「キャロル...お姉ちゃん...なのか?」
「久しいな、エルザ」
久しぶりに会ったエルザはあの頃とは違い、背も伸び身体付きが女性らしくなっており、オレから見ても綺麗な女性になっていた。
170くらいだろうか。もう見上げないと顔も見れないくらいに大きくなっている。何故か、嬉しくもあり悲しくもありというよく分からない感情に支配される。
「大きくなったな」
そう言ってガントレットに覆われているエルザの手を両手で握る。エルザの顔を見ると片目から大粒の涙を流していた。
「お姉ちゃん!」
「ぐえっ」
エルザがタックルするかのように抱きしめてきた。チェストプレートがオレの顔面に直撃し、変な声を上げながら地面に倒れる。
「会いたかった...ずっと会いたかった...!」
「分かった、分かったからそこを退け!重いし痛いし邪魔だ!」
「口の悪さも変わらない。あの時のキャロルお姉ちゃんだ...!」
「話を聞いてやしない...!助けろ貴様ら!」
『無理ですはい』
役立たず共が!と怒鳴り散らしたい気持ちを抑えてエルザに意識を向ける。
頬擦りするエルザから離れようとするが、力が強すぎて押し返せない。
「エルザが...あのエルザがぁ...!」
「なんか...本当に、意外って言うか、なんと言うか...」
「それだけ会いたかったってことだろ」
「あいさー!」
桃髪、金髪、紺髪、青猫とそれぞれの感想を述べていた。少しの間会わなかっただけでこれまでべったりになるとは思わなんだ。戻ったらカグラに顔を合わせよう。
「どうしたんですかキャロル!」
「ぐぎぎ...助けろエルフナイン!」
「キャロルお姉ちゃんがもう1人いるだと!」
騒ぎを聞きつけたエルフナインが走ってきた。
それを見たエルザは勢いよく起き上がり、エルフナインに意識を向けた。少し空いた隙間に風の術式を描きエルザを吹き飛ばす。
勢いよく飛んだエルザに再度術式を展開し、ゆっくりと地面に降ろした。
飛んで行った三角帽子を拾い上げ被った後、エルザに近づいた。
「コイツはオレの妹兼助手のエルフナインだ」
「確かに遺伝子構造がほぼ同じなので妹みたいなものですね。ボクはエルフナインです。キャロルからエルザさんの想い出は記憶されています」
「あぁ。...っと、こちらよろしく頼む」
オレはエルザの手を取り立たせると、スカートを叩き、換装魔法でガントレットを外し、エルフナインと握手する。
「で、何故お前がここにいる」
「この馬鹿共を連れ戻しにきたついでに依頼の受けようと思ってだな」
「「すみませんした!」」
エルザはギロリと桃髪と金髪の方を見やる。
睨まれた2人は土下座をしていた。
「評議院からの依頼なのでガルナ島に来たのはボクとキャロルだけだと思っていましたが、他のギルドにも依頼してたんですね」
「オレらに回ってくる依頼は基本何年も達成されていないものや失敗率の高いものだけだ。評議院の屑共はオレのことを便利屋としか見ていない」
「その説は大いにあり得ますね」
そうオレは愚痴を溢す。大体なんなんだアイツら。オレを聖十大魔導の一員にしたいのなら依頼を頼んでくるんじゃない。あとあの男女、ジークレインとウルティアとかいう奴ら。何を企んでいるのか分からん。いけ好かない奴らだ。
「一応貴様らに情報提供だ。遺跡の地下で氷漬けにされている巨大なゴリラがいた。空が紫になるのは恐らくこの氷の封印を解くためだろう」
「そいつの特徴は他にはないか!?」
黒髪の青年がオレの肩を掴み揺さぶる。
目に見えて動揺した様子だ。なにか覚えがあるのだろうか。
「冠に似たなにかが見えたな。氷自体に魔力が宿っていたしな。確実に言えることは」
「はい。あれはゼレフ書の悪魔と呼ばれるものの1つだと思います」
「やはりそうか...!デリオラだ!!!」
「おいグレイ!」
