好きに推し、ホロライブに染まる   作:ゲーム小僧

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ギャグ小説の筈なのに戦闘描写が続いております。よろしくお願いします_(:3」∠)_


すいせいさん!?まずいですよ!!(後編)

 

 

どれ程の時が過ぎたのか...太陽は既に沈み、月が爛々と辺りを照らしていた。

 

あれからぶっ通しで戦い続けているにも関わらず、すいちゃんは嵐を彷彿とさせる連撃を繰り出し続けている。とんでもない持久力だ。

 

怪我をさせる訳にもいかず、こちらは斧を受け流したり避けたりと防戦一方の状況が続いていた。

 

それだけならまだしも騒ぎを聞きつけ、火だるまになった犬らしきモンスター達が死角から次々と襲い掛かってくるので更に戦い辛くなっていた。俺だけじゃなく、すいちゃんにまで喰らいつこうとするもんだから厄介極まりない。

 

「このッ...うわぁッ!?」

 

「ッ!...邪魔だ犬がァ!!」

 

『ギャンッ!?』

 

すいちゃんも迫り来るモンスター達を切り払うが数が多く、隙を突かれそうになったら俺が割り込んで斬鉄剣を一閃し、モンスターを葬った。

 

「ありがとっ!!」

 

「どういたしまして!!」

 

簡単なやり取りをしつつ、モンスターを蹴散らした俺達は再び刃を交え、鍔迫り合いに持ち込んだ。

 

「妬良君凄いじゃん!!本当に一般人なの!?」

 

「この間まではそうでしたよ!!研修に参加したらこんな事になりましたけどね!!」

 

「なんで研修を受けただけでそんなに強くなるの!?可笑しくない!?」

 

本当にそうだよ。何でスタッフ業について学びに行った筈なのに特訓を受けさせられたのか。

 

まあそのおかげでこうして戦えているんだが。以前のままなら最初の不意打ちで頭をかち割られていたに違いない。

 

「ほらほら!守ってばかりじゃ勝てない...よっ!!」

 

「うわっと!?」

 

すいちゃんは斧を受け止められながらも蹴りを入れてきた。ファンならご褒美かもな!(変態)

 

かと言って此方から攻撃を仕掛けるのは不味い。サイタマ教官に鍛えられはしたものの手加減についてはあまり教わっておらず、怪人ならまだしも人間相手にパンチを放てば床に叩きつけられたトマトの如く凄惨な現場が広がる事だろう。バルナバス教官の斬鉄剣も言わずもがなだ。

 

モモンガ教官に教わった魔法は即死、状態異常の付与や死者の召喚と物騒な物ばかりだし...はぁーつっかえ!(唐突な罵倒)

 

(いや、オーディンのアビリティとあの魔法を使えばいけるか?賭けにはなるが...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参ったなぁ、確かめるだけのつもりだったのに...楽しくて仕方がないや!)

 

すいせいは突き、切り払い、袈裟斬りと斧を縦横無尽に振るうが全て防ぎ切られてしまった事により気持ちが昂り、歯止めが効かなくなっていた。

 

 

 

 

 

子供の頃から戦う事が好きだったすいせいはアイドルになる前からダンジョンに入り浸り、ただ強くなりたいと一心に戦い続けてきた。

 

その結果すいせいはA級の資格を取得し、人々から頼りにされながらも恐れられる存在になった。

 

ハンター同士で手合わせをする事はよくある話だがA級にもなると相手が極端に少なくなり、すいせいは悶々とした日々を過ごしていた。そんな状態で彼女は見てしまったのだ。妬良が一撃で怪人を気絶させた現場を。

 

怪人はモンスターよりは危険性は低いものの腐っても化物であり、一般人の手に負える存在ではない。それなのに一般人である筈の妬良が勝ち、すいせいは歓喜に震えた。

 

 

 

この人なら私を楽しませてくれるかも知れない、と。

 

 

 

 

 

かなりの時間が経過したというのに彼は息一つ乱さずに淡々と攻撃を防ぐが反撃はせず、それどころか私をモンスターから守ってくれた。からかう為に撮っていた写真を使い、脅されて来たにも関わらずに。

 

既に彼は良人である事は分かっているが止められず、この瞬間がいつまでも続いて欲しいと願ってしまっている自分がいた。

 

「おっと!?」

 

何かに躓いたのか、彼は大きく体勢を崩した。

 

「そこっ!!」

 

「しまっ!...うわっ!?」

 

隙を突いた私は斜め下から斧を振り上げ、彼は何とか反応して防ぐが剣が手から離れ、空中で溶ける様に消えた。

 

(ここまでか...)

