艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜逆襲の未成館〜 作:星龜
深海棲艦との戦争は、和平によって終結した―。
役目を終えた艦娘達は退役し、普通の少女となって、平和になった世界で暮らしていた。
そして、陸上へと移った深海棲艦達のもたらした技術によってプラスチックに反応する新粒子「プラフスキー粒子」により、全世界にプラモデルブームが到来。
その中でもガンダムのプラモデル・通称「ガンプラ」を用いて対戦を行う「ガンプラバトル」が特に大きな反響を呼んでいた。
もちろん、艦娘や深海棲艦達も、このガンプラバトルを楽しんでいた。
しかし、『深海吹雪事件』と呼ばれる事件により、全世界でガンプラバトルができなくなるという事態に陥ってしまった。
それでも、事件が解決してから3ヶ月後、再び、ガンプラバトルは甦ったのだった―。
◇
ゴールデンウィークが終わった2021年5月中旬…
私立暁学園中等部ガンプラバトル部―。
昨年の第14回ガンプラバトル全国大会で決勝まで進出するも、惜しくも準優勝に終わったが、それがきっかけで、電、時雨、夕立の3人しかいなかったガンプラバトル部も、15人の部員をかかえるようになった…
…のは、もはや、過去の話である…。
4月から、ガンプラバトル部の顧問が着任した
のせいで、ガンプラバトル部は再び、寂れ果ててしまったのである…。
何故?
祥子は、それなりに名の知られた、プロのガンプラファイターだった。
暁学園側としては、ガンプラバトル部のさらなる発展のために、顧問として祥子を招聘したのだろうが…
「いいか?
私の特訓についてこれない者はクビな★」
という方針の下、祥子の地獄の特訓により…
1人…
また1人と部員は去っていった…。
1ヶ月にわたる特訓に耐えたのは
部長の時雨
電
夕立
そして、新入部員の龍鳳の4人だけだった…。
そんな5月中旬のある日…
「時雨。
ちょっと来てくれ。」
と、部室でタブレットを見ていた祥子が、時雨を呼ぶ。
「何ですか、先生?」
と、祥子のもとに向かう時雨。
「ウチらに、
と、祥子は時雨に、タブレットの画面を見せる。
タブレットの画面には
来る5月27日に、貴部との対戦を希望する。
未成館中学校ガンプラバトル同好会
と表示されていた。
「何者だ?」
と訊く祥子に
「去年の全国大会の県代表決定戦で対戦した相手です。
その時は、ガンプラバトル部でしたが…。」
と答える時雨。
「何で、ガンプラバトル部でしたって、過去形なんだ?」
と訊く祥子に、その経緯を話す時雨―。
昨年の昨年の第14回ガンプラバトル全国大会に出場する県代表決定戦において、暁学園と対戦したのが
未成館中学校は、ガンプラバトルが隆盛を極める昨今において、ガンプラバトルにはまったく関心が無いという、珍しい学校だった。
県代表決定戦に自校の生徒が参加しているにもかかわらず、学校関係者は誰一人として、試合会場に姿を見せなかったほどだ。
ガンプラバトル部の活動環境も劣悪で、部室に練習用のバトルステージすら無いため、街のガンプラバトルアリーナで練習していたという有様だった。
県代表決定戦で暁学園に敗れたことで、未成館中学校ガンプラバトル部は廃部となったが、のちにガンプラバトル同好会を結成し、活動を継続していたのだった…。
「そんな連中が、ウチに
気にいったよ★
相手してやろう★」
と、返信する祥子。
数分後…
レギュレーションが送信されてきた。
「なにぃ?
