が現場に向かうかとなり、唐沢が自ら行くと挙手する。

 トリオン体を破壊する事が出来る存在、近界民と仮定し行くのならば裏切り行為をしない風間隊や三輪隊だとメディア担当の根付は主張するのだが城戸司令が止めた。

 

「コレは話し合いをする事が出来る相手、少なくとも私はそう思います……ホントに近界民が潜伏しているならば大事になっていますし、仮に大事にせずにただ温泉旅館を経営している場合、ボーダー隊員が三門市外で人前で戦ったとなればボーダーの株が大暴落。まずは話し合いが通じるか通じないか、この温泉旅館が前の職場の支部の1つだとするならば黒い話になるが話し合いが通じる相手だというのは確かですね」

 

「…………いいだろう、君が調査に行きたまえ」

 

「ただ相手が相手だけに、色々ややこしいです…………なにせ相手は黒服の組織なので」

 

「なっ!?馬鹿な、あの組織が関与を!」

 

「それを踏まえた上で調査に行きます……証拠が消されればややこしいですので早速行かせてもらいます」

 

 黒服の組織の存在を認知している根付や鬼怒田は奴等が関与しない、仮に裏切っても迅を経由して色々と見えている筈だ。

 しかし今回はその迅を鳩原未来が出し抜いた、自分達が知らぬ存ぜぬ場所でなにかが起きているわけでその事を調査する。武力による介入はこの場に置いて1番の愚策だ。唐沢は会議室を後にし、温泉旅館に向かった。

 

「ボーダーの唐沢だが、マネージャー……シュバインに連絡を入れてほしい」

 

 温泉旅館に辿り着いたので、日本支部のエリアマネージャーであるシュバインに連絡を入れる。

 黒服の組織目当てでこの場所に来たのだと驚いたアルバイトの黒服の組織の人間は直ぐにシュバインに連絡を取ると地下室に案内してもらう。

 

「ふぅ……誰かが来るのは確定だが、君が来るか」

 

「マネージャー……黒服の組織はボーダーに」

 

「異世界に興味があるか無いかで言えば、興味はある……だが、ボーダーに兵を送り込むのは容易じゃない」

 

 黒服の組織がボーダーに関与してきたのか?それであればと色々と考えている唐沢だったが、シュバインは興味はあれども手は出していない事を言う。

 

「この場所でボーダーのトリガー反応が消失している……」

 

「来てくれたのが話し合いが通じるお前で良かったよ……雨取麟児についてだろう?ついてこい」

 

 色々と深く問いただす為の心理戦をしようとしたが逆にシュバインが求めている答えを言う。

 いきなりの答え、腹の読み合いや損得勘定云々を除いても違和感を感じるのだが答えを見てから考えようとシュバインに付いて行けば……ベッドの上で横になっている麟児が居た。

 

「彼は……」

 

「探し人だろう……だが、死人に口無しだ」

 

「兄さんは、兄さんは死んでません!!」

 

「おっと、失礼……」

 

「彼女は?」

 

「雨取千佳、雨取麟児の妹でね……数年前にとある一件で知り合う事になったんだが、まぁ、彼女の事については置いておく…………大事な話があるから少し」

 

「……はい……」

 

 部屋の居た千佳は出ていった。

 千佳が完全に出て行ったか確認をすれば、足元に置いてあるスリッパで麟児を叩いた。

 

「マネージャー?」

 

「彼は、非常に厄介な事になっている……幽体離脱、それが彼の身に起きている事に1番適した言葉だろう」

 

 見ろと麟児さんをスリッパで何回か叩きながら、麟児さんに繋がれている脳波や脈等を測定する機械を見るように言う。

 スリッパで何回も叩いているのだが脈拍等が特に変化しない、なにが起きているのか?それがよくわからない

 

「植物状態になっているのですか?」

 

 何度も何度もスリッパでシバいているシュバイン。

 麟児が一切の反応を示さないので、麟児が植物状態になっているんじゃないのかと推察を入れる。

 

「俺も当初はそう思っていた……だが、コレは幽体離脱に近しい現象だと分かった」

 

「幽体離脱、と言うと魂が肉体から出ていく現象のこと…………」

 

「お前はVRMMOと言う物を知っているか?」

 

「確か、仮想空間内でするゲームでしたか?」

 

「概ねその認識で間違いない。うちの組織に技術提供をしてくれている企業の1つでインターネット世界に意識をダイブさせる技術を作っているところがあり、脳の構造に関して色々と詳しい人物に彼を見てもらった。その結果、彼の人格や記憶を構成している部分が無くなっている……まるで幽体離脱の様に魂が肉体から抜けた感じで、植物状態ならば脳に色々とすればいいが記憶を司る脳の海馬の部分に干渉してもなにも変化が起きない」

