なんだかんだ崩壊したまんまの授業を受けつつ、1ヶ月がたった。
携帯を確認すると、ポイントは振り込まれていなかった…否。
ポイントは0ポイントが振り込まれた、ということだろうな…はぁ。
めんどくさい事になったな、ほんと。俺はまだほかにも収入源があるとはいえ、他の奴らは他のやつで大変だろうな…。
学校行くか…
「なあ、比企谷。ポイント振り込まれてたか?」
「おはよう、綾小路。残念ながら振り込まれてなかったな」
周りからも騒ぎ経つ声が聞こえる…阿鼻叫喚だなほんと。
「ああ、やっぱり比企谷もか。堀北もそう言ってたみたいだし、みんな0ポイントみたいだな」
なんか引っかかるような言い方な気もするが、まあいいか。
「やっほー比企谷くん、比企谷君もポイント振り込まれてなかったの?」
「ああ、そうだな。昨日と変わらずだ。」
「やっぱみんな同じなんだね〜、学校側で何かあったのかな?」
「さあね、わかんね。やべ、先生来ちゃった。」
「じゃね〜」
茶柱先生が険しい顔で教室に入ってきた。しかし何も言わない、ただそこに佇んでいる。異様な雰囲気を察してか、段々と席に座って黙る生徒が増えていった。
「センセー、生理ですか?」
…頭おかしいのかマジで…すげーな。この雰囲気の中で言える事も、人にそんなこと言えんのもヤバいやつだ…。
こないだのプールといい、女子から本当にゴミ同然みたいな扱いされるぞそのうち…。
みんな黙った頃に、口を開いた。
「これからホームルームを始める。その前に、何か聞きたいやつはいるか?」
「先生、朝見たらポイントが振り込まれていなかったんですけど、毎月1日に支給されるんじゃなかったんですか?」
「何を言っている。今月分は既に支払われているぞ。正確に、不手際等ではない。」
「なるほど、そういうことだねティーチャー! 理解できたよ。この謎解きがねぇ」ー高笑いしながら金髪の男子生徒、高円寺が発した
いや、あいつもあいつですげーな…心臓どうなってんだ…
「簡単な事さ、このクラスには0ポイントが振り込まれたということだ。」
「はぁ!ちょっと待って下さいよ!毎月10万ポイント貰えるんじゃないんですか!?」
「私がいつそんなことを言った?そんなことは一言も言って居ない。」
クラスに強烈な絶望感が走る。無理もないな、突然毎月10万円のセレブ生活から、一気に極貧生活に叩き落とされたんだから。
「せ、先生。何故僕たちにはポイントが支給されなかったんですか?」
代表するよう平田が質問した。
「はぁーー本当に愚かだな、お前らは。遅刻欠席98回、私語や携帯を触った回数395回。1ヶ月で、だ。」
はー、これクラス全体かよ…流石に個人レベルの話だと思ってたわ、クラス単位かよ…。
「貴様らのような愚かな生徒に10万も払い続ける程この学校は愚かでは無い。何処にそんな価値があると言うんだ?」
「せ、先生!なんで僕たちに教えてくれなかったんですか!教えてくれたらもう少し…」平田が悔しそうな表情で噛み締めるように言う。
「教えてもらわなきゃ分からないのか?高校生として当然のことだろう?小学校、中学校で学んだはずのことだろう?」
あまりにも強すぎる正論…そりゃそうだ。平田も悔しそうな顔をしながら黙ってしまった。
「それに、気づいてないお前らが悪い。気づいてた生徒だって居るぞ?なぁ、比企谷?」
そこで俺に来んのかよ…クラスのやつがすごい勢いで俺らの事睨んでくるんだけど。
「なんだよ、気づいてんなら教えてくれりゃーいーじゃねーか。」
と、俺の事を避難する声が上がる
「随分とみっともないねぇ、君たち。大体比企谷ボーイは何も悪く無いはずだけれどね?」…まさかの所から助け舟が来た。
「そうだよ、比企谷君は悪いことしてないんだし、攻めるのは違うと私は思うなー?」…櫛田からも助け舟が。
「あー、そのなんだ。来月10万貰えない事には半ば分かっていたが、クラス単位だなんて知らなかったんだよ。第一確定した事でもないし、伝えてなかっただけだ。」
…未だに睨むような視線で刺されているが、まあいいだろう。
「お遊びは終わったか?さて、本題に入ろう。」
Aクラス910cp
Bクラス570cp
Cクラス400cp
Dクラス 0cp
「CPは、クラスポイントの略だ。このポイントを100倍したポイントが、お前らには振り込まれる。」
どんどんと、どよめく声が大きくなっていく。それと同時に絶望するような表情のやつも増えていく。
「あ、そうだ。進学率、就職率100%という特典は、Aクラスにのみ与えられる。また、cpを多く持つクラスからA.B.C.Dと振り分けられる。」
更にどよめきの声があがる。そりゃそうだよな、それを目当てに来たやつも多いだろうから。
「もう気づいただろう?優秀な生徒はAクラスに、ダメな生徒はDクラスに配属される。また、過去に5月の時点でcpが0のクラスは存在しなかった。どういう意味がわかるか?お前らは最低最悪の不良品、って事だ。」それだけを言い残して、茶柱先生は帰っていった。
このクラスに残ったのは、どうしようも無い絶望感に打ちひしがれる暗い空気しかなかった。