【本編完結】ジョジョの奇妙な冒険RTA 三部主人公チーム全員生存チャート【参考記録】   作:Damned

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──侵食され、消滅する。




#25 イロウド・アンド・ディサピアー

 ──訳が分からね〜。

 虹霓坂彩雲は左腕を敵へと向けながら、銃口とその持ち主を睨んでいた。

 こちらの戦術を理解した上での攻撃。『生命の樹(ツリー・オブ・ライフ)』の防御を貫通するほどのスタンドパワー。

 先日の『アヌビス神』との戦いで気を引き締めたつもりだったが──その結果がこれだ。同時に展開できる最大残数である十七枚のうち、八枚を一気に喪失してしまった。

 打開策はある。まだ仲間にさえ見せていない『シールド』を初見殺しで叩きつけ、波紋を流した拳で()()せばいい。まだ秘匿していたかったが、このまま殺されるよりはマシだ。これ以上あの鉛玉を食らうのは自身の命の危機に瀕する、と虹霓坂の勘が言っている。

 そして、その策を確実に通すためには。

「……なあオマエ、」

「お前、じゃあない。貴様は人をそう呼ぶように親に教えられたのか?」

「ああクソ、めんどくせぇな。じゃあレモ。さっき妙なこと言ってたよな。他人のついでがどうとか」

「ああ。他人のお陰で得た能力を、さも自身のものであるかのように振舞っている……、と僕は貴様を評したな」

「あれはどういう意味だ。半年前、オレにスタンドが目覚めたのはオマエが関係しているのか?」

 ここまでヒントを与えれば、どれだけ鈍い人間であっても──いや、この虹霓坂という男は割に賢いのだが──たどり着く。もしかすれば、ジョセフに血縁者の影響で発言するスタンドについて聞いているのかもしれない。

 努めて冷静に、レモは告げた。

「……何か、勘違いしているようだな」

「あ?」

「それを僕が知っていたとて、貴様に教える理由は無い。これから死ぬ人間に、そんな話をしてなんの益がある?」

「……ハッ、なら冥土の土産に聞かせてくれたっていいじゃあね〜かよ。気が利かね〜な」

「ならば言わせてもらうぞ。今の貴様は、時間を欲しがっている」

 そんなものを与えられるほど、僕のスタンドは強力ではないとレモは謙遜する。半分は本当で、半分は嘘だ。レモは自身のスタンドに絶対の信頼を置いているし、何より能力の決定的な相性が虹霓坂との間にはあったからだ。

 この男と()()()やる気はもとより無いが、このあたりが潮時だろう。レモは散弾銃のグリップを往復させ、滑らかな手つきで排莢した。

「先程、冥土の土産を欲しがっていたな」

 己の半身(スタンドのビジョン)が再度、能力の使用のために現れる。

「教えてやろう。【イロウド・アンド・ディサピアー】……これが、貴様を殺すスタンドの名だ」

 散弾銃の引き金が、一切の躊躇を感じさせぬ動作で引かれた。

 

 

 

 

 

 

 散弾をモロに食らうRTA、もう始まってる!

 前回はレモのスタンドらしき散弾を右半身に食らったところでした。ヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)

 デバフがマシマシですね。ステータスアイコンが幾つも点滅しています。これマジ? もらったデバフに対してダメージが貧弱すぎるだろ……。

 

 

【スタミナ消費増加】

【スタンドパワー低下】

【体力最大値減少】

【体力回復量半減】

【スタンドエネルギー最大値減少】

【リロード効率低下】

【シールド耐久値減少】

【ダメージリアクション増加】

 

 

 メケメケメケメケ(SAN値が削れる音)

 この世の全てを凝縮したようなデバフの貰い方なんですがそれは。……え? いや確かに一発目は威力こそ下がってましたけど被弾しました。それでこれだけ貰ってるって一体どういうことですかね。……このデバフのレパートリー、虹霓坂のメタゲーム回ってる?(名推理)

 シールドの耐久値、軒並み三分の一くらいに落ちてますね。花京院に一方的にボコられるくらい弱体化しています。いやハイエロはなんでも出来るチートスタンドなので、比べるのもなんですけど。

 【イロウド・アンド・ディサピアー】と呼んでいましたね。あのショットガン自体がスタンドのようですが、スタンドのビジョンでなく本体(レモ)が持って撃つことに理由があるのでしょうか。本人の方が強いアバッキオタイプとか?

