デジモントリガー   作:アルピ交通事務局

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第二の幕末

 

「俺達の主な仕事は敵を倒すことじゃない、市民の避難誘導や市街地の爆撃被害を避けることだ」

 

 5体のデジモンをデジクロスした結果、シャウトモンX3GMが生まれた。

 シャウトモンX3GMはイルガーに向かって飛んでいったので問題は無いのだと修は判断をくだし自分達がすべきことを千佳と遊真に言う。自分達がすべきことは一般市民の避難誘導や爆撃被害を避けること。

 

「既に爆撃は受けていて市民は被害を受けてる、先ずは爆撃その物から守らないといけない……千佳、なんのデジモンにする?」

 

「えっと…………爆撃から守るから防御系の技を使えるデジモン」

 

「私だ、私ならば結界が貼れる」

 

 どのデジモンでどういう対応をするのか、ここでジェネラルの技量が問われる。

 先ずは街を爆撃から守るためのデジモン、レナモンが自分ならば街を守る結界を貼ることが出来ると主張すれば千佳はそれだとブルーカードを取り出した。

 

「カードスラッシュ!マトリックスエボリューション!」

 

「レナモン進化!タオモン!」

 

 ブルーカードを使いレナモンをタオモンに進化させた。

 タオモンはビルを伝って空中に飛んで陰陽師のマークでお馴染みの太陰太極図が出現させて爆撃発物を投下するイルガーから街を守る結界を貼った。

 

「シャウトモンX3GMがイルガーを倒してくれる……無理だった場合はデッカーグレイモンとシャウトモンX5で挑まなきゃいけない、そこまで行けば周りの目を気にする戦いが出来ない」

 

 特にデッカーグレイモンは色々と問題点があるとシャウトモンX3GMで倒せなかった時を想定する修。

 考えすぎかと言われればそうかもしれないがこっちは万が一が起きてはいけない状況であり、現場には修達しか居ない。

 

「おれはなにしたらいい?」

 

「空閑は……あいつを川に引きずり込むことは出来るか?物理的に倒しても存在が消滅するわけじゃなくて飛行能力が失われて墜落してきたらお陀仏だ」

 

「了解……ちびレプリカを渡すから、なんかあったら言ってくれよ」

 

「頼んだぞ」

 

 空閑にもすべきことを伝えて3人は動き出す。

 

「リロード、ガブモン、ブイモン、ワームモン」

 

「リロード、リリモン、ナイトモン、ポーンチェスモンズ、マリンエンジェモン、ホークモン」

 

 今必要なのは過剰な戦力でなく、市民を誘導する事が出来るデジモンだ。

 ワームモンを再び知識のデジメンタルでサーチモンにアーマー進化させればブイモンをエクスブイモンに、ガブモンをワーガルルモンに進化させ千佳も愛情のデジメンタルでホークモンをホルスモンにアーマー進化させてホルスモンの背中に乗った。

 

「修ちゃん、千佳ちゃん、そこだよ!そこに逃げ遅れた人がいるよ!」

 

 サーチモンは能力を用いて逃げ遅れて瓦礫の間に挟まれた人を見つけ出す。

 エクスブイモン、ワーガルルモン、ナイトモンが瓦礫の撤去に入ろうとするので修と千佳はカードを取り出した。

 

「「カードスラッシュ!高速プラグインS!強化プラグインB!」」

 

 カードをスラッシュすると3体のデジモンの力が素早さが上がった。

 デジモンの力を増幅させて瓦礫の撤去をしていると中から人が出てくる。救助が来たのかと喜ぶのだがエクスブイモンやワーガルルモンを見て尻餅をついた。

 

「オレ達は敵じゃありません」

 

「ポーンチェスモンとリリモンの誘導に従ってください!」

 

 自分達は敵ではない事を主張しつつも、ポーンチェスモンとリリモンの誘導に従うように指示がけるエクスブイモンとワーガルルモン。

 如何にもな見た目をしているデジモンが多く居るブルーフレア、こういうタイプの仕事には向いてないなと思いつつも避難誘導は続けておく。移動はホルスモンの超低空飛行でだ。