 

私は終わりが来てしまった事を残念に思いつつ、なるべく怪我をしなくて済むように斧の側面を向け、彼に振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

斧が当たる直前、彼は仰け反りながらも笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「《境界転移(きょうかいてんい)》」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

確実に捉えていた筈だった斧は空を切り、彼は振り下ろされた斧の真横に立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「フンッ!」

 

「きゃっ!?」

 

斧を踏み付けられてしまい、思わず武器を手放してしまった。

 

「そこだっ!」

 

「っ...!!」

 

彼は掴み掛かろうと腕を伸ばして来るが後ろへ飛び退けた。しかし、それは間違った判断だった。

 

「今だ!《砂の領域・全域(サンドフィールド・オール)》!!」

 

彼が魔法を唱えた直後、周囲の煤けた地面は一瞬で砂に変化し、私に纏わりついてきた。

 

「な、なにこれ!重っ...!!」

 

重さの余り仰向けに倒れてしまい、身動きが取れなくなってしまった。何とか外そうと藻掻くがびくともしない。

 

「僕の...勝ちですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだね...私の負けだね」

 

砂で首から下をガッチガチに固められたすいちゃんは潔く負けを認めた。上手いことブラフに引っかかってくれた様だな。

 

斧が当たる寸前に使ったアビリティ、『境界転移』は瞬時に体勢を立て直し、あらゆる動作の隙を無くす技だ。

発動して数秒間だけ時間の流れが遅くなる副次的効果もあり、この効果のおかげで斧が振るわれる軌道から逃げられたって訳だ。

 

(この技と魔法を教えてくれた二人には感謝してもしきれないな)

 

「えっと...この魔法を解いてくれるとすいちゃん嬉しいな〜?」

 

おっといかんいかん、解除しなきゃ(使命感)

 

俺が指を鳴らすと砂は崩れ、自由になったすいちゃんは起き上がった。

 

「僕はどんな人間か理解して頂けましたか?」

 

「そりゃあもう。無理矢理連れて来られたのに一度も反撃しなかったし、モンスターから守ってくれた。間違いなく良い人だよ」

 

美少女に良い人とか言われたら心臓バクバク鳴るんですけど...照れるからや〜めれ〜^^

 

 

 

「妬良さんっ!大丈夫ぺこか!?」

 

ん?誰か走り寄って来たな...ってぺこちゃん!?

 

「なんですいちゃんと戦ってるぺこ!?心配したぺこよ!!」

 

うおっ!?めっちゃ怒っていらっしゃるぞ!?

 

「あ〜...ごめんぺこら、私が妬良君を確かめたくて戦いを挑んだの」

 

「戦う必要はあったぺこか!?話し合いで良かったんじゃないぺこか!?」

 

ぐうの音も出ない正論である。

 

「「ごめんなさい...」」

 

「二人共正座するぺこ!お説教の時間ぺこよ!」

 

えっ、俺も説教されるんですか?(困惑)

 

「ほら!早くするぺこ!!」

 

「「はい...」」

 

その後、朝日が顔を覗かせるまでぺこちゃんの説教は続き、タイミングを見計らって来たミオママが止めてくれたおかげで解散となった。いつから居たんだろう...?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ帰り道だった俺とぺこちゃんは無言で並びながら歩いていた。

 

非常に気まずい...アーハキソ

 

「怪我はしてないぺこか?」

 

先に沈黙を破ったのはぺこちゃんだった。

 

「はい、何とか無傷で済みました」

 

「なら良かったぺこよ。連絡出来なかったから心配したぺこ」

 

「す、すみません...」

 

脅されてたから仕方なかったんや...お姉さん許して!(課長)

 

「次はこうならないように連絡先を交換するぺこ。ほら、スマホを出すぺこ!」

 

えっ、そんな事したら野兎達に虐殺されない?(恐怖)

 

「待って下さい!アイドルであるぺこらさんとそんな事したらまずいですよ!!」

 

「またぺこーらに心配掛けるつもりぺこか!?おらっ!早く出せ!!」

 

「わ、分かりました...」

 

観念した俺はポケットからスマホを取り出し、連絡先の交換に応じた。

 

「でも...ありがとうございます。ぺこらさんにそこまで心配して頂けるとは、感謝しても仕切れませんよ」

 

「かっ、勘違いするなぺこ!ぺこーらはゲームでリベンジしたかっただけなの!!」

 

顔を真っ赤にし、指を指しながら抗議してきた。可愛い(語彙力)

 

「ほら!ぺこーらはここで別れるぺこ!眠いからって事故らない様に気をつけて帰るぺこよ!」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

母親みたいな事を言われつつも十字路で俺達は別れ、それぞれの帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(つい勢いで連絡先を交換しちゃったぺこ...)

 

ぺこらは一人になった途端に冷静になり、スマホを見ながら赤面していた。

 

(でも、なんでぺこーらは嬉しいって感じているぺこなんだろう?)

 

恥ずかしい感情がありつつも、何故かぺこらは嬉しさも感じていた。

 

(妬良さんの事を考えると胸がドキドキするぺこ...なんでだろう?)

 

顔が火照りながらも、ぺこらは足を早めた。

 

彼女がこの現象の正体に気付くのはまだまだ先の話である。




妬良京兵
仕事明けから朝方まで戦い続けた為、流石に疲れた。翌日はモン○ナをがぶ飲みしてから出勤した模様。

星街すいせい
妬良と戦えて満足しつつも悔しさを感じていた。いつかリベンジする事を誓った。

大神ミオ
ぺこらをダンジョンに連れてきてからあんまり出番が無かった。ユルシテ...ユルシテ...

兎田ぺこら
妬良が無事で安心したのに必要以上に怒ってしまい、反省した。好感度は不明。
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