三日月が目を覚ますと彼にとって懐かしい、クソったれた時代における転機の場所、あるいは数少ない良い思い出の原点であるあの路地裏だった。正確には、路地裏の手前、あと数歩で路地裏に入る距離である。
三日月(...ここは)
三日月(俺が生まれた...)
そこに三日月は自らの半身とも呼べる男の後姿を認識する。
出会ったばかりの頃の姿のオルガ・イツカを、見かける。
三日月(オルガ...?)
オルガ(...)
オルガは振り返るとゆっくりと口を開く
オルガ『おぉ、ミカ』
三日月「ここで何やってんの?ていうか、鉄華団のみんなは?」
そんなことを話しながら路地裏に足を踏み入れようとする三日月
オルガ『まぁ待てよ、お前はまだこっちに来るべきじゃないだろ?』
そんなことを言って三日月を押し返してしまう。
オルガ『あるんじゃねえのか?今のお前には、帰る場所ってやつが』
その瞬間、三日月の頭に千束やたきな、くるみを筆頭に喫茶リコリコの面々の顔が浮かぶ
三日月「うん、そうだね、オルガ」
三日月とオルガは暖かい笑みを浮かべ、腕をあわせる
ねぇ オルガ つぎはどうすればいい?
そんなの 決まってるだろ?
うん そうだね オルガ
目に光が差し込み、誰かの声が聞こえる
「..ろ..づ.」
「おき....き」
くるみ「おきろ、三日月」
三日月「くるみ?」
くるみ「やっと起きたか、もう昼だぜ?」
三日月「うん、ただいま」
三日月は優しい顔をして応える
くるみ「ただいまっておまえなぁ...まぁいい、お昼は出来てるから食べな」
三日月「わかった」
そういって2人は食卓へと足を運ぶのだった
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くるみ「なぁ三日月」
三日月「なに?」
くるみ「この惨状をどう思う?」
三日月とくるみはたきなに呼ばれ、千束とたきなが住んでいるセーフティハウスに来ていた
三日月「...火星みたい」
千束「ひどい!」
普段2人が共同生活をしている部屋だが、千束の魔の手により、壊滅的なまでに散らかっていた
たきな「...というわけなので掃除を手伝っていただけませんか?」
三日月「いーよー」
くるみ「じゃ、わたしはお菓子とジュースでもいただきながら見物しようかな」
たきな「ありがとうございます」
三日月「んじゃリビングやっとくから寝室やっといてよ」
千束「ありがと三日月~」
くるみ「三日月はお人好しだな~」
千束「くるみ!それ私のチョk「千束!」」
たきなに止められ千束は悔しそうにしながら寝室に向かうのだった
三日月がごみを選別しながら袋に入れていき、コップなどの食器類を手際よく水に浸していくのを見ながらくるみはジュースを飲み切る
ペットボトルからキャップとラベルをはずし、軽く洗って袋に入れていく三日月に自然に、何の違和感ももなくさっき飲み切ったペットボトルを未処理の山に加える
そうしてさっき片付いたところのソファーにどっかりと座ったくるみはテレビをつけてうとうとしているのだった。
三日月はその間にもどんどん部屋を片付けていく
三日月(どうやって使うんだろ?これ、いっぱいあるけど...)
千束の映画コレクションを片付けながらそんなことを考える三日月だったが、答えが出ることはなく、山のように積んであったディスクを片付け終えてしまった
その後も漫画に雑誌、ゲームソフトやケーブルなどあらゆる物を仕分け、片していく三日月
三日月(後はこの洗濯物の山を運ぶだけか...)
三日月(これは上着、これは色物、こいつは...まいっか)
そうして何回かに分けて洗濯機に入れにいく三日月だった。
「きゃあああぁぁぁ!!」
千束の悲鳴が聞こえてきて飛び起きるくるみ
くるみ(心地よく寝てたのに!!)
悲鳴の発生源であろう洗面所に向かうとそこには三人が集まっていた
千束「そういうのは見て見ぬ振りしといてよ!」
三日月「むしろこうならないためにリビングを選んだんだけど...」
正論だった、そもそも部屋、いやセーフハウスを片付けなかった千束の怠惰が起こしたことであり、三日月は悪くない
しかし、そんなことは千束も理解していた。理解していたがだからと言ってそれを飲み込むのは感情が許さなかった
千束「そうだけど!!そうなんだけど!!」
たきな「ち~さ~と~?」
たきなが怖い顔をして割って入る
三日月()モグモグ
三日月がチョコレートを一つつまむ
くるみ「やらかしちまったか~?」
片手を出して三日月を煽るくるみ
差し出された手に一つ、チョコレート置くと三日月はドアノブに手をかける
しかし、そこでたきなに止められてしまう
たきな「三日月も三日月です」
三日月「...そういうのじゃなかったと思うけど」
千束「そういうのだよ!」
三日月「え?アトラの時は...」
くるみ「ストップストップストップ!!」
くるみがすごい形相で止めに入る
くるみ「この話題はここで終わりだ!!三日月!その話題は二度と出すな!アトラ?ってやつのためにも!」
三日月「え?あぁ...わかった」
生返事とは裏腹に少し反省する三日月
三日月(アトラのためにも...か)
くるみ(情操教育も必要だな...)
