【本編完結】ジョジョの奇妙な冒険RTA 三部主人公チーム全員生存チャート【参考記録】 作:Damned
前回はラバーソールと睨み合った後、ちょっとした打ち合わせをして終わりました。という訳で花京院のケツを狙いに洒落こみ──たいところですが、虹霓坂は朝食を食べています。白っぽいビーフシチューらしきものをご飯に掛けていますね。
シチューを米にかけるなァ!!!!(過激派)
……大変失礼致しました。当方、シチューご飯だけは許せない侍でありまして、あのような愚行は言語道断だと思うのです。
とはいえ、そんな事を気にしている時間なんてありません。食事を終えて部屋に戻る最中に承太郎とすれ違いました。もう
(虹霓坂は日光浴し)ないです。とっとと花京院を襲ってしまいましょう。
そういえば、前回見た方にはわかると思うのですが、
>よいしょっと。失礼しま〜す。
喋るなこのバカ!!!!! 日本人だってバレたらまずいでしょうが! 既に寝そべっている花京院が虹霓坂の方を向きました。
こっちを見るな……こっちを見るなァ! イベント発生したらチャート壊れちゃあ↑う!
>ん……? 君、日本人なのかい?
ほら見た事か! 身体を半分起こした花京院が、珍しそうに声を掛けてきました。えっお前陰キャじゃなかったの?(花京院への熱い風評被害)
イベントだったらとっとと飛ばして戦闘に入りましょう。飛ばせなかったら諦めましょうね、しょうがないね。
>そうだけど。オニーサン、誰〜?
>僕も日本人なんだ。学生のようだし、親御さんと旅行かい?
>いや〜、一人旅だ。そっちも高校生?
平然と話しているように見えますが、虹霓坂の腸はカンッカンに煮えくり返ってそうです。花京院の顔も名前も知ってますからね。虹霓坂が外国にいた理由もわかりそうですし、このまま進めていきましょう。
>奇遇だな。僕も高校生だ。──ああ、僕の名前は花京院典明。名乗らずに失礼な事をしたね。
>オレは虹霓坂彩雲。よろしく〜、花京院。
>こちらこそ。虹霓坂、君は他の国にも行ったのかい?
>おう、色んなところに行ったぜ。親の故郷のイタリアとか、フランス、ドイツとか、ヨーロッパはそこそこの国を旅したな。花京院は旅行なの?
花京院、意外と虹霓坂と仲良くなれそうなのでは? 敵対ルートから入ることは変わりませんが、もしかすると彼のおかげで円滑に加入できるかもしれませんね(下衆な勘繰り)。
>ああ。今回は、特定の目的があってエジプトを目指しているんだ。そうしたら、飛行機が墜落したり、船が沈没したりと不運に見舞われてね。
>そりゃ大変だぜ。エジプトか〜。いい所だよな、あそこは。時に、だけど……。
奇遇なことに、オレが最後に行ったのもエジプトなんだぜ花京院。
衝撃的な宣告をした所で、今日はここまで。
ご覧いただき、ありがとうございました。
ずばん! と音を立ててドアが開いたのに、花京院は困惑しながら振り向いた。
大きめの鞄を斜めに掛けた、目の下の黒い反射避けが印象的な少年だった。どうやら力加減を間違えてしまったらしく、小さな声で「失礼しま〜す」と呟くとこちらへ歩いてくる。
「……君、日本人なのかい?」
声を掛けてしまったのは、久々に聞く日本語のせいだろう。普段ならありえない行動に、自分でも驚いてしまう。
「そうだけど。オニーサン、誰〜?」
純真な子供のように首をかしげ、こちらを見下ろすのはペリドットのような明るいグリーンの瞳。すっと通った目鼻立ちを見るに、異国の血がまじっていそうだな、と花京院は考えた。
「僕も日本人なんです。学生のようだし、親御さんと旅行かい?」
若干ズレた答えを返してしまってから後悔する。今この少年は『誰?』と尋ねたのだ。
しかし、少年の方は特に気にもしていないらしく「いや〜、一人旅だ」と言った。
「そっちも高校生?」
