【本編完結】ジョジョの奇妙な冒険RTA 三部主人公チーム全員生存チャート【参考記録】 作:Damned
本当です! 信じてください! するRTA、はっじまっるよー!
前回は
まずは手当をしましょう。【ハイドロ・グラム】のせいで服や露出した皮膚の一部がただれています。この毒性だけはどうしようも無いんですよね……。ガーゼと消毒液、包帯を用意し、虹霓坂は深く呼吸をしました。
>スウゥウウウ──ッ。ハァ──ッ……。花京院、やらないよりはマシだから、少しだけやらせてもらうぜ。
>……ありがとう。手当てしてくれるだけ、僕は嬉しいよ。
>スウゥウウウ──ッ。ハァ──ッ……。
スキル【波紋治療】です。味方の負傷を治す効果があります。覚えたてであまり効果がありませんが、熟練度上げの為にも使っていきましょう。
繰り返し波紋の呼吸をして、虹霓坂はハイドロで負傷した箇所に流していきます。まずは頬と首、次いで右腕を。僅かながらに傷が癒え、次は左腕というところで、虹霓坂も気付きました。
>……まだ新しい傷だな。さっき引っ掛けたのか? 花京院、少し痛いかもしれね〜けど、捲るぞ。
>ああ、頼むよ。
>それじゃあ、行くぜ。ゆっくりやるからな、痛かったら言え──ッ!!
>……これはッ。
『BABY STAND』。例のアレです。
>……なっ、何やってんだよ、花京院っ。この文字、なんで、腕に、
>……ぼくが、やったのか。
>ベイビー、スタンド。この赤ん坊が、スタンド使いだって言うのか……。けど、こいつからは何の気配も感じられねえ……。
はて、スタンド使いか否かを見分ける虹霓坂にも分からないと。スタンドを発動しているかどうかで検出ができるタイプなのでしょうか。
花京院がポケットから折りたたみ式のナイフを取り出し、こちらに渡してきました。
>……そのナイフなら、不可能じゃあね〜な。オマエの筆跡か?
>ああ。しかし、血がついた様子は無い。……ん?
>どうした?
>今、赤ん坊がこっちを見たような気がしたんだ。
>……マジかよ。
虹霓坂が鋭い表情でマニッシュ・ボーイを見遣りました。赤ん坊が咄嗟に目を逸らしますが、本人曰くの『照魔鏡のような観察眼』は誤魔化せなかったようです。お前さっき俺らのことチラチラ見てただろ。
>……おい、ガキ。オマエ、スタンド使いだな。
>待て虹霓坂、言い出した僕が止めるのもおかしいが、やりすぎだ!
虹霓坂が唸るように言って、マニッシュ・ボーイをつまみ上げました。ただの赤ちゃんだとばかりに泣きますが、虹霓坂は容赦しません。
異常事態を察してジョセフが寄ってきて、赤ん坊を奪い返しました。
>何をしとるんだ虹霓坂っ。
>……ジョースターの爺さん。多分だけど、このガキはスタンド使いだぜ。
>何を言っとるんじゃ。こんな可愛い、生後十ヶ月くらいの赤ん坊がスタンドを使えるわけなかろう。
>ちょっと偏見が過ぎるんじゃあね〜かジョースターの爺さん。こんなナリでもスタンド使いだって可能性は十分だと思うんだけど? 生まれつきスタンドが使える奴だっているんだろ。
>もし仮にスタンドが使えたとして、赤ん坊の知能がそこに追いつけると思っとるのか、虹霓坂。殺そうとするなんて考えられんぞ。
>本当に赤ん坊かも怪しいがな。一回ぶちのめして試してみるか?
>待ってくれ虹霓坂。それ以上は……!
>……ああ、そうだな。おいガキ。花京院が寛大でよかったな。オレだったら……容赦しね〜ぜ。
花京院が制止したので、今にも怒鳴り散らしそうな表情のまま虹霓坂は踵を返しました。何もしなければこのまま戦闘パートに入るところでした……。虹霓坂&花京院でこのパーティ破壊できますからね……ハイドロが破壊されなければ。
尚も厳しい顔でジョセフの背を追う虹霓坂に、花京院は悲しげに微笑みました。
>いいんだ、虹霓坂。……少なくとも今は、動く時じゃあない。
>分かったよ。でも、アイツがスタンド使いだと分かった瞬間、オレは本気で殺すからな。
気が滅入っているのは、花京院ではなく虹霓坂の方だったみたいです。承太郎に彼の状態を話しているポルナレフへ、今にも殺しそうな視線を一瞬だけ向けていました。
キリがいいので、今回はここまで。
ご覧いただき、ありがとうございました。
花京院典明にとって、今日の失態は深く心に残っていた。
昨日から連続して見る悪夢のせいで、仲間まで被害を受けてしまった──カラチで虹霓坂と喧嘩した時といい、僕は他人に迷惑をかけてばかりだ。
岩に座り、渡された食事を保持したまま、唇を噛み締める。
花京院の隣に、虹霓坂が座った。少し前に口論したことも気に掛けていないような態度に、こちらがよそよそしくなってしまう。
「どうしたんだい。虹霓坂」
「……オレは人間の感情の機微とか、人間関係の構築とかが上手い方じゃあない。友達だって少ないし、何も考えずに発言して人を傷つけたこともある。けど、これだけはオマエに言いたくて、その、前にオレが本当か嘘か分からないことを言ったのに、オマエはその……だ。ともかく」
脈絡もなくそう語った虹霓坂は、花京院の目を見て断ずる。
「オレは、オマエを信じるぜ。典明」
「……っ、」
感情の機微を察するのが下手だ、と虹霓坂は自らを評した。しかし、彼の口にした言葉は──今、花京院が最も欲しがっている言葉だった。
