デジモントリガー   作:アルピ交通事務局

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俺達のウォーゲーム ⑨

 

「君が……君達が……」

 

 忍田本部長はトリガーを起動してトリオン体に換装する。

 王子さんは忍田本部長からの指示を待つ……のだが、視線が輝いている。ペガサスに乗っているからだろう。

 

「東西南北に伝説上の生物を召喚したのは君かい?」

 

 言葉を失ったのかそれとも言葉を選ぼうとしているのか分からねえが、忍田本部長は言葉が出ていない。

 代わりに出てきたのは王子さんの言葉で、四方から現れている伝説上の生物について聞いてきた。

 

「俺がやったかどうかと聞かれれば違うが、俺達がやったと言うのは確かだ……いちいち説明するとややこしいから分かりやすく言おう。ボーダー以外にトリガーを扱おうとしている団体が居て、ボーダーはこちらに傘下に降るかもしくは持っているというトリガーを取り上げようとしてきている……色々とあったかどうかは置いといて結果として俺達とボーダーはぶつかり合った。そしてお前達は負けた……太刀川隊、風間隊、三輪隊を完膚なきまで叩きのめした後に基地にまで進軍した。ボーダー上層部、所謂タカ派と呼ばれる連中は都合のいい言葉で言っている」

 

「つまり…………こちらの世界で巻き起こった内戦だね……外国との戦争と思えば内輪揉めとは」

 

「一応は言っておくが俺達は力を貸せというのならば街の防衛には力を貸す……ただ遠征関係は協力出来ない。その事を玉狛支部の林藤支部長を経由して伝えた。そして強硬手段を取ってきた。そしてボーダーの主力は、部隊を組んでいる面々は殆どやられた。残っているのは部隊を組んでいない人間だが、そいつ等の底は見える。あんたより弱いと言うのだけは確かだろう」

 

「…………どうしますか、忍田本部長?戦いますか?」

 

 アルファモンがタクティモンが俺の背後に居る。

 王子さんは戦うかどうかを忍田本部長に聞いてくる。戦えと言えば戦うだろうが、王子さんは負けると確信している。作戦や機動力はまだしもいざという時の純粋な実力でA級として通じるかどうかの話をすれば王子さんは純粋な実力の部分が足りない。それ以外は既にA級レベルと言うのが俺の個人的な評価だ。

 

「我々の負けだ……これ以上の攻撃は止めてくれ」

 

「それはボーダーの総意と捉えてよろしいですか?」

 

「ああ……私や林藤が城戸さん達を止める事が出来なくて……どの様な詫びを入れればいいのか」

 

「城戸司令の判断は間違いか間違いでないか言えば間違いじゃない……ボーダーと言う組織を運営する上では、俺達の存在は邪魔であり傘下に加えるか最初から存在が無かった事にするかのどちらかだ…………」

 

 ただ1つ間違いがあるとするならば、戦闘行為に及んだのが原因だろう。

 ボーダーには優秀な交渉人がいる。そこから色々と話し合いをすると言う行いを、こちらに対して友好的になると見せてこちらの技術を奪う、そういう考えに至らなかった。そういう道があった……最も、こっちのトリガー工学は未発達でデジモン関係に関しては交渉のカードとして出すつもりは一切無い。ボーダー側に求めるものは組織を認知すると言う事だった。

 

「四方で暴れている神獣を止めてくれ」

 

「アルファモン」

 

 アルファモンに声をかければアルファモンは魔法陣を展開し、召喚した伝説上のモンスターを全て消した。

 王子さんが他の部隊が戦っていたが急に消えたと報告を受けたようで忍田本部長にその事を伝えている……。

 

「さて、貴方はあくまでもボーダー本部の本部長だ、貴方がボーダーで1番偉くて1番の権力を持っているわけじゃない……ボーダーのトップから降伏の意思を聞かせろ」

 

「……会議室に」

 

「何故俺達がそちらに行かなければならない?通信機能は麻痺させていないんだ、連れて来い」

 

 会議室に俺を通そうとする忍田本部長だが、俺は今は足を踏み入れるつもりはない。

 城戸司令を出せと言えば通信を取り、数分後に城戸司令……いや、城戸派の面々は出てくる。

 

「我々は負けを認める……ボーダーの完敗だ」

 

「………………っち…………」

 

