「……千佳ちゃん?」
「はい」
「どうもどうも……数日ぶり、しおりちゃん」
玉狛支部に千佳と遊真がやって来た。
来客があるのだと事前に聞いていた宇佐美は来客が2人である事に驚く。特に千佳とはプライベートな交流があった宇佐美は意外そうにする。
遊真はまだ分かるのだが、何故に千佳なのか?
「玉狛支部の支部長に呼ばれたんですけど」
「あ、うん……皆が待ってるよ」
玉狛支部の支部長に呼ばれてきたのだと千佳が言えば宇佐美は通す。
2人は玉狛支部のリビングに向かえば烏丸、レイジ、小南、陽太郎(と雷神丸)、林藤支部長が居た。目上の者が多くてはじめての場所だ。
「この2人が近界民……弱そうね」
「近界民はおれでチカはこっちの世界の人間だよ」
萎縮していると小南がマジマジと見ている。近界民と会うからと小南は聞いているのだが、いざ現れた2人はちっこい男の子と女の子だった。
予想していたのと違うと言う小南、ジッと見られているのでどうすればいいのか?こういう時に話を進めてくれる修は今この場には居ない。
「はじめましてだ、俺は玉狛支部の支部長の林藤だ」
「雨取千佳です」
「早速で悪いんだが…………トリオンを測らせてくれないか?」
「あ、はい」
ゲームボーイの様な見た目のトリオン測定装置を取り出す林藤。
悪い感じはしないので千佳はあっさりと受け入れてトリオンを測定するのだが、林藤は直ぐに俯いた
「あ〜……………コレはヤバイ……このレベルを放置し続けたって分かったらそりゃ嫌われるどころか期待すらされないわ」
「ちょっとボス、見せて!……………はぁ!?風刃持った迅よりトリオン多いじゃない!?」
千佳のトリオン能力が予想以上に予想以上だった。
コレはボーダー側が保護とか近界民のレーダーに映らなくなる道具とか作っておかなきゃいけないレベルのトリオン能力だ。小南が林藤の持っているゲームボーイの様な見た目のトリオン測定装置を奪うのだが、黒トリガー使っている迅よりもトリオンが多かった。
それを聞いてレイジや宇佐美達も見るのだが驚くしかなかった。戦闘とは無縁の存在である女の子にこんな頭おかしいんじゃないかと思えるレベルのトリオンがあるとは思っていなかったから。
「…………色々と言わなきゃいけない事がある……一言言えるのは、すまなかった……お前のトリオン能力なら確実に鬼怒田さん達も色々と言ってくる」
「そんなに……私のトリオンってスゴいんですか?」
「ああ……俺達ボーダーが記録している記録の中でダントツと言ってもいい」
トリオンが身近じゃない千佳は自身のトリオンが凄まじいと言われてもイマイチ、ピンと来ない。
遊真達から凄まじいと言われているのだが実際にそれを使ってなにかをしたのか?なにもしていないのだ。
「俺達ボーダーは色々と思惑はあるかもしれないが、この街を意図的に危険に晒している……ボーダーが表に出る前に修が何度も何度も倒したってのも聞いた……ボーダーを代表して気付かなかったことを謝りたい」
「……………そうですか……………」
千佳はどうすればいいのかが分からない。
どうして助けてくれなかったの?と言う思いもあれば誰かが傷つくぐらいならば自分が傷つけばいいと言う思いもあればボーダーに頼らなくても修達が居るからどうにでもなるという思いもあった。怒りの感情を剥き出しにすることは無い……逆にそれが林藤の心を痛める。ボーダーに対してあまり期待していないのだと。
「……玉狛支部はブルーフレアとクロスハートの存在を認知する」
「認知?」
「ボーダー以外にトリガーを持っている団体が居た、その存在と協力をしたい…………本当ならば修も呼んでその事を伝えたかったんだが……」
「オーナー、忙しいみたいですからね」
現状では遊真を接待しろと言われている修だが、基本的には電気を用いた化学製品のエンジニアだ。
遠征をするのならばトリガー工学云々は何れは学ばなきゃいけない項目であるが本人はVRMMOを作りたいのであり、色々とデメリットはあるが電脳世界に意識を落とす技術には成功している。
「この前のイレギュラー門を開いたトリオン兵は偵察目的だ、近い将来大規模な侵攻もしくはトリガー使いが現れる可能性がある。力を貸してくれないか?」
「……貸すことは出来ます。でも……大丈夫なんですか?」
「なにがだ?」
「ボーダーはそんな日を想定して備えています。その時の為にと頑張ってます……私達に力を借りると言うのはその人達を否定する事じゃないんですか?」
ボーダーの組織を大きくしたのは色々とあるが主にこちらの世界を守るためだ。
その為には都合のいい話を沢山している。近界民に対して憎悪を抱いている人達も利用している。それでも街の防衛はするのだが、千佳や修に頼ると言うのは彼等よりも優れている存在だから選んでいる。損得勘定の話だけをすればそれは間違いではない。でも、その人達を無視していいのか?
