縦に開かれた苛烈な印象を受ける目に歴戦の風格を感じさせる頑丈な鱗、その巨体を支え空を支配する巨大な翼。まさにドラゴンといった感じのそれはボクたちを視認するなりすぐに大きな咆哮を上げた。
「なぁ俺にアレをやってこいってマジかよ」
震える手でアレを指差す弟子にボクは笑顔で答えた。
「もっちろーん♪」
最近褒めてばかりで調子に乗ってきてるしね。
*・゜゚・*:.。.。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ウチの弟子がドラゴンにめちゃめちゃグダってくれたのでここからはダイジェストでお送りするよ。
「師匠! これ刃が通らねぇって!」
「ちゃんと魔力使ってるー? 素の剣なんか効かないよー」
「使ってるよ畜生! ……ってうおっ!? ブレスとかもしてくんのな!?」
──ー
「よーしコツ掴んできたぜ。戦いの中で俺に成長する時間を与えたのが運のツキだ!」
「あっ首周りに攻撃する時は逆鱗に気をつけてねー」
「えっ、うおおおぉぉ! 急な暴れんなクソドラゴン野郎!」
「遅かったかー。それにしてもキミ王族らしくないにしても口悪すぎない?」
「うるせぇ! 今それどころじゃねぇんだよ! ってうわっ! 危ねぇ」
──
「へっ、今度こそ追い詰めたぜ。お前の動きはもう見切った」
「おっ成長したねー。じゃあボクの魔法の補助外すねー」
「ちょっ! 身体が急に重くなったじゃねーか!」
「まぁまぁ。コンディションが最高じゃなくなった程度だし大丈夫大丈夫」
「クソアマァ!」
「野郎なんだけどねぇ……いやアマって言っても間違ってないか。うーん……今のボクってどっち扱いなんだろ」
──
「おっしゃあ! 倒したぁ!」
「おー頑張ったじゃないか。じゃああとひと頑張りだね」
「あ? 何言ってんだ師匠。ドラゴンはもう倒したぜ」
「あーうん。そのドラゴンの死体につられていっぱいやってきてるよーって話」
「マジかよ……」
「まぁまぁ今の君なら大丈夫なレベルだから。ほら、襲いかかってきてるよー」
「あぁクソッ! もうやってやるよ!」
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そんなこんなでドラゴン退治+α完了。正直弟子の成長が早すぎて驚いた。平和な今の時代でもこんな逸材がいるんだね。致命になる攻撃はボクが防いであげようと思ったけど出番が全くなかった。約束の期間が終了する頃にはどんな感じになっているのやら……まったく、先が楽しみだね。
「さ、起きろー。山の中に置いていくよー?」
身体と魔力とを酷使しすぎて倒れてしまった眼下の弟子のほっぺたをぺちぺちと叩いて起こしにかかる。ソロだったらここで死んでたね。
パチッ
「あっ起きた。おはよー寝坊助くん」
「おはよう、クソ師匠。あんた終始ほぼ何もしなかったな」
「でも成長できたでしょ? 過剰な援護は成長を妨げるんだよね」
「にしても命懸けすぎんだろ……てか師匠、あんた覚えてるよな」
「あぁそうだったね。君がドラゴンを退治できたらなんでも言うことを聞くって話だったね」
「そうだ」
そう、ドラゴンの巣までの道中、弟子くんにやる気を出させる為にそんな約束をしていたのだ。
「それじゃあその隠蔽がかかってる眼鏡とれよ。師匠の素顔もしらねぇ弟子ってのは気分が悪かったんだ」
あちゃー……最初に会った時に顔見られたのを彼の精神のために忘れさせてたんだけど逆によくなかったかな。
「あーそれはいいんだけどボクの顔は文字通り危険だから気をつけた方がいいよ?」
「かまわねーよ。一応俺だって恩義感じてんだ。どんなにブスだったって笑わねぇって」
かっちーん
……そう言うふうに言われるとムカつくなぁ。せっかくだしついでにサービスしてやるか。
身体を半回転させて眼鏡を取り、もう半回転させてからの全力の決めポーズ。暇つぶしにサキュバスクイーンや人族の令嬢の教育係、その他諸々に仕草や所作のことを学んだボクの最高にあざといポーズである。
そこにボクの最高級の美貌が加わると……
「可愛すぎんだろ……」
バタン
「ボクもつくづくそう思うよ」
当然耐えられないよね。案の定といった展開になったことに軽くため息を吐き、再度意識を失った弟子を担いで家まで転移した。
UAが思ったより伸びないなぁ……。投稿する時間の問題かな?タイトルでドン引き説もある。
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次回は弟子くん視点でお送りするよ!