 

「へっ!見せてやるよ!ブルーフレアとクロスハートの力ってやつをよ!」

 

 市民への避難誘導を進める中で5体のデジモンが合体して生まれたシャウトモンX3GMは空を舞う。

 炎の翼を羽ばたいて火球を身に纏わせてイルガーに向かって突撃をかました。

 

「おお、一撃で倒したな……5体合体しただけの事はあるな」

 

 イルガーの装甲は相当に硬いのだが、シャウトモンX3GMはワイルドバーニングと呼ばれる技でイルガーに激突してイルガーを貫いた。

 厳つい見た目のデジモンを合体させた結果生まれたドラゴンの様なデジモンが生まれた、5体合体させただけの事はあるなと納得しつつも遊真はタオモンが展開している結界の上に乗った。

 

「レナモン、悪いけど乗せてもらうね」

 

「それは構わない……だが、進化をしている時は進化をした名前で呼べ。今の私はレナモンでなくタオモンだ」

 

「そりゃ失礼……しっかし、こんなバカでかい結界を貼れるのか普通?」

 

「我等の力は全てジェネラル次第だ」

 

 街の1つの区域を包みこんでる結界を見て凄まじいと感じる遊真。

 この規模のシールドを展開するだけで相当なエネルギー消費をするのだが、タオモンは特に苦しい表情を浮かびあげるわけでもなくエネルギー切れを訴えかけることをしない。痩せ我慢でなくこれぐらいならばタオモンになっている自分にとって容易い事だからだ。

 

「千佳と修がタオモン達に力を与えてるのか…………色々と分からない事が多いけども、後で聞けばいいか……鎖印(チェイン)二重(ダブル)

 

 タオモンが言っている意味がよくわからないけれども、少なくとも千佳がタオモンに力を与えてるのだけは確かだ。

 詳しいことは後で聞くことにして今はまずはイルガーをどうにかしないといけない。シャウトモンX3GMがイルガーを簡単に倒した。本来ならば倒される寸前に自爆モードに移行したりするのだがシャウトモンX3GMは自爆モードに移行する前に炎のようなビーム翼で敵を切り裂く攻撃技、ブリリアンスダガーで頭の部分を切り裂いている。真っ二つに出来ていないのがミソであり遊真は自身のトリガーで鎖を出現させてイルガーとくっつけて川に向かって引きずり落とす。

 

「マリンエンジェモン」

 

「プーパ!」

 

「あ……痛くない」

 

「一時的に痛みを麻痺させてるだけだから、早く傷を手当てしてね。サーチモン」

 

「この辺にはもう居ないよ!」

 

 サーチモンでサーチし、ナイトモン、エクスブイモン、ワーガルルモンで瓦礫を撤去してリリモンとポーンチェスモンが避難誘導する。

 怪我をしていたり緊急のことでパニックになっている人が居るのならばマリンエンジェモンのオーシャンズラブで気持ちを落ち着かせたり痛みを麻痺させたり回復させたりしている。

 

「イルガーを撃退した……かなり硬い装甲だが紙を圧し折るかの様に貫いた。ドラゴンの様な見た目に違わず圧倒的な力を持っているようだ」

 

 イルガーの撃退に成功した事をちびレプリカは報告をする。

 遊真が鎖を引っ張って落ちていく位置を誘導しているので千佳にホルスモンで迎えに行く様に言えば千佳はホルスモンに乗って迎えに行く。

 

「修ちゃん……直すの?」

 

「直したら色々と厄介だけど、やるしかないだろ……リロード、クロックモン」

 

 迎えに行っている間に修はデジヴァイスからクロックモンを出した。

 クロックモンは修の方を見る。それをやるのは別に構わないが後で騒ぎにならないのか?そう心配を抱く。

 

