ボクの魔道具の取引先は魔人族国家アルファ。
魔人族っていうのは古代に一部の適応した種しか暮らせない魔境という大陸に人族が進出、そして適応した種のことだ。海を隔ててある大陸に住む人族は皆肌が白いが魔人族は浅黒い肌をしている。その他にも濃い魔力の影響か寿命が長くなっていたり、魔法に長けていたりするがこれは魔境に住む他の魔族達にもいえることだ。ちなみに魔境で暮らしている種のことを自他共に魔族と呼称することを認めている。(もちろんその中でも魔人族だとか鬼人族だとかいろいろ種類はあるよ)
ボクが今住んでいるのが魔境の極山と言われる山で、魔境の中でも突出して強い魔物が闊歩している危険な場所だ。当時旅に飽きてきていたボクが偶然アルファに寄った時に極山で起きたスタンピードを収めたところにアルファの王族が頭を下げてなんでもするからこの国の防衛を頼みたいと切羽詰まった様子で頼んできたのを引き受けたのがきっかけだった。最終的にはアルファに魔物が降りてくるたびに呼ばれるのが面倒くさくなったボクが、山に家を建て、それを中心にして結界を貼って解決した。それ以降アルファに魔物は降りてないから解決だよね。
さて、目先の問題はそんなアルファの第三王子がボクの庭の罠にかかってるってこと。来客の場合には敷地に入る前に呼び鈴を鳴らせと書いていたはずなんだけどなぁ。念の為に罠は解除せずに起こすか。
「人の家の庭で随分と寝てくれたね。アルファにはそういう文化でもあるのかい? ボクの勉強不足だったかな?」
目を覚ましてボクの方を見ながらアホ面を晒している王子にしゃんとせぇよといわんばかりにそう言ってあげる。
「え、あ……」
話しかけてもはっきりとしない反応を見せる王子に異変を感じ取ったボクはある事に気づいた。
(あ……ボク
ボクは全てにおいて美しすぎるせいか、ボクを見る者は魅了耐性が低いと魅了魔法にかかった時と同じかそれ以上の効果が現れてしまうのだ。だから人と会う時は魔法で容姿を隠蔽したり、仮面をつけたりして誤魔化していたのだが……起きたばかりですっかり失念していた。
(『アルス・マグナ』)
あわてて錬金術で虚空から仮面を創り出して装着する。ついでに精神への影響も考えて念の為にボクの顔を見たことを魔法で忘れさせておいた。すると王子は正気に戻ったのかボクに話しかけてきた。
「おい、そこの魔女。この拘束を解きやがれ」
「なんだこの生意気なガキは!?」
「なんだとてめぇ! 殺すぞ!?」
予想だにしなかった言葉に思わず声が出てしまう。そこから小1時間ほど、ボクと王子は無益な言い争いを繰り広げた。
ちなみに第三王子くん名前まだ決まってなかったりする。王族の名前ってどうつければええんや。
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