デジモントリガー   作:アルピ交通事務局

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俺達のウォーゲーム ⑩

 

「貴方は……」

 

「質問に偽りなく答えろ……お前は忍田本部長の親戚でなく近界民か?」

 

 ボーダーがデジモン軍団に敗北を認めて数分ぐらいした頃、三輪は辿り着いた。

 忍田本部長の遠い親戚、という設定で通しているアリステラの元王女の忍田瑠花に。三輪は鋭い睨みを利かしながらも瑠花に問う。

 それを聞いた瑠花は眉をピクリと動かした。何処からその情報が漏れたのかとなったが三輪はなにかと重宝されているA級隊員、何処から漏れたのだと直ぐに納得し答えた。

 

「ええ、貴方達の言うところの近界民です……陽太郎やミカエルもそうですが、私達が居なければ今頃はボーダーはここまで大きくなりませんでした」

 

「っ……ふざけるなぁ!!!!」

 

「っ!?」

 

 ボーダーが今のように大きくなったのは瑠花が居たからなのは事実である。

 だが、三輪はその態度に激怒した。近界民でありながらもこちらの人間の顔をしており更には自分達のおかげでボーダーと言う組織が大きくなった。

 

「お前達さえ……お前達さえ来なければ多くの人が苦しまなくて済んだんだ!」

 

「それは違います。旧ボーダーはアリステラと同盟を結んでいました。それが無ければ今頃はこの世界は大規模な侵攻を何度も何度も」

 

「それが無ければお前達は侵攻してきたという事実だろう!近界民は許さない!お前達さえ居なければ……」

 

「……貴方達の怒りは最もです。ですが」

 

「黙れ!!全てを悟ったかの様に語るんじゃない!!」

 

 三輪は拳を振り上げて瑠花に殴りかかろうとした。

 瑠花は瑠花なりに近界民の被害を受けた日本の人達と向き合おうとしていた。怒りの矛先を間違えてはいけないと言おうとしたがそれよりも先に三輪の限界が来た。

 

「へゔぁ!?」

 

「じ、迅!?」

 

 振りかざした拳を迅は顔面でブロックした。

 突如として現れた迅に瑠花は驚くが顔面を殴られた迅は何事も無かったかの様に立ち上がった。

 

「迅……お前は匿うつもりか?……………そっちがその気ならこっちにも考えがある」

 

「待て!待ってくれ!それだけはやめろ!ボーダーがヤバいことになる!」

 

 色々と理由をつけて殴ってはいけないだなんだと言おうとすると三輪は予測する。

 今の三輪は振り切れている。ボーダーという組織だからと許容する事をせず近界民だからと殺る気が出ている。ボーダーの大人達が権力によって黙れと喋れない様にするならば近界民に対して憎しみを抱いている派閥を利用して瑠花達は近界民であるという噂をバラまいて組織を破壊させようとする。その未来はホントに洒落にならない結末を迎えるので迅は止める。

 

「秀次、落ち着けって!」

 

「陽介、俺は落ち着いている……もう覚悟は決めた。自分が地獄に堕ちる覚悟を決めてコイツラを道連れにする!!」

 

「全然落ち着いてねえじゃねえか!!ここで殴ってもなんも解決には」

 

「なる!近界民の排除を徹底したと見せつけることが出来る!近界民と仲良くするだなんて考えは間違いだと先導者になれる!」

 

「だから落ち着いてねえじゃねえか!!」

 

 三輪を羽織締めして落ち着かせる米屋。全然落ち着いていないとどうやって落ち着かせるか分からない。

 

「迅さん、秀次を止める方法無いんすか!?」

 

「………………」

 

 こういう時こそ未来を見れる人間の力だと迅を頼る米屋。

 どうにかしていい未来が無いのかを探しているが陽太郎を殺している未来さえ見えてしまっており落ち着かせる未来が全然見えない。

 

「…………すまなかった」

 

 迅が取った行動は土下座だった。謝って済む問題ではないが迅の口から出た言葉と行動はこれしかなかった。

 

「ボーダーはそれを利用している。都合の良い言葉を使っている……」

 