「もうこの時点で表に出てくるのは確定だ、陣取り合戦もコレから始まると思う……クロックモン、巻き戻せ」

 

 修がそう言うとクロックモンは頷いてクロックモンは時計の立体映像を出現させ……時計の針を逆に回した。

 すると崩れていた瓦礫が浮いてきたと思えばくっつき、本来の形に戻っていき爆撃を受けた市街地が爆撃を受ける前の姿に戻っていく。

 

「コレは……」

 

「クロックモンは時間を操る事が出来るデジモンだ、物が壊される時間よりも前に戻した」

 

「時を巻き戻す……俄には信じがたいが……時を操る事が出来るのか」

 

「デジモンは色々と反則じみた能力を持ってるからな……ただしそれ相応のデメリットもある……っと、帰ってきたな。シャウトモンX3GM、クロスオープン!」

 

 クロックモンの脅威の力に言葉が出ないちびレプリカ。

 千佳が遊真を引き連れ、更にはシャウトモンX3GMやタオモンが戻ってきたので元の姿に戻した。

 

「ボーダーが来る前に逃げるぞ」

 

「うん!」

 

「これだけやれるのにボーダーから逃げるのか?」

 

「その件に関しても説明するから、フーディエに来てくれ」

 

 ボーダーから逃げる理由がよくわからない遊真。

 一先ずは現場から去る……この頃には現場に向かおうとしているボーダー隊員がチラホラと居るのだが、撃墜されているので出遅れている。

 市街地の奥に進めばフーディエに辿り着いた。

 

「コレがオサムの店か……何処から何処まで?」

 

「このビル全体が修くんの物だよ」

 

「名義とかは俺じゃねえけど、一応はオーナーだ…………普通に居るんだな」

 

「ええ、貴方達なら来ると思っていたわ」

 

 すぐ近くでイレギュラーな門が発生した。

 対岸の火事と言える距離じゃないので逃げる人が多いのだが今日もシフトが入っている母は普通に居た。修達ならば確実にやって来ると信じているからだろう。

 

「イレギュラーな門が発生してるから、休業……一応はボーダーに損害賠償は請求してみるけども、無理に近いだろうな……本来入る分のアルバイト代金は出すよ」

 

「そう…………色々と話をするのよね?」

 

「ああ、するよ……本来だったら烏丸さんやののさんに色々と聞く予定だったけどもイレギュラー門のせいで来ることが出来ないって言ってるから先に知れる事は知っておく」

 

 既に知っている知識だけども、千佳には知らないことだらけだ。

 改めての改めてのおさらいをする上で話し合いをするのだと言えば白色のデジヴァイスを取り出す母。

 

「リロード、クダモン……クダモン、情報は色々と聞いといて。私は残ってる仕事をしておくわ」

 

「ああ、分かった」

 

「……しっかりと情報は聞くんだな」

 

「私は漫画とかでよくある裏の事情を知らなかった一般人系の母親じゃなくて全ての事情を熟知した上で事を見守る系のお母さんよ」

 

「いや、通常攻撃が複数回の攻撃判定がある癖に1回しか攻撃しない系のお母さんでしょ」

 

 アルファモンになった母を知っているので修は呆れる。

 クダモンを引き連れて修は自身の仕事部屋に入り、普段使っているゲーミングチェアに座った。

 

「空閑の目的は父親になにかがあった時にモガミソウイチと言う人がボーダーに居るから頼れとの事だ、このフーディエにはボーダー隊員が1人アルバイトで居るがイレギュラーな門が発生したから臨時で休ませてくれと言っている……だから手順を変える。まず、千佳が近界民に狙われやすいんだがその事に関して心当たりはあるか?」

 

「近界民が狙うって事は……トリオンだな」

 

「トリオン……って、なに?」

 

 トリオンがなにか知らない千佳はレプリカに聞いた。

 

「トリオンとは生体エネルギーの事だ、心臓のすぐ近くにある見えない臓器であるトリオン器官が生み出している」

 

