「なあ、桔梗。夜時間ちょうだい、って言ってたけどどこに行くんだ?」
「えー、秘密♡多分悪い時間にはならないから、大丈夫。」
秘密ねぇ…わざわざ夜にだなんて。何するか分からないけど、ちょっとだけ楽しみかもな。
「それなら、楽しみにしとく。そーえば、夕飯はどーするんだ?」
「うーん、どうしよっかな。軽くなんか作ろっかな、今から。」
「なら、頼んでもいいか?」
桔梗の手料理、美味いんだよな…。たまーに作ってくれるけど、俺が作るより余裕で美味いからもう胃袋掴まれまくってるわ。何作るにしても美味いんだよな。
「なあ、何作ってくれるの?」
「生姜焼きにしようかなー、って思ってさ。どう?」
「やった、生姜焼き好きだから普通に嬉しいわ。」
普通に家庭力高いんだよな、こいつ。エプロンとかも似合いそうだし、ほんといい嫁さんになりそう。めちゃくちゃ可愛いし、家事できるし。ほんと、いい女だな…。
「ふふ、私の事見つめてどうしたの?」
「別に……特になんも。ただなんか、似合うなーと。」
「そっかそっか、つまり私に見惚れてた、って訳だ。見惚れてる間にできちゃったよ、ご飯。」
「別に見惚れてるわけじゃねーっての。」
うわ、美味そ…。見てるだけで腹減ってきたわ。別にそんないい肉使ってる訳でもないのに、なんでだろうな。こんな美味いの。
「いただきます……うっま、さすがだな。生姜焼きをこんな美味しくできるのすげーな」
「えへへ、八幡に美味しいって思って貰えるのがいちばん嬉しいな。何よりも嬉しい。」
「そりゃどーも、実際めちゃくちゃ美味しいんだし仕方なくね?」
「花嫁修業の甲斐があったかも?なぁんて。」
「そのおかげで美味いご飯食えてんだから、頭上がらねーな。ありがとさん。」
「どういたしまして!えへへ。すーぐ食べ終わっちゃったね?」
「美味しかったからだろーな。割とぺろっと食べれた。」
「嬉しいな〜、ほんっと。デートの続き、行こ?」
「だな。どこ行くかもわかんないし、連れてってくれ。」
「言われなくたって。少し遠いからさ、一緒に自転車借りて、行こ?」
「はいよ、自分で使うのは初めてだけど、なんかハイテクに感じるな」
「確かに、現金使わないでぜーんぶ携帯で決済だもんね。」
てか久しぶりに自転車乗ったけど、案外疲れんなこれ。体力無さすぎてやばいんですけど。
「街中じゃなくて、外の方に行くんだな?こっちの方に行くのは初めてかも。」
「こっちの方じゃないと見れないんだー、流星群。」
「へー、流星群……は?流星群!?」
「そう!今日ニュースでやってたよ?みずがめ座η流星群ってのが、今ピークなんだって。そのために夜ってわざわざ言ったんだよ?」
流星群かぁ…見た事ねーかも、そんなの。普通に楽しみになってきたわ、流星群。幸いにも晴れてるし、綺麗に見えるといいんだがな。
「よく見てるんだな。流星群とか、見た事あるのか?」
「私はないかなー…せっかくなら八幡と一緒にみたいな!って。」
「なるほどな…」
なんじゃその可愛いセリフは。一緒に見たい、とかさ。ほんっと最近桔梗のことばっか考えてる気がする。
「ほら、着いたよ。せっかくなら寝っ転がっちゃおっか、見やすいように。」
「はいよー…あとどんくらいで来るって?」
「後2.3分。思ったよりギリギリになっちゃったね」
「間に合ってよかったわ。せっかくなら最初から見たいしな。」
「確かに!私はね、八幡と見れて嬉しいよ?」
「んな、ほんと…めちゃくちゃ恥ずかしいんだけどそれ。…俺も桔梗といれてうれしいよ。」
「…うれし。綺麗…それしか言えなくなっちゃった。」
サラッと片腕に抱きついてきてて、流星群だけじゃなくて桔梗にばっか意識がいっちまうんだけど。
「綺麗、ほんっとに。ずーっと見てられそ。」
「そうだね…………ねぇ、八幡。私と一緒にまた見て?そのまま私の隣に居て欲しいの。離れて欲しくない…。私、もう1人で生きてけなくなっちゃったかも。私の隣に、居て?」
ああ、ダメだわ。ほんっとに、それは。ずっと意識してるところにそんなこと言われたら…。
「俺の隣にいてくれ、桔梗。晴れてボッチ卒業だな」
「離してあげないからね。暫くこのまんま居よ。」