 唐沢さんがボーダーの完敗だと負けを認めて降伏した。

 根付さんや鬼怒田さんが睨んできている。城戸司令は表情1つ変えていない……と言う事は城戸司令と唐沢さんの中では嫌な方向に向かっているが想定内の事だ。城戸司令の狙いを唐沢さんは気付いている。伊達に外務担当じゃないか。

 

「君達の要求通り、君達の存在を認知する……それだけじゃない。君達のところにいる近界民も手を出さないと約束しよう」

 

「その事に関してだが、もう構わない……もうお前達に認めてもらわなくてもいい」

 

「…………どういうことだ?君達の提示した条件の筈だが」

 

「事情が変わった……ボーダーに認めてもらわなくても、俺達の活動に関して許可が降りた。貴方達が力による抑え込みで来たんだろう。三輪隊だけでは敵わないと三輪隊よりも上で貴方達に従順な部隊を待っていた…………その間に俺がなにもしていないとでも思っていたのか?」

 

 自分達の存在をずっと認知しろと言っていたのに、話が違うと言いたげな唐沢さん。

 唐沢さんと言うか城戸派は待っていた。三輪隊よりも強く自分達の命令を聞いてくれる遠征部隊の帰還を……俺がその間になにもしていないと思っていたら大間違いだ。

 

「我が軍、黄昏の鉾(トライデントトワイライト)の雑兵であるモニタモン……ちゃんとしたボーダー隊員ならば容易く倒す事が出来る。モニタモンは5つの軍の雑兵で最も弱い。しかし、情報伝達能力や情報共有能力に置いては右に出るデジモンは存在しない」

 

「まさか……」

 

「我々の術中にボーダーは嵌っている、最初から最後まで見事なまでにな」

 

 ボーダーに俺達の存在を認知させる為に戦っていたと思っているならば少しだけ違う。

 戦闘行為が開始された時点でボーダーは殆ど詰んでいる……迅と言う道先案内人を奪った。迅が居たのならば色々と言ってきたのだが、迅は抑えているので遅い。

 

「さて、そちらがこちらを認知してくれるならばそれはそれで構わない……だが、お前達は降参をした……未来への先行投資の為に今を犠牲にしたつもりだろう。ここで俺達をボーダーが認知して空閑にも手を出さずになんとか事を納まる…………………そんな甘い展開になると思ったら大間違いだ。リロード、ブラックウォーグレイモン」

 

「な、なにをする気かね!?」

 

 デジヴァイスからブラックウォーグレイモンを出せば身構える根付さん。

 戦っても無意味で向こうが降伏をしている……向こう側は、ボーダー側が俺達がなにを求めているのか分かっていない。

 

「安心しろ、誰かが責任を取って腹を切れなんていう時代錯誤にも程がある馬鹿な事は言わない……城戸司令、貴方の中ではここまでの状況は嫌な方向でそうならないと願っていたが殆ど想定内だろう」

 

「……」

 

 城戸司令は無言を貫いている、と言うよりは警戒をしている。俺が自身の予測を越える事をやって来ているから。

 

「この状況が想定内じゃと、そんな事が」

 

「今のボーダーが出来てからの人達はともかく秘密の組織だった頃のボーダーならば上には上が居るのを嫌と言う程に思い知らされている。万が一、負けた場合のプランの1つぐらいは想定している」

 

 負けを想像していたなどありえないと鬼怒田さんが否定しようとするが、鬼怒田さん達は上のエグさを知らない。

 危機管理能力的な意味合いを言えばしっかりとした大人の価値観で色々と言っていたり考えたりしているが実際に体験しているかと聞かれれば答えは違う。実際に戦争を体験していたり色々と嫌なものを見てきたのならばプランBの1つや2つ考えているだろう。

 

「貴方は林藤支部長を経由して俺達の主張を聞いている。俺達の最初の主張はボーダー以外にトリガー関係の組織が生まれたことを認めろであり、俺達は力を貸してくれと言えば貸すつもりで……最初からボーダーに対して敵対する意思は無い。だが、ボーダーにとって他の組織が生まれたら色々と不都合、特に向こうの世界に関しての遠征に関してはだ」

 

 ボーダー以外に、兵器としての側面じゃないトリオンを動力源に動く家電を発明してそれを世間に売り出せば荒れる。

 スポンサーに出資してもらっている立ち位置なので何れはトリガー技術をスポンサーに開示しなければならないが、今の段階では殆ど開示していない。そこまではまだ大丈夫だが遠征に関しては色々な不都合がある。

 