偶然、と言えばそれまでかもしれない。それでも、花京院にかけられた声が、どうしようもなく嬉しかった。僕はまだ、カラチでのことを謝っていないというのに。
罪悪感と喜びが、同時に胸の中で渦巻く。
虹霓坂に何か言葉を返さなければ、と花京院は口を開いた。開いた瞬間、その目に信じられないものを目にした。
赤ん坊が、その服を留めているピンで、己を害そうとするサソリを、殺したのを。
「こ、この赤ん坊……やはり……」
いても立ってもいられず、花京院は虹霓坂に尋ねた。
「……今のを、見たか」
「今の? 悪い、見ていなかった……」
「赤ん坊が、サソリを殺した。……ジョースターさん、ポルナレフ!」
「えっ?」
ジョセフとポルナレフの声が重なった。やはりこの赤ん坊は普通では無い、と主張するが半信半疑であり、花京院はもう一度、今見た光景を伝えた。
「今、サソリを殺したんです。あっという間に、ピンを使って串刺しにしたんですッ」
しかし、ポルナレフもジョセフも、訝しげな反応をするだけだ。承太郎と虹霓坂は何も言わず、花京院の言葉を待っている。
「花京院、ちょっと待て。何を言っとるんだ?」
「この赤ん坊は、ただの赤ん坊じゃあない。一歳にもなっていないのにサソリのことを知っていて、そして……その小さな手で、殺したんです!」
どこに、とジョセフが腰を上げた。マニッシュ・ボーイを抱えあげ、サソリの行方を尋ねる。この中だと言い、籠の中のタオルを取って漁るが──
見当たら、ない。
ピンで指したサソリの死体がどこかにあるはずだ。目をさらにしてタオルの間も探すが、それでも見つからない。
胡乱げなような、呆れているような視線が注がれているのを感じた。
「……ほ、本当です!」
花京院はマニッシュ・ボーイへと手を伸ばすが、ジョセフが身を盾にして遠ざけ「分かった」と諭すように言った。
「花京院、もういい。やめなさい」
「ジョースターさんッ」
「さっきも言ったが、君は疲れている。明日の朝、また落ち着いてから話をしようじゃないか」
取り付く島もないその言葉に、花京院は再度、声を張った。
「ジョースターさんっ。今、僕は確信したんです! どこにサソリの死体を隠したかは知らないが、そいつはスタンド使いなんです! そして、そのことを証明するものが僕にはある!」
「ッ、待てよ、花京院! そんなの見せたら──」
彼が何をするのか悟った時には、もう遅かった。虹霓坂の静止よりも先に、左腕に巻かれた包帯を解き、ガーゼを剥がす。
その下には、血で塞がった『BABY STAND』の文字があった。
ジョセフたちに動揺の声が上がる。それに構わず、花京院は続けた。
「見てください、この腕の傷をっ、文字を! これは警告なんです……きっと、夢の中で付いた傷なんだ!」
「……花京院。その腕の傷は、自分で切ったのか」
「……え、」
「か、花京院……お前、ついに……」
「Oh my God……」
三者三様の反応に、花京院はたじろいだ。傷を見せたことで、逆に誤解を招いてしまったのだ。
ポルナレフの言うところの、『参っちまってる』状態であると。そう、思われているのだ。
──こうなってしまっては、どうしようもない。
僕は確信したんだ、そいつのスタンドは夢の中のスタンドなんだ、眠っちゃあいけないんです、信じてくれ、と声にならない声で知らせようとする。地面に倒れ込んだ花京院に、虹霓坂は立ち尽くしていた。
それから、ポルナレフが当て身で意識を刈り取ったのだと理解したのは数拍後。
爆発的な怒りが虹霓坂の全身を支配した。
「テメェエエエッ! ふざけんな!」
波紋の呼吸だとか、殴り方だとか、そんな事を忘れて無茶苦茶に拳を振るった。碌に力の入らないフォームのそれを受け止めて、ポルナレフは虹霓坂の手首を掴む。
「アイツはおかしくなっちまった。花京院はもう、旅も戦いも続けることはできねぇんだ」
「何をどう受け止めたらそうなるんだよッ! ……オレはコイツの言葉を信じるぜ。確かに夢の中のスタンドなんざ眉唾だが、有り得ないことなんて有り得ね〜だろ。鏡の中の世界だってあるし、死体を操ることだってできるんだ……! だったら、夢の中に現れるスタンドがいたっておかしくないってことが、なんで分からねぇんだ! 何で、アイツを信じて……」
「虹霓坂、やめるんじゃ。……彼のことは、明日考えよう。花京院を動かすのを手伝ってくれ、ポルナレフ。寝るぞ」
いっそこの場であのガキを叩きのめしてやろうかと思ったが、同じように気絶させられてはかなわないため堪える。
行き場のない怒りが、虹霓坂の奥で燻っていた。
だからこそせめて、花京院を動かすのは自分がやろうと足を動かす。
「お前、そいつの事一人で──」
「うるせぇ。触んな」
ポルナレフの言葉を冷たく跳ね除けて、虹霓坂は寝袋を開いた。そこに花京院を持ち上げて横たえ、ジッパーを閉じる。多少重かったが、彼らにさせるのに比べればずっとどうでもよいことだった。
自分の分の寝袋に潜り、鞄を抱えて目を閉じる。彼のことは明日考える、というジョセフの言葉が嫌に耳に残って、虹霓坂は思わず毒づいた。
「……明日はいつだって来るけど、それをオレ達が見られるかなんて起きてみないと分からね〜ンだぜ」
そして明日を見られないのは、真実から目を背けた者への罰なのだ。
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