【本編完結】ジョジョの奇妙な冒険RTA 三部主人公チーム全員生存チャート【参考記録】   作:Damned

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──闇の中に踊る人形。





#32 パペット・イン・ザ・ダーク

 アヴドゥルが虹霓坂を案じて数分後、彼は重い身体に鞭打って立ち上がった。

 ポルナレフに床へ下ろされてからずっと俯いている虹霓坂は、ぼんやりと濁った緑の瞳に二人と一匹の足元を捉える。そして、躊躇うように唇を固く引き結んてしばらく、匙を投げるように言い放った。

「……数日前、オレがあの男と戦ったのは覚えてるか、アヴさん」

「レモ・A・ツェペリ……君と遠く血の繋がりがあると聞いている。その彼が、何か関係があるのか?」

「オレはただ、アイツのおこぼれを頂戴しているだけだ。生命の樹(ツリー・オブ・ライフ)も……アイツがスタンドに目覚めたのに誘発されて、発現しただけ……だから」

 だからオレは……、

 その言葉は、最後まで形になることはなかった。

 ──アイツに、勝てない。

 その言葉は、自分の心を打つ杭のように、虹霓坂を縛った。

「……ああ、重症だぜこりゃ。この前死にかけたのがそんなに怖いか」

 ──ああ怖いぜ、何たってオレは臆病者だからよ。

 心の中ではそう答えるが、口は重く動かない。頭上にあるポルナレフの顔を見ることもできず、虹霓坂は俯いたままだった。

 そんな虹霓坂の肩を叩いて、ポルナレフは努めて軽く、諭すように言った。

「大丈夫だって。お前はここまで戦ってきた。誰の攻撃だって通さねえ盾があるし、この期間で得た経験だってあるんだぜ? あんま気負うなよ、俺たちが負ける道理はねえ」

「…………」

 下手な励ましを、とつい口をついて出そうになった。しかしそんな言葉は八つ当たりにも等しいし、こうして心配させているという事実がそれを許さなかった。

 ──助けてくれた所に悪いが、もう置いていってくれ。

 ここで詰られようと、あるいは殴られようと構わない。虹霓坂はそう考えながら顔を上げる。

 ポルナレフは渾身の変顔で、こちらを見下ろしていた。

「…………ポルさん。助けてくれたことにも、励ましてくれたことにも感謝するけど……それは何の顔だ?」

「お前を励まそうとしてる顔だぜ。イギーがなんか言いたいらしい、ちょっとしゃがんでやれよ」

 イギーが? 先程の失態に怒っているのだろうか、と虹霓坂は膝をついた。

 恐る恐るイギーに視線を向けると、その目に映ったのはあさっての方向に目を向け、舌を出した間抜け面──イギーは否定したがるだろうが──であった。

「………………」

「おい待てって拳を握るな! スタンド使おうともすんな! いつ敵が来るかも分からないんだぞ虹霓坂っ」

「待てじゃあね〜ンだよポルさん何がしたいんだアンタは、まさかとは思うがこんなくだらね〜からかいの為にイギーまで動員したんじゃあね〜よな?」

「は、はは……いや、な?」

「いやじゃあね〜ぜ、見てたから分かるだろ! オレは今恐怖してンだよ! 精神的余裕なんてこれっぽっちもねえ! 十年以上修練してきたり過酷な人生歩んできたアンタらとは違うんだよオレはっ。街中の喧嘩ならいざ知らず、命のやり取りなんざ初めてなんだよ! スタンドも何も通じずに、爺さんとアヴさんが来なけりゃオレはあのまま死んでた! 弱ェンだよオレは! さっきだって死ぬって思った瞬間足が竦んで動けなかった! 頼むから……頼むから、オレのこと置いてってくれよ、ポルさん、アヴさん、イギー……」

 気付いた時には、手が出ていた。ポルナレフの胸倉を掴んで、懇願するようないろで以て怒鳴る。

 遮光塗料が混じった涙と冷や汗が、虹霓坂の頬を伝って落ちるのを見ながら、ポルナレフは穏やかに微笑んだ。

「ようやく吐き出したな、お前」

 ここまでやった甲斐があった、と。

 もし承太郎ならば「やれやれだぜ」と言わんばかりの態度に、虹霓坂は驚愕を禁じえなかった。

「お前、表情ころころ変わるように見えて、本音は絶対漏らさねえだろ。昨日だって、敵をやったのをすました顔で報告してたが、俺には何かに怯えてるように見えてた。まさか戦ってる最中にそれが出ちまうとは思ってなかったが……良かったじゃねえか、ここで言えてよ」

「……あ、わ、わる、」

「謝んなって、いいってことよ。言わせたのは俺だし、お前もっと他人を頼った方がいいぜ? ……さっき別れる前、花京院がどんな顔してたか覚えてるか? そりゃお前の悩みとか恐怖とか、本当の意味では理解できねえかもしれんが……話してもくれねえ心配ってのもあるんだぜ」

 ずるり、と力無く右手が離れていく。

「確かに、自分だけじゃなく他人の命もかかった戦いだ。死ぬかもしれないし、死ぬより酷い目に遭う可能性だってある。そんな戦いが二つもあるときた。そりゃ恐ろしいし、不安にもなるだろうけどよ……」

 それは、虹霓坂にとっては──

「そう過剰に怖がる必要もねえ。俺も、アヴドゥルも、イギーも、ジョースターさん達だっている」

 もう何年も聞いていない、恩師の言葉に似ていた。

 

 

 

 

 

 

 虹霓坂のメンタルが持ち直したRTA、はっじまっるよー!

