デジモントリガー   作:アルピ交通事務局

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正義も悪もない生存競争

 

「まだ居るね」

 

 ラッドの駆除に関しては概ね原作通りで事を終えた。しかしまぁ…………まだ、ボーダーと言うか三輪隊が監視している。

 サーチモンに音を拾ってもらっており、米屋さんがホントに素手で倒したのか?と言っているのを知る。

 

「参ったな……いやまぁ、解決することは簡単だけども」

 

 12月14日(土曜日)、ラッドの駆除を終えたのでフーディエの再開だ。

 家を出てフーディエに向かわなければならない。しかしそれをすれば三輪隊が尾行してくる。日野家を跨いで行けばいいのだが、あんまりそういうのを持ち込みたくない……と言うか空閑が常時トリオン体だからそれがレーダーに反応するとか言うのはないのか?

 

「テツコ達の家を通り続けるのもな……この事を言ってないんだろ?」

 

 家に引きこもって仕事をしている。空閑は外に出たいとか色々とあるのだが、期末テストで0点を大量生産した。

 こっちの世界の文字をまともに読むことが出来ない……神堂さんからの命令は空閑を歓迎する側の住人になれ、空閑に対して好印象を持たれろとのことで高性能な嘘発見器の空閑に好印象を持たれろが出来るのはペンチメンタルな三雲修だけだろう。

 

「でも、今日フーディエに行かなきゃいけない。モガミソウイチさんについて色々と知っている話し合いの通じるボーダー隊員に会う……いや、いざ戦闘になった時に倒すことは出来るんだ。出来るんだけども…………ストーカー疑惑があるって訴えたらダメかな……」

 

 一応は向こうは場合によってはとトリガーと言う兵器を持っている。

 明らかに意思があってのストーキング行為であり……出る所に出れば勝つことが出来る可能性はあるのか?いやでも、向こうには口の上手い人が居るんだよな。

 

「お困りのようね」

 

「母さん……」

 

「正直文句の1つでも言ってやりたい事があるわ。でも、騒ぎを大きくするのはお互いの為にも良くない事だから向こうが後でストーキング行為して申し訳ありませんでしたで謝罪すればそれでいい」

 

「オサムが白か黒かで言えばおれを匿ってるから黒じゃないの?」

 

「いや……そんなことはないからな?ボーダーは向こうの世界からの侵略者からこの世界を防衛する組織であり、入国管理等をしている組織とは別でその辺を言い出せばボーダーにも向こうの世界の住人が居るぞ」

 

「なんと、居るのか!?」

 

「色々と向こうも向こうで黒い事はしている……完全なる白や完全なる平等を求めるのは間違いだ。世の中グレーで不平等で理不尽だらけだ……だから面白いんだが」

 

 昔は平等を求めていたが、それ自体が間違いである事に気付いた。

 世の中は1人の特例を認めればその後に連鎖的に特例を作り上げてそれが特例でなく当たり前に変わる。学校のクラスでふざけているクズを注意せずにそいつの真似をしている奴のみ注意をしている。腐ったミカンはもう無理だ、だが他のミカンは腐らせるわけにはいかない、そういう考えが多い……ホントに嫌だよ。

 

「オサムの店に向かうとして確実につけられるだろうな……オサムの知り合いのボーダーの人は玉狛支部って所に来てくれって言ってたけど」

 

「あのな……話し合いは相手の場に持ち込ませるわけにはいかないんだ」

 

 烏丸さんが玉狛支部に来てくれと場所指定をしている。

 俺は木虎が余計な事を言ったからボーダーには行きたくないですと断りフーディエを指定した。理由は色々とあるが、1番の理由は相手の場に持ち込ませるわけにはいかない、それだけだ。

 

「俺はあくまでも空閑がモガミソウイチさんに会わせる為の仲介人に過ぎない。空閑を経由して独自の貿易ルートを作り上げようとしていると知られた場合は向こうにとって不都合な存在になる……場合によってはボーダーと言う民間組織が政府の傘下の組織に変わる。なにせ異世界の人間が人間という資源を求めてこちらの世界に侵攻してきている。トリガー技術の中にはこちらの世界の一部のエネルギー問題を解決することが出来る。ある程度は政府の人間には話しているだろう…………だが、同じ手は使わせない」

 

「同じ手?」

 

「この国は嘗て戦争に負けた。戦争に負けるまで都合の良い情報操作をしていた……現状近界民関係は全てがボーダーの思いの儘は勝手だが、異世界の存在を証明した、いや、認めて公表した以上はそこから貿易のルートを手に入れるのは自由、仮に向こうの世界から技術提供をします等の交渉があった場合、ボーダーと言う組織が勝手にやっていて日本と言う国がやっている事じゃない事になる……」