「奇遇だな、僕も高校生だ。──ああ、僕は花京院典明。名乗らずに失礼な事をしたね」
長い間、友人も作らず孤独に過ごしていたからか、少し強引な距離の詰め方で話してしまった気がする。そう考える一方で、少年は花のように笑う。
彼は虹霓坂彩雲、と名乗った。
「よろしく〜、花京院」
「ええ。こちらこそ、虹霓坂」
気のいい返事をし、虹霓坂は隣のサマーベッドに腰を下ろす。
知らない人間、それもこちらから話しかけたのに緊張しながらも、花京院は話題を切り出した。
「君は他の国にも行ったのかい?」
「おう、色んな所に行ったぜ。親の故郷のイタリアでしょ、フランス、ドイツ、ヨーロッパはそこそこの国を旅したな」
花京院の家庭も、年に一度は国外に旅行するが、この少年はそれらも一人でやっているのだろう。同じくらいの年齢に見えるのに。
この時期はまだ冬休みですらない。虹霓坂はただの学生では無いのか。掴みどころのない雰囲気を持つ虹霓坂は、花京院にも質問を返した。
「花京院は旅行なの?」
事実、虹霓坂は彼らがDIOを殺そうとする卑劣な人殺しとしか知らない。純粋な疑問でもって虹霓坂は尋ねたのだ。
「ああ。今回は、特定の目的があってエジプトを目指しているんだ。そうしたら、飛行機が墜落したり、船が沈没したりと不運に見舞われてね」
「そりゃ大変だぜ。エジプトか〜。いい所だよな、あそこは。時に、だけど」
気楽な雰囲気での会話に、虹霓坂が酷く落ち着いた声で花京院を呼んだ。
「奇遇なことに、オレが最後に行ったのもエジプトなんだぜ〜」
「──ッ!?」
花京院が
疑わない理由は見つからない、と花京院は汗が頬を伝うのを感じた。新たなDIOの刺客。もしも
わざわざ花京院の会話に乗ったのは何故か。
「……どうしたんだよ。花京院。警戒すんなよ、少し言いて〜ことがあるだけなんだ。世界にはこんな言葉があるよな。目には目を、歯には歯を。ンでもってさあ〜〜〜」
距離にして数メートルほど離れた状態で、花京院は虹霓坂を睨んだ。
「裏切者には死をってよォ!」
爆発的な加速とともに、虹霓坂が突っ込んできた。やはり近距離型のスタンドなのだろうか。スタンドを出す様子は無いが、こちらが使わない理由は無い。
「『
緑色に輝く、白いラインの入ったビジョンが現れる。得体の知れない相手である以上、そして何よりこちらに襲いかかってきている以上、花京院に手加減する理由などない。
一切の躊躇無く放たれたエメラルドスプラッシュに、足を止めた虹霓坂は落ち着いた動作で対応した。左腕を前に掲げ、それを右腕で支えるなにかの儀式のようなポーズ。『ペルラ・ネラ』と虹霓坂が叫んだ直後、彼に降り注ぐ宝石が全て眼前で叩き落とされる。
「……一筋縄ではいかない、という訳か」
『ペルラ・ネラ』と虹霓坂は呼んでいた。それがスタンドの名前だ。今まで見た法則性──タロットカードをモチーフとした名前──から外れている名称だが、そんな事もあるだろう。世界に二十二人しかスタンド使いが居ないと考えるほど、花京院の頭は固くない。
虹霓坂は驚いた表情で、花京院の顔を見ていた。
「うわうわうわ、当たったら死ぬぞそんなの……猟師のショットガンがチャチに見えるぐらいだぜ」
「襲ってきたのは貴様の方だ」
気を引き締めて、花京院も虹霓坂を睨み返し、どこか緊張感のない彼の表情に眉を顰める。
戦闘経験が少ないのだろうか? 虹霓坂の放つ殺気──と言える程でも無いが──は本物だが、せいぜい『街の喧嘩』程度のものだ。とてもDIOの刺客とは思えない。
あっ、と間の抜けた声と共に、虹霓坂が「花京院」と何かを頼むように伺い見る。
なんだ、この少年は。
「鞄置きたい……ッ! 荷物壊れる……!」
「……………………は?」
戦闘には全く似つかわしくない言葉が、虹霓坂から放たれる。彼はなんと言った? 荷物が壊れるから鞄を置きたい? 今、この状況で?