「実際のところ、お前達がどれぐらいやれるのか知らない。遊真が持っているのが黒トリガーと米屋を一撃で倒すことが出来るトリオン兵を持ってるという事ぐらいしか認識してない」
「トリオン兵じゃないです、デジモンです」
「おっと、そうだったな……俺は戦った場合、ボーダーが大差で負けると聞いている……実際問題どうなんだ?」
「…………ボーダーのトリガーの中に爆弾ってありますか?」
「メテオラっていう炸裂弾はあるぞ」
「それって普通のボーダー隊員が一撃で何百m破壊出来ますか?」
「…………何百?何十じゃなくて?」
「はい……クロスハートには数百mぐらいのクレーターを作ることが出来るデジモンが居ます」
それを聞いた林藤のメガネが若干ずれた。トリオン量が多い人間でも実戦的な話をするならば数十mの範囲での爆破が限度だろう。
パワーに圧倒的な差があるのは薄々察しているだろうが、そのレベルなのか?
「修くんが制空権問題の法律が絡んでくるからやらないって言ってますけど、地球を数分で一周する事が出来るデジモンもいますし宇宙に行くことが出来るデジモンもいます」
「……マジか……」
「そのデジモンは一撃でボーダーの基地を破壊する事が出来ます。後、ボーダーの基地と同じぐらいの大きさのデジモンもいます」
「嘘でしょ?」
「……」
俄に信じがたい話だと小南は否定的である。
どうすればいいのかと考えていれば千佳のデジヴァイスの液晶画面が光り出してワイズモンが出てくる。
「「「トリガー
突如として出てきたワイズモンに警戒心を直ぐに剥き出しにする。
トリガーを起動して何時でも戦うことが出来るようにし、栞は陽太郎を庇う姿を見せる。
「待ちたまえ、私は戦いに来たのではない。我等がジェネラルである千佳に意見を述べに来た」
「ワイズモン、どうして急に出てきたの?」
「私自身が色々と直接、言いたいことがあってね……はじめまして、私はワイズモン。デジモンだ」
「おう」
敵じゃない事を主張するとトリガーをオフにはしないが警戒心は少しだけ解いた。
ワイズモンは林藤に挨拶をする。
「まず、ボーダーではなく玉狛支部が我々クロスハート、ブルーフレア、サイバティックネイチャー、トワイライト、シャドウリベリオンの5つの軍団を認知すると捉えても」
「……後、3つもあるのか?」
ブルーフレアとクロスハートしか存在していないと認識していた林藤。
ここに来てさらなる存在を言われてしまえば驚くしかない。
「それについては何れ向こう側からなにかしらのコンタクトを取ってくる筈だ……次に、私達に協力を求めるとして見返りはなにかね?」
「ワイズモン、見返りなんて」
「千佳、無償の正義は常に貫く事は出来ない事だ……我々はボランティアではないんだ」
ギブアンドテイクの関係性は求めていないつもりの千佳だが、クロスハートはボランティアではない。
無償の正義を貫く事は不可能であると認識しているワイズモンは見返りについて聞いてみる。
「う〜ん……こっちが出せる物と言えば面白い時間、って言いたいんだが多分遊真しか納得する事が出来ないんだよな」
「おれしか納得する事が出来ないってどういう事?」
「名目上は遊真がブルーフレアから派遣された人間として玉狛支部に居る事にして、トリガーを貸し出す。ボーダーにはランク戦ってのがあってな、ボーダーのトリガーで死なない戦闘を何度も何度も出来る。スゲえ面白いぞ」
「……………面白そうだな…………」
遊真ならばランク戦を気に入る。しかし、修と千佳はそういうタイプじゃない。
向こうの世界に関する情報は流石に出せるカードではないし、見返りを求められた際になにを出せばいいのか?