 

「そんな事が分かるのですか?」

 

「神堂令一郎は知っているだろ?彼が乗っているマンティスは思考で操縦する乗り物、他にもボーダーが持つ近界民に対して有効打になっているトリガーもスイッチをオン・オフや音声認識でなく思考で動かす事が出来る代物だ。脳がやれと命じれば実際に動かす事が出来る……その辺を応用して意識がどうなっているのか?眠っているならば電気信号を送って叩き起こせばそれでいいだけなんだが出来ない……オカルトと科学の境界線上にある話だ」

 

 だから、コレは幽体離脱に近しい現象……植物状態と言えばそこまでだが。

 植物状態に近しい現象になっている麟児、雨取麟児は確かにここにいたがシュバインがスリッパでシバいていも一切の反応を示さない。寝たきりの状態になっている麟児を連れて帰る事が出来るが、本人の口からなにも言えない。

 

「それで、あの子の妹から色々と聞いたが……向こうの世界に密航しようとしたそうだな、組織が大きくなれば何処かで綻びやミスが起きるのは確実だが思った以上に早かったな」

 

「出来る限り厳重にしていたのですが」

 

「トリガーを横領したボーダー隊員は向こうの世界に遠征する権利を持っていない……ただ単に実力が低いならば危険な遠征の話はそもそもで存在していない。遠征させても問題無い実力を持っているがなにかしらの理由で遠征に行けず密航を企てた」

 

「……」

 

「沈黙は肯定と同じだ、バレているならば少しでも自分に友利な展開に進めるように…………向こうの世界に行って家族を救いたい、そんなありきたりな思いを持っていたが落とされた……人を斬ることが出来ない、そんなところか」

 

「……ええ、横領した彼女は人が撃てないのを理由に遠征が見送られました」

 

「実に妥当な判断だ……そもそもで遠征の重さを彼女はいや、ボーダー隊員の殆どが理解していない。平和ボケした日本人しか居ないのならば尚更で…………人を殺す覚悟を持っていなければならない」

 

「……城戸司令がどの様な思惑で外したかは分かりません」

 

 向こうの世界にピクニックをしに行くわけじゃない。

 近界民の世界は常在戦場、資源の奪い合いが常に行われている紛争地域だ……ボーダーがトリガーと言う武器を手にしていて未開の地を探検しに行くと言うのならば覚悟しなければならない、人を殺すと言う覚悟を。

 時には人殺しの業を背負わせなければならない、戦争で人が死んでいく姿を目の当たりにしなければならない、それは普通の日本人では耐える事が出来ない代物だ。

 

「雨取麟児の身柄はここに置かせてもらう……色々と積まれてな、雨取麟児が居たが植物状態でどうすることも出来なかったと言ってくれ」

 

「……雨取麟児に協力していた協力者については?」

 

「案外、近界民側からかもしれないな」

 

「え?」

 

「今のボーダーが何時ぐらいに出来たのか、正確な情報は知らないが向こうの世界の人間は100年以上前から存在している……なにかの拍子でこちらの世界に流れ着いた近界民の末裔、ボーダーが熟知していないだけで近界民はすぐ近くに居るかもしれない」

 

「その根拠は?」

 

「宇宙ネコ」

 

「はい、マネージャー」

 

「……………!?!?!?!?」

 

 突如として地面から現れた宇宙ネコを見て唐沢は困惑する。

 何だこれは?宇宙ネコを見て頭がフリーズしかけるのだが、直ぐに冷静になり1つの結論を出す。

 

「コレは、近界民?」

 

「コイツが普段からお前達が相手にしているロボットに見えるが違う……異世界の存在の時点で凄まじいが、この世界も案外広くて謎が多い。宇宙ネコはこの謎の1つで近界民じゃないとだけは言える」

 

「ワタシを生み出したのはRD−1で、近界民ではありません……世界には解明する事が出来ていない謎が多数に残っています、もしかしたら聖剣エクスカリバー等がトリガーだったかもしれません。世界は広いです」

 

「………………」

 

「頭で理解をしない方がいい、あくまでもそういう物だと認識してくれ……ああ、宇宙ネコはホントに近界民と関係が無い。ただホントにこの世界には謎が残っている、異世界の存在が証明された以上もしかしたらの線が捨てられなくなっている」

 

 宇宙ネコの存在を受け入れるのに時間がかかっている唐沢に畳み掛ける。

 確かにそう言われれば過去の超常現象はトリガーが使っていた……かもしれない。たった1%でも疑惑を持てるのならば、それでいい。完全ある黒なければ完全なる白でなければそれでいい。

 