「デジソウルとは違うの?」

 

「デジソウル……なんだそりゃ?オサムが体から放出してたのか?」

 

「コレだよ」

 

 千佳はグッと拳を握ればデジソウルが出現する。

 千佳も同じことが出来るのかと遊真は驚いて修を見る。修も左手からデジソウルを出す。

 

「……なにも感じないな……」

 

「デジソウルとは一言で言えば精神エネルギーだ、我々デジモンを進化させたり強化する力の源だと思えばいい」

 

 レプリカはトリオンを測定してみようとするのだが、デジソウルからはなにも感じられない。

 クダモンがデジソウルは生体エネルギーでなく精神エネルギー、そもそもで根源から違うことを教える。

 

「体から生まれるエネルギーでなく心から生まれるエネルギーか……実に興味深い代物だ」

 

「興味深いかもしれねえけど、コレはコレでデメリットがあるんだぞ……で、生体エネルギーを求めてやってくるのか……なんで?」

 

「ん〜……向こうの世界は凄く資源不足で資源の奪い合いの戦争が何時も起きてるんだ。こっちの世界はどうなってるかは知らないけど、向こうの世界は明かりを1つ灯すのにもトリオンを使う、だから優秀なトリオン能力者の奪い合いをしてる……先ずはチカのトリオン量を測定してみようぜ」

 

「それは助かる…………俺が先に測定していいか?」

 

「構わない……むっ、直ぐに測定できたな」

 

 レプリカから伸びている管を握った修はトリオンを測定する……のだが、数秒で終わった。

 自身の両手に納まるサイズである立方体のキューブが出現した。

 

「コレがオサムのトリオン…………拐うならば後3倍は欲しいな」

 

「……デジソウルとトリオンは関係無いか……次は千佳だ」

 

「むっ、コレは中々に時間がかかるぞ」

 

 デジモンを簡単に完全体や究極体に進化させることが出来る修。

 もしかしたらトリオンも結構な量を持っているんじゃないかと淡い期待を抱いたのだがデジソウルとトリオンは完全に別物だと証明された。

 多分ボーダーに行けば貧弱メガネが確定する、それはそれで困る。生身の肉体の方が強いボーダー隊員とは色々な意味で壊れている。

 

「クダモンやレナモンは結局何者なんだ?こっちの世界の独自の生物か?」

 

 時間が出来たので遊真はデジモンについて聞いた。

 

「我々はデジタルモンスター、通称デジモンだ。心と実体を持ったデータだと思えばいい」

 

「レプリカみたいな自律型のトリオン兵ってこと?」

 

「いや、多分レプリカよりヤバいぞ……デジモンはこういうことも出来る」

 

 修はそういうとクダモンをパソコンの中に入れた。

 遊真はどういうことだと修が仕事で使っているパソコンの裏を見るが修の使っているパソコンの液晶はそこそこ良い液晶であり薄型でとてもクダモンが入ることは出来ない。もしかしたらと遊真はレプリカを掴んでパソコンの液晶に触れるが液晶画面の前でコツンと止まった。

 クダモンは何度かパソコンの中から出たり入ったりを繰り返している。実体を持ったデータの存在だと証明している。

 

「犬や猫の様に実体を持ち、データに変える事が出来る生物か。こちらの世界はトリガー文明とは異なる独自の文明を築き上げる事が出来ていると聞くが、まさかこの様な生物が居るとは」

 

 レプリカはジッとクダモンを見つめる。

 

「デジモンはデジヴァイスを持った人間の心に反応して生まれる。私は修の母である香澄の心から生まれたデジモンだ。故に強く思えば思うほどにデジモンの力は増す」

 

「デジソウルが来るから?」

 

「いや、思いが重なるから……この辺りに関しては言葉で説明するのは難しい感情論の世界だ。勇気や友情、愛情等の思いが強さに変わるとだけ言っておこう」

 

「むぅ…………謎だらけだな……………」

 