花京院の中で疑問が数周したあと、それを許諾した。
「いいだろう。だがゆっくりと、妙な真似はするな。少しでも攻撃の意思があると見なしたら、僕は君を倒す……!」
「あ〜、ありがと! 普通に忘れちまっててさぁ」
やはり緊張感が感じられない。花京院は、自身と虹霓坂の気の張り方に天と地ほどの落差があると感じた。
スタンドが強いから慢心している、という風ではない。ただ純粋に己の荷物を案じ、気まずげながらも花京院に尋ねたようだ。先程まで座っていたサマーベッドの上に鞄を置くと、改めて虹霓坂がこちらに向き直った。
「待たせちまったな。花京院、さっきからお願いばかりで悪いんだけど、聞かせてくれよ」
お前、何でDIOを裏切った?
訳の分からない問いに、花京院の頭は今度こそフリーズした。
「何でジョースターに付いたのか知りたいんだよな〜。DIOはお友達なんだろ? その友情を捨ててまでさ、卑劣な連中の味方してんのか分かんね〜んだ。オレ、頭悪いからさ。オマエの口から知りて〜なって思ったんだ」
「は……? ジョースターさん達が卑劣……? DIOが友達? 何を言っているんだ!?」
「ウ〜〜ン、オレが聞きたいのはあくまで、なんでジョースターの味方して、友情を裏切ったのかなんだよな〜。答えるつもりないならいいんだわ」
スゥ、と身体の底から湧き出るような音が、虹霓坂の喉から溢れる。
虹霓坂が何を言っているのか、花京院には全く理解ができなかった。
友達のDIOを裏切った。卑劣な連中の味方をした。ジョースターさん達が、卑劣な真似を? ──違う! 卑劣な行為をしているのはDIOの方で、与えられた『友情』はただの肉の芽による支配だ。
それをこんな風に咎められるなんて、花京院は思いもしなかったのだ。
「話は終いだ。行くぜ!」
「っ、ハイエロファント!」
解けた触脚を掴んで、再び突進してくる虹霓坂から離れる。先程のエメラルドスプラッシュを弾いた能力といい、この少年は危険だ。
近付かず、射程距離を活かして立ち回るのが吉か。だが、早くジョースターさん達に連絡を──連絡は、できない。電話は無いし、周囲に人の気配も感じられなかった。
ひやりと冷たい汗が伝うのを感じる。
「食らいやがれェェエエエ!」
再び突進してくる虹霓坂をすれすれのところで回避する。振るわれた拳に何か異様なものを感じて、大きく移動したのが花京院の身を助けた。そうでなければ、花京院は今の一幕で『終わって』いたのだから。
「バレてんのか、これ。オレの拳は特別製でな、顔面にでも当てりゃあ一発で意識がぶっ飛ぶ──スタンド使いもそうかは知らね〜けど!」
僕は今、スタンド能力を開示されているのだろうか。再三突っ込んでくる虹霓坂にエメラルドスプラッシュを放つが、前に向けられた腕の先、見えない壁に全て叩き落とされてしまう。
「お絵描きしようぜェ……オマエの裏切者の血液が、絵の具だァッ」
明らかにおかしな言葉を口走りながら殴りかかってくる虹霓坂に、恐怖が勝り屋上に取り付けられた貯水槽の上に飛び移る。
得体の知れない虹霓坂の言動に、DIOに操られている時の記憶が蘇る。普段の自分から考えれば有り得ない言動をしていたのに、『まさか彼にも肉の芽が』という可能性へと思い至った。
だとしたら『卑劣なジョースター』『裏切者の花京院』という言葉にも納得がいく。
肉の芽を植え付けられれば最後、彼のように『DIOにとって都合のいい情報』しか与えられなくなるのだ。
ぞっとした。
自分もそのような状態であったことを。
そして、そんな自分を助けてくれた彼を思い出して、花京院は決意する。
──承太郎が、出会ったばかりの僕にしてくれたように。
──僕が虹霓坂の正気を、取り戻させてやる!