「雨取麟児が植物状態だった……それだけだ、診断書が欲しいのならば出すぞ」

 

「いえ、構いません…………いきなりの来訪申し訳ないです、失礼しました」

 

 雨取麟児が植物状態の人間だった、それだけは確かである。

 雨取麟児からなにも聞き出す事は出来ない、そう分かればこれ以上はここに居ても意味は無い。頭の処理が追い付かないので唐沢が麟児が眠っている部屋を後にし、旅館を出ていった。

 

「もういいぞ」

 

「すみません、シュバインさん……色々とやらせてしまって」

 

「ギブ・アンド・テイク、お前達はそれ相応の代価を支払っただろ?」

 

 シュバインさんが隣の部屋に繋がっているドアをノックすれば修と千佳が出てきた。

 麟児さんの事を上手い具合に誤魔化し尚且つ協力者について聞き出す事が出来ない様にしてもらった事に修がお礼を言うが、感情論でなく損得勘定で動いている。

 

「普段から送り込まれているのはロボットで近界民はこことは異なる異世界の人間、ボーダーは向こうの世界に遠征をしており腕のたつ人間から選抜している、向こうの世界は100年以上前から存在している、向こうの世界の遠征は時と場合によっては人殺しをする……コレだけで充分な情報、対する俺は雨取麟児が植物状態だと言ってそれらしい理由を並べただけに過ぎない」

 

「まぁ、麟児さんが現時点では植物状態であることには変わりないんですけどね」

 

『いい演技だ、千佳』

 

 ノートパソコンを手にしている修、画面には麟児さんが映し出されている。

 麟児が現在植物状態に近い状態かと言われればその通りであり、麟児の精神はデータ化されており修のノートパソコンの中に入れられている。修がディメンションナルエリアとかGTロボを作ろうとした過程で作り上げられたインターネット世界に意識をダイブさせるアレで麟児の精神をパソコンに入れていた。

 

「ホントに……良かったのかな、こんな嘘をついちゃって……」

 

『……』

 

「さぁな……俺達はボーダーに頼らない、自分達で自衛の力を持つんだって決めた。さっきの人にホントは目覚めようと思えば何時でも目覚める事が出来る、そう言えばよかっただけなのに千佳は出ていこうとしなかった。出ていくチャンスはあった、なんだったら最初からこの嘘をつかない方向もあった。それでもコレを選んだ……選んだ以上は後悔するよりもそれを力に変えて一歩ずつ前に進むしかない」

 

 盛大なまでの嘘をついた事に千佳は罪悪感を抱いている。

 自分の事だから麟児はなにも言えない、嘘を提案した修はコレを糧にして前に進むしかない。

 

「今の俺達がやらなきゃいけない事は備える事だ。友好的な近界民(ネイバー)、いや、向こうの世界の住人が来訪してきた時の為に……ボーダーには近界民と友好的な派閥が居るだろうが、近界民の世界関係は隠している。こことは違う異世界の存在だけでも手一杯、そこに友好的な近界民が居るとするならば最初から居なかった事にしておかなきゃいけない」

 

「その根拠は何処にある?」

 

「トリガーはなにで動いているか知ってますか?」

 

「確か、生体エネルギーで動いているとは聞いているな」

 

「電気で動いているならば電気で動いていると潔く答える筈だが、生体エネルギーと答えてる……生体エネルギーがなにかは置いといて、向こうの世界にはこちらの世界の様に複数の国が存在しているのと電気とは異なる、その生体エネルギーを動力として動かしている文明が築き上げられている……人間が国を創り、日本と言う国になにかを求めて侵攻してきているならば和平の道があるがそこまでくればボーダーという民間組織で手が置ける案件じゃない、日本の政府がああだこうだしないといけない案件で、日本だけが異世界との交渉権を持っていたら……………モメるな」

 

 ボーダーという組織が色々と根回ししているおかげでなんとか上手く回っているが、歯車が1つでもズレればその時点で詰んでしまう。

 ギリギリのラインを歩んでいる、もし仮に異世界からの友好的な使者が現れたならば考えるだけでも恐ろしい……だが、それを実行しなければならない。修はその道を選んだのだから。

 

「もし神堂財閥が向こうの世界に進出する事があるならば1枚噛ませてくれ」

 

「自分の組織のボスがあんな風になったのに、未知の世界に挑むんですね」

 

「ボーダーという組織に対して疑念がある存在はごまんといるからな、こっちもある程度はやらなくちゃいけないんだ……なに、持ちつ持たれつの関係性は保つつもりだ」

今後の展開どうしよっかな

  • 2人まとめては最高さ
  • 那須玲のお尻は素敵
  • 藤丸ののの、ののパイは、おっぱいは正義
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