「オーナー……焼けてないんですね」
「日焼けしたらベトナムのエンジニア感が半端じゃないから嫌なんです」
お盆休みをハワイで過ごした。と言っても修と桜は海外研修でありホントの意味では楽しんで過ごしていない。
日本に帰国した翌日にフーディエに訪れる。代休でお盆休みを貰えてる、休みの日なのは分かっているがやることはある。受付前にいた烏丸は修が日焼けしていない事を気にする。常夏の地であるハワイでお盆を過ごしたら文字通り一皮剥けると思っていたが、修が日焼けしたらベトナムからやって来たエンジニア感があるので日焼け止めはしっかりと塗っている。ベトナムの留学生エンジニア感が出るのは嫌である。
「その両手に持ってるのは」
「ワイハー土産です」
「普通はマカデミアナッツじゃないんですか?」
「あ、じゃあ烏丸さんは無しで」
「冗談っす」
両手に沢山の袋を抱えている修。全てがワイハー土産であり、こういう時はド定番のマカデミアナッツじゃないのか?となる。
折角色々と買ってきたのにマカデミアナッツじゃないことに不服を抱いているならば無しと言うが軽い冗談である。
「マカデミアナッツは買ってますよ」
「…………国内っすね」
「国内で買えますからね……極端な話、ネットでポチれば大体は買えます」
マカデミアナッツを出すのだ入っている袋が日本の空港のものだった。
ハワイ名物のマカデミアナッツ、買おうと思えば空港で買える。旅行土産の身も蓋もない話をし極端すぎるのでは?となるのだが余計なことは言わない。
「1人1個渡せます」
「太っ腹っすね」
「ワイハーで遊ぶのに必要なお金の相場が分からなくて取りあえずは40万円を$に両替したら思ったよりも使わなくて、日本円に戻したら手数料でそこそこ取られるんで土産に贅沢を入れました」
「……」
コレは金銭感覚がおかしいのでは?いや、最近外国の物価高いって言う。ハワイはアメリカで観光名所だから観光名所価格でボッている可能性が高いしそもそもで俺はハワイの相場は知らないな。色々とツッコミを入れたいところがあったが、気にすることはせずに偶然にも休憩時間になったので修と一緒に店の裏に回った。
「マカデミアナッツは休憩時間に軽くつまんでくださいね、冷蔵庫入れとくんで」
「ホントに色々と買ってきてるっすね……食べ物系が多いな」
ド定番のマカデミアナッツは従業員用の小型冷蔵庫に入れられる。
修は大量の紙袋をテーブルの上に乗せるのだが量が多いと烏丸は感じる。マカデミアナッツだけで充分だが1人1個は貰える感じの量であり、修も1人1個は渡せるように購入している。マカデミアナッツは各々で勝手に食えばいい。
「アロハシャツとかの方がよかったですか?」
「いえ、食べ物系がいいです」
食べ物系が結構多い。ご当地の名物や限定品の方がよかったかと気にするが、烏丸は花より団子であった。
アロハシャツが実際に送られた場合、着ている自分を想像するが似合わない。迅がアロハシャツを着ていて何時ものグラサンを装備していたら絵になっているが胡散臭さが半端ではない。ジャージっぽいボーダーの服装だから許されるが、アロハシャツを着た途端に滲み出る胡散臭さ。
マカデミアチョコ、ハワイのクッキー、ハワイの蜂蜜、マカデミアナッツ、ハワイアンコーヒー、ハワイのインスタントラーメン、フルーツバター、ハワイのドレッシング、ハワイのパンケーキミックス、色々と食べ物が多い。
弟の多い自分にはハワイアンコーヒーは無し、数が限られているハワイのインスタントラーメンや分けるのが難しいバター、ドレッシング、蜂蜜は難しいし、ここはパンケーキミックスにするかとパンケーキミックスを選ぶ。
「あ、選んだらなにを貰ったか書いといてください」
修は今回購入したお土産のリストを見せてくる。ハワイのパンケーキミックスのところにチェックを入れた後に自分の名前を記入する。
ハワイ限定のパンケーキミックスを袋に入れる際に修はついでに悪ノリで手に入れた1000000000ジンバブエドルを入れる。
「ワイハーまで研修しに行ったみたいですけど、なにしてたんすか?」
「ぶっちゃければ各々の部門の成果報告会、自分の担当している部門で扱っている技術はこうで現在の使用用途や需要と供給等を話して将来的にはどうするのかの話」
「……それはワイハーに行ってまでやることなんすか?」
「……そういうのは言っちゃいけないですよ」
テレビ電話がスマホ1つで自由自在に出来るようになっている昨今、わざわざ遠いところにまで集まって会議をする必要性はあるのか?
