【本編完結】ジョジョの奇妙な冒険RTA 三部主人公チーム全員生存チャート【参考記録】   作:Damned

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──酷く脆い運命の意。




#30 センチメンタリスティック・フェイト

 『生命の樹(ツリー・オブ・ライフ)』は、なにものも破る事の出来ない堅牢な盾である。

 虹霓坂彩雲はそう、自覚していた。

 しかし、自分の操っていたその『障壁(シールド)』は、例えるならばコップについた水滴程度でしかなかった。花京院や承太郎といった現在は仲間である存在との敵対や、道中での戦いを経て、コップの中の水でさえ扱えるようになっていた。

 少し前までの自分とは比較にすらならない──能力も、経験も。自身の潜在能力という器の中の水を、一気に飲み込み己の身に注ぎ、染み渡らせたと自覚している。

 それでも、足りなかった。

 血の宿命という糸に対し、虹霓坂は抵抗にも満たない惨めな敗走しかできず、そして絶対的な力の差を知ってしまった。

 ジョセフに聞いたところ、血縁者にスタンドが発現した場合、その影響でスタンドが目覚めることがある。故に、どちらかが発端で連鎖的にスタンド使いになったことは否定できないという。実際、DIOの──否、ジョナサン・ジョースターの肉体の影響を受けて隠者の紫(ハーミットパープル)を発現したジョセフが言うのだから実感がこもっている。

 だからこそ、虹霓坂はレモの影響で発現した、言うならば『子』のような立場であるし、『子』は『親』のスタンドには勝てないのではないか。虹霓坂は以前の交戦でそう、身体に刻み込まれている。

 ──恐怖を知らない貴様は僕に触れることすら叶わない。

 ──感情を制御出来ない貴様は虫けらだ。

 ──その能力で全て守れると思っているのなら、それは傲慢だ。

 

 呼吸が、上手くいかない。

 いつものように波紋の呼吸の鍛錬をしようとして、虹霓坂を襲った異変がそれだった。

 通常通りの生活に問題は無い。しかしいざ、波紋を使おうと深く呼吸をした瞬間──虹霓坂の喉はコンクリートを流し込まれたように、吐くことも吸うこともやめてしまうのだ。

 あの時の何かが心的外傷(トラウマ)になったとか、そういうヤツなのか? 楽観的と自他ともに認めてる、このオレが?

 ハヤブサのスタンド使い、ペット・ショップを叩き潰し、敵の脅威はひとまず去ったというのに、虹霓坂の額を流れたのは冷たい汗だった。いつ、どこからアイツが現れるか分からない──アイツはオレを追っている。オレを殺そうと、狙っている。

 ポルナレフには、何かに焦っていると言われた。

 ジョセフには、気が立ちすぎていると諌められた。

 それらの言葉では、虹霓坂の心にある物にはまだたどり着けない。漠然とした不安感だけが全身に重くのしかかっていた。

 ペット・ショップを執拗なまでに潰してしまったのも、そのためだ。動物を人間と同じように見ている虹霓坂は、たとえ敵のスタンド使いだったとして、再起不能に追い込むならまだしも、虐待に等しいことなどしない。──普段の精神状態なら。

 イギーの後ろを歩きながら、虹霓坂はそう思考を巡らせたが、やってしまったことだとすぐに放棄する。だいたい自分には何か策を巡らせたり、分析したりといったことは向いていないのだ。母親の影響で語彙力だけはそれなりにあるが、咄嗟のところで出てこないあたり、あくまでそれなりなだけである。勉強も人並みだ。

 オレが出来るのはキャンバスに『感覚』で投影することだけだぜ──気取ったような言葉が出て、ヘッと鼻で笑う。

 随分とセンチメンタルになったものだ。

「虹霓坂。どこを迷っておったんじゃ」

 温厚さと渋さを兼ね備えた声が、虹霓坂に掛けられた。今思い悩んでいる呼吸の──波紋の師とでも言うべき存在であるジョセフだ。

「ジョースターの爺さん。いや、気になるモン見つけてそっち行っちまったらよォ〜、皆のこと見失っちまってさ。あ、でも一人じゃあないぜ〜。イギーと一緒に居たからな」

「そういう事じゃないぞ、虹霓坂。敵スタンド使いに襲われたらどうするんた」

「その敵だったら、もう終わったぜ。……オレとイギーで仕留めた」

 殺した、という直接的な言葉を使わなかったのは、昨日の一件があったからだ。やった事に変わりはないが、少しでも自分がかりかりしていると思いたくなかった。

「な、敵スタンドと!? ……いや、今は無傷で帰ってきてくれたことを喜ぼう。こっちもお前さんに話しておくべきことがある」

「話すべきこと? DIOのアジトが分かったとか?」

「大まかに言えばな。……お前さん、物乞いを敵から逃がしたじゃろう」

「物乞いィ? 覚えがね〜な」

 虹霓坂はペット・ショップから一人の男を守ったが、それが物乞いの男とは知らなかった。単に襲われている一般人を助けた程度の感覚だったのだが、ジョセフの説明に納得したように頷く。

「爺さん、良かったろ? オレが別行動してて」

「結果的には功を奏しておったが、一歩間違えば死んだのは虹霓坂だったんじゃぞ。そんな事を言うんじゃあない!」

「悪かったって、そんなに怒ンなよ。この前の怪我もだいぶ治ったし、今回は……」

「また独断で突っ走ったんですか? 彩雲。君は変わらないな」

 半ば言い訳フェイズに入った虹霓坂の言葉を、落ち着いた声が遮った。文字だけでは冷たいが、その声音には呆れだけでなく、慈しみのようなものも含まれていた。

 虹霓坂は、その声の方へゆっくりと振り向く。

 その目で捉えてしまったら、どこかへ消えてしまうのではないか。そんな気持ちが、虹霓坂の中にあったから。

 学生服に身を包んだ長身。日本人には珍しい赤毛に、ふわふわとした長い前髪。すっとしたクンツァイトのような瞳は、サングラスが外れるのに伴って、ゆっくりと現れた。

 それが誰なのかを理解した瞬間──虹霓坂は、飛蝗もかくやというような勢いでもって、彼へと抱きついた。

 

 

 

 

 

 

 DIOの館にカチコミをかけるRTA、はっじまっるよー!