 

「……オサムは結局のところどうしたいんだ?」

 

「俺が作りたいのはトリガーじゃなくてVRMMOだ……俺個人の意見としては近界民関係で目的があるならばこっちの世界で日常に使える兵器以外のトリガー技術から生まれる巨万の富を得たい……世界全体で見れば抑止力が欲しい」

 

「……ここに来てのお金なのか……」

 

「俗っぽいって言われようが構わない。けど、お金があるか無いかで人生は大きく変わる……金が無いと地獄だぞ?」

 

 有名なエリートが通う大学の生徒の親の大半は金持ちが多い。

 子供に勉強させる金に余裕があった世代が子供に金をかけていい塾に通わせていた。そしてその子供は大体はいい学校に合格して最終的に大手の企業なんかに就職する事に成功してその世代が親になって懐具合に余裕があり子供に受験勉強と言う課金をしている。

 子育ては課金ゲーガチャだ。ハズレがあるし成功もあり、無課金も本当に極々稀に課金勢と戦うことが出来る。そういうのは宇宙人扱いだ。

 

「しかしどうするかな……流石にそろそろ空閑に関して怪しまれるだろうし。とりあえずフーディエに向かえばこっちの身の潔白なんかを証明出来るんだが……乗り込まれたらな……」

 

「大丈夫よ、修……いい案があるわ」

 

 俺達が白か黒かで言えば黒に近いが、問題無いと思わせないといけない。

 フーディエに向かえばなにかをしてくるのか?少なくとも俺と空閑と母さんはフーディエに向かわなければならない……が、発砲とかあれば洒落にならない。冷静になって考えれば三雲修は人気の無い場所で千佳を紹介して誤認させたが市街地だったらどうするつもりなんだろ?

 

「オサムのお母さん、いい案って?」

 

「実はね、最近判明した事なんだけども修はメガネを外せば殆どの人に修と認識されないの」

 

「なんと!メガネでオサムかオサムじゃないのか区別していたのか……言われてみれば、おれもオサムをメガネ扱いしてたな」

 

 サラッとそういう事を言わないでくれ。

 メガネを外すことにより俺が三雲修だと判明しなくなる。なんか嫌な予感がすると思えば母さんは俺の髪の毛を束ねているヘアゴムを引っ張った。

 

「コレを着るのよ、修!!」

 

「………………………………………………」

 

 母さんは女性物の服を取り出した。いや、うん……DNA的に母さんの遺伝子が濃いのが分かっているんだ。

 メガネを外したら認識されないと公式が認めてる。俺もメガネ外す機会が皆無に等しく前にやらかした際には普通に認識されなかった。

 

「ほぅほぅ……ほぅほぅ……ほぅほぅ…………ほぉ〜……ほぉ〜……レプリカ、写真を頼んだぞ」

 

「心得た」

 

「あのな……いや、確かに男を女に女を男に変えるヤバい事に手を出しかけた事がある。でも普通に日野家を通っていけばいいだけの話だ」

 

「ここ数日、日野家を経由してるお詫びに修の女装写真を渡すって言ってるからもう無理よ!」

 

 このクソババァ!!40前なのになに息子に無茶な要望をしとるんが、グォルァ!!

 もう着るしか道は無いのだと母さんは俺に服を押し付ける。女性物の服だがご丁寧にサイズは男性用だ。オカマが着ている服を何処で調達したんだ。

 

「おぉ……おぉ……おぉお……」

 

「千佳ちゃんを見ていると女の子も欲しかったって思うけど、修がいいわね」

 

 パシャリと撮影をしてくる母さん。

 色々と心に来るものがあるが耐える事が出来る屈辱だと我慢しつつ、最初に空閑が5分後に俺が出て最後に母さんが出ていく。

 家から3人出てきたら怪しまれないかと思ったが、三輪隊は追ってこない…………いや、ホントにメガネを外しただけでこの扱いは無いだろう。

 

「スゴいな……オサムなのにオサムじゃないって感じがする」

 

「世の中にはメガネかけてる人は多くいるだろう。俺をメガネで認識してるのは止めてくれ」

 

「でも、クラスのメガネはオサムだけだし……ふむ……」

 

 空閑と合流した結果、空閑は違和感を訴える。

 俺もメガネ無しのコンタクトは中々に馴れない……元がメガネだし、コンタクトは付けるのに1つで5分ぐらいかかる。

 