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ジュリエッタ「遠いです。どこまで行く気ですか」
ガエリオ「兵庫だ」
ジュリエッタ「はぁ!?」
ガエリオが運転するバイクに二人乗りしてデートと洒落込んでいた2人
ジュリエッタ「兵庫って、なんたってそんな遠くに...」
ガエリオ「正確には神戸だな。しばらく2人でゆっくりすることってなかったろ?DAの仕事がまぁまぁ忙しかったのもあるが、最近の休日はマクギリスとばかりだったからな...日頃の感謝とねぎらいを込めて、神戸牛目的にまったり食べ歩きも悪くないと思ってな」
ジュリエッタ「肉!それなら仕方ないですね!」
肉、それも本場の神戸牛と聞いて途端にテンションを上げるジュリエッタ
ガエリオ「あぁそうだろう?んじゃ!飛ばすぞ!」
ガエリオが思い切りアクセルを踏む。
ジュリエッタ「ちょっと!いきなり!」
ガエリオ「車椅子時代の仕返しだ!」
焦るジュリエッタとは対照的に無邪気な笑みをうかべるガエリオ
微妙に切符を切られるか切られないかの間を往復する速度のメーター
ガエリオ(...もう少し上げれるか?)
ジュリエッタ「だめですよ?」
ジュリエッタに釘を刺され、ガエリオは切符を切られない速度まで減速するのだった。
ジュリエッタ「おいひいです!屋台でこのレベルとは...」
中華街を訪れ、多少並んでもおいしい肉を食らう二人
ガエリオ「俺たちもだいぶ庶民派になったな...向こうにいたころの料理はもう舌が受付なさそうだ」
ジュリエッタ「昔食べていた食事の方がはるかに高級で良いものを食べていたはずなのに、今ではこういうジャンキーなものしかの方が美味しく感じますね」
ガエリオ「概ね同意だ、しかしお前がその手に持っている肉は高級品に当たると思うのだが?」
2人が適当に食べながら歩くと観覧車が目に入る
ジュリエッタ「あれ、乗りません?」
ガエリオ「観覧車か...乗るのは俺も初めてだな」
ジュリエッタ「でもその前に、あそこのソフトクリームをたべましょう!」
ガエリオ「わかったわかった。元気なもんだなお前は」
ジュリエッタ「そんなおやじ臭いこと言わないでください」
ソフトクリーム片手に観覧車に乗り込む2人
ジュリエッタ「いい景色ですね。向こうの世界では海を綺麗なものとは感じなかったのに...」
ガエリオ「向こうじゃ海でも空でも戦ってたからな」
ジュリエッタ「しかし、数奇なものですね、こちらの世界にきて、出会ったのがあのバルバトスのパイロットとマクギリス・ファリドとは...」
ガエリオ「あぁ、こいつは俺へのボーナスタイムなのかもな」
ジュリエッタ「ボーナスタイム?」
ガエリオ「あぁ、あいつらは俺の転機となった奴らばかりだ、お前も含めて、俺に大きな影響を与えたやつがそろっている。平たく言うとエドモントンの戦いで俺の敵となった奴だな...」
ジュリエッタ「私はあなたに多大な影響を与えた人物といえば、真っ先にアイン・ダルトンが思いつきますが...」
ガエリオ「そうだな、あいつは...いや、あいつも」
そこまで声に出したところでガエリオの携帯に電話がかかってくる
ガエリオ「マクギリス?今日は遠出だと伝えていたと思うが...」
マクギリス『ガエリオか?すまない、旅行中に』
ガエリオ「よせ、俺とお前の仲じゃないか。で、何の用だ?」
マクギリス『こちらで捕捉したアラン機関の連中が...』
ガエリオ「どうした・そんなに言い淀むようなことなのか?」
観覧車は既に終盤に差し掛かっていた
マクギリス「あぁ...連中がギャラルホルンの紋章をつけていることが分かった」
一応落としどころは考えてます