「俺達の情報は事前に林藤支部長から聞かされているだろう。三輪隊の米屋さんを簡単に倒したと言う事実もある……俺達は力を貸してくれと言えば力を貸す。街の防衛に関しては色々と協力することが出来る。だが、遠征だけは出来ない。俺達は何処かの段階で遠征関係でボーダーと意見が対立する。そう判断をしている……実際問題、俺の想像通りに事が運ぶならば……いや、この話は今は置いておくか」

 

 向こうの世界に関するああだこうだは今は言わなくていい。何処かの段階でボーダーと意見が対立する、それだけだ。

 

「貴方は賭けた……俺達がボーダーを潰すのでなくボーダーと言う組織に認知して活動させてもらいたいと思っている。俺達はその為に力を見せつける為に戦わなければならない……………そう、俺達は誰かを拉致したりボーダー隊員を殺したりしない。技術提供等を求めているわけではない。だから…………俺達が実際に本気を出してボーダーと激突した場合、どうなるのかを見るのに賭けた」

 

「……根拠が無い説だな……」

 

 俺の考えを城戸司令は否定する。確かに根拠が無い……だが、降参するタイミングは幾らでもあった。迅が戦うなとも念を押している。

 俺達に関する情報は向こう側は全くと言って無い。ホントに言うだけの実力はあるのか?米屋さんを倒して天狗になったりもしかしたら単純に相性が悪くて負けた可能性もある。だからボーダーは知らないといけない、俺達と仮に本当にぶつかりあった場合はどうなるのか?と。

 無論、ボーダーと手を取り合おうと言う関係性を示してからこちらの手の内を探ると言うのもあっただろう。だが、ボーダーは全体的に緩んでいるところがある。4年半前の侵攻以降にメディアに隠せないレベルの侵攻は無かった……いざ大きな戦いが来ると分かりそうなった場合はホントにボーダーは対応することが出来るかどうかも俺達を使うことで見れる。

 

「自分達が負けた場合、存在の認知をしなければならないという大きなデメリットがあるが倒せても倒せなくても最終的にこちらは味方になる等のメリットを考えればありかなしかで言えばあり……貴方達の命を狙いにボーダーと言う組織を潰すために立て直しが出来ない大きな争いが起きない様にも立ち回るようにすることが出来る。ボーダー隊員は優れており1回のミスを引き摺らずに学習する者が多い…………まぁ、各デジモン軍団はジェネラルを殺さなければ止まらないがな」

 

「…………その様な博打をすると?」

 

「メリットしかない橋は何処にも存在しない。デメリットは見えないだけで確かに存在している、ただそれを自覚するか自覚しないかの問題だ…………危険な橋は何処かで渡らなきゃいけないがどれだけ危険な橋なのかを熟知させる………俺の考えとは違う考えだとしてもボーダーは負けた事実には変わりははない。そして俺達の存在をお前達が認知はもうしなくていい」

 

「では、どうしろと?このまま私達を殺すつもりかい?」

 

「なら言ってやろう…………コードクラウンを寄越せ」

 

 唐沢さんは俺達がなにを求めているのか?それを聞き出そうとする。

 色々と焦れったい事を言えるが、答えだけを言っておく。今の俺が求めているのはボーダーに俺達の存在を認知してほしいのではない。それはもう向こう側が認知しなくても構わない事だ。

 

「コードクラウン…………なんだそれは?」

 

「惚けても無駄だ。コードクラウンがあるのは知っている……最も、コードクラウンがなにを意味しているのか分からないだろう。悪いがコードクラウンを勝手に取らせてもらう」

 

 コードクラウンと言う単語に聞き覚えが無い城戸司令。

 城戸司令だけでなく他の面々もなにを言っているのか分かっていない様なので先にコードクラウンは取らせてもらう。俺はバグラモンのデジモンカードを取り出した。

 

「カードスラッシュ!バグラモン、ブレイブスナッチャー!」

 

 バグラモンの右手を出現させれば、デジヴァイスを構える。

 

「ブラックウォーグレイモン!」

 

「おう!」

 

「ブレイブスナッチャー、デジクロス!!」

 

 ブレイブスナッチャーとブラックウォーグレイモンをデジクロスする。

 ブラックウォーグレイモンの右腕のドラモンキラーがブレイブスナッチャーに切り替わる。

 

「ブラックウォーグレイモン、コードクラウンを取ってこい」

 

「ああ、いってくる」

 

 ブラックウォーグレイモンはボーダーの基地に向かって突撃する。

 下に降りているが、光の粒子になって消えていったので実際に基地を破壊すると言う事は無い。

 