「あの……ボーダーは向こうの世界に遠征してるって修くんは言ってましたけど本当ですか?」
「しているぞ……なにをしに行ってるかと聞かれれば色々とある。向こうの世界の優れたトリガーを手に入れる、広大な向こうの世界の地図を広げる、過去に向こうの世界に拐われた人間を探し出す、色々としている」
「じゃあ……じゃあ、もしボーダーが青葉ちゃんを、私の友達を見つけて連れ帰る事が出来たのならばボーダーにとって都合のいい悲劇のヒロインとして祀り上げないでください……修くんは言ってました、仮に拐われた人を連れ帰る事に成功したなら記憶を操作して内密にするか大々的に報じるかで向こうの世界を悪く言わせる可能性もあるって……私は友達を助けたいって思いがありますがただこっちの世界に連れて帰るって意味じゃないんです……こっちの世界に戻った場合、どうやってこっちの世界で生きるのか?その事を何度か考えました…………きっと、ボーダーの管轄下に置かれる。ボーダーの隊員にさせられる可能性が大きい……私はそれが耐えられないんです」
やっとの思いで友達を助けたのに、今度はボーダーの人間として働く。
それじゃあ向こうの世界で兵士として戦わされていた頃となにが違うのか?確かに、兵士としての道を無理矢理歩まされた。平穏な日常からかけ離れた戦場で戦っていた。人を殺すことに関してなんの躊躇いも無くなってるかもしれない。それらは一般的な倫理観で狂ってる、だからボーダーの管轄下に置くのは普通のことだがそれ以外の道があるんじゃないかと言う。
「修くんは兵器以外のトリガー工学に興味を抱いてました。もしかしたら、そっち系で役立つかもしれません……だから、私は、クロスハートが力を貸す条件としては過去に向こうの世界に連れ去られた友達を都合のいいヒロインにしないことです」
「…………そうか……」
「千佳、もし我々が活動した場合だが……ボーダーの傘下にあるクロスハートでなくクロスハートとしての活動を認めてもらわなければならない」
「それなんだが、一応はボーダーって事に出来ないか?組織があると分かればスポンサー関係で揉めるし困る」
「……我々の目当ては向こうの世界にある。我々に力を貸せというならばこちらの世界の防衛は可能だが、違うと言う線引を何処かでしておきたい…………それに」
「それに?」
「ブルーフレアのジェネラルはボーダーにデジモン軍団の存在を認知させる手段を用いてくる。それが内密か大々的かなのかは分からないが、彼は知恵に長けてた智者だ…………ボーダーの傘下の派閥ではなくボーダー以外にトリガー関係をしている団体の存在を認めさせる。クロスハートはその内の1つで玉狛支部と個人的に仲良くしている、そうなる可能性が大きい」
「それを防ぐ方法は?」
「彼を殺すしか道はない」
「出来るわけないでしょ、そんなこと!!」
しかし、修は馬鹿ではない。万が一などを想定している。
ボーダーには未来を視る事が出来る迅が居るわけで、ボーダーが派閥を超えて手を取り合えばヤバいとも思っている。
暴力による支配は同じ暴力に負ければ意味は無いし、暴力以外の力を用いて叩きのめす方法を知っている。神堂令一郎にその辺を任せるつもりでありそれこそ修を殺すしか止める方法は無い。
「彼はなにかしらのアクションを起こす。それだけは確かであり、なにも出来ない手を使ってくる……極端な話、貴方以外は戦闘を任されているだけ。組織の運営をしているわけではなく、彼ならばそこを叩く」
「…………そうか…………」
「……ボーダーの人達と三門市を守ることには協力する事が出来ます。でも、遠征関係は協力出来ないです。私は私の友達を探すのが目的ですが、私の友達を拐った国は遊真くんみたいに話し合いが通じない可能性がとっても高くて……修くん達は何処かの段階で話し合いじゃなくて武力を行使しなきゃいけないって、私達が侵攻する側の人間にならないといけないって言ってます……私自身はそれを避けたいですが、遊真くんの話がホントならば向こうの世界は資源を求めての本物の戦争をしている。漫画みたいな悪い人が世界征服をするんじゃなくて生き残る為に戦ってて力を行使しなきゃいけない…………それをボーダーに頼むことはしたくありません……」