 三輪以外にも近界民関係で色々と被害を受けている隊員は大勢いる。

 おのれ近界民めと憎しみの炎を燃やしている中高生を利用し、都合の良い言葉と権力を押し付けている。そっちがその気ならばこっちもそれを利用すると三輪は徹底的に振り切れている。越えてはいけない一線を越えようとしているので迅は三輪は勿論のことボーダーの為に謝っている。

 

「ここで鉾を下げるわけにはいかない。誰かが成し遂げないといけない、その為なら汚名を喜んで被る!」

 

「…………瑠花ちゃんや陽太郎を殺したってなんにも変わらない…………それでもって言うならコレを使え」

 

 迅はトリオン体から生身の肉体に戻った。

 生身の肉体に戻った迅は師匠の形見である風刃を差し出した。流石にコレは予想外だと三輪は目を見開いている。

 

「お前は姉の敵を討ちたいんだろ?今ここで瑠花ちゃんに手を上げればそれは出来ない……あの時に襲ってきた国に行くことが決まったのならば、この風刃を使ってくれ」

 

「迅さん、それ……師匠の形見じゃないっすか!?こんな形で」

 

「最上さんなら迷いなくこうするよ」

 

 師匠の形見である風刃を迷いなく差し出した。師匠である最上もこの状況ならば黒トリガーを差し出していると迅は米屋に語る。

 米屋は三輪の暴れる力が弱くなったのだと力を緩めた後に三輪は暴れることはせずに迅が差し出した風刃を手に取る。コレで未来が定まったと迅はホッとする。

 

「そうだ瑠花ちゃん、大変なんだ!」

 

「今が大変じゃないのかしら?」

 

「違うんだよ!(マザー)トリガーの支配権を取られたんだ」

 

「そんな事があるわけ……失礼、林藤から電話です」

 

 (マザー)トリガーの支配権を奪われたのだと言われても奪われたのだと感じていない瑠花。

 譲渡もした記憶が無いのに支配権が奪われるわけがないのだと言おうとすると林藤支部長から電話が掛かってきた。

 

『おい、大丈夫か!?』

 

「敵の襲撃を受けていると警報が鳴っていましたが、私は無事です……なにかがあったのですか?」

 

『雷神丸が急に消えたんだよ』

 

「え……ど、どういう事ですか!?」

 

「メガネくんが(マザー)トリガーの支配権を手に入れたから(クラウン)トリガーが……」

 

「迅、どうなっているのですか!?」

 

「1から言うと母トリガーの支配権が奪われたんだ……」

 

「奪われるって、私はなにも」

 

 なにもされていないのに母トリガーの支配権を奪われた。

 どういうことなのだと詳しいことを聞こうとするのだが迅には無数のボーダーにとって不都合な未来が沢山見えている。中にはスカウト遠征に行っているミカエルの逮捕の未来すら見えている。

 

「メガネくん…………」

 

 それら全てのキッカケはボーダーとブルーフレアの激突だ。

 メガネくんこと修がそうなるように仕向けているのだと修の恐ろしさを感じながらも三輪を引き連れてボーダー上層部のもとに向かった。

 

「迅、大丈夫なのか?今、天羽が検査を受けているが」

 

「天羽で異常が無いならオレにも異常は無いです……それよりも……このままだとまずいです」

 

 上層部のもとに向かえば忍田本部長が迅を心配する。

 人形に変えられていた天羽が現在メディカルチェックを受けている。迅も受けたほうがいいのではないのかと勧めようとするがそれよりもと迅は真剣な顔をする。

 

「それは母トリガーの事か?今調べておるが、今のところこちらはなにかが変わったのだと言うことはないぞ?」

 

「違う……メガネくんはボーダーの母トリガーに大して手を付けるつもりはない。メガネくんは……日本に自分達の存在を証明したんだ」

 

「日本に証明した?彼等は我々ボーダーに認知してほしいと戦っていたのではないのかね!?」

 

「その戦いを日本の偉い人達に見せていたんだよ……オレ達は負けて、ボーダーよりも優れた存在だと見せつけた。ボーダーの要である母トリガーの支配権も奪われた……」

 

 ボーダーは時と場合によっては切り捨てられる可能性があるどころか、ボーダーという組織を維持する事が難しい。

 迅には無数の未来が見えるがその中で修達デジモン軍団と政府が手を結んで日本という国の代表として修達の遠征を許可し、近界民でなく1つの国として見定めて貿易を結ぼうとする方向性に向かっているのだけが確定である。対応策の1つや2つを練らなければならないのだが時間があまりにもない。ボーダー本部を襲撃されたのでそれの修復などにも時間を使わなければならず第二の矢が放たれる。