 前回はヴァニラ・アイスを倒したり、虹霓坂がテラーで動けなくなったり、それに誘発したイベントが発生しました。サクッと討伐完了しましたが、一歩間違えば全滅ルートだったので肝が冷えました。

 負傷も虹霓坂の小指とふくらはぎをガオンされたくらいで、さっきのようにテラーでも貰わない限りは大丈夫と思われます。全く手間かけさせやがって……。

 虹霓坂も元気なようなので、館の中を進みましょう。前方はアヴドゥルさんとイギー、背後は虹霓坂とポルナレフが警戒します。生物探知機で周囲を探りつつ、DIOのいる部屋へと向かいましょう。ゆっくりと確実に進んでいきます。出会い頭にショットガンでありが……パンパンパン!!! なんて食らったら、この世界の住人といえど死にますからね。

 DIOの立つ階段までやってきました。異様な気配を感じ取り、アヴドゥルさんが立ち止まりました。他のメンバーも同様です。

 

 

>……アヴさん。

 

>ああ。そこに。

 

 

 照明の光を背に、階段の上に立っている人影を捉えます。原作と変わらずDIOです。もしかすると、ここでレモがいる可能性も考えられましたが……杞憂だったようですね。

 

 

>……DIO。久方ぶりだな、このペテン野郎。

 

>おめでとう……誰一人欠けることなく、無事ここにたどり着けたようだな。

 

>ハンッ、祝ってくれるってンなら、アンタの命をプレゼントに寄越しな。

 

>一つチャンスをやろう、虹霓坂彩雲。

 

 

 DIOが一頻り笑った後にそう提案しました。イベント扱いなので、虹霓坂を動かすことは出来ません。素直に×ボタンを連打しましょう。

 既にアヴドゥル、イギー、ポルナレフの三名はスタンドを出しています。虹霓坂は左腕を前に出したり、スタンドのビジョンを出す素振りはありませんが、先程と同じようにテラー状態という訳でもありません。

 

 

>数日前に、グリエルモ──レモ・A・ツェペリという男に会っただろう。随分と痛い目にあわされたようだが。

 

>アイツがどうかしたのかよ。オマエもツェペリがどうとかってほざくのか? 全くもってくっだらね〜話だぜ、百年以上前の事柄で運命がどうとか喋りやがって、あの血族マウント野郎。

 

>事実として、ツェペリの一族がジョースターの力となって死んだことに変わりは無いんだよ、虹霓坂。私もそれを『見た』……。

 

>話はそれで(しま)いか? なら、その顔面に波紋を(たた)っ込んでやるよ。

 

>フン、それがお前の奥の手か。忌々しいツェペリの血め……。

 

 

 おーい、ボソッと言ったの聞こえてますよー。

 虹霓坂が拳を握りましたね。波紋のエフェクトは出ていませんがどういうことでしょう?

 

 

>怯えているのではないか? 虹霓坂。レモ・A・ツェペリに。

 

>……ッ!

 

>お前は優れたスタンド使いだ。あらゆる攻撃を撥ね返すその能力は、何者にも変え難い。私の元に来い……虹霓坂。かつて私の部下がツェペリを殺したのと、同じような末路を迎えたくはないだろう。

 

>………………。

 

>今からでも遅くは無い、私に永遠の忠誠を違うんだ。それに何より……君の求める芸術を、永遠に描き続けられるぞ?

 

>……でぃ、お。

 

>奴の口車に乗るな! DIOはお前を助ける気などない!

 

>オマエ、が……。

 

>虹霓坂! くっ、チャリオッツ!

 

>人がなんのために生きるのか……考えたことがあるかね。人間は誰でも、不安や恐怖を克服して、安心を得るために生きる。

 

 

 ゆらりと虹霓坂が一歩踏み出しました。力無く歩みを進める彼を止めようと【銀の戦車(シルバーチャリオッツ)】が立ちはだかりましたが、【ペルラ・ネラ】に無造作に押しのけられましたね。

 えっこれ大丈夫ですかね? ガチで裏切るんじゃ……いや流石にそれはないでしょう。虹霓坂がDIOに付いたのは騙されてのことですし、今までの悪行を聞いている彼が命惜しさに寝返るなど考えられません。いやでも否定できないんですよね、さっきまでの精神状態を見てるとね……レモ怖いもんね……。

 

 

>……いい子だ。誰だって、他人のために命まで捨てたいとは思わんからな。そして、安心を得るため、最適だった行動が……今回はこれだったという訳だ。

 

>虹霓坂ッ!! 待て──!

