「お前が千佳が言っていた修くんか?」
「あ、はい。三雲修です」
日野さんは無事に引っ越して数日が経過した。間もなく乙4の試験があるので割と最後の詰め込みをしつつも千佳と交流を保っている。
平和過ぎる程に平和を感じつつも今日も今日とて神社で千佳と会う約束を取り付けていると千佳が見知らぬ人を連れてきた。
「えっと……」
「俺は麟児、千佳の兄だ…………千佳が色々と世話になったみたいだな」
「え、千佳まさか」
「ううん、言ってないよ」
千佳の兄である麟児が現れるというイベントが発生した。
もしかして千佳がアグモン達の存在をバラしたんじゃねえかと思ったが千佳は違うと首を横に振った。大丈夫かな…………流石にデジモンを知られるのはまずい。
「今日はどうして千佳と一緒に?」
「修……2x-3y=12とy=14−4xの連立方程式は分かるか?」
「え〜っと…………」
「無理なら無理で構わない……流石に連立方程式は」
「1つ目を2つ目に代入だから、2xー3(14−4x)=12で2x+42ー12x=12で2xー12x=12−42で、ー10x=ー30、x=3で、xを4にして2つ目に代入だからy=14−4×3で、掛け算を先にするから14−12=2でy=2,xは3でyは2……の筈ですね」
ノート無しで連立方程式を答えろといきなり言われた。
ノート無しでいきなり答えないといけねえのは厄介だけども連立方程式はゆっくりとやっておけば簡単に解ける問題だ……麟児さんは電卓を取り出すけども、連立方程式って電卓で叩き出せるタイプの答えだっけ?
「……合ってるな」
「だから言ったでしょ?修くんは国数英理社の全部の試験で1級を取ってるって…………あのね、修くん。頼みたい事があるの」
「…………俺に勉強を教えてくれ…………」
「え〜っと、何故にまた?」
「兄さん、今年が受験で進学校が本命でこの前の模試でB判定だったんだ…………ここからが勝負の時だから自主的に勉強してるんだけど行き詰まっちゃって」
「模試でB判定なら大丈夫じゃ?」
「確実に受かる範囲内にまで、A判定にまで届けたいんだ。その……汚い話なんだが、今から塾に通う場合だとかなりの費用が掛かってしまってな……滑り止めの普通校はA判定だが、将来の事を考えれば頭のいい高校に通っておかないといけなくて……千佳がお前に頼ればいいんじゃないのかと提案したんだ。試すような真似をしてすまない」
「ああ、いいですよ。引きこもりやってるから学力は大丈夫なのかとか言われるので資格系で黙らせても鬱陶しい事を言ってくる連中も居るので」
ちゃんと勉強出来ているのかとかの五月蝿い連中を黙らせたり、母さんと父さんを安心させる為に漢検とかを受けたけどもそれでもしつこい奴が稀にいる。学校が全てじゃない…………ホントに学校が全てじゃないんだ。子供を学校に縛り付けるならばそれ相応の物を見合わせないといけねえよ?
「っと、流石に神社で中学勉強は出来ないですよね」
「ファミレスか喫茶店で」
「兄さん。この辺の喫茶店とかファミレス勉強するなってなってる」
「あ、じゃあネットカフェ…………は物凄く高いから…………家に来ます?」
勉強するなって言う喫茶店とかファミレス、最近増えてるよな。
色々と考えた結果、家に来るのが1番効率がいいんじゃないのかとなったので家に来ることを提案した。そういえば千佳と仲良くなってから家に呼んだ事は無かったな。家で勉強をするって事になったので早速帰路について家に帰った。
「あら、早かったわね」
「ちょっと予定変更…………この人の勉強を見ることになった」
「修のお姉さんですか?何時も妹の千佳がお世話に」
「母です」
「え?」
「34の母です…………取りあえずは俺の部屋に」
上がってくださいと言って家に上げる。
例によって母さんに驚く千佳と麟児さん。34なのにありえないぐらいに若いんだな。
「聞いてないわよ」
「なにが?」
「貴方に出来た友達が女の子だなんて……千佳ちゃん、可愛いわね」
「俺は可愛い系よりもセクシー系とか綺麗系の方が好きだから…………そういう色眼鏡はよくないよ」
「…………………………………………そうね」
結構、間があったな。よこしまな事を考えているというかおばさん的な感覚が走っているのかのどちらかだろう。
母さんからジュースとお菓子を持って行けと言われたのでおぼんの上にジュースとコップとお菓子を乗せて自分の部屋に向かう前にデジヴァイスを取り出す。
「すまない。暫くは出せねえかもしれねえ」
『気にするな。勉学では誰も力になれん』
何時もの様にアグモン達と遊ばせる予定だったが狂ってしまった。
まぁ、これはこれでありか。代表してハグルモンが返事をしてくれた。勉強関係をデジモンに押し付けるのはまずいよな。
アグモン達も納得してもらったので部屋に入った。
「意外と普通の部屋なんだな」
「あ〜……参考書とかはある程度は電子タイプを買ってますから」