と、送信されてきたレギュレーションを見た祥子が、顔をしかめる。
「
じゃ、向こうは6人いるってこと?」
と訊く時雨に
「そういうことになるな★」
と言う祥子。
「何の話をしてるっぽい?」
と、夕立、電、龍鳳も話に加わる。
時雨は、夕立に話しのあらましを話したが…
「う〜ん…
おぼえてないっぽい…★」
と言う夕立に、時雨はあきれた…。
「でも、困ったのです…。
こっちは、部員が4人しかいないのです…。
これでは、試合ができないのです…。」
と言う電。
「なんだろうなぁ…?
まるで
こっちの状況を知っている
かのようなレギュレーションだなぁ…。」
と言う祥子。
「そんなことをして、何か意味があるのですか?」
と訊く龍鳳に
「さぁな★
あらかた、向こうの顧問が
選手層の厚さをアピールしている
んだろうな★」
と言う祥子。
「部員がいないんだったら、新しい部員を捜せばいいっぽい☆」
と言う夕立に
「アテでもあるのか?」
と言う祥子。
「あるっぽい☆」
と、その言葉を待っていたかのように、夕立は不敵な笑みを浮かべるのだった―。
◇
下校時―。
商店街を歩く、夕立、時雨、電、龍鳳―。
「新入部員のアテがあるなんて言ってたけど、本当にあるのかい?」
と訊いてくる時雨に
「まかせるっぽい☆」
と、自身に満ちた笑みを浮かべる夕立。
やけに自信満々だが、基本的に、夕立が物事に積極的な時に限って、たいてい、ロクなことにならない…。
そういう、夕立の欠点を知っているがために、時雨は不安でいっぱいだった…。
◇
翌日の部活で、夕立は本当に新入部員を連れて来た。
「あの…
私…
元綾波型駆逐艦娘の狭霧といいます…。
お手伝いできるよう、頑張ります。」
と自己紹介するのは、元綾波型駆逐艦娘の狭霧。
もう1人は…
「荒潮です~☆
ちょ~っと手強いわよ~☆
よろしくね☆
うふふっ☆」
と自己紹介する、元朝潮型駆逐艦娘の荒潮だった。
本当に夕立が新入部員を連れて来たことに、時雨は驚いたが、問題は、狭霧と荒潮の実力だ。
「先生。
狭霧と荒潮の実力を見たいのですが…。」
と、時雨は狭霧と荒潮の実力テストを進言する。
「そうだな。
と、祥子は時雨の進言を了承する。
「おい。
ガンプラ持ってるか?」
と訊く祥子。
「すみません…。」
「さすがに、学校にガンプラは持ってきませんねぇ…★」
と答える、狭霧と荒潮。
「なら、どんなガンプラを使っているのかな?」
と訊く時雨。
「私はGバウンサーを…。」
「私はザクⅢですわぁ〜☆」
と言う、狭霧と荒潮。
「じゃ、電。
GバウンサーとザクⅢを持ってきてあげて。」
と言う時雨。
「はいなのです☆」
と、電は備品室に行き、GバウンサーとザクⅢを取ってくる。
「差し出がましいようですが、ガンダムXディバイダーはありませんか?」
「私はZガンダムのハイパーメガランチャーを☆」
と言う狭霧と荒潮。
それを聞いて、電は再び備品室に行き、ガンダムXディバイダーと、Zガンダムのハイパーメガランチャーを持ってきた。
ガンダムXディバイダーを受け取った狭霧は、Gバウンサーのバックパックをはずし、そこにガンダムXディバイダーのバックパックを付け、Gバウンサーの右手にガンダムXディバイダーのビームマシンガンを持たせ、左手には、ガンダムXディバイダーのディバイダーを持たせた。
そして、Zガンダムのハイパーメガランチャーを受け取った荒潮は、ザクⅢの右手にハイパーメガランチャーを持たせた。
「準備ができたようだね☆
じゃ、電と龍鳳で、狭霧と荒潮の相手をしてあげて。」
と言う時雨。
「はいなのです☆」
「わかりました。」
と答える、電と龍鳳。
こうして、狭霧と荒潮の実力テストが始まった―。