 安定を取って様子見です。RTAやってんのに安定優先するとか何してんのって?

 

 …………。

 

 ………………。

 

 うるせぇ(ギャラクシースーパーホモ)

 

 恐らくですが、シールドキャラに対するアンチピックみたいな存在なんですよね。デバフをマシマシにして最終的に本体を殺すタイプです。スタンドのことなんて無視だ無視!

 多少時間はかかりそうですが、経験値の為ですしそもそもチャートは崩壊しているので続行します。どうせ旅も終盤ですので、攻略的にはうまあじですね(血反吐)。イベントが多すぎるんだよ、それ一番言われてるから。ジョセフも言ってたでしょ百年前の死人なんか持ち出さないでくださいよ。

 【スペクトロライト】ではどうにもならなさそうので、何としても波紋で殴り殺します。いや殺さなくても再起不能(リタイア)にまで追い込めばいいんですが。

 ともかく、可能な限り時短するために突貫します。シールドの残数があと八枚ですが、耐久値がカスなので纏めてどこかで使いましょう。

 前回もらったポインヨで振ったスキルもありますし……どんなスタンドが相手でも馬鹿野郎俺は勝つぞお前(天下無双)。

 デフォルトの身体能力A-に加え、波紋法での身体能力の向上が重なれば、生身とは思えない身体能力を発揮できます。ですが今回、ハイドロは瞬間的にしか使えません。スタンドエネルギーの最大値からして、使ったら秒で消えます。

 虹霓坂が鞄からデザインナイフを出してぶん投げます。【イロウド・アンド・ディサピアー】のパワーとか精密性の確認です。まっすぐ飛んで行ったナイフは手袋に包まれた白い腕に払われて地面に落ちて──数度バウンドしたあと、粉々になって壊れました。これでスタンドの謎解きの一端を手に入れましたね。

 

 

>ほとんど新品のナイフが壊れた……。パワーがあんのか? いや……。

 

>満足したか?

 

>は?

 

>今の行動で、満足したのかと聞いているんだ。

 

>いんや、オマエを一ヶ月は病院から出られなくなるまでぶちのめさないと満足出来ね〜な。

 

>ふ……ははっ! 面白いことをいうじゃあないか。しかし……その状態で、僕を倒すどころか傷すら付けられないと思うがな。震えているし、息が上がっている……貴様のそれは蛮勇だな。

 

>言ってろ、その蛮勇に屈するだけのヤツが。

 

 

 この作品におけるデバフ型のスタンドは、大抵射程か精密動作性に難があります。例えばパープル・ヘイズやグリーン・デイ、バステト女神なんかがその例にあがりますね。三部に出てくるとはいえ、その法則は基本的に変わらないはずです。わざわざ姿を現して挑んできている以上、前者──射程距離が短いと見るべきでしょう。

 やはり近距離パワー型、ショットガンで射程の延長が可能。ショットガンの弾に当たると様々な弱体効果が付与される。大まかにそんなところでしょう。お強い!(白目)倒すことができれば能力のテキストが読めるので、答え合わせはそれまでお預けですね。

 

 

>ふふ……虹霓坂彩雲、怖いか? 僕が。

 

>あぁ? ンな訳。恐怖なんざ、キャンバスの上に置いてきたね。

 

>……勇気とは怖さを知ること。恐怖を己のものとすることだ。

 

>……何が言いてぇ。

 

>判断力を、手足を鈍らせるのは恐怖だ。しかしその恐怖さえも支配した時……真にクリアな感覚でもって全てを動かすことが出来る。貴様は知らないだろうが、ツェペリ家に伝わる教えの一つだ。

>そして、いくら強い能力を持とうが、恐怖を知らない貴様は僕に触れることすら叶わない。感情を制御できないゴミなど、所詮害獣と変わらんということだ。

 

 

 なんだよそれぇ! ツェペリ家ツェペリ家ってなんだよぉ! いつまでマウント取るんだあんたぁ~~ん!? 血の繋がり意識してんのあんただろぉ~!? おぉん!?あぁん!? んん~~?