「トリオンの測定が終えたぞ」

 

 クダモンからデジモンとはなんなのかを聞いているが遊真はよくわからない。

 あくまでもそういう生物なんだという認識をしておく。少なくとも修達もそういう生物なんだと認識している。デジモンとはなんなのかイマイチ分からないままレプリカが千佳のトリオン測定を終えた。修のトリオンキューブと比較するのが烏滸がましいと思えるサイズのトリオンキューブが出現した。

 

「コレが千佳のトリオン器官を可視化したものだ。量、質、共に凄まじい。私のデータには無いレベルだ」

 

「うぉぉ、でっけえ……トリオン多いって言う人の何倍だ?こりゃ近界民に狙われるだけの事はあるな」

 

「私の中にコレが…………」

 

 修のがあんなに小さかったのに、自分の中にあるのがあまりにも大きすぎる。

 トリオンと言う単語を聞いたのも数分前の事でありトリオンなんて無かったらいいのに、こんなもののせいでと思ってしまう。

 

「千佳、悔む暇があるなら前を向いて歩くしかない…………その為のデジヴァイスだ」

 

「……うん……遊真くん、私達、向こうの世界に行きたいの。連れ去られた友達を探しに」

 

「向こうの世界にか……親父がこっちの人間で親父の知り合いがボーダー隊員なら向こうの世界に行く手段はボーダーは持ってるんじゃないのか?ボーダーに頼るってのは?」

 

「色々と考えたけどもそれは無理かなって」

 

「なんで?」

 

「私の兄さんがボーダーからトリガーを横流ししてもらったりしてる色々とやってしまったし……なによりも都合の良い言葉や設定ばかりが見せられる、青葉ちゃんがそうなるのは耐えられないの」

 

 千佳は千佳なりに色々と考えた。

 他の人を巻き込んだ末にその人が拐われてしまった。だから誰かが傷つくぐらいならな自分一人でと思っている。そんな中で兄である麟児が密航を企てた。自分から探しに行く変わる決意をした。ボーダーに入ると言うのも1つの手だが、そうなればボーダーにとって都合の良い存在や言葉を与えられる。友達が青葉ちゃんが都合のよい悲劇のヒロイン化する可能性があり千佳はそれに耐えられない。

 

「遊真くんが向こうの世界から来た人だって言うけど遊真くんから嫌な物は感じない……ほんの一握りかもしれないけど、遊真くんみたいに話し合いが通じる人も居る。ボーダーは異世界からの侵略者って言ってるけど……」

 

「そりゃそうしないと厄介だからな…………まだそれをしている奴等が居ないけれども、一歩間違えれば黒船来航と幕末が始まる。日本は第二の幕末を迎えてる」

 

「バクマツ?」

 

 なにそれ?となる遊真。修はパソコンを操作して世界地図を広げる。

 マウスでカーソルを移動させて日本で止まる。

 

「ここが俺達の住んでいる国の名前は日本、この世界基準で言えば物凄く東側に存在している島国だ。この国はかつて徳川と言う家系が天下統一に成功して約200年間大きな戦争は無くした」

 

「なんと200年も!?」

 

「その200年の間、基本的には外の国との貿易を拒んでいた……理由は色々とあるけども、とにかく拒んでいた。そしたらある日、アメリカと言う国からペリーという男が武装した船に乗ってやって来て自分達は強い兵器を持っていると半ば脅しに近い形で開国に迫った……でまぁ、外国とどう接する?とかで平穏な世の中が崩れて一部内乱が起きたり外国の文化のいい部分を受け入れよう外国の文化は一切受け入れないと色々と対立が起きたりした、それを幕末という……今はそれと似たような状況、俺はそう思っている」

 

 ボーダーが表に出たので異世界の存在が証明された。

 異世界の存在が証明されて異世界には異世界の人間が居る。そいつ等は武力を行使してきているがこちらの世界を支配したい、植民地化等の意思は無い。交渉に及んでこない。幕末とは少しだけ状況が異なっている。