 

「……」

 

 翌日にボーダーの屋上にグランドロコモンが走ってきた。ボーダーの外務担当の唐沢はこれから起きる出来事を予測している。

 

「やぁ、どうも」

 

「…………どうして君が?」

 

「俺はコレでもここのエンジニアチーフの1人なんで」

 

 グランドロコモンから降りてきたのは麟児、修、桜、神堂の4名である。

 何故に修が降りてきたのかと思ったので聞いてみれば修はすんなりと答えて奥への案内をしてもらう。

 

「つまらん胡麻擂りや腹の探り合いは不要だ……コレを見ろ」

 

「……コレは……」

 

「桜」

 

「色々と事細かな事が書かれてますけど……神堂財閥は日本政府と提携し、神堂財閥の人間が日本と言う国の代表として近界民……いや、異世界の国に対して貿易をする。ボーダーは過去に連れ去られた人達の救出の遠征及び三門市の防衛に専念しろ。断るというのならばボーダーは民間組織でなく日本政府の地球防衛軍に切り替わる…………まぁ、大分甘い気もするけどそんな感じです」

 

 1枚の書状を城戸司令に渡した。色々と事細かな事が書かれており神堂は桜に掻い摘んでザックリと教える。

 城戸司令はその事を聞いて眉を寄せることはしない。事前に迅からこういう感じの事が起きるのだと聞かされていたから。

 

「何故、我々が代表ではなくそちらが代表だ?納得の行く理由を求める」

 

「雨取」

 

「リロード、モニタモン」

 

「どうもっす」

 

 日本という国の代表が自分達でなく神堂財閥な理由を聞いた。

 神堂は麟児に声をかければ麟児はデジヴァイスを取り出しモニタモンをリロードし、モニタモンは顔の液晶から政府の偉い人を映し出す。

 

『君達の勝手な行動を見させてもらった……いや、知ったと言うべきか。秘密の組織だったボーダーは勝手に同盟を結んだ……日本という国と提携させる様に上手く誘導することも出来なかった。そして今回、話し合いが通じる向こうの世界からの使者を始末しようとした。向こうの世界の事情を聞いて、日本という国は異世界、近界(ネイバーフッド)の何処かの国と和平や同盟を結び貿易をする……無論、君達の存在は無碍にしない。ただ遠征をする上では君達よりもブルーフレア、クロスハート、トワイライト、サイバーネイチャー、リベリオンの5つが確実である事を昨日、証明された……コレは私の独断でなく私達の意見を纏めた結果だ』

 

 政府の偉い人の後ろに複数の人が映し出される。

 昨夜の激闘、いや、蹂躙の光景をモニタモンを経由して日本政府に見せつけた。その結果、日本の政府はボーダーという組織でなくデジモン軍団を引き連れている修達を選んだ。ある程度は話を聞いてはいるが、いざ近界民が現れたのならば話し合いをせずに最初から居なかったのだと排除する、そういう風に行動しているのだと聞かされている。

 

『言っておくがコレはかなりの譲歩だ……ボーダーという組織はトリガーという特異性があるからこそ成り立っていた。近界民という敵が居るからこそ成り立っていた。だが、異世界には国があり人間が生きていて交渉することが出来ると言うのならば民間に委託するのでなく政府が動くべきことだ。君達は民間の組織ならば尚更だ』

 

「…………何故ボーダーを力で傘下に置こうとしない?」

 

『それは君が考えている通りの事だ。君達が拒むと言うのであれば他国と結託させてもらいボーダーの解体を命じる……子供達にとっては勧善懲悪のヒーロー、この国が下地が完璧でないのに異世界から軍事侵攻を受けていると大々的に報じれるわけがない。交渉の余地がある近界民が居るのであれば交渉をする…………異世界との貿易を取り日本、いや、世界が抱えているエネルギー問題等を解決する』

 

 日本はその問題を解決した国として更には栄える。

 日本という国をいい方向に向かわせようとしているのは分かるのだが悪役っぽい風に言っている感じが凄まじい。

 モニタモンを経由して政府の偉い人との対談を終えた。

 