 前回はイギーをストーキングしたあと害鳥(ペット・ショップ)をしばき回しました。今回のAIがポンコツだったのと、何よりイギーが手伝ってくれたお陰でサクサクッと終われましたね。や っ た ぜ 。

 ついでにイギーの好感度が悪くないことも確認できました。これでDIOの討伐にも協力してくれるはずです。

 何より情報屋が生還したので、館の特定が早かったことがタイムの短縮につながってうん、おいしい!(味覚障害)

 花京院が合流しましたので、これからDIOの館に向かいます。虹霓坂が大型犬か!? って勢いで花京院を押し倒し抱きしめてたり、花京院は花京院で満更でもなさそうだったりしましたが、RTAなのでスキップします。

 そういえば、花京院のグラサンって目の負担とかそういう理由なんでしょうか? 誰かご存知の方います? いないですかそうですか。

 館に突入する前に、前回の戦闘で貰ったポインョを振りましょう。何ポイント貰ったかも確認していないんですよね、突然死の可能性を常に孕んでいるこの作品で、ポイントの放置は厳禁です(三敗)。

 えー、現在残っているポイントの合計値は三百三十四……何でや阪神関係無いやろ! 前回の余りもありますので、大体二百八十くらい……普通だな!

 これでようやく【ツリー・オブ・ライフ・アヴァロンシェル】は勿論、【虹彩色の波紋疾走(ラルカンシエル・オーバードライブ)】【オプティカル・ライト】──最後のシールドを確保出来ました。どうして全部取る必要があるんですか(正論)と思った方もいらっしゃると思うのですが、【アヴァロンシェル】の前提スキルとして必要です。

 結局アヴァロンシェルどんなスキルだったの? と思う皆様のために説明いたしますと、これは……破格でした。

 

【ツリー・オブ・ライフ・アヴァロンシェル】

 自身ではない、遠くの場所にいる味方に生命の樹(ツリー・オブ・ライフ)のシールドを付与する。このスタンドの究極的な用途であり、要人警護に適しているが、スタンドパワーの消費が著しく対象にできるのは一人のみ。事前に何か本人との『繋がり』になる物を対象に持たせておく必要があるほか、これを使用している間は本体が自身を守れなくなる。

 

 はえ〜すっごい強い……。防御面だけとはいえこんなチートスタンド引いて誇らしくないの? 私が誇らしいです(虎の威を借る狐)。

 ただ、アヴドゥルさんに渡しても効果はあまりなさそうです。なにせ目の前でガオンされてしまいますので、シールドごと飲み込まれるのが関の山です。ですので今回は、物理攻撃で腹をブチ抜かれる花京院に座標特定用の何かを持たせましょう。えー、なになに?

 

【ヘアゴム】

【櫛】

【アイブラック(スティック)】

【メモ帳】

【スケッチブック】

 

 わぁ、これが渡せるものですかー。色んなアイテムがありますねー。こんなに種類多いとは思わなかったぁ。

 これが身につけるもので、それ以外だと、筆記用具もあるんだ。後で、これ渡そうよ。

 

 ファッ!?

 渡せるものが全部お前の彼か? ってくらい重いんですがそれは。もう少し可愛い物にしてくれよ頼むよ〜(懇願)。虹霓坂どうにかしろ(無責任)。でもこいつ自分からそんなヤンデレムーブみたいな事するのか(困惑)。どうするんだよ花京院の好感度カンストしちまうよあいつも万年ぼっちで距離感バグってんだから!!!

 とりあえず三部走りきることが目的のRTAですのでそんなこと気にしなくてもいいんですけどね。ほな気にせんでええか(自己暗示)。

 悩んでいる暇もありませんし、この中で一番マシそうな【メモ帳】を渡すことにします。どうせ落書きくらいしかありませんから、制服のポッケにでも入れておけば嵩張ることもありません。

 花京院、お前ちょっとこっち来て飛んでみろ。そうそう、そこでいいよ。

 

 

>なあ典明ィ〜。

 

>ん?

 

>これ、典明に。旅の途中の記録とか書いてある。

 

>……ありがとう? でも、どうして今?

 

>オレすぐ忘れるからさ。今のうちに渡しとこうと思ってよ。読んだら返せよ。

 

 

 それだけ告げて、虹霓坂は花京院にメモ帳を押し付けました。ハイプリに紙類は全損させられていますので、エジプトについてからの記録ですね。そんな几帳面なことしてたんだ……。

 花京院がちょっと目を細めて嬉しそうにしてますよ。やっぱりホモじゃないか(憤慨)。

 館を特定していますので、とっとこ目的地まで向かいます。

 

 

>居る……この感覚は、間違いなく奴だ! 奴は今、この館の中にいる!

 

>我々の旅は……。

 

>ついに終点を迎えたわけだ。

 

>ああ……感じるぜ、オレも。ここにはきっと、アイツもいる。

 

>覚悟はいいな?

 

 

 ついに最終戦です。ここからはヴァニラとDIO、そして今回はレモも倒す、長く苦しい戦いが始まります。原作でもここからバッタバッタ死んでいきましたからね……。

 動画は後半に続きます。次回投稿まで、もう少しだけお待ちください。

 ご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

 

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