拙い文章ですが読んでくれると嬉しいです。
突然だがオレは転生した。
シェム・ハが放った攻撃を残りの想い出を焼却し黄金錬成で防いだ後、エルフナインと対話をし、完全に燃え尽きた筈だった。
しかし、またこの世に生を受けた。
「見てあなた、キャロルが微笑んだわ」
「ああ、今幸せだ」
前世と同じ、キャロル・マールス・ディーンハイムとして。
今世の父親と母親はオレの顔を見て微笑んでいた。
♪
転生してから約5年経った。
どうやらこの世界は前世で見た科学が進歩した世界ではない、中世チックな世界だった。
見たことのない動植物、前世で遥か昔に見たことのある街並み。
どれをとっても現代的なものは見られなかった。
そんな世界にある田舎の小さな村、ローズマリー村に生まれ落ちた。
このせかいでは驚くべきことに現代とまるで違うところが一つあった。
それはこの世界に魔法と呼ばれるものがあることだった。
知ることになったのはオレが4歳になった頃。今世も錬金術が使えるかどうか調べるため、家の裏庭で
「うちの子はこの歳で魔法が使えるのか!天才だ!」
と持ち上げられた。......魔法ではないのだが。
その際に両親の魔法、換装魔法と言われる異空間から武器を出す魔法と、音魔法という探知や衝撃波を放つ魔法を見せてもらった。
これら魔法を使うには体内にある魔力を消費し、実行するようだ。
しかし魔法を多用すると気分が悪くなったり、下手をすれば気絶してしまうようだ。これを魔力酔いと言うらしい。
何かを消費すると言う点で言えば錬金術と同じだ。魔力の代わりに想い出を焼却するのだから。
ただ今世のオレは四大元素をいくら使用しても想い出が消えるなんてことはない。
魔力を使用していると思われるのだが、両親の言った魔力酔いというのも一度も感じたことがない。
この身体に膨大な魔力タンクがあるのか、それとも外部から魔力を取り込んでいるのか、調べないと分からない。研究のしがいがある。
♪♪
さらにあれから5年経ち、オレは10歳になった。
5年で分かったことは色々ある。
1つ目はオレ自身も親の魔法が使えると言うことだった。
換装魔法、これは便利だ。魔道書や錬金術で使えそうな薬草など、様々な物が収納できる。武器だけだと思ったが考えを変えればこんなものだ。
音魔法に関しては探知が有能だ。微弱な波を起こして地形を感覚的に理解することができるのだ。これのお陰で沼にはまったり、自然が作った落とし穴に落ちなくて済んだ。
これら魔法を常日頃行ったとしても魔力酔いのまの字も起きなかった。
両親はそのことに驚きを隠せない様子だった。....オレは異常なのかもしれない。
2つ目は聖遺物について。
この世界には聖遺物と呼ばれる異端技術が存在していないことだ。存在していないと言うよりは確認されていないと言うべきか。
何故ならばこの世界は魔法を使えることが常識なのだ。
聖遺物を利用し、膨大な力を得る必要はない、自分の力で事足りてしまう。
まあ、聖遺物ではなく、魔道具というものがあるらしいがな。
魔道具は魔導士が魔石や術式を道具に付けて、魔力で動かせる代物ならしい。
ダウルダブラのファウストローブを作るには聖遺物の破片が必要なのだが、もしかしたら聖遺物の破片なくともダウルダブラの再現できるかもしれない。
ファウストローブを作成する際にダウルダブラの解析は何度も行った。
近いうちに以前のような出力は出なくとも、似たようなものは作れるであろう。
そのくらいだ。
あと他には.....妹分ができたことか。
「キャロルお姉ちゃん!」
魔導書を読んでいるオレの背中に、赤髪の少女は抱きついた。
「どうしたエルザ」
「えへへ〜なんでもない!」
太陽のような笑顔をこちらに向けてくる少女の名はエルザ。
彼女は村にある教会が経営している孤児院の子だ。教会の入り口に捨てられていたらしい。籠の中にエルザと書いた紙が入っていたからエルザだと。
どう言う経緯で交流するようになったのは、オレがちょくちょく教会の書物を読み漁っていたら、近くでうろちょろしてて目障りだったので追いやったりしてたら懐かれた。何故に。
今年でもう5歳か、時が経つのは早いな。
「キャロルお姉ちゃんおうた歌って!」
そう言ってオレの腹にぐりぐりと頭を擦り付けるエルザ。
こいつはオレの歌が好きならしい。以前歌を唄いながら魔法を使用した時の変化について研究を行っていたら影でオレの歌を聴いていたらしい。それでこのようにお願いするようになった。
「.......昨日も歌った筈だが」
「今日も聴きたいの!歌ってよ〜!」
頭ぐりぐりの威力が上がった。こうなるとエルザは話を聞かない。
どう理屈を言っても聞く耳を持たないのだ。結局オレが折れる羽目になる。オレは前世を含め300の年を重ねている錬金術師、時には折れないといけない。
こういう考えに至るようになったのは、オレに命題をくれたパパ、イザークの「世界を識る」に答えを導けたお陰なのか、それともエルフナイン、シンフォギア奏者のお陰と言うべきか。
だいぶ丸くなったなキャロル・マールス・ディーンハイム。
「はぁ、分かった。歌ってやるからそれをやめろ!」
「やった〜!」
異空間からハープを取り出して弦を弾く。ポロロンと心地よい音が鳴るのを確認して、オレは歌った。
心のどこかで、こんな平凡な日が続けばいいと思った。
キャロルは現代じゃなくてこう言う魔法とか魔術チックな世界の方がいいと思うんです。
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