「空閑、向こう側が話し合いでなく戦闘を望むならお前は戦うな……蒼の軍が戦う」

 

「オサムはおれを信頼してないのか?おれのトリガーは他とは少し違うぞ」

 

「向こうの世界から来た人間を近界民として扱っての戦闘とボーダーと異なる兵器を持っているこっちの世界の人間との戦闘じゃ違う……一応は俺は神堂財閥の傘下の私兵だ……ここ数日で分かった事だがデジモンはトリオン兵と異なる存在でデジモン軍団は危険過ぎる」

 

「危険過ぎるって言うけども、イルガー撃墜した所しか見てないから強さがイマイチなんだが」

 

「まだ見せてないが、デッカーグレイモンと言うデジモンが居る。そのデジモンは戦闘不能になった際に蓄えたエネルギーを一気に開放して周囲10kmに及ぶ衝撃波を巻き起こして焼け野原にする」

 

「10kmってどれぐらいだ」

 

「家から学校への道の数倍だな」

 

「……マジで?」

 

「ああ、マジだ。ボーダーの基地ぐらいに大きいから進化出来ないデジモンも居る。音の速さや光の速さで走るデジモンも居る、分かりやすく言えば今、目の前に車が走ってるだろ。最低でもそれの30倍以上の速度で動いてくる」

 

「……怖っ……」

 

 目の前に走っている車は40km以上は出ている。

 時速1200km、マッハつまり音速の速度は時速1225km……計算方法は色々とあるけども、最低でも30倍以上の速さで走っている。

 

「不法入国とかの都合上でやってないけども、この星を十数分で一周する事は出来るし一撃でボーダーの基地を壊せるデジモンもいる」

 

「それだけの力があるのに、こんなにコソコソとするのか」

 

「これだけの力があれば世のため人のため明るい未来の為に行動しろとかの鬱陶しい事を言ってくる。俺は個人の私利私欲の為に使う……自分の手を必死に伸ばせば掴むことが出来る人が居たとしても我が身可愛さで伸ばさない時が多いし……………………」

 

「多いし?」

 

「…………俺の中でコレはまずいと思っている部分があるんだ……………」

 

 デジモン研究を殆どしない1番の理由はコレはまずい、研究しちゃいけない部分だと俺の中の人としてのモラルが訴える事がある。

 その事に関して知っているのは桜だけ、桜も桜でヤバいといざという時が来ても研究はしない方がいい、やっていいことと悪いことがあるんだと言われた事がある。それはもう何処ぞの神を名乗る天才ゲームクリエイターと同じ世界に至る領域だ。

 

「お〜い」

 

「おぉ……あァ!?」

 

 フーディエの入口前にののさんが居た。ののさんに声を掛けると俺だと気付き振り返るのだが数秒間固まった後に驚いた。

 上から下まで確認する。女性物の服装……スカートをつけている。ののさんは状況を理解しようとしつつもスマホを撮りだしてパシャリと撮影する。

 

「三雲、だよな?」

 

「前にメガネ外した状態を見たじゃないですか」

 

「顔は見た…………お前……お前、まさか女だったのか!?」

 

 何処をどう解釈したらその考えに至るんだろう。

 ののさんが女だった事に驚く……自身の部隊に男の子に間違われやすい女の子がいる。だから、俺もそれの一種なのかと声を荒げる。そして物凄く連写してくる。

 

「とりあえず写真を連写するのはやめてください、俺は男です」

 

「じゃあ、その……そっち系か……私の乳を揉んでもなんの反応もねえし那須にも反応しねえし」

 

「ののさん、ホントにコレには深い事情があるんです。主にボーダーが原因で」

 

「ボーダーが原因って、最上さんについて聞いてきたのに理由があるのか……そいつは?」

 

「向こうの世界からモガミソウイチさんを訪ねに来た人」

 

「………………はぁ!?」

 

「ののさん、店前だと五月蝿いから中に行きますよ」

 

 これから色々と驚くリアクションが目に見えているのでフーディエの中に入る。

 どうもと空閑はののさんに対して挨拶をしている……ののさんレベルなら、近界民=人間だと言うのは知っている……そもそもでボーダーのどの辺から普段襲ってきてるのはロボットでそれを送り込んでくる人間が居る、それこそが近界民だという認識してるんだ?少なくとも学校の奴等はトリオン兵を近界民だと思ってる…………戦争が何故起きるのか?それは子供向けの番組の様に世界に絶望したり世界が欲しいと望んで世界征服をする為でなく資源を求める為だ。それは向こうの世界でもこっちの世界でも同じことだ。

 