 ぶっちゃけ相性も含めて最悪なんですよね多分。勝手に生成されたバタフライエフェクト発のキャラ(メメタァ発言)のくせに、ここまでドンピシャに弱点を突くスタンド生成されるの、世界の悪意が見えるようだと思うんですけど。

 デバフと攻撃両立してるせいで、ぶっちゃけ今の状況だと勝ち目が薄いです。たかだかショットガン一発で何枚割れました? いっぱい♡(憤怒)。

 ですが、いちいち排莢するのにポンプアクションが必要な様子ですし、その隙を突いて殴り倒すのが最適解ですね。最悪右腕だけなら吹っ飛んでもいいので。そのための右手(言いたいだけ)。

 

 

>スウゥウウウ──ッ。ハァ──ッ……!

 

>【イロウド・アンド・ディサピアー】。

 

 

 レモがトリガーを絞りますが、その時にはもう虹霓坂はいません。どれだけ生身の反応速度があっても、波紋使いで身体能力A-の虹霓坂に置きエイム以外で攻撃をぶち当てることはできないので無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!! 今までのちかえしをたっぷりとさせて貰おうじゃないですか、経験値置いてけ!

 手早くスライドして排莢。そんな速度じゃ虫ケラも殺せませんよ? もう一発を余裕を持って避け、そのまま顔面にオラァ!

 チッ、銃を持ってない左腕に防がれましたね。ですがそのまま振り抜いて粉砕──あっ。

 

 

>だから言ったろう、貴様は僕に触れることすらできないと。

 

>ぁ……がッ……!?

 

>ここからは、狩りの時間だ。DIO様に仇なす害獣が。

 

 

 

 

 

 

 広がっているのは、正気を失いそうな光景だった。

 

 アヴドゥルと協力し、バステト女神のスタンド使いを撃破したジョセフは、彼と共にホテルとは全く別の方向へと向かっていた。妙な胸騒ぎがする──まるで物語の登場人物のような発言だと一蹴するには、重みがありすぎた。

 先日、仲間を守るために傷を負った彼の言葉が脳裏を過ぎる。彼は怒るでも悲しむでもなく、ただ「油断した」「オマエらが大怪我してないなら」とだけ述べたのだ。肩口から腹まで切り裂かれたにも関わらず。

 自分たちが敵スタンド使いに襲われたように、虹霓坂たちが今狙われている可能性だってある。

 無意識に、想像が悪い方向に向かっていた。

 否──それが想像だけで終われば、どれほど良かったか。

 

「────ッッッ!!!」

 

 『隠者の紫(ハーミットパープル)』が念写した虹霓坂の居場所に辿り着く。目に映るのは白い装いのスタンドと、それに組み伏せられた虹霓坂の姿だった。意味をなさぬ絶叫が、その彼の口からほとばしっているのだと認識するのに数秒かかる。

 しかし、虹霓坂が敵に襲われているということだけは一瞬で理解出来た。

 その手足が、標本のように縫い付けられていることも。

「ははっ、チェックメイトだ。少々手こずったが……DIO様の為に、死ね」

 冷たさの中に陶酔が透ける声。

 その唇が紡ぎ出す言葉など、今はどうでも良かった。自身の目に映る光景の方が、何よりも耐えがたかったから。

 

『友人が殺されたのだッ! 目のひとつぐらいでへこたれるかッ!!』

 ──あの時触れた、恐ろしいほどの強さと、温かさが。

 

『自分のスタンドを把握してなかったオレの責任だろ。そんな顔してないで、とっとと敵スタンドのカラクリを見抜きやがれッ』

 ──黄金のような精神が。

 

 仲間が。

 

 ……また、奪われようとしている。

 

 

 

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