 

>【魔術師の赤(マジシャンズレッド)】!

 

>フン、邪魔をする……。

 

>な──!?

 

 

 踏み込んだアヴドゥルさんが、逆に一歩下がっています。瞬間移動じみた現象に三人が驚いていますね。一方で虹霓坂はというと、そんな三人を一瞥しただけで、覚束無い足でDIOのもとに歩いていきます。ここでリセとか勘弁して欲しいんですがそれは。

 DIOは愉快そうに笑いをこぼして、両手を広げます。確かに、アヴドゥル、イギー、ポルナレフ、いずれのスタンドも虹霓坂には通じません。防御力だけで言えば、スタプラでさえ完封できる可能性もあるスタンドですから、彼を手に入れれば勝ったといっても過言では無いでしょうが……。

 DIO、と虹霓坂が静かに呼びました。ポルナレフ達にとって、落ち着き払った声はさぞ絶望的に聞こえることでしょう。

 

 

>どうした、虹霓坂。

 

>【ハイドロ・グラム】ッッッ!!!!

 

 

 ヘッ!?

 虹霓坂が怒気丸出しの声でハイドロを発動し、DIOの顎に掌底が炸裂しました。当たりこそしませんでしたが、明確な焦りの色が見えます。

 ……時止めを食らいましたね。明らかに当たる位置でしたが、当たっていないのがその証拠です。

 

 

>避けると当たらね〜だろうがッ!! テメエのタマキンブッ潰して捻り取ってやるから動くんじゃあねェ!

 

>な、何ぃッ!?

 

LAYEERR(リィイ)ッ!!

 

>ヌウウ……このDIOを騙そうなど、小賢しいマネを!

 

>テメエのせいでこちとら死にかけてンだよ! 一回くらい殴り殺さね〜と割に合わねェだろうが!! だいたい爺さんから聞いてる限りオマエのせいじゃね〜か!

 

 

 振りかぶった拳が空を裂き、DIOはどこかに消えてしまいました。たった十七のガキに騙し討ちされたのが余程堪えたようで、一部を彷彿とさせるオスガキのような表情をしていました。

 えぇ……(困惑)。そんな策を巡らすようなことできたんですか(半笑い)。こっちは肝が冷えるとか冷えないとかそれ以前の問題でしたよ(白目)。

 

 

>チッ、逃げやがって。……とんだ小物だぜ。

 

>こ、虹霓坂……。

 

>アヴさん、騙したの怒ってる?

 

>いや。お前があんなことが出来るとは思っていなかっただけだ。寝返らなくて安心した。

 

 

 大丈夫だって安心しろよ~。虹霓坂はそんな悪役みたいなことしません。仲間仲間、仲間ですから。まあDIOは騙したんですけど。

 ポルナレフが軽く笑いながら背中を叩いてきます。さっきはチャリオッツどかしてごめんね!

 

 

>いんや、気にすんなよ。まさか、あんな方法でDIOを仕留めようとするなんざ思わなかったぜ。

 

>役者もかくやという演技だったな。俺も騙された。

 

>アイツのせいで先祖がどうとか吹き込まれたレモに殺されかけてんだ。不意打ちもイカサマも胸は全く痛まね〜し、全力でブッ殺すに決まってる。

 

 

 なるほど、レモに殺されかけたトラウマから来る恐怖を、怒りに昇華していたようです。裏切らないのなら何でもいいのですが、そこまで心にきていたとは……。

 確かに、虹霓坂とレモの先祖にあたるツェペリ男爵は、少なくともDIO(の手下であるタルカス)のせいで、ジョナサンに全てを託して亡くなりました。シーザーも同様に、ジョセフに最後の波紋を遺して死にました。それらどちらも石仮面、ひいてはジョースター家が関わっていることではありますが、それを『ジョースター家のせい』と捉えるかどうかは当人次第でしょう。

 虹霓坂がそれらの事柄を細かく知っているかは分かりません。しかし、彼の性格であればそんなことを考えるとは思えません。

 

 

>……と、とにかく。敵にならなくてよかったぜ。

 

>違いないな。

 

>アゥーン……。

 

 

 気が抜けたやり取りが、DIOのいなくなった空間に響きました。

 

 

生命の樹(ツリー・オブ・ライフ)】の熟練度がアップしました。同時使用可能なシールドの枚数が二十二枚になります。

 

 

 お! 最終決戦目前ですが、熟練度が上がりました。シールドなんて何枚あってもいいですからね。それにしても、二十二枚ですか……大アルカナと同じ枚数ですね。となると、ここで打ち止めでしょうか? 成長性Bなのでまだ増えそうですけどね。

 ポイントも確認しましょう。今回はヴァニラとの戦闘に参加していないので控えめですね。それでも普段より美味しいんですが。必要なスキルは揃っているので、ポインョは全部パッシブ行きです。

 キリがいいので、今回はここまで。次回は承太郎達と合流しましょう。

 ご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

 






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