「5つの軍団は政府公認の近界民討伐並びに遠征部隊でもある……コレでお前達がトリガーを取り上げる事は出来なくなった……神堂財閥は出資でなくトリガー開発を共同で行うことを要求します」

 

「成る程……でしたらこちらにも技術提供を、そちらの持つトリガーを」

 

「無理だな……俺が交渉のカードに出すのは母トリガーの使用権だ」

 

 修達と同じ力を手に入れれば、なんとかと思っていたが修が交渉のカードに出したのは母トリガーの使用権。

 今は何事も無かったかの様にボーダーという組織が運営をする事が出来ているものの修が奪ったコードクラウン、もとい母トリガーの支配権は修の手にあり修が使わせないと言えばボーダーという組織は停滞する。

 

「デジモンに関しては研究はさせないししちゃいけない……デジヴァイスは人間の心のエネルギーとも言えるデジソウルに反応する。精神エネルギーであるデジソウルは人間の心から生まれるもので、一歩間違えれば歪んだ暴走したデジモンが誕生する。現に俺も捻くれてるから若干だが歪んでいる」

 

「デジモン……トリオン兵ではないのか?」

 

「モニタモン」

 

「誰か、スマホとか持ってないですか?」

 

「あるが……どうしたんだ?」

 

「私達はデジタルモンスター、トリオン兵ではございません」

 

 唐沢が出したスマホの中にモニタモンは入った。

 どういう事だと目を見開くボーダー上層部、コレはトリオン兵ではないのだと証明をする事が出来たのだとモニタモンは麟児のもとに戻る。

 

「色々と言いましたけどボーダーが今からなにか急変する事は無いですよ。今まで通り組織は運営する……でも、遠征にだけは色々と口出しをする。あくまでも拉致されたかもしれない人達の探索は認めるけどもこっちの世界や日本という国の代表として出るってなら話は別だ。向こうの世界に日本代表として出るのは神堂財閥の春永桜だ」

 

「……君ではないのか?」

 

「俺はエンジニアですので交渉関係は桜の仕事です」

 

 唐沢は神堂財閥の代表は修だと思っていたのだが、修ではなく桜である。

 そう言われれば桜に一同は視線を向けるので桜は軽く一礼をしておき話をする。

 

「この前のイレギュラー門は向こうの世界の何処かの国が手口を変えてきた……こっちの世界の視察に来たと捉えてます。界境防衛機関が出来てから大規模な侵攻を受けたとは聞いてないのでおそらくはそろそろ誤魔化せない侵攻があると認識している……それに関してどうするか?ボーダーは先の展開が見えるとは聞いているし、こっちにも色々と使える手はあるんでどういう対策するか…………どうするんすか?」

 

 話題はこの前のイレギュラー門に切り替わる。

 その事に関して誰も疑問は持たない。それはブルーフレア等が5つの軍を認知した……認知せざる負えなかったとも言えるが。

 

「それについては……君達の戦力を確認しておきたい。なにが出来てなにが出来ない?」

 

 話が移り変わったが対応をする忍田本部長。

 昨日の時点で色々と凄まじかったが全くと言って底を見せていないことを知っているので確認を行う。

 

「時間を巻き戻したりとか並行世界移動とか色々と出来るけども死んだ人間を生き返らせるとかは出来ねえ」

 

 むしろなんでそこまで出来るのに死んだ人間を生き返らせる事が出来ないんだと修の返答を聞いて一同は思ったが言わなかった。

 

「建物の崩壊とかは時間を巻き戻せばどうにでもなるから住居被害とかはアレな方向で」

 

「だったら昨日壊した基地を修復せんか!」

 

「ボーダーの本部は生体エネルギーであるトリオンで出来てるから無理です……生きてない物の時間は操れるけども生きてるものの時間は操れない。生きているものは時間の概念を崩壊させることで殺したりする出来るんですけど」

 

「また随分と意味が分からんことを……」

 

 時間を崩壊させることはよく分からない、概念的なのである。

今後の展開どうしよっかな

  • 2人まとめては最高さ
  • 那須玲のお尻は素敵
  • 藤丸ののの、ののパイは、おっぱいは正義
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