「
スタンドの
「何だ? オマエのスタンドが小さくなっていく……」
幸いと言うべきか、虹霓坂は警戒してこちらに攻撃してこない。原始的な素手での戦闘と、攻撃を弾く障壁を張るだけのスタンド故に、ここまで登って来れないだけかもしれないが。
解いたハイエロファントが、屋上全体に密度を持って張り巡らされているのを感じる。ほとんどぶっつけ本番だが、やらねばならない。
全方位からエメラルドスプラッシュを食らわせてやること。それが最速で、最短の無力化だと考えたのだ。後は承太郎に肉の芽を抜いてもらい、日光に当てれば死滅する。ポルナレフの時の記憶から、花京院はそう導き出した。
「訳が分からね〜……。でも、コイツがなんかやべ〜ッてのは分か──」
虹霓坂を囲う触脚から、宝石の輝きを宿したエネルギーが放たれた。全方位から浴びせられたエメラルドスプラッシュに、虹霓坂の姿が飲み込まれる。
フラッシュにも等しい眩しさに僅かに目を細めた瞬間、緑色の奔流が花京院の立つ給水塔を掠めて消え、凄まじい音を立てた。
一体、何が──。
「……跳ね返すのに指向性を持たせようと思ったけど、難し〜ぜ、コイツは。ぶっつけ本番にしては悪くないけどな」
虹霓坂の言葉で、花京院は我に返った。三百六十度から散弾を撃たれたに等しいのに、彼は平然と立っていた。
エメラルドスプラッシュを、全方位からの攻撃を、本当の意味で『跳ね返』されたのだ。
僕の、ハイエロファントが。
「『ペルラ・ネラ』……なんて恐ろしいスタンドなんだ……」
普通の盾のように使ったと思えば、攻撃を反射してこちらに食らわせてくる。どうやら使い慣れていないため外したようだが、もう数度やり合えば直撃コースで跳ね返してくるのではないか。
首を傾げて虹霓坂が否定する。
「花京院、ちょっと違うぜ。『ペルラ・ネラ』だけがオレの能力じゃあね〜な。あれは持ってるシールドの一つだし、さっきのエメラルド? 反射したのも別のやつだし……」
「な、何だって……!」
「オマエのは『ハイエロファント』って言うらしいな。ラバーソールのもそうだったし、もしかして、スタンドってのはタロットの大アルカナから取るのが伝統なのか? だとしたらオレの名前おかしいか?」
戦慄する花京院をよそに、虹霓坂はそんなことを尋ねてくる。
「……それだと、世界に二十二人しかスタンドが居ないじゃあないか。特に気にすることではないと思うな」
「そ〜かぁ? じゃあいいよな。さっき名前教えてもらったし、オレも言うぜ〜。
オレのスタンドは、『
しかしやはり、カードの暗示を持たぬスタンドのようだ。初めて法則性から外れるスタンド使いを見た驚きに、花京院は目を見開いている。
そして何より、『シールド』の多彩さは明確なる脅威だった。それに虹霓坂が『特別製』と称した拳が組み合わさることで、一方的に殴れる優位性を発揮しているのだろう。
「じゃあ改めて──」
「花京院!」
「花京院ッ」
二つの男の声が、虹霓坂の言葉を遮る。花京院は自らを呼ぶ声に、虹霓坂は自らの邪魔をする相手に、そちらへと顔を向けた。
完結後、どれが読みたいですか?
-
三部の後日談の後四部編
-
新しいキャラで吉良吉影滅殺RTA
-
虹霓坂(細部&スタンド違い)での四部編
-
三部主人公チーム滅殺RTA
-
暗殺チーム生存RTA