 

「俺は向こうの世界に武力でなく交渉をしたい……空閑、さっきお前は明かりを1つ灯すのにもトリオンを使うって言ってただろ?じゃあ、明かりを1つ灯すのをトリオン以外で出来ればそのエネルギー問題は解決する筈だ。勿論、その逆もだ」

 

「その逆?」

 

「こっちの世界もエネルギーによる問題は起きている。こっちの世界の機械の大体は電気、雷のエネルギーで動いている。けど、この電気は使うのにも生み出すのにもお金が必要だ。暑い時期にエアコンで冷房を入れて部屋を冷やす、寒い時期にヒーターを使って部屋を温める……それを行う為の電気を買うのに金がかかる。千佳だってテレビで電気代が値上げでどうのこうのは見るだろ?」

 

「うん……お母さん達がまた値上げかって落ち込んでたよ」

 

「俺の務めている会社は兵器以外のトリガー技術を求めている……例えばそうだな、トリオンを動力にして歯車を回す事が出来る装置はあるか?」

 

「それぐらいなら向こうの世界にいくらでもあるぞ」

 

「その技術を手に入れる事が出来れば俺達は億万長者になれる」

 

「なんと……そんなのでか?」

 

「ああ、自転車に使える」

 

 修はパソコンを操作して電動自転車を見せる。

 電気の代わりにトリオンで電動アシストを回す、それだけで電動自転車は世界が代わる。フル充電して坂道を走り続ければ2時間保たないぐらいの電動自転車、もし仮にトリオンで充電する事が出来るとするならば?少なくとも修の知識の中にはボーダーの遠征選抜試験の知識もある。触れるだけで部屋の明かりや空調を整える事が出来る装置が作られている。一瞬でエネルギーチャージが出来る、ギアを回すだけの装置でそれならばと修はトリオンを動力にした場合の利点等を遊真に教える。

 

「そこまで考えてるなら、ボーダーと協力は出来ないのか?」

 

「無理だな……多分だけども何処かでバチバチの戦いになる」

 

「今じゃなくて何処かか」

 

「俺達は向こうの世界と貿易、つまりは商売をしたい。ボーダーは向こうの世界から侵攻してくる奴等を撃退する、一応は政府公認の民間組織だ。ただしボーダーにも色々と派閥はある。街の安全が第一、友好的な近界民が居るから仲良くしよう、近界民絶対に拒む派閥はある……でも、全員が街の防衛だけはしっかりとしようとは思ってる……多分だけどもボーダーは一番最初の決断でミスを犯した」

 

「一番最初の決断……………」

 

「我々は異世界の住人だと国会議事堂に現れる……ボーダーは色々とあるだろうが、向こうの世界の住人がこちらの世界に対してなにかしらのコンタクトを取ってきた事だけは確かだ。だったらその時にこちらの世界の技術も知っている。向こうの世界のエネルギー問題があるならばこっちの世界の技術提供なんかもある。だから世界が混乱するのをある程度は覚悟した上で異世界は存在しているんだと証明する、近界民の世界の住人が日本政府と表立って堂々と交渉する…………メリットも大きければデメリットも大きいが、それを覚悟しなきゃいけない。ボーダー側は日本の人間で平穏な日本に戦争の火種を持ち込むわけにはいかないと思っているが、向こうの国からすればエネルギー問題を解決することが出来る……危険じゃない橋を渡った。そこがミスだ」

 

 旧ボーダーは近界民となにかしらのコンタクトがあって生まれた組織、修はそう認識している。

 旧ボーダーだった頃に同盟国のどれかと手を組んで日本の政府と交渉する、世界はより混乱するがその道が後で世界にとって良かった事になる。旧ボーダーはそこでの選択肢を間違えた。

 

「ボーダー側が近界民関係を完全に牛耳ってる。仮にボーダー頼りにしたら色々と制限を掛けてくる、上はボーダーとは関係無い独自の交渉ルートを作れと言ってて……待ってたんだ」