「君の言っているコードクラウンとはなにかな?我々に心当たりが無いのだが君は我々が持っているという確信を持って交渉に及んでいるのだろう?」

 

「コードクラウンはエリアの支配権…………来たか」

 

「SDカード……こんなもの、あったか?」

 

 俺の手元が光り輝いた。急に光ったと思って驚く鬼怒田さんだが、光が消えればSDカードが1つだけ空中に浮いている。

 デジヴァイスを構えコードクラウンを自身のデジヴァイスに取り込んだ……………

 

「俺の読み通りだな…………コードクラウンは抑止力を作れる。陣取り合戦が出来る」

 

 コードクラウンの機能を確認した。

 俺の読み通り……コードクラウンはマザートリガーの支配権及び操作権だ。星の天候を弄くるだけでなく、星の軌道等も操る事が出来る。

 

「安心しろ、コードクラウンは持っているだけでなにもしない。今までとなにか特に劇的に変わる様な事は無い……タクティモン、いや、麟児さん。確証を得た。向こうの世界と貿易する方法も向こうの世界に対してこちらの世界の抑止力を手に入れる方法を、陣取り合戦で出来る」

 

「ほぉ……それは中々にいい話……陣取り合戦等の詳しい詳細は後で聞かせてもらう」

 

「…………コレを返さなきゃいけないな。受け取れ」

 

 俺は迅のフィギュアと天羽さんのフィギュアを投げる。

 忍田本部長がキャッチして自分がキャッチしたのはなんなのか確認をすれば迅と天羽さんのフィギュアであり何故にこの2人?と疑問を抱いた頃に2体のフィギュアは光り輝き本来の姿に、人間に戻った。

 

「あれ?……ここ、ボーダーの屋上?」

 

 人間に戻ったことに驚くボーダー側。

 天羽さんが自分が何処にいるのかと左右をキョロキョロと見回せばボーダーの屋上である事に気付く。

 

「っ…………メガネくん……………」

 

「全てが終わった……お前には視えているならば言ってやればいい」

 

「城戸さん……メガネくんになにか持ってかれなかった?」

 

「SDカードの様な物を渡せと言われた」

 

「メガネくん、頼む。それを返してくれ……君にとっては不要な物だろう?」

 

「断る、コレも何れは使うつもりだ」

 

「迅、あのSDカードの様な物はなんなのだ?」

 

「…………(マザー)トリガーの支配権です。瑠花ちゃんからメガネくんに(マザー)トリガーの支配権が移った」

 

「!?」

 

 やっと表情らしい表情を見せたか。

 迅が俺が手にしたコードクラウンが何なのかを教えた。今まで丸く収まっていると思っていた城戸司令が驚いた顔をしている。

 

「…………何処まで知っている?」

 

「それは俺自身にも分からない事だ……あんた達にとって知ってほしくない不都合な事は沢山知っている。俺が求めたコードクラウンはその内の1つだ」

 

 母トリガーの存在を知る人間は旧ボーダーとこの場に居るメンツだろう。

 だからこそどうしてその存在を知っているのか?全くと言って公表していない極秘中の極秘情報をサラッと認知しているだけでなく支配権を奪う事が出来た。

 

「それよりもいいのか、俺はとことん三輪さんを煽った……あの人はなにすると思う?」

 

「っ、ヤバいヤバい…………間に合わないかも」

 

「希望の代価は常に犠牲だ……そして犠牲の代価も存在している。今まで希望を手に入れる為に支払っていた犠牲の代価が今から請求に始まる。ボーダーの総意として俺達ブルーフレア、トワイライト、シャドウリベリオンに対して降参をした……帰らせてもらう」

 

 迅が見えてはいけない未来が見えたのだろう。

 屋上から下の階に向かって走っていった……迅が走っていったと言う事は三輪さんが敗戦国の王族こと忍田瑠花を訪ねに行った。いや、迅の慌て方からして暴行を加えている可能性が高い。

 タクティモンになっている麟児さんは元に戻る。アルファモンになっている母さんは元に戻る。メタルグレイモンとブラックウォーグレイモンをデジヴァイスに戻し、麟児さんがグランドロコモンを出した。

 

「じゃあ、また後日……」

 

 俺達はグランドロコモンに乗って家に帰った。

今後の展開どうしよっかな

  • 2人まとめては最高さ
  • 那須玲のお尻は素敵
  • 藤丸ののの、ののパイは、おっぱいは正義
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