「で、どういう事だ?」

 

「俺が在籍してる三門第三中学に転校生として空閑が現れて近界民か聞いたらその通りでボーダーに居るモガミソウイチと言う人を訪ねに来たそうです……ののさん、上に報告するのは貴女の自由です。ただ、こちら側は話し合いを求めている。貴女は近界民=悪だと思っているなら貴女が上から知らない情報を教える。例えばボーダーに居る近界民だとか」

 

「……」

 

 ののさんがボーダーで言うところのどの派閥なのか分からない。

 なにせ生駒さんが城戸派に近い中立だったりするわけでバイオレンスな性格をしている……ののさんが睨んできているが声を出さない。殺気は感じない。ボーダーに居る近界民の情報を教えるのと話し合いをしようとするのは分かってくれたみたいだ。

 

「近界民にも良い奴と悪い奴が居る……そう考えてる派閥もあるけど、私は街の防衛が第一だと思ってる……近界民が人間なのは知ってる。だから、最初から居なかった、そうなってほしいと思ってる」

 

「それは死ねと?」

 

「そうじゃない。お互いの世界を干渉しない関係性になってほしい……ハッキリと言えば近界民が悪だって認識はしてる」

 

 話し合いをしようとしているが近界民=悪の認識をしているののさん。

 そう思われても当然の事はしている……殴られるのを覚悟した上で言うしかない。

 

「悪や正義の認識がそもそもで間違いだと思います」

 

「お前、この前のニュースを見なかったのか!?近界民が内側から門を開いてきて三門市が傷ついたんだぞ!それが悪じゃなくてなんて言うんだ!?」

 

「……ののさん、そもそもで何故に近界民がこちらの世界に侵攻してきているのかを疑問に抱いたことは?俺は空閑から資源を奪う為にこちらの世界に対して侵攻してきていると……その求めてる資源はトリオンと言う人間が生み出す生体エネルギーであり向こうの世界は明かりを1つ灯すのにもトリオンを使うと聞いてます」

 

「……」

 

「コレは子供向けのアニメに出てくる世界を自分の思うままにしたい魔王が企んでいる世界征服じゃないです、異世界ではありますが日本と言う国が向こうの世界から軍事侵攻を受けている。第二次世界大戦で実際に戦火を浴びてそれは苦しかったと語り継ぐ老害の世代から話を聞いて語り継ごうとする世代から話を聞いてる世代です」

 

「……私のところはそこまで酷くなかった。でも、中には家族が拉致られたり殺されたりした。それを悪だ憎むなって言うのか?」

 

「まさか……ただやっているのは本当の戦争で複数の国から襲撃を受けている。襲撃している国同士では同盟を結んでいない、こちらの世界は人間を狩るのにちょうどいい餌場だと向こうの世界は認識している。負の側面が圧倒的に強いのは認めます。でも、負の側面だけしか見ないのはいけないことです。もし襲撃してきた国を滅ぼしたいと思うならばそれは構わない。でも、空閑はそれとは関係無いですし兵器を所持して暴力という力による圧政は長くは持たない…………悪だと思うのも構わない。憎悪を抱くのも構わない。でも、1度だけでいいので視点を変えてください」

 

「…………それは近界民にもいい奴が居るって認識しろってことか?」

 

「いいえ、違います」

 

「?」

 

 近界民=悪でなく、近界民の中に悪人が居ると認識しろと考えろと言っているのか聞いてくるが違う。

 確かにそういう風に見てくださいと言う思いはある、だけどもっと他の視点で見ておかなきゃいけない事はある。

 

「戦争は今こうして俺達が話し合いをしている何処かで起きているものです……仮に韓国と戦争したら近界民との戦争との違いに答えられますか?」

 

「それは……」

 

「俺は近界民関係は第二の幕末だと思っています。異世界という外国が軍事侵攻を行ってきた……こちら側が備えるのも大事ですが、互いの世界を不干渉する事が出来なければ何れは和平等を持ちかけないといけない。そして今回は奇跡が起きた。向こうの世界から人がやってきた……それと同時に内側から門を開くトリオン兵が居た。人口が30万人も行かない三門市なんかよりも100万人越えてる仙台や博多、横浜なんかの日本の主要都市で門を開くことが出来た………………人が居るかぎりは大小あれども争いは終わらない資源の枯渇と言う人間と言う種族が原因で戦争は起きている。そしてそれはこっちの世界でも起きていた……俺達はこれから資源を求めて侵攻してくる戦争を知る世代になる。それに対して過去を振り返り、視点を変えないとヤバい……例えば戦国時代、戦争が起きた理由は自身の国を広めて穀物と人口を増加させる、それはつまり人と言う資源と穀物と言う資源を求めてで…………それを美談にしている人が多い。三国志や戦国時代で歴史にハマる人達は多くいる。でも、その歴史は戦争の歴史で今と大して変わらない……この極東の島国を日本と言う国に統一する事に成功したからいいですが」