 

「向こうの世界から人がが現れるのを」

 

 修達は待っていた、向こうの世界の住人を。修は知っていた、空閑遊真が現れるのを。

 修はゲーミングチェアから降りて正座をした後に遊真とレプリカに土下座をした。

 

「お前の用事が終わった後でいい……向こうの世界に連れて行ってほしい、向こうの世界と貿易をする」

 

「オサム…………つまんないウソをつくなよ」

 

「え!?」

 

 修は遊真に頭を下げた。土下座をした。向こうの世界に行って向こうの世界と貿易をしたい、だから遊真に縋る。

 そんな中で遊真は修がほんの僅かだが嘘をついているなと言うのが分かる。

 

「いや、ホントにホントで向こうの世界に貿易をしたいぞ」

 

「うん、それ自体はホントの事だ…………でもまだ、なんか隠してるだろ?」

 

「……………………はぁ…………………言わなきゃダメか?」

 

「え、なにかあるの?」

 

 修は向こうの世界に行きたいというのはホントであり千佳の拐われた友達を助けたいという思いもホントだがそれはおまけに過ぎない。

 向こうの世界に行く目的は別にある。修が作りたいのはVRMMOであってトリガーではない、だから正直な話、一部には興味を抱いていない。修の真の目的は別にある。その辺を千佳は一切聞かされておらず修は自分自身のデジヴァイスを取り出す。

 

「デジヴァイスには色々な機能がある」

 

「デジモンを進化させる機能、デジモンに進化する機能、デジモンと合体する機能、デジモンを合体させる機能、デジモンカードを読み込んでデジモンをパワーアップさせる機能、デジメモリを読み込んでデジモンの技を使う機能…………修くんのオリジナルのデジヴァイスにだけデジモンを生み出す機能があるんだよね」

 

「ああ……だが、まだ幾つか見せてない機能もある…………こういう使い方もある」

 

 修はそう言うとデジヴァイスをパソコンに翳した。

 デジヴァイスとパソコンの液晶画面が光り出して驚く千佳と遊真だが直ぐに光が消える……と同時に修はパソコンの中に入っていた。

 

「パソコンの中に……」

 

『自らをデータ化する事が出来る。スピリットエボリューションやマトリックスエボリューションでデジモンになる技術の応用だ』

 

 修は再びデジヴァイスを翳せばリアライズする。

 いったいどういう原理でこうなっているのか?説明をすれば果てしなくややこしいので省く。そもそもで修もこの辺の解析はしないつもりである。

 

「まだ千佳にも見せたことが無い機能の内の1つを使えば抑止力を作ることが出来る」

 

「抑止力?」

 

「こちらの世界を襲撃すると言う事は自分より文明が上位の国を襲うと同じ状態にする……まだ確証は得られてないけども俺の予想通りなら陣取り合戦が出来るようになる」

 

 詳しい詳細は言う事は出来ない、淡い期待を抱かせるのはホントに申し訳ないからだ。

 

「千佳……お前は連れ去られた青葉ちゃんを助けたいんだろ?」

 

「うん……」

 

「青葉ちゃんを連れ去ったのは自分達に対して友好的な存在じゃない、そう考えとかないといけない……向こうの世界に行くならば戦わないといけない」

 

「その為のシャウトモン達で修くんからジェネラルとしての戦い方も教わってるよ」

 

「……どっちにせよ向こうに行けば確実に戦うことになる、だからこの機能を使わなきゃいけない……」

 

 読みどおりの機能が搭載されていろ、修はそう願いデジヴァイスを見つめる。

 

「つまりオサムはオサムで別に目的があるか……う〜ん……」

 

「バチバチにやりあう事になったらバチバチの戦いはする。基本的には温厚、向こうの世界の何処かの国に対して貿易はする。と言っても俺はエンジニアだから交渉は別の奴がやるけども」

 

 どうせやることがないし連れてってもいいけども、オサムの狙いが分からない。

 流石に自らで戦争を巻き起こすような奴を連れて行く事は出来ない、けども嘘は言っていない。

 

「オサム、その機能がホントに自分の思っているなら通りなのか検証する方法はあるか?」

 

「……1つだけある……レプリカ、レーダーの範囲を広めてくれ。下に向かってだ」

 

「……む……………コレは……………」

 

「なにかあったのか?」

 

「凄まじいまでのトリオン反応を感じる」

 

 レプリカがレーダーの範囲を縦に広げた結果、1つだけ凄まじいトリオン反応を感知した。

 修が下にレーダーを広げろと言っていたのはこの事だろう。その階層にしかそこしかトリオン反応は感じられない。

 

「地下にスゴいトリオン反応があっただけだろ?場所的にボーダーの基地なら蓄えてるトリオンとかじゃないのか?」

 

「ユーマ、トリオンの出量からして通常のトリガーではない…………星だ」

 

「星?」

 

「うむ、先ずはこちらの世界と向こうの世界がどういう風に隣接しているか」

 

「暗闇の中に色々な星があるんだろ?」

 

「知っているのか。ならば話は早い」

 

 レプリカはそういうと修のパソコンにアクセスして映像を流し込んだ。

 真ん中がこちらの世界としてその周りに様々な星と言う名の国がある。分かりやすく言えば星座と地球の関係性である、近界民の国も色々とあり1つの星として回っている。周回軌道している星もあれば特定の周回軌道をしない星もある。星同士が近付けば移動する事が出来る。

 レプリカがザックリと説明をした。向こうの世界は地球みたいに1つの国だけだと思っていた千佳は意外そうにする。

 

「しかし、オサムはなんでその辺の事を知ってるんだ?」

 

「昔、こっちの世界を色々と裏で操ってる黒服の組織のボスが寿命間近になって永遠の命を手に入れようとしてて対立して、ボスを倒す最終決戦の時に次元に穴が開いて黒い宇宙みたいな世界を見たんだ……帰り道にこっちの世界に接している星っぽいのも見た。その時に大規模な侵攻があって母さんに目茶苦茶怒られた」

 

「そういえばあの時、おばさんが凄く心配そうに探してたね……」

 

 ホントは原作知識だけども向こうの世界云々を見たというのは事実である。

 

「基地の下に眠ってる物で試さない限りは言えない。読みが正しければ陣取り合戦が出来て近界民達が戦争をするのでなく貿易を結んでくれる確率が大幅に上がる…………空閑、向こうの世界の人から見てこっちの世界はどう捉えている?」

 

「目茶苦茶大きくてトリガーとは異なる技術で文明が広がってて、人が拐いやすい場所……でも、学校の奴等の話を聞く限りはボーダーが守ってるよな」

 

「ああ……でも、今日はイレギュラー門があった…………敵も徐々に徐々に手口を変えてくる。今回はイレギュラー門なだけで良かった方だ」

 

「よかった……方なの?」

 

「千佳、三門市をガン無視して神戸とか名古屋とか仙台とかに行かれたら俺達どうしようもねえぞ?」

 

「あ、そっか、そうだね」

 

「門を内側から開くことが出来る、それこそ空閑みたいな向こうの世界の人間がコッソリとやって来て三門市から出ていけばその時点で詰んでる。ボーダーというかこっちの世界の負けが確定だ」

 

 今回の一件はよかったこと、物凄くマシな事だ。

 ボーダー側が悪いのでなく、向こうの手口が何枚も上である……そう考えれば遊真の存在は奇跡に近しい。

 

「とにかく、俺の読みが正しければ向こうの世界をどうこうする方法は1つだけこっちにある…………コードクラウンがな」

今後の展開どうしよっかな

  • 2人まとめては最高さ
  • 那須玲のお尻は素敵
  • 藤丸ののの、ののパイは、おっぱいは正義
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