「ねぇ、この後どうする?」
サイゼリアを退店したはいいものの、かなり手持ち無沙汰になっていた俺らは行くあてもなく歩き回っていた。
「どーしよーな。ほんとにやることないわ。」
案外急に休みになったからと言って、やることもそれほどないのが現実だな。何も退屈な訳ではないんだけど、買いたいものもやりたいこともないと暇で仕方ないんだよな。
「まあ、色々なとこ見て回るのも悪くないかもね?一緒にブラブラしよ?」
「ま、それもそうだな…」
太陽バックだからか分からないけど、いつもよりめちゃくちゃ可愛く見えんな。いやほんと何考えてんだって話ではあるけどな?光り輝いて見えるわ…。
「ね、どうしたの?ぼーっとして。私にでも見惚れちゃった?なぁんてね」
「ああ、そうかもな。桔梗綺麗だし」
マジで何言ってんだ俺は…1回頭冷やした方がいいなこれ。
「もう…ホントに言われると思わなかったじゃん…」と言いながら腕をぎゅーっと組んできた。
なんというか…すっごいんですけど、わざと?いやわざとだよね?めちゃくちゃ当たってるし…。俺のこと好きだろ、こいつ…。チラッと見たらめちゃくちゃいい笑顔だし。
「ねーね、八幡。私といて楽しい?」
「おう、そりゃそうだろ。第一、嫌だったらとっくに逃げ出してるっての。」
「まあ、それもそっか。私も八幡といて楽しいよ〜」
「おう、そりゃどーも。」
「こんな抱きつき方したのだって初めてだもん。他の人にやるのは嫌悪感ってか、なんかすっごい嫌だけど。八幡なら寧ろこうしてたいな?」
「ほんっとに一々言うことが可愛すぎるんだよ、お前は。」
一々悶えさせに来るのやめよう?ヒッキーの理性とか色々爆発しちゃうからね?
「八幡に可愛いって思って貰えたなら良かった。なーんて」
「誰から見ても可愛いんじゃねーの、知らねーけど。」
むしろ得意分野だろ、そういうの。みんなの櫛田だったらいかに可愛くあざとく振る舞うか、とかな。
「そうだけどそうじゃないの!もう」
乙女心って難しいね、わかんね。まあ楽しそうだし、いっか。
「ねえ、夜行きたいところあるんだけど、いい?八幡の夜、ちょーだい?」
「なんじゃそりゃ、暇だからいいけど。」
すっごい不純なこと考えるけど、なんかえろいなそのセリフ。めちゃくちゃ可愛いし。
「やった、今日は1日中一緒だね?離してあげないから。」
「離れる気もないから別にいいよ。そこの本屋でも寄ろうぜ、久しぶりになんか買いたいかも。」
「いいよ〜。八幡ってどういうの読むの?」
「読むって言ってもラノベだけどな。」
「後で見せてもらおっと。私も興味あるかも!」
「意外だわ、あんま興味なさそうと思ってたし。」
オタクに優しいギャル的なやつ?まじで本読んでるイメージがないんだよな。
「基本本とか読まないけどねー。ただ何となく、気になるってか。どんなの読むんだろー、ってさ?」
「意外と面白いから、読んでるもんだぞ?俺のでいいなら貸すけど。」
「やった〜!八幡のオススメ教えてね?」
「はいよ、後で教えてやるよ。しばらく買えてなかったし、新刊とか楽しみだわ。」
「なら新刊コーナーでも見に行こっか!八幡が一番好きな本ってなんなの?」
「うーん、難しいな…強いて言うなら、青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない、ってやつだな。」
「うわ、すっごい名前…八幡におすすめされないと絶対手に取らない気がする〜」
「マジで名前に押されないで見てくれると嬉しいわ、ほんとに。」
いいか見ている諸君、絶対に見るんだよ…いや誰視点だよって話したけど。
「そこまで言われたら見るしかないね〜?私の好きなのも探そっと!」
「なら読みやすいやつのが良さそうだな、あんまりにも難しいと頭こんがらがるし。」
「まあそれはそうだね!」
「なんか、どんなのが読みたいとかあるのか?ラブコメとか、ミステリーとか。」
「ミステリーとかよりはラブコメのが好きかも!」
「なるほどな?ラブコメだと…これなんてどうだ?俺の青春ラブコメは間違っている、ってやつ。」
「ならこれにしよーっと。なんかみんな題名が長いね…」
「最近の流行りじゃね?やたらめったら題名長いよな、どこもかしこも。」
「これとかも…待ってこの絵かわいい、ようこそ実力至上主義の教室へ、ってやつ!買っちゃおーっと」
「まあ、自分が気に入ったの買ってみるのが1番だしな。」
何となくハマってくれたらそれはそれでめちゃくちゃ嬉しいしな。自分が好きなものを語り合える、っていいよな。…ぼっちじゃなくなった瞬間に色んな弱さとか、欲求とか出てくるもんだな。
「もう夕暮れだね〜。荷物だけ置いて、一緒に行きたいとこがあるの。行こ?」
「はいよ、ならそーするか。」
「うん!八幡とデート、すっごく楽しかったよ?」
「……おう。」
次でデートが終わります!ちなみに筆者が好きなラノベを入れてます()