 

「ゴチャゴチャ理屈言ってんじゃねえよ!泣いてる奴が居る!苦しんでる奴が居る!怪我した奴も居る。その原因を作ったのは近界民だ…………お前はそいつ等に我慢してくれって言ってるも同じだぞ!?」

 

「ええ、そうですよ」

 

「っ……」

 

「今、貴方は俺を殴りたいと思ってる。ふざけんなとも思っている……じゃあ、力を手に入れて強くなるしかない。世界は力を持った強い人間に都合良くなる様に出来ている。だから腹を括る……仮に自分が地獄に落ちるのが確定するが相手を地獄に突き落とす事が出来る権利を手に入れたら、その権利を一時の感情でなく躊躇いなく使えるような強さを手に入れる……俺は少なくともそう思った。失ったものは大きいけどもそれ以上のものを得れた。後悔だらけで過去をやり直したいとも思いますけども、それでも前に進む」

 

 今、泣いている人が居る。今、苦しんでる人が居る。今、怪我をしている人が居る。それら全ての原因は近界民だ。

 そいつ等の意思を無視して我慢しろと言っている……理不尽な事を言っている、戦争に負けた頃の日本もそれぐらいに理不尽だろう。

 

「悪と善を求めて、悪人が欲しいならば近界民だと思うのは勝手です。近界民がやったことは一般的に見ても憎まれても当然の事です……でも、色々な向き合い方や見方があるのだと認識は変えてください……近界民じゃない、外の世界の人間、外国人だと。外国から受けている侵攻を防ぐのでなくそもそもで発生させない方法を……許さなくてもいい憎んでもいい、でも戦争そのものを無くす方法を選ばなきゃいけない。その方法は話し合いです」

 

 近界民はこちらの世界を見下しているだろう。こちらの世界を搾取する場所だと思っているだろう。

 だからこそ、武力による解決でなく話し合いで解決をしなきゃならない。

 

「…………私達が向こうの連中を殺した後に我慢しろって言うのは?」

 

「力を持っていればそれもありですよ……ただ、少しだけ視点を変えてください。空閑から聞いた話だと、向こうはトリオンと言う資源を求めている。だったら強硬策でなく話し合いの道を見つける………………向こうの世界は1つじゃない、無数にある。軍事力を持つと同時に抑止力も手に入れる、それが俺の思う最善手っと……ボーダー隊員でもなんでもないのに偉そうな事を言ってしまってすみません」

 

 話し合いの道があることは認識してほしい。向こうにも向こうの価値があるのを認識してほしい。色々な考えがあるのを知ってほしい。

 ただ憎悪の念を燃やして八つ当たりを行うのは間違いだ……憎悪の念を向ける矛先を間違えるのだけはあってはならない。

 

「話が色々とズレましたが、とにかく空閑は近界民でなく向こうの世界から来た人間でボーダーに居るモガミソウイチと言う人を頼りに来たんです。心当たりは?」

 

「知っているか知ってねえかで言えば知ってる…………その人はもうこの世には居ない」

 

「……そうですか……ん?」

 

 最上さんは既にこの世には居ない。

 その事をののさんの口から語られれば俺達が現在居るフーディエの俺の仕事部屋がノックされた。スマホを確認すれば烏丸さんがフーディエについたのと会ってほしい人が居るのだとメッセージが送られてきていた。

 

「はいっと」

 

「どうもっす……藤丸さん、もう来てたんですね」

 

「烏丸、三雲の奴は色々と厄介なのを抱えてる…………忍田本部長には報告するぞ」

 

「ええ、どうぞご自由に……それでその人が会わせたい人ですか?」

 

「どうもどうも!何時もうちの京介がお世話になっております……ボーダーが誇る実力派エリート、迅悠一です!……っ…………近界民か?」

 

「それと似たようなくだりをついさっきやった」

 

 迅が現れて笑顔で挨拶した後に表情を切り替える。

 空閑が目に入ったから、俺が目に入ったから……どちらの未来からなにが視えているかは分からないが少なくともここからが正念場だ。

今後の展開どうしよっかな

  • 2人まとめては最高さ
  • 那須玲のお尻は素敵
  • 藤丸ののの、ののパイは、おっぱいは正義
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