俺の部屋はベッド、机と椅子、テレビとテレビゲーム、本棚、タンスとシンプルである。
後はあるといえばノートパソコンとかがあるぐらいで極々普通の部屋である。麟児さんは俺がガリ勉かと思っていたが、参考書などの少なさから意外そうにしている。
参考書とかテスト対策系の本の一部は嵩張ったり、ちょっと高めな本屋に行かないと置いてないパターンがある。
最近は色々と進んでいると電子書籍タイプの試験対策の本が存在している……ホントに便利だよ。
「国数英理社で1級取れたんで、今は年齢制限が無いタイプの勉強してるんですよ……」
「乙4?」
「持ってたら確実にガソリンスタンドのアルバイト受かりそうな資格です……時給が上がります」
「……………そうか……………ガソリンスタンドで働きたいのか?」
「いえ、将来の役に立ちそうな物を選んでます……俺達が大人になる頃には車の免許は職場に行く為だけに必須で、何かしらの資格は持って当たり前な時代になりますよ」
「……資格か…………」
「兄さん、受験勉強だよ?」
ガソリンスタンドの資格について少しだけ興味を示す麟児さん。乙4さえ持っていればガソリンスタンドの時給が上がる。
千佳に言われたのでハッとなった麟児さんは志望校の過去問を取り出した。あ〜はいはい、コレぐらいだな。
「仕事と仕事率を図る問題で……」
「4Nですね」
前世でちょうど勉強していたレベルのところだったのでスラスラと答えていく。
科学関係の問題は割と問題無い……石神千空並の知識があるから科学関係はちっと強いぞ。ただまぁ、七海龍水の知識は役立たない。アレって七海龍水の欲望があってこそ生きるタイプの知識だからな……そもそもで彼奴の知識って金あるの前提だし。
「……スゴいな…………俺よりも上だ……わざわざ小学校を通うのが馬鹿らしいのも分かる」
「に、兄さん。ダメだよ、そんな事を言ったら」
「いや、逆だ…………日本の教育は一律、皆一緒が普通だが、修の場合は実力主義なところに行った方がいい。ただ普通に学校に通わせたら才能を腐らせる」
「母さんと父さんとか隣町の蓮乃辺市に引っ越してきた日野さん達も似たような事を言ってたけど……海外怖いところだからあんま行きたくねえ」
「……勿体ないな」
「今のうちに出来ることはやっておきますよ……それにこういう風にやってるからなんだかんだで麟児さんに会えたんです。麟児さんはラッキーって考えといてくださいよ」
俺の場合は色々とズルをして、2度目の人生だからな。
飛び級の制度があるところに行って頭角を現した方がいいと麟児さんは勧めてくるが、海外は怖い……鉄子とお兄さんは銃を向けられた事が結構あるって言ってたから、行きたくねえ。治安が悪い地域ってマジで治安悪いからな。
コカイン的なのも国によってはセーフとか15で車の免許取れる国とか地域あるからな、マジで。
……マジで日本人の一般家庭に生まれて良かったと思うよ……前世は色々とクソだったからなぁ……まぁ、思う存分に復讐を果たしたからその辺の憂いは無い。後悔も無い。
「修的にはやりたいことはあるのか?」
「やりたいこと…………その手の質問は正直困りますよ」
世の中、やりたいことはあっても様々な事情で出来ない事が多々ある。
親に対して色々と迷惑を掛けていると自覚している自分が居るから下手なワガママは言えない。フィギュアスケートがやりたいとか言えば確実に大変な事になる……悟りを開いている捻くれ者はその辺りを割と気にしている。というか気にしねえといけねえよ。
俺の場合は…………金?…………いや、違うな。
極端な話、ゲーム関係の会社を立ち上げるぐらいならば素人ゲームのコンテストに応募したりすればいいだけの話だ。
こち亀の両津勘兵衛がゲームを作ってそれの利権を売って数百万の資金を得た後にそれをベースに起業したって言ってた……俺は会社を起こしたいのでなく、ゲーム関係のエンジニアとして働きたいんだよな。でも、ゲーム好きとかアニメ好きはアミューズメント産業の会社はお客様としては喜ぶけども社員としては喜ばないってパターンが多いからな。
「う〜ん……………………あ〜……………………VRMMOを作る?」
「VRMMO…………ってなに?」
「VRは分かるか?」
「えっと、眼鏡みたいなのを装着してゲームの景色を見るやつだよね?」
「その認識で間違いねえ……VRMMOはスゴくざっくりと言えばインターネットの世界に意識をダイブさせる物だ。スパイキッズ3って映画で出てくるから詳しくはそれを見てくれ」
「VRは大手のゲーム会社やテーマパークが実装しているが、VRMMOはどうなんだ」
「いや〜……架空の物ですよ」
複数の意識を別の次元に、しかも1つの次元に持って行くって言うのはなんだかんだでオーバーテクノロジーだ。
人の意識や思考は脳波等で分かるとかあるけれども細かなところは分からねえ………………いや、待てよ?