「ん〜……それをきっかけにこっちの世界に恨みを抱かれる可能性は?」
「それは向こうの世界に遠征してるそちら側も一緒なのでは?国が法律としてボーダーしかと制限しているならば我々も黙るが、ボーダーは民間組織でそういった法律は無い。日本という国の代表でも地球という星の代表でもない。ならば我々が行動する事に関して文句を言われる筋合いも無い。なによりも何処かで襲う側の人間にならなければ過去に連れ去られた人を救えない。諦めろと千佳に言っているも同然だ」
どっちもどっちで危険性が孕んでる。林藤の言葉はボーダーに対しても色々と言える事ではある。
どっちが良いのか?それは分からない。ボーダーが国営の組織ならば話は別なのだが。
「さて、そちらも色々と思うことがあるだろう。口だけで言って納得はしないだろう…………我々と実際に戦ってはみないか?」
「……そう来るか……………」
暴力、やはり暴力は全てを解決する。
互いの力量を見るためにも実際に戦うこと自体は悪いことじゃない、しかしホントに迅の言葉通りボーダーに対して大差をつける力を持っているならば…………想像したくない事が頭に浮かんだ。
「玉狛の強さを見せてあげるわ!」
「ということだ。私はデジヴァイスに戻るよ」
「って、あんたが相手じゃないの?」
「私が戦っても構わないが、私は戦い以外を好む智者。クロスハートの参謀だからね…………レナモン、君のことだ。聞いているのだろ?」
ワイズモンはそう言えばデジヴァイスに戻った。
誰の事を言っているんだと思えば千佳が声を出す。
「レナモン」
千佳の視線の先は自分達……でなく、自分の背後だ。小南が振り返れば二足歩行の狐が居たので思わず尻もちをついた。
「何時の間に……いや、どうやって入ったんだ?」
「それに関しては答えられない…………千佳、誰が戦えばいい?ワイズモンは私を呼び寄せたが、レッドカードが手元に無い」
クロスハートの誰が戦うのかを聞く。
力を見せつけるためにも確実に勝つためにも究極体に進化する事を考えるのだが、レッドカードは手元に無い。
「さっき言ってた数百mのクレーターを作ることが出来るデジモンで頼む……手加減は一切せずに本気で倒しに来てくれ」
実際のところ、どれだけやれるのかの確認は何処かでしないといけない。
ボーダー最強のカードを切り、大差をつけられて負けた場合は武力による支配は絶対に不可能である……林藤自身はそれをするつもりはないが、ボーダーに対して価値を殆ど見出す事が出来ないと思われれば大変な事になる。
「いくよ、皆!」
市街地を再現したフィールドに千佳は立つ。
デジヴァイスを操作し、デジモンの映像を出現させる。
「シャウトモン!」
『おう!』
「バリスタモン!」
『んが!』
「ドルルモン!」
『グゥオオオウ!』
「スターモンズ!」
『ヘイ!』『『『イェーイ!』』』
「スパロウモン!」
『おう!』
「デジ、クロス!」
『『『『『デジ、クロス!』』』』』
デジヴァイスから5つの光が放たれる。
5つの光の矢は1つの光の塊になって千佳のもとに舞い降りる。
「空舞う勇者!シャウトモンx5!!」
空舞う勇者、シャウトモンx5の顕現である。
今後の展開どうしよっかな
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2人まとめては最高さ
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那須玲のお尻は素敵
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藤丸ののの、ののパイは、おっぱいは正義