好きに推し、ホロライブに染まる   作:ゲーム小僧

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すいせいさん!?まずいですよ!!(前編)

 

 

 

「うむむ...難しいな」

 

俺は今、ホロライブに出勤しながらモモンガさんに教わった《飛行(フライ)》で空を飛べないかと試していた。

 

昨日はポルカとぶち破られた天井を直すのに使った魔法はちゃんと機能したのだ。今なら飛べると確信し、やってはみたものの30センチ程度浮きながらのホバー移動しか出来なかった。

 

早歩き程度の速度でふよふよと浮きながら移動していると通り過ぎる人々にめっちゃ見られている...あっ!動画撮るんじゃねぇ!!ちゃんと飛べてないの恥ずかしいんだぞ!?

 

 

 

 

 

 

 

「キャァァァァァァァァ!!」

 

 

 

撮られまいと顔を隠していたら悲鳴が聞こえてきた。一瞬俺が不審者と勘違いされたかと思ったが違うらしい。

 

少し離れた十路地に人集りが出来ているのが見えた。

 

「なんだ朝っぱらから...痴漢か?」

 

俺は《飛行(フライ)》を解き、人集りに走り寄った。

 

 

 

 

 

 

「怪人だ!逃げろォォォ!!」

 

「なんだコイツ!?男数人がかりでも手に負えねぇぞ!?」

 

『ギュハハハハハハ!俺は爬虫類を愛するあまり爬虫類に変異したシタノビール様だぁ!!』

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!来ないでぇぇぇぇぇ!!」

 

『そこの貴様!俺の子を産めぇ!!』

 

気色悪いカメレオン型の怪人が女性に襲いかかろうとしてる!?アカン!このままじゃ18禁展開になるゥ!!

 

『食らえ!レロレロレ...ボゲャァァァァ!?』

 

「させるかぁ!!」

 

俺は舌を伸ばそうとしていた怪人に瞬時に詰め寄り、顔をぶん殴る。拳にブチブチと嫌な感触がしたが構わず振り切った。

 

『ガッ...!ハッ...』

 

怪人は何度も地面にバウンドしながらビルの壁に叩きつけられ、気を失った様だ。

 

「ふぅ...大丈夫ですか?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「エミ子!大丈夫か!?」

 

襲われていた女性に声を掛けると横からアフロ頭の男が近寄って来た。

 

「ジョニー!この人が助けてくれたわ!」

 

「何だって!?ありがとう!!なんてお礼を言ったら良いのか...!」

 

「あぁ...いえ、お礼なんていりませんよ。それでは僕は仕事に向かうので...あの怪人を任せてもいいですか?」

 

「あぁ!白銀聖騎士団に連絡して確保して貰うよ!」

 

「はい、それじゃあよろしくお願いします」

 

俺はアフロに後始末をお願いし、さっさとホロライブに向かう。

 

(この世界じゃ白銀聖騎士団が警察みたいなもんなのかね。てことはノエル団長はお偉いさんの娘になるのかな?・・・にしても...)

 

 

 

 

 

 

あのアフロリア充じゃねぇか...(#^ω^)ピキピキ...

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ〜、怪人を一撃か...」

 

この時、アフロに殺意を抱いていた妬良は背後から見られていた事に気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ妬良さん、ちょっと私と戦ってくれない?」

 

今日の仕事を終え、事務所から出た直後にこれである。なんで?(困惑)

 

とんでもない事を聞いてきた相手は彗星の如く現れたスターの原石こと、あの星街すいせいちゃんだ。いやなんで?(二回目)

 

「えっと...どういった経緯でそうなったのですか?」

 

「今朝気持ち悪い怪人を一撃で仕留めて人助けしてたでしょ?」

 

「まぁ...成り行きでして」

 

うおォン折角アフロの事を忘れてたのにうごご...

 

「私も腕に自信があってね。ちょっと手合わせをして欲しくなったの!」

 

「いやいや、アイドルと戦ったらまずいですよ!万が一怪我とかしたら!」

 

「ふーん、ぺこちゃんのお願いは聞くのに私は駄目なの?」

 

い...痛い!言葉のナイフが痛ァい!!

 

「うぐっ、あれはゲームで勝負しただけですので...」

 

「それにほら、コレ見てよ」

 

そう言いながらすいちゃんは自身のスマホを見せてきた。

 

(何これ...え゛っ゛!゛?゛ころさんに膝枕してる時の写真だとォ!?)

 

「これが世間に流れたら大変だよね〜?ころねすきー達に消されちゃうかも」

 

(嫌ァァァ写真撮られてたァァァ!?・・・仕方ない、こうなったら...)

 

「・・・どちらも怪我をしない、という条件でしたら受けますよ」

 

「決まりだね!じゃあ行こっか♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここなら思いっ切りやれるかな?」

 

俺はすいちゃんに壁に囲まれた、焼け焦げた森の様な場所に連れて来られていた。

 

「ここは...どこですか?」

 

「ここは『燻りの森』、☆5のダンジョンだよ」

 

「ダンジョン?そんな物があるんですか?」

 

「そうだよ、モンスターも湧くしボスだって存在する。何も整備されてない土地や地中に勝手に生成されて、放置してたら危険だから壁で囲って国が管理してるんだって。詳しい事は分からないけどね」

 

知らなかったな...まだまだこの世界に馴染めていない証拠か。

 

「そんな事より早く戦おうよ!」

 

「そうですね、それではお手柔らかに」

 

すいちゃんは拳を構えている。ちゃんと約束は守ってくれそうかな?

 

「それじゃあ...行くよ!」

 

直後、すいちゃんは俺の目の前に詰め寄り、いつの間にか握り締めていた斧を振り下ろして来た。

 

「・・・ッ!?『斬鉄剣』!!」

 

俺は驚きながらも右手に赤黒い魔力を集め、『斬鉄剣』を顕現させて斧を受け止めた。

 

 

 

ガギィィィン!!

 

 

 

凄まじい轟音が鳴り響き、受け止めた俺の足元に大きな亀裂が走った。アイドルが出して良い威力じゃねえぞ!?

 

すいちゃんは防がれると思っていなかったのか、驚愕の表情を浮かべている。

 

「互いに怪我をしない、という条件の筈ですが?」

 

「・・・驚いた、まさか防がれるとはね」

 

そう呟いたすいちゃんは跳躍し、俺から距離を取った。

 

「不意打ちしちゃってごめんね。でも、確かめずにはいられなかったんだ」

 

「確かめる?何をですか?」

 

「妬良君が良い人かどうかだよ。YAGOOを助けてくれた時点で分かってはいるんだけども、こうして直接戦って君の事を知りたいんだ!」

 

「そうですか...それじゃあ」

 

二人は互いにジリジリと近づき、同時に飛び出した。

 

「とことん知って貰いましょうか!」

 

火花を散らしながら斧と剣が交差し、凄まじい衝撃音が轟いた。

 

 

 




シタノビール
白銀聖騎士団に捕らえられ、剥製にされた後に美術館に展示された。

白銀聖騎士団
ノエル団長のファンクラブの筈が精鋭が集まった結果、組織になった。警察の代わりに凶悪犯や怪人を捕らえたり駆除している。
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