「……VRMMOだよな……」
デジモンシリーズのデジモンストーリーサイバースルゥースとハッカーズメモリーはVRMMOを実装している。
デジモン関係のゲームは一部は電脳世界に意識をダイブさせる技術をサラッと出している。なんだったらデジモンは電子から実体に、実体から電子になっている…………あれ、もしかしてアグモン達がVRMMOを作る鍵になるのか?う〜ん、まぁ、アグモン達を実験の道具には使いたくねえから使わねえけども。
「VRMMOをよりもカードゲームのアニメでよくあるモンスターを立体映像で映し出す装置の方がまだ現実性がありますよ」
「あっちの方が難しそうだぞ」
「VRゴーグルをセットしてゴーグル越しでカードからモンスターが飛び出す仕組みなら実装されてます……3DSとかに。そこを大きく発展させればゴーグル無しでモンスターを立体映像で映し出す事は理論上は不可能じゃないですよ」
VRMMOよりもデュエルディスクの方がまだ現実性がある。
時間がかかるがデュエルディスクならば確実に作ることが出来る筈だ…………まぁ、仮にデュエルディスクが作ることが出来ても、デュエルディスクにしたら技術が確実に悪用されそうだからデュエルディスクは作らなくてデュエルフィールドを作りそうだけど。アレだったら揉め事は起きなさそうだ。
「カードゲームのアニメでよくあるモンスターを立体映像で映し出す装置が……作れないのか?」
「カード自体に細工をしないと駄目ですね。データカードダスみたいにバーコード的なのをカードにつけてスキャンしてカードを乗せたら機械がカードのデータを読み込んで立体映像で映し出す事が出来ますけどもこの場合だとVRゴーグルをセットした人限定で見ることが出来て、普通の人には、ゴーグルを付けてない人にはなにも見えませんよ」
遊戯王ZEXALのデュエルディスクならば既存の技術を進歩させればどうにかなる。
ただし遊戯王ARC−Vのリアルソリッドビジョンやモンスターの攻撃を受ければ突風が吹き荒れる系の演出は無理がある。
「……そこまでなら行けるのか?」
「ええ、理論上は出来ます。ただカードゲームのアニメとかでよくあるサイズで納まるかって聞かれれば……………世代を跨がないといけないんじゃないんですかね?」
「携帯電話も今やパソコン代わりに出来るスマホの時代だ……30年ぐらいで大幅に技術を進歩させれるし、カードゲームのアニメでよくあるモンスターを立体映像で映し出す装置は俺達が生きている間に作れるんじゃないのか?」
「麟児さん…………まずお金の段階で詰みますよ…………」
お前ならば行けるかもと若干の期待を寄せている麟児さん。俺もそっち系には興味はあるけれどもその手の機材は馬鹿みたいに金がかかる。
そりゃNASAみたいに科学の研究費なら無限に使える悪魔のクレジットカードがあれば研究はし放題かもしれねえけども……うん、やっぱり金である。科学技術と金は切っても切れない関係になるな。
仮に作り上げる事に成功しても正しく管理してくれるかどうかも重要だ。
権利関係は色々と難しい……カードゲームとかでよくあるモンスターを立体映像で映し出す装置が作れるのならば、カードゲーム会社は絶対にスポンサーになってくれるだろうけども、その手の利権を巡ったり、その技術を悪用されそうだ。
仮に実装するとしても公認店の公式の大会の際に貸し出すとか……ダメだな、そっち系は考えるよりも度胸とかのメンタルが居る。七海龍水程とは言わないけれどもその手の技術は作るよりも作った後の方が大変で鬼強いメンタルを持ってないとマネーゲームとかパワーゲームとかされれば確実に負ける。特許を取れば良いかもしれないけども、技術なんて漏洩して当たり前の時代なんだよ。
「何処か幼い子供でも働くことが出来る場所があればいいのにね」
「…………そうだな…………」
千佳。近い将来、そんな組織が出来るんだよ。
まぁ、ボーダーは綺麗な言葉で見繕っても戦争屋だから変に加担したくねえ。原作云々の話じゃなくて、兵器を目的として物を作るのは嫌だ。
確かに近界民は問答無用で侵攻してきて話し合いは不可能なのは分かっている。トリガーという兵器が抑止力になっているのも分かっているけども、好き好んで戦争屋に力は貸したくねえってば。やっぱ作るならばゲームとか遊ぶのをメインに作り上げねえと。
その後も勉強会は続く。
千佳は英語をやったことが無いので今のうちに英語は学んでおいた方が何かといいと英語の教本を手に千佳に英語を教えつつも麟児さんの受験勉強の手伝いをした。
今後の展開どうしよっかな
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2人まとめては最高さ
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