無論、外務関係ならば分かるのだが自社の成果報告会をするだけならばワイハーにわざわざいかなくてもいいことである。その辺は薄々分かっているが言っちゃいけない事だ。
「遊んだりはしてないんすか、折角のワイハーだし」
「海外研修で行ってるからお土産を選ぶぐらいと写真を撮るぐらいしか……見ますか?」
「見せてください」
ワイハーに遊んでいるが、それはほんの一時だけだ。基本的には海外研修である。
それでもワイハーの綺麗な光景を見ることが出来るならばいいし、面白そうだからと烏丸は修の仕事用のスマホの写真の1枚目を見て固まった。
「オーナー、ホントにハワイに行ってたのか?」
「行ってましたよ、パスポートにハワイの上陸許可の印鑑を押してもらってます」
修が見せた1枚目の写真はゴリゴリマッチョなスキンヘッズの軍服の男の両サイドにタンクトップ姿のキャンプとかで使う大きいリュックを背負った松明を持った修と桜が映っていた。
もっとこう、ハワイの綺麗なビーチとかハワイアンパンケーキとかロコモコとかビキニ姿の外人とか奇をてらって某うどん店とかお笑い芸人が居たとかじゃないのかと思いつつも右に写真をスライドすると銃を持った修と桜が映っていた。
「突撃銃や機関銃、回転式の拳銃やオートマ、狙撃銃……次元大介が使ってる銃、片手じゃイカれるって桜は愚痴ってました。まぁ、普段から銃を見ている烏丸さんはこれぐらいじゃ」
「オーナー達が触ってるのマジもんだろ」
次に写真をスライドすれば目を閉じている修と飛行機のハンドルらしき物を握っている桜だった。
「セスナは嫌だって言ったんですけど、コレも経験だって……低空飛行で素人が飛ばしてるから心臓に悪かった」
次に写真をスライドすれば水上バイクを運転している桜の後ろに乗っている修。
こういうのを見たかった、ワイハーで水上バイクとは中々に面白そうだがふとあることに気付く。
「水上バイクってオーナーの年齢でも乗れるんすか?」
15で水上バイクに乗っていいの?
「ワイハーならセーフ、日本ならば無免許運転」
なお、一人乗りは16から。
次に写真をスライドすれば車に乗っている修と桜、アメリカなので左ハンドルであり修が運転席に座っている。
「バギーとかじゃなくてガチの?」
「左ハンドルだから桜が覚えるのに苦戦してましたよ、AT車だから余計なの気にしなくていいですけども俺の方が運転上手かったです」
そういう問題じゃない気がする。
次に写真をスライドすれば最初の写真のスキンヘッズの男がパトカーに乗せられており、修と桜がサムズアップしていた。
「……なにやったんすか?」
「現役のハワイの特殊部隊vs神堂財閥での鬼ごっこを」
「アメリカンだな……アメリカンだった……」
現役のハワイの特殊部隊との対決を行った。
1人でも取り逃せばこちらが負けが確定である為にあえて特殊部隊の数名が散らばって目立った行動をした。特殊部隊の隊長が日没寸前に捕まえる事が出来たことを嬉しそうに語る。アメリカンな展開に反応するがワイハーなのでアメリカンである。
わざわざ成果報告会の為にワイハーに行く必要があるのかと思ったが、成果報告会はおまけの要素で最早他の事に力を入れる。なんだ現役の特殊部隊との鬼ごっこって、海外のバラエティ番組でしか見ない、ボーダーですらそんな事は行っていないんだぞ。
「もっとこう、ワイハー感は無いのか?」
「烏丸さん……ハワイは世界有数の特殊訓練観光地でハワイで研修を行えば様々な技能を会得する事が出来て人生をチート化出来るんですよ」
自分よりも年下ですごい技術を幾つか作成している人間がなにを言ってんだ?
ワイハーの凄まじさを修は教えるのだが、既に修はチートを貰っている側の人間である。
「海外研修はもう嫌だって言いましたけども、また行かなきゃ……次はグアムか」
大して変わらないんじゃないのか?
ワイハー感はあまり見れなかったが一応は土産を貰えた。ワイハーで遊んでる姿が水上バイクに乗っているだけである……しかしこれを機に修は様々な技能を会得している。ちょっとハワイで
「1番大変だったのは時速30km以下を出せば爆発する爆弾の処理ですね……神堂さんとか日野のお兄さんは動く物をリアルタイムで分解出来ますけど俺にはその技能が無くて……もう二度とやりたくない」
そんな日が来てたまるか。
三門市は常に戦場であるのでありえなくもないが、そんな日が来てたまるかだ。
写真を見せてもらったがワイハー感は薄い、しかしワイハーには行ってきた……カードゲームを立体映像として映し出す装置、プラモをスキャンし読み取ってデータ化する装置、実際に体を動かした通りに動く装置と色々と近未来的な機械を作っているのでオーナーは未来に生きているんだと納得していると【ついたぞ】とメッセージが送信された。誰だと思わず通知にタッチした。
「あ、ののさんが来たか」
スマホ返してとスマホを返してもらう。修はお土産が入っている袋を数個持って店の裏側から出て店前に出れば、ののが居た。
「焼けてねえな」
「焼いたらベトナムの留学生感が出るのと数日じゃ焼けないです……そもそもで海外研修で行ってましたからほぼ遊んでないです」
修を見てワイハー帰りをしている感じが無かった、ワイハー行ったのならば日に焼けているだろうとイメージしていたが日焼け止めは塗っている。ほぼ遊んでいないが特殊な技能は会得している。
「ワイハー土産です」
「……マカデミアナッツじゃねえな……」
「空港で買えるのは買いませんって、ちゃんと現地か通販でしか買えないかどうかは確かめてます」
のの用のお土産を渡す。中身はなんだろうなと確認するののだが、マカデミアナッツではない事に直ぐに気付く。
マカデミアナッツはフーディエの皆で食べてくださいと言っておりちゃんとした物を……ハンドクリームやボディケアやヘアケアのアロマオイルをお土産として渡している。
「よくこういうの見つけたな、クッキーとかチョコとかが定番だが」
「那須さんに相談したんですよ、食べ物以外の土産はなにがいいかって……こういう感じの方が女性は喜ぶって」
「……お前、那須に相談したのか?」
「はい……こういうの女性に聞くのがいいですけどもこの手のに強い知り合いが那須さんで」
「なんで私を省くんだ!あぁん!」
修の女性の知り合いは夏目、鉄子、千佳、雪、那須、ののである。ヘアオイルに拘っているとかそっち系が得意な知り合い……真っ先に思い浮かんだのは那須であった。
「土産をくれるのは嬉しいけどよ、ID交換してんだからメッセージ送ってこいや!」
メッセージが送られてこなかった事に怒るのの。
修にヘッドロックを決めるが鉄子のガチで仕留めに来ているヘッドロックをくらった経験が何度もあるのでダメージは0,のののののパイが柔らかい。
「ののさんなんか欲しいのがあったんですか?」
「…………」
ハンドクリームとかボディアロマとかヘアオイルとかオシャレな物は普通に嬉しい。
自分の為に選んでくれたのは嬉しいが、間に那須が挟んでいる事をののは軽くイラッとする。修に欲しい物があったかどうか聞かれれば頭に浮かんだのはマカデミアナッツ、空港で買うことが出来る代物……貰った物的にも嬉しいのだがなんだかモヤモヤがある。
「お前、那須にも土産買ってるんじゃねえだろうな?」
「相談に乗ってくれたお礼にリップクリームとヘアオイルを……あ、ののさんにはノンアルコールシャンパン買ってますから、炭酸飲料が好きって那須さんから聞いたので」
「私が好きなのそっち系じゃねえよ……ていうかコレ、アルコール0だよな?1%未満とかじゃねえよな?」
「アルコール0のシャンパンです」
嬉しいんだけども絶妙なまでに噛み合わないと言うか腹立つというか、なんとも言えないのの。
ノンアルコールシャンパンはランク戦を終えた後の打ち上げで飲むかと考えつつも受け取った。
「じゃあ、俺は那須さんの所に行きますので」
「待て、待て、一旦待て!」
「はい?」
「店に那須が来てるのか?」
「いえ、来てないですよ……那須さんは病弱であまり外に出歩けないので直接持っていくんですが」
那須は病弱である……ボーダー隊員だったら常識とも言える事である。なんならトリガーで生身の肉体にどういう影響があるのかと実験を行っているとテレビで放映されている。だから、ののの様にフーディエに直接来てもらうわけにはいかない。時々フーディエに来ているんだから来れるんじゃないかと思ったが無茶をするのはいけないことだ。那須のもとにお土産を届ける為に那須の家に向かう、言い分は理解する事が出来る……しかし、まぁ……絶妙なまでに納得がいかない。
「…………」
「知り合いにも配らなきゃいけないんで回りますから那須さんの家はその内の1つです」
無言で修を睨むののだが、修はこれからお土産を配りに行かなきゃいけない。
日野家は春永家がお土産を渡しているので無しで千佳と夏目にお土産を渡さなきゃいけない。那須の家はその内の1つである、それ以上でもそれ以下でも無い…………
「次、何処に研修に行くんだ?」
「いやいやいや、この海外研修行きたくなかったんですよ。当日台風が直撃して俺の乗った便以降は国内国際両方とも欠航で……飛行機スゲえ振動して怖かった……次回は行かないし、するんだったら外国じゃなくて日本の何処かにしてくれって懇願しますよ」
そもそもでこのご時世、リモートで色々とすることが出来ると身も蓋もない事を言う。
しかし、ののが言いたい事はそういうことではない。土産を選ぶのにどうして自分に一言も告げてくれなかったのか?その事に関して怒っている。確かに那須と違って花はない、高校時代性格が災いしてモテていない。なんなら友人の方がモテておりボーダーの可憐な花と比較してはいけないことだ。
「……………………………」
「そんな恨めしい顔で睨まないでください…………」
因みにだが、修は鈍感系ではない。
ののが睨んでくるがあくまでも自分と藤丸ののは仕事上で付き合いがあるだけ、那須とはお客様と店員の関係であり友人以上の関係性を持っているとは一切思っておらずそういう関係性になろうとも一切思っていない。なにせ修の中の人は人付き合いが嫌いな方だ、無理に人付き合いするよりも腹を割って本音で話せる友人が数名いればそれでいいと認識しており学校に行く気は全く無い、しかし仕事上ではちゃんと付き合いがあるだけ。
学校という環境では引きこもる以外は逃げ道が無い、大人になれば逃げる方法はある。そもそもで子供には逃げる選択肢が無いなどの今の世の中の嫌な側面を修の中の人は物凄く知っている。だから意外と心の壁は分厚い方である。
「では、失礼します」
そんなこんなで那須家に向かい、お土産のアドバイスをくれたお礼のお土産を渡した。特にイベントらしいイベントは発生しない、1つあるとするならば……デジタマが生まれたぐらいだろう
今後の展開どうしよっかな
-
2人まとめては最高さ
-
那須玲のお尻は素敵
-
藤丸ののの、ののパイは、おっぱいは正義