「まってよナツ〜!」
黒髪の青年、グレイと呼ばれた男は遺跡のある方向に走っていった。それに続いて桃髪の青年と青猫も走っていった。猫の方は翼を生やして飛んで行ったが。
「はぁ...仕方のない奴らだ。ルーシィ!」
「はいっ!」
「あの馬鹿共を連れ戻す。処遇はその後だ、手伝え」
「そう言えば先ほど桃髪の男に炎を吐かれたのだが」
「何ッ!?お姉ちゃんに攻撃しただと!?許せんぞナツ!!!」
怒りの表情を浮かべたエルザはあの2人と同じく遺跡のある方へ走り去った。残されたルーシィとオレ、エルフナインは唖然とする。余計なことを言ってしまった様だ。
「とりあえず、あの人たちを追いましょうか」
「あんなこと言わなければこうならずに...」
「なんか言ったか?」
「イエナニモイッテオリマセン」
舌打ちし、再度遺跡のある森へ入る。いつもこう面倒ごとばかり起きる。いつもの事だが疲れるからやめて欲しい。そう思いながらオレたちは足を進めた。
♪
森の中、草木に足を取られない様進むオレたち。ルーシィという女は虫に驚いたり、蔓に足を引っかけたりと忙しない奴だった。
「あの〜ディーンハイムさんは...」
「キャロルでいい」
「アッハイ、キャロルさんって色々な属性魔法を使ってらっしゃいますけど、あれってどういう」
「あれは魔法ではない。錬金術だ」
「錬金術?」
ルーシィは顔にハテナを浮かべた。
オレは空間をなぞり1つ術式を組んだ。
「魔法と言うものは魔法陣を描き、魔力を消費して事を発生させるものだ。今は描く必要ないらしいがな。しかし錬金術は等価交換で事を発生させる。それは記憶だったり、寿命だったりをだ」
「じゃあキャロル、さんは記憶や寿命を削って錬金術を!?」
ルーシィは驚いてその場に立ち止まった。
それに振り返り話の続きをする。
「
「そうなんだ。良かった〜」
「魔力を使用することも、想い出を焼却することもできるがな」
「やっぱ良くない!」
ルーシィはコロコロと表情を変えている。面白い奴だ。オレたちは再び足を進める。少し開けた場所に着くと、複数の石像がオレたちを囲んだ。
エルフナインを庇う様に立ち、攻撃術式を描く。
「姿を現したらどうだ。もっとも、居場所は分かるがな」
「あらあら、それは凄いですわね。これも愛かですわね」
その声が聞こえた後に森の奥から紫髪ツインテールの女が現れた。どこかで聞いたことのある声だ。
「貴様、確か
「!!!これはこれは、かの有名なキャロルさんではありませんか。後ろにいるのはエルフナインさんですか?姉妹愛を感じますわ〜!愛ですわ〜!」
身体をくねくねさせながら愛を連呼する女を見ながらふと前世のことを思い出した。
あの太陽を擬人化した
「(あの人の声、未来さんに似てますよね)」
「(分かるが急に耳打ちするのはやめろ)」
「(ふふっ、そうですね)」
「内緒話をする仲だなんて、これも愛ですわ〜!」
「やっぱりアイツおかしいんじゃない?」
その通りだルーシィ。何故耳打ち程度で愛やらなんやらを語るのか。疑問でしかない。
「ここはあたしがやるわ!」
そう言ってオレたちの前にルーシィが立つ。その手には黄金に輝く鍵を持っていた。
正直面倒ごとを率先してやってくれるのはありがたいのだが。些か時間がかかる気がする。
なので、
「いいでしょう。私の人形にやられ「
「えぇ...」
「これで邪魔者は消えた。先を急ぐぞ」
何事も先手必勝だ。四大元素をツインテにブチかまし、オレたちは歩き始める。目的地は遺跡地下、何事もなければいいのだが。
やっぱ同じ人だと似た性格になるんですかね?私にはよく分かりません。
話数を重ねる毎にキャラクターの思